ページトップ
  • 平成3年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第10 日本国有鉄道清算事業団|
  • 不当事項|
  • 工事

軌道新設工事の施行に当たり、機械経費の積算を誤ったため、契約額が割高になっているもの


(219) 軌道新設工事の施行に当たり、機械経費の積算を誤ったため、契約額が割高になっているもの

科目 (項)用地対策費
部局等の名称 関東支社
工事名 品川駅(基)新幹線軌道新設他1工事
工事の概要 品川駅基盤整備事業の一環として、大井地区に新幹線軌道を新設するなどの工事
工事費 229,086,237円(当初契約額101,455,000円)
請負人 東鉄工業株式会社
契約 平成2年8月 指名競争契約
しゅん功検査 平成3年11月
支払 平成3年4月、12月 2回
割高になっている工事費 1770万円
 上記の工事において、軌道新設後に実施する第2次軌道整備工事(工事費37,903,050円)に係る機械経費の積算を誤ったため、契約額が約1770万円割高になっていると認められる。

1 工事の概要

 この工事は、日本国有鉄道清算事業団関東支社(以下「支社」という。)が、品川駅基盤整備事業の一環として、品川地区の新幹線東京第一車両所を大井地区に移設するに当たり、大井地区に新幹線軌道を新設するなどの工事を工事費229,086,237円で施行したものである。

 その工事の内容は、次のとおりである。

(ア) 既に別工事で施工済みの路盤上に下砕石を敷設した後、枕木(まくらぎ)及びレールの敷設(総延長3,952.9m)、上砕石の敷設を行う。

(イ) その後、第1次軌道整備工事として、レール面を計画高さまでかさ上げするなどのために、タイタンパによる総つき固め、振動締め固め機による道床締め固め等を行う。

(ウ) さらに、第2次軌道整備工事として、車両の走行開始に伴う軌道のひずみを補正するために、タイタンパによる総つき固め、振動締め固め機による道床締め固め等を行う。

 このうち、第2次軌道整備工事は、第4回契約変更において新たな工種として追加され、第5回契約変更において数量の変更を行ったもので、軌道整備延長は3,412.1m、工事費は37,903,050円となっている。

 支社では、第2次軌道整備工事費の積算に当たり、タイタンパ及び振動締め固め機の機械経費を、日本国有鉄道清算事業団本社制定の「新幹線バラスト軌道敷設工事積算要領」(以下「積算要領」という。)によりそれぞれの機械経費の単価に施工延長を乗ずるなどして、計16,709,645円と算定していた。

2 検査の結果

 上記の機械経費の積算について検査したところ、積算要領に記載された単価は100m当たりの単価であるにもかかわらず、支社では、コンピュータにより積算する際、これを誤って1m当たりの単価として入力シートに記入し、十分に審査することなくそのまま入力して積算していた。このため機械経費を計16,709,645円と算定していたが、正しくは計167,097円となるものである。

 いま、上記の正しい機械経費に基づき本件工事費を修正計算すると、労務費、諸経費等を含めた第2次軌道整備工事の工事費は15,958,978円、また、これを含めた工事費総額は、積算漏れとなっていた支給材料のレールの加工費4,681,000円を考慮しても211,305,273円となる。したがって、本件契約額229,086,237円はこれに比べて約1770万円割高になっていると認められる。

(参考図)

(参考図)