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  • 平成8年度|
  • 第4章 会計事務職員に対する検定

国の現金出納職員に対する検定 


第1節 国の現金出納職員に対する検定

(概況)

 平成8年11月から9年10月までの間に、所管庁から現金出納職員の保管する現金の亡失についての通知を受理したものは129件819,922,445円である。これに繰越し分168件1,001,280,417円を加え、処理を要するものは297件1,821,202,862円であり、そのうち上記の期間内に処理したものは160件1,018,556,024円である。

 処理を要するもの及び処理したものの所管別内訳は、次表のとおりである。

処理を要するもの及び処理したものの所管別内訳は、次表のとおりである。

(処理したものの内訳)

処理したものの内訳は次のとおりである。

〔1〕 現金出納職員に弁償責任があると検定したもの 5件 128,401,574円
〔2〕 現金出納職員に弁償責任がないと検定したもの 28件 73,152,585円
〔3〕 現金出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額が既に補てんされているもの 114件 284,784,470円
〔4〕 現金出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額について、国と現金出納職員との間に裁判上の和解が成立しているものなど 13件 532,217,395円

(検定したものの説明)

現金出納職員に弁償責任があると検定したものの概要は次のとおりである。

〔1〕 関東郵政局管内横浜南郵便局出納員大岩某が、平成3年5月22日から6年8月17日までの間に、貯金外務事務に従事中、預金者から窃取した定額郵便貯金証書を使用して交付を受けた定額郵便貯金払戻金61,356,301円を領得したもの

〔2〕 関東郵政局管内川崎中央郵便局出納員石井某が、平成5年10月1日から6年9月22日までの間に、預金者から預かった定額郵便貯金証書を使用するなどして交付を受けた定額郵便貯金払戻金等1,019,906円を領得したもの

〔3〕 関東郵政局管内伊勢崎東本町郵便局分任繰替払等出納官吏中川某が、平成5年7月26日から6年3月8日までの間に、預金者から便宜預かった定額郵便貯金証書を使用するなどして、定額郵便貯金払戻金等21,450,849円を領得したもの

〔4〕 関東郵政局管内横浜南郵便局出納員澤山某が、平成6年7月19日から7年9月29日までの間に、契約者から受領した簡易生命保険保険料25,241,893円を受入手続をしないで領得したもの

〔5〕 東海郵政局管内伊勢郵便局出納員中村某が、平成6年8月4日及び11月1日、部内職員からの簡易生命保険に係る還付金の支払請求に対し、当該請求が正当権利者からのものであるか否かの確認を怠って払い渡した解約還付金等19,332,625円を領得されたもの

 また、現金出納職員に弁償責任がないと検定したものは、次のような事態について、いずれも現金出納職員が善良な管理者の注意を怠ったことによりその保管現金を亡失したものではないと認めたものである。

〔1〕 凶器を所持した賊が郵便局に侵入し職員を脅迫して現金出納職員の保管する現金を強取したもの

〔2〕 夜間、無人の郵便局に侵入した賊が郵便貯金自動支払機を破壊して現金出納職員の保管する現金を窃取したもの

〔3〕 郵便局の現金出納職員が金庫等に格納していた現金が、地震に伴う津波により局舎ごと流失したものなど