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  • 平成12年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
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  • 補助金

地域活性化創造技術研究開発費補助金の経理が不当と認められるもの


(198)(199)地域活性化創造技術研究開発費補助金の経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)中小企業庁 (項)中小企業対策費
部局等の名称 関東経済産業局(平成13年1月5日以前は通商産業省関東通商産業局)
補助の根拠 予算補助
補助事業者 栃木県、東京都
間接補助事業者
(事業主体)
情報処理サービス業者ほか1中小企業者
補助事業 地域活性化創造技術研究開発 2事業
(平成10年度は「地域産業創造技術研究開発」)
補助事業の概要 中小企業者が新製品、新技術等に関する研究開発等を行うもの
事業費の合計 77,722,710円 (平成10、12両年度)
上記に対する国庫補助金交付額の合計 23,115,500円
不当と認める事業費 19,347,665円 (平成10、12両年度)
不当と認める国庫補助金交付額 5,504,250円

1 補助金の概要

 地域活性化創造技術研究開発費補助金(平成10年度は「地域産業創造技術研究開発費補助金」)は、中小企業の技術開発を促進し技術改善を図り、もって中小企業製品の高付加価値化等に資することを目的とし、中小企業者が行う新製品、新技術等の研究開発等に要する経費の一部を国が都道府県を通じて補助するものである。
 この補助の対象となる事業費は、上記事業の補助事業期間中に要した機械装置等の購入費や研究開発に直接関与する研究者の人件費などの経費であり、このうち人件費は臨時に雇用される者の給与を除くこととなっている。そして、国庫補助金として、当該経費の3分の1以内で、かつ都道府県が事業主体へ補助する額の2分の1以内の額を都道府県へ交付することとなっている。
 そして、事業主体となる中小企業者は、事業完了後に、実績報告書を都道府県に提出し、都道府県はこれに基づいて事業の実施状況を確認することとなっている。

2 検査の結果

 北海道ほか28都府県において233件の補助事業について検査したところ、東京都ほか1県の2件の補助事業(補助対象事業費計75,220,710円)において、事業主体が、補助事業に従事していなかった者や臨時に雇用されている者に係る人件費を補助対象事業費に含めるなどしていた。このため、補助対象事業費19,347,665円が過大になっていて、これに係る国庫補助金相当額5,504,250円が不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、事業主体が事実と相違した内容の実績報告を行っていたこと、都県の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。
 これを都県別・事業主体別に示すと次のとおりである。

都県名 事業主体 補助事業 年度 事業費 左に対する国庫補助金 不当と認める補助対象事業費 不当と認める国庫補助金 摘要
補助対象事業費
千円 千円 千円 千円
(198) 栃木県 情報処理サービス業者 地域産業創造技術研究開発 10 31,727
(30,785)
8,304 7,326 1,497 補助の対象外及び精算過大
 この補助事業は、重度障害者のための新しい意志伝達システムの開発を行うものである。事業主体は、本件事業の実施に当たり、研究者の人件費等に要したとする事業費 31,727,830円(補助対象事業費 30,785,830円)に対して、国庫補助金8,304,000円の交付を受けていた。
 しかし、事業主体は、上記の補助対象事業費に、補助の対象とならない臨時に雇用されている者に係る人件費5,535,600円及び事業主体の給与体系上負担しない超過勤務時間に係る人件費1,790,950円を含めていた。
 したがって、適正な補助対象事業費は23,459,280円となり、前記の補助対象事業費30,785,830円との差額7,326,550円に係る国庫補助金相当額1,497,250円が過大に交付されていた。
(199) 東京都 ソフトウェア業者 地域活性化創造技術研究開発 12 45,994
(44,434)
14,811 12,021 4,007 補助の対象外及び精算過大
 この補助事業は、中小企業向けの電子商取引システムパッケージの開発を行うものである。事業主体は、本件事業の実施に当たり、研究者の人件費等に要したとする事業費45,994,880円(補助対象事業費44,434,880円)に対して、国庫補助金14,811,500円の交付を受けていた。
 しかし、事業主体は、上記の補助対象事業費に、本件事業に従事していなかった者(5名)に係る人件費10,924,880円及び研究者の時間給を増額するなどして水増しした人件費1,096,235円を含めていた。
 したがって、適正な補助対象事業費は32,413,765円となり、前記の補助対象事業費44,434,880円との差額12,021,115円に係る国庫補助金相当額4,007,000円が過大に交付されていた。
(198)(199)の計 77,722
(75,220)
23,115 19,347 5,504