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  • 平成8年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第1 農林漁業金融公庫|
  • 不当事項|
  • 貸付金

総合施設資金等の貸付けが不当と認められるもの


(293)−(295) 総合施設資金等の貸付けが不当と認められるもの

科目 貸付金
部局等の名称 盛岡、東京、東海各支店
受託金融機関 岩手県信用農業協同組合連合会(盛岡支店分)
貸付けの根拠 農林漁業金融公庫法(昭和27年法律第355号)、原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律(昭和52年法律第93号)
貸付金の種類 総合施設資金、農林漁業施設資金、水産加工資金
貸付けの内容 農林漁業者等に対する総合施設資金等の貸付け
貸付件数 3件
貸付金の合計額 293,000,000円
不当貸付金額 51,270,744円
 上記の3支店で行った3件293,000,000円の貸付けにおいて、51,270,744円の貸付けがその目的に沿わない結果になっていて、不当と認められる。

1 貸付金の概要

 農林漁業金融公庫(以下「公庫」という。)は、農林漁業者等に対して、農林漁業の生産力の維持増進等に必要な長期かつ低利の資金で、一般の金融機関から融通を受けることが困難な資金を直接又は金融機関に委託して貸し付けている。
 このうち、公庫が直接貸付けを行う場合は、公庫が借入申込書類を審査して、所定の条件を満たしていると認めたものに対して貸し付け、事業の完成状況、事業費の支払状況等によって貸付金の使途などを確認することとしている。また、公庫が金融機関に委託して貸付けを行う場合は、受託金融機関が借入申込書類の審査を行い、一部の資金については公庫が貸付決定を行うこととしているが、そのほかの資金については受託金融機関が公庫の直接貸付けの場合に準じて貸付け等の事務を行うこととしている。

2 検査の結果

 公庫の貸付けについて調査した結果、3件293,000,000円の貸付けにおいて、51,270,744円の貸付けが不当と認められる。これらの資金の借入者からは、事実と相違した内容の借入申込みや事業完成報告がされていた。しかし、これに対する審査及び確認が適切でなかったなどのため、貸付金額を過大に算定していた。
 これを貸付先別に示すと次のとおりである。

支店名
(受託金融機関名)
貸付先
(所在地)
貸付対象 貸付年月
(貸付利率)
貸付対象事業費 左に対する貸付金額 貸付金額のうち不当と認める額 摘要
千円 千円 千円
(総合施設資金)
(293) 盛岡支店
(岩手県信用農業協同組合連合会)
農業者
(久慈市)
原料果汁保管庫の新築等 6.10
(年3.5%)
72,000 72,000 24,395 低額実施
  この貸付けは、原料果汁保管庫1棟(2階建て延べ792m2 )の新築並びにドラム缶1,500本及びパレット400枚の購入に必要な資金72,000,000円を貸し付けたものである。借入者は、この事業を74,160,000円で実施したとしていたが、この額は契約額を水増ししたもので、実際は47,604,540円で実施していた。
 したがって、この事業についての適正な貸付金額を計算すると47,604,540円となるので、本件貸付金額との差額24,395,460円が過大な貸付けとなっている。
 なお、本件の不当貸付金額については、平成9年8月に繰上償還された。
(農林漁業施設資金)
(294) 東海支店 農業者
(豊橋市)
硬質ビニール温室の新築等 7.1
(年4.75%)
57,490 45,000 7,994 低額実施
 この貸付けは、硬質ビニール温室1棟(1,200m2 )及び集出荷用ガラス温室1棟(360m2 )の新築並びに水耕栽培施設の設置に必要な資金57,490,000円の一部として、45,000,000円を貸し付けたものである。借入者は、この事業を56,614,879円で実施したとしていたが、実際は値引きを受けていて、これより低額な46,257,460円で実施していた。
 したがって、この事業についての適正な貸付金額を計算すると37,005,968円となるので、本件貸付金額との差額7,994,032円が過大な貸付けとなっている。
 なお、本件の不当貸付金額については、平成9年5月に繰上償還された。
(水産加工資金)
(295) 東京支店 水産加工業者
(銚子市)
塩干品加工場の新築等 7.8
(年3.4%)
220,111 176,000 18,881 低額実施
この貸付けは、さんまの開きなどの塩干品加工場1棟(2階建て延べ1,175m2 )の新築等に必要な資金220,111,000円の一部として、176,000,000円を貸し付けたものである。借入者は、事業内容を一部変更したため事業を218,868,085円で実施したとし、貸付金1,000,000円を繰上償還していたが、実際は、塩干品加工場の新築工事について値引きを受けていて、これより低額な195,148,435円で実施していた。
 したがって、この事業についての適正な貸付金額を計算すると156,118,748円となるので、上記の繰上償還後の貸付金額175,000,000円との差額18,881,252円が過大な貸付けとなっている。
 なお、本件の不当貸付金額については、平成9年9月に繰上償還された。
(293)−(295)の計 349,601 293,000 51,270