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  • 平成8年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
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  • 第11 建設省|
  • 不当事項

補助金


(285) 道路災害防除事業の実施に当たり、法枠工費の積算を誤ったため、工事費が割高となっているもの

会計名及び科目 道路整備特別会計(項)離島道路事業費
部局等の名称 東京都
補助の根拠 道路の修繕に関する法律(昭和23年法律第282号)
事業主体 東京都
補助事業 都道八丈循環線道路災害防除
補助事業の概要 法面の崩落を防止するため、平成8年度に、法枠工、練石積工等を施工するもの
事業費 79,310,000円 (うち国庫補助対象額48,458,410円)
上記に対する国庫補助金交付額 24,229,205円
不当と認める事業費 17,117,000円 (うち国庫補助対象額10,630,000円)
不当と認める国庫補助金交付額 5,315,000円

 上記の補助事業において、法枠工費の積算を誤ったため、工事費が割高となっており、これに係る国庫補助金相当額5,315,000円が不当と認められる。

1 補助事業の概要

 この補助事業は、東京都が、都道八丈循環線道路災害防除事業の一環として、八丈島八丈町三根地区において、法面の崩落を防止するため、平成8年度に、法枠工586m2 、練石積工411m2 等を工事費79,310,000円(うち国庫補助対象額48,458,410円、これに対する国庫補助金24,229,205円)で実施したものである。
 このうち法枠工は、〔1〕 法面に鉄筋を組み立てプラスチック製の型枠を建て込む法枠組立・据付工、〔2〕 型枠内にモルタルを吹き付けて格子状に枠材を築造する法枠吹付工、〔3〕 格子枠内の地山に緑化のための種子、肥料、生育基盤材等を混合した厚層基材を吹き付ける枠内吹付工などからなっている(参考図参照)
 この法枠工費については、都制定の積算基準に基づき、法枠組立・据付工、枠内吹付工等の工種別の単価に法枠工1,000m2 を施工する場合の工種別の必要数量を乗じて算出した工種別の所要額を基に、法枠工1m2 当たりの施工単価を算定し、これに施工面積を乗じて計25,178,662円と積算していた。

2 検査の結果

 検査したところ、法枠工費の積算が次のとおり適切でなかった。
 すなわち、法枠工の施工単価の算定に当たり、枠内吹付工の単価を算出する際、枠内吹付工100m2 を施工する場合の厚層基材の所要量については、厚層基材の吹付け面積100m2 に吹付け厚さを乗じて10.3m3 とすべきところ、誤って、法枠工100m2 を施工する場合の厚層基材の吹付け面積の数値を採って68.33m3 としていた。このため、枠内吹付工の所要額が過大に算出されるなどしていて、法枠工の施工単価を過大に算定していた。
 したがって、厚層基材の所要量を適切なものにするなどして、正しい法枠工の施工単価により法枠工費を積算すると、計13,237,740円となる。

 上記により工事費を修正計算すると、諸経費等を含めた工事費総額は62,192,114円(うち国庫補助対象額37、827,887円)となり、本件工事費はこれに比べて約17,117,000円(うち国庫補助対象額約10,630,000円)割高となっており、これに係る国庫補助金相当額5,315,000円が不当と認められる。

(参考図)

(参考図)

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