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  • 平成10年度|
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児童育成事業費補助金の経理が不当と認められるもの


(97)−(103) 児童育成事業費補助金の経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 厚生保険特別会計(児童手当勘定) (項)児童育成事業費
部局等の名称 東京都ほか4府県
補助の根拠 予算補助
事業主体 市5、特別区2、計7事業主体
補助事業 時間延長型保育サービス事業
補助事業の概要 市町村が平成9年度に保育所の保育時間を延長して児童を保育するもの
上記に対する国庫補助金交付額の合計 344,613,000円
不当と認める国庫補助金交付額 55,601,000円

1 補助金の概要

 児童育成事業費補助金(時間延長型保育サービス事業)は、市町村(特別区を含む。以下同じ。)が、保育所における保育時間の延長(以下「延長保育」という。)を行う場合に、その費用の一部を国が補助するものである。
 この補助金の交付額は、実施保育所ごとに、次の〔1〕 及び〔2〕 のとおり算定して得た額の合計額(以下「補助基準額」という。)と、市町村が実際にこの事業に要した額から寄付金その他の収入額を控除して得た額とを比較して少ない方の額によることとなっている。

〔1〕  延長時間に応じて類型別に定められた月額基本単価(6人分)(おおむね1時間延長の場合137,600円)に開設月数を乗じた額(以下「基本分」という。)

〔2〕  延長保育を利用した児童数が6人を超える場合には、同じく類型別に定められた月額加算単価(同1人当たり4,200円)に各月の平均加算対象児童数を乗じた額(以下「加算分」という。)及びその他の加算額
 〔2〕の平均加算対象児童数の算定に当たっては、各月初日と末日の実際の利用児童数を足して2で割った平均利用児童数から、基本分の6人を引いて算出した人数とすることとなっている。

2 検査の結果

 北海道ほか17都府県の旭川市ほか31事業主体について検査したところ、東京都ほか4府県の墨田区ほか6事業主体では、補助基準額の算定が次のとおり適切でなかった。
 すなわち、上記7事業主体では、平均加算対象児童数算定の基礎となる平均利用児童数について、延長保育を実際に利用した児童数を用いずに延長保育の希望を受けて登録した児童数を基にして計算したり、各月初日と末日の実際の利用児童数を足した後に2で割らずに計算したりしていた。
 このため、加算分を算定するに当たり用いる平均加算対象児童数が計13,021人分過大に算定されることとなり、その結果、国庫補助金55,601,000円が過大に交付されていて不当と認められる。
 これを都府県別・事業主体別に示すと次のとおりである。


都府県名 事業主体 年度 国庫補助対象事業費 左に対する国庫補助金 不当と認める国庫補助対象事業費 不当と認める国庫補助金

(97)

東京都

墨田区

9
千円
26,029
千円
26,029
千円
1,142
千円
1,142
(98)   杉並区 9 36,560 36,560 4,547 4,547
(99) 静岡県 静岡市 9 24,755 24,755 1,980 1,980
(100) 京都府 八幡市 9 19,029 19,029 3,222 3,222
(101) 大阪府 堺市 9 151,607 151,607 25,635 25,635
(102) 兵庫県 神戸市 9 72,665 72,665 17,714 17,714
(103)   西宮市 9 13,968 13,968 1,361 1,361
(97)−(103) の計
344,613 344,613 55,601 55,601