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  • 平成11年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第7 農林水産省|
  • 不当事項|
  • 補助金(159)−(167)

補助金


(167)経営基盤確立農業構造改善事業の実施に当たり、農用地の整地工費の積算を誤ったため、工事費が割高となっているもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)農林水産本省 (項)農業構造改善対策費
部局等の名称 九州農政局
補助の根拠 予算補助
補助事業者 福岡県
間接補助事業者 福岡県八女郡黒木町
間接補助事業者
(事業主体)
後野地区土地改良事業協同施行
補助事業 経営基盤確立農業構造改善
補助事業の概要 農用地を造成するため、平成10、11両年度に造成工等を施工するもの
事業費 166,965,750円
上記に対する国庫補助金交付額 81,813,217円
不当と認める事業費 8,340,150円
不当と認める国庫補助金交付額 4,086,673円

1 補助事業の概要

 この補助事業は、後野地区土地改良事業共同施行(福岡県八女郡黒木町)が、経営基盤確立農業構造改善事業の一環として、黒木町大字鹿子生後野地内において農用地5.6haを造成するため、平成10、11両年度に造成工、進入道路工等を工事費166,965,750円(国庫補助金81,813,217円)で実施したものである。
 上記のうち造成工は、既存樹園地と周辺林地等を一体的に畑地に造成するもので、畑地面の高さにする掘削押土工の後に地面の不陸を整正し平らな畑地面に仕上げる整地工等の工種に分かれている。
 この工事の設計積算は、事業主体から要望を受けて黒木町が行っている。そして、同町ではこのうち整地工の工費については、農林水産省が定めている積算基準におけるブルドーザ敷均し・締固めの歩掛かりを適用して、1m3 当たりの単価を144円と算出し、これに土量174,641m3 を乗じて25,148,304円と積算していた。

2 検査の結果

 検査したところ、整地工費の積算が次のとおり適切でなかった。
 すなわち、整地工における作業は、掘削押土工により畑地面の高さにした地面を平らにならすものであり、積算基準によれば、ブルドーザ畑面整地の歩掛かりを適用することとなっているのに、同町では、誤って、土砂を敷きならしたうえ転圧して締め固める作業に適用することとなっている前記ブルドーザ敷均し・締固めの歩掛かりを適用していた。
 したがって、ブルドーザ畑面整地の歩掛かりにより整地工費を積算すると、1ha当たりの単価156,470円に、農道、水路等となる部分を除いた面積5.11haを乗じた799,561円となり、差し引き24,348,743円が過大に積算されていた。
 このような事態が生じていたのは、事業主体に代わって積算を行った同町の積算基準に対する理解が十分でなかったこと、福岡県の指導が十分でなかったことなどによると認められる。
 上記により工事費を修正計算すると、掘削押土工費の積算に当たり運土距離の算出を誤ったことにより積算過小となっていた同工費等13,105,523円を考慮するなどしても、諸経費等を含めた工事費総額は158,625,600円となり、本件工事費はこれに比べて8,340,150円割高となっており、これに係る国庫補助金相当額4,086,673円が不当と認められる。

 

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