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  • 平成13年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第8 厚生労働省|
  • 不当事項|
  • 補助金

医療施設等施設整備費補助金の経理において、補助の対象に含めないこととなっている経費を補助対象経費に算入していたため、補助対象事業費の精算が過大となっているもの


(62) 医療施設等施設整備費補助金の経理において、補助の対象に含めないこととなっている経費を補助対象経費に算入していたため、補助対象事業費の精算が過大となっているもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)厚生本省 (項)保健衛生施設整備費
部局等の名称 厚生本省(交付決定庁)(平成13年1月6日以降は厚生労働本省)
栃木県(支出庁)
補助の根拠 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律(昭和62年法律第106号)
補助事業者
(事業主体)
社団法人栃木県医師会
補助事業 再編成公的医療機関等施設整備事業
補助事業の概要 地域住民の医療の確保・充実を図るなどのため、国立病院等の譲渡を受けた公的医療機関の開設者等が開設する病院の施設整備を行うもの
上記に対する国庫補助金交付額 24,912,000円 (平成10年度)
不当と認める国庫補助金交付額 1,500,000円 (平成10年度)

1 補助金の概要

 医療施設等施設整備費補助金(再編成公的医療機関等施設整備事業分)は、地域住民の医療の確保・充実を図るなどのため、国立病院等の譲渡を受けた公的医療機関の開設者等が開設する病院(以下「譲渡施設」という。)の施設を整備する事業に対して補助するものである。この補助金の交付額は、〔1〕補助対象経費の実支出額、〔2〕総事業費から当該事業に係る寄附金その他の収入額を控除した額、〔3〕所定の基準額を比較して、そのうち最も少ない額を補助対象事業費とし、これに2分の1を乗じて得た額となっている。そして、上記〔1〕の補助対象経費は、譲渡施設の運営に必要な施設の改築等の工事費とし、設計その他の工事に伴う事務に要する費用は補助の対象に含めないこととなっている。
 社団法人栃木県医師会では、平成9年に国立塩原温泉病院の譲渡を受けて栃木県医師会温泉研究所附属塩原病院を開設している。そして、10年度に実施した理学療法室等の改修に係る施設整備事業について、補助対象経費の実支出額及び総事業費から収入額を控除した額はともに49,825,000円であるとし、これが基準額より少ないことから、この額を補助対象事業費として厚生省に実績報告書を提出し、これを基に24,912,000円の国庫補助金の交付を受けていた。

2 検査の結果

 検査したところ、同医師会では、実績報告書の提出に当たり、上記補助対象経費の実支出額49,825,000円に補助対象経費には含めないこととなっている理学療法室等の改修に係る設計委託に要した費用3,000,000円を算入していた。
 したがって、適正な補助対象経費の実支出額は46,825,000円となり、この額が基準額などと比べて最も少なくなることから、同金額が適正な補助対象事業費となり、補助対象事業費が過大に精算されている。そして、適正な補助対象事業費に基づき国庫補助金額を算定すると23,412,000円となり、交付額との差額1,500,000円が過大となっていて、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、同医師会において補助制度の内容についての理解が十分でなかったこと、厚生省において同医師会から提出された実績報告書の審査、確認が十分でなかったことなどによると認められる。