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敷地造成工事等の施行に当たり、機械土工費等の積算を誤ったため、契約額が割高になっているもの


(231)−(234)

敷地造成工事等の施行に当たり、機械土工費等の積算を誤ったため、契約額が割高になっているもの

科目 (住宅・都市整備勘定) (項)住宅等建設費
部局等の名称 東京支社
工事名 (1) 多摩NT11-4-6BL仮設道路工事(平成元年度)
(2) 多摩NT6-1-2BL敷地造成その2工事(平成元年度)
(3) 多摩NT15-6BL仮設道路工事(平成元年度)
(4) 多摩NT1-1-8他1ブロック造成その他工事(平成2年度)
工事の概要
多摩ニュータウン内に住宅等を建設するため、平成元、2両年度に敷地を造成したり、道路を築造したりするなどの工事

工事費 (1) 186,945,000円
(2) 140,183,000円
(3) 295,404,000円
(4) 119,480,000円
742,012,000円
請負人 (1) 東海興業株式会社
(2) 日本国土開発株式会社
(3) 株式会社新井組
(4) 株式会社吉原組
契約 (1) 平成元年11月 指名競争契約
(2) 平成元年11月 指名競争契約
(3) 平成2年3月 指名競争契約
(4) 平成2年11月 指名競争契約
支払 (1) 平成2年1月〜2年6月 3回
(2) 平成元年12月、2年7月 2回
(3) 平成2年3月、3年1月 2回
(4) 平成2年12月 1回
割高になっている工事費 (1) 1200万円
(2) 570万円
(3) 940万円
(4) 380万円
3090万円

 上記の各工事において、土砂を掘削・積込み及び運搬するための機械土工費等の積算を誤ったため、契約額が約3090万円割高になっていると認られる。

1 工事の概要

(工事の内容)

 これらの工事は、東京支社(以下「支社」という。)が、多摩ニュータウン内の多摩市鶴牧(1)、多摩市永山(2)、八王子市南大沢(3)及び稲城市向陽台(4)の各地内において、住宅等を建設するため、敷地造成工事、道路工事、管渠工事等を施行するものである。その工事費は、それぞれ186,945,000円(1)、140,183,000円(2)、295,404,000円(3)及び119,480,000円(4)である。
 上記の敷地造成工事及び道路工事に伴い、各工事区域内において不用となる土砂が(1)の工事で36,946m3 、(2)の工事で25,331.7m3 、(3)の工事で51,313.2m3 、(4)の工事で8,148m3 と多量に発生する。このため、これらの土砂を掘削・積込み及び運搬(以下「残土処理」という。)して、残土処分場へ投棄することとしている。

(工事費の積算)

 支社では、残土処理費用の算定の基礎となる土工機械による作業を次の組合せにより行うこととしていた。

(ア) ブルドーザにより土砂を掘削し、10mから62.4m離れた残土積込み位置まで押土して集積する。

(イ) この集積された土砂をバックホウによりダンプトラックに積み込み、残土処分場へ運搬する。

 そして、上記作業の機械土工費に残土の投棄料等を加えた直接工事費を、(1)の工事で134,566,293円、(2)の工事で94,608,515円、(3)の工事で205,577,261円、(4)の工事で83,026,324円、計517,778,393円と算定していた。

2 検査の結果

 上記の直接工事費の積算について検査したところ、次のような事態になっていた。

(残土処理の積算誤り)

 住宅・都市整備公団の本社制定の「土木工事積算要領」(以下「積算要領」という。)では、昭和63年度以前の敷地造成工事等の残土処理に使用する標準的な土工機械は、土砂を掘削・押土して集積する「ブルドーザ」と集積された土砂をダンプトラックに積み込む「トラクタショベル」の組合せとしていた。このことから、支社は、本件各工事でバックホウを使用する際にも、ブルドーザを用いて土砂を掘削・押土して集積する作業が必要であると判断し、「ブルドーザとバックホウ」の組合せとしていた。
 しかし、本社は、平成元年度の積算要領の改正において、敷地造成工事の残土処理に当たっての土砂の掘削・積込み作業に用いる土工機械を、それまでの「ブルドーザとトラクタショベル」に代え、土砂を直接掘削し、積み込むことのできるより経済的な「バックホウ」によることとしている。
 したがって、本件各工事の残土処理について、一度ブルドーザにより掘削・押土して集積した土砂を、バックホウによりダンプトラックに積み込むこととした土工機械の組合せは、積算要領に照らし誤りであり、ブルドーザによる土砂の掘削・押土・集積作業の費用を別途計上する必要はないと認められた。

(その他の積算誤り)

 上記のほか、各工事において、例えば次のような誤りがあり、直接工事費が過大に積算されていた。
 (1)の工事について、土砂の掘削・積込み作業に使用するバックホウの規格について、作業現場が狭く、土量が少ない場合に適用するバケット容量0.6m3 級を採用して積算していた。しかし、本件工事は、作業現場が広く、掘削土量も10,000m3 以上と大量であるから、積算要領に基づき、バケット容量1.0m3 級を採用するなどして積算すべきであった。
 (3)の工事について、コンクリート殻処理の数量を過大に計上するなどしていた。

(割高になっている工事費)

 いま、上記により工事費を修正計算すると、直接工事費は、(1)の工事で123,609,605円、(2)の工事で90,224,872円、(3)の工事で197,498,589円、(4)の工事で79,956,885円、計491,289,951円となる。そして、共通仮設費において計上されていなかった仮設用道路の敷鉄板の経費などを考慮しても、諸経費等を含めた工事費総額は、(1)の工事で174,880,610円、(2)の工事で134,453,110円、(3)の工事で285,980,530円、(4)の工事で115,590,720円、計710,904,970円となる。
 したがって、本件各契約額は、これらに比べて(1)の工事で約1200万円、(2)の工事で約570万円、(3)の工事で約940万円、(4)の工事で約380万円、計約3090万円割高になっていると認められる。

(参考図)

(参考図)