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  • 平成9年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第3 文部省|
  • 平成8年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項に対する処置状況

少子化等に伴う公立小中学校施設の有効活用について


少子化等に伴う公立小中学校施設の有効活用について

(平成8年度決算検査報告参照)

1 本院が表示した改善の意見

(検査結果の概要)

 文部省では、公立の小中学校の校舎等の整備を行う設置者に対してその経費の一部を負担している。そして、この公立の小中学校において、近年の少子化等を反映して、児童生徒数及び学級数は減少し、クラスルーム等として使用されていない普通教室が増加し続けている一方で、高齢者福祉サービスを始めとした福祉面等からの多様なニーズが増大している。
 そこで、学校施設の状況、クラスルーム等として使用されていない普通教室等の利用状況、設置者における検討状況等を調査したところ、学校施設としての有効活用が十分に図られていなかったり、学校以外の各種施設としての活用のニーズについて積極的に検討していなかったりしているものが数多く見受けられた。
 このような事態が生じているのは、次のことなどによると認められた。

(ア) 文部省において、学校以外の施設への転用について手続の簡素化が図られてきているが、なお十分なものとはなっていないこと

(イ) 設置者において、学校施設の現状を把握し、多様な転用のニーズについて幅広く検討できる体制が十分整備されていないこと

(ウ) 文部省において、学校施設の有効活用の方策についての検討が十分でなかったり、関係者相互間における必要な情報の提供及び交換の推進を十分図っていなかったりしていること

(検査結果により表示した改善の意見)

 公立の小中学校の学校施設は、多額の国費を投下して整備した施設であるとともに、地域住民にとって最も身近な共通財産であり、地域の多様なニーズに対応した一層の有効活用が図られるよう、次のとおり、文部大臣に対し平成9年12月に、会計検査院法第36条の規定により改善の意見を表示した。

(ア) 学校以外の施設への転用について、他の省庁との連携を図りつつ、多様なニーズに設置者が積極的に対応できるよう、一層、転用手続を明確化、簡素化し整備すること

(イ) 設置者に対し、学習スペース等の学校施設及び社会教育施設等のみならず多様なニーズについて幅広く検討できる体制を地域の実情等に応じて整備するよう指導すること

(ウ) 学校以外の施設への転用事例を収集し、その効果等について周知を図るなど学校施設の有効活用の方策を検討するとともに、関係者相互間における学校施設の状況や活用のニーズその他必要な情報の提供及び交換の推進を図ること

2 当局が講じた改善の処置

 文部省では、本院指摘の趣旨に沿い、10年11月までに、従前の各種通知を改正するなどして、公立小中学校施設の有効活用が図られるよう、次のような処置を講じた。

(ア) 学校施設の財産処分に係る取扱いを次のように改めた。

〔1〕  学校以外の施設への転用手続において、従来から、一定の施設については、財産処分報告書をもって大臣承認があったものとしていたが、今回、さらに、同報告書の対象施設に保育所と身体障害者デイサービスセンター等を追加するなど拡大を図るとともに、同報告書に係る提出書類等の簡素化を図った。

〔2〕  国庫補助事業完了後10年を経過した学校施設を公共用の施設等に無償で転用する場合は、転用する部分の残存価額に係る補助金等相当額の国庫への納付を要しない旨を規定し、明確化を図った。

(イ) 設置者が多様な転用のニーズに対応して検討を行うための体制整備に向けて努力するよう、都道府県・指定都市教育委員会施設主管課長会議を始め、各種関係会議において指導を徹底した。

(ウ) 転用事例等の収集、情報提供等については、次のように対応した。

〔1〕  厚生省と共同して、余裕教室の活用に関するパンフレットを作成し、上記名の概要及び福祉施設等への転用事例を紹介し、全国の教育委員会及び福祉担当部局に送付し周知を図った。

〔2〕  余裕教室等の学校以外の施設への転用に関する調査研究を実施し、その成果としての転用に関する事例集及び手引きを作成し、これらを関係者に配布するなどして情報提供等を行うこととした。