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  • 平成13年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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補助金


(215) 林業地域総合整備事業の実施に当たり、練石積工の施工が著しく粗雑となっていたり、橋りょう工の設計が適切でなかったりしたため、工事の目的を達していないもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)林野庁 (項)森林環境整備事業費
部局等の名称 林野庁
補助の根拠 森林法(昭和26年法律第249号)
補助事業者 広島県
間接補助事業者
(事業主体)
広島県佐伯郡湯来町
補助事業 林業地域総合整備
補助事業の概要 排水施設を整備するため、平成10、11両年度に流路工、練石積工、橋りょう工等を施工するもの
事業費 60,648,000円
上記に対する国庫補助金交付額 33,356,400円
不当と認める事業費 7,098,613円
不当と認める国庫補助金交付額 3,904,237円

1 補助事業の概要

 この補助事業は、広島県佐伯郡湯来町が、林業地域総合整備事業の一環として、同町古塚地区において、砂防指定地(注) 内を流下する川角川の護岸を補修して排水施設を整備するため、平成10、11両年度に流路工、練石積工、橋りょう工等を工事費60,648,000円(国庫補助金33,356,400円)で実施したものである。
 このうち練石積工及び橋りょう工については、次のとおり設計し、これにより施工することとしていた。

(1) 練石積工について

 練石積工(高さ0.2mから2.5m、延長計156.6m、面積計191.2m )は、流路工の背後地の土留めを目的として、流路工背面の埋戻し部分などの上に径25cmから30cmの野面(のづら)石を用いて施工するものである(参考図参照)
 そして、土木工事共通仕様書等によると、練石積工は次のように施工することとしていた。
〔1〕 基礎地盤となる流路工背面の埋戻しの施工に当たっては、沈下などにより練石積の安定に影響が生じないように一層の仕上がり厚を30cm以下を基本として十分締固めを行う。
〔2〕 野面石と地山との間には型枠(以下「裏型枠」という。)を設けて胴込めコンクリートを十分に充てんしながら野面石を所定の高さまで積み上げる。

(2) 橋りょう工について

 橋りょう工は、流路工の施工に伴って失われる既設の橋りょうの機能を回復することを目的として、4橋施工するものである。そして、最上流に施工する橋りょう(1号橋)及び最下流に施工する橋りょう(4号橋)は、それぞれ橋長2.9m、幅員3.5mとなっており、これらはL型のコンクリート二次製品を橋台として設置して、これに桁を架設するものである。また、1号橋と4号橋の間に施工する橋りょう(2号橋及び3号橋)は、それぞれ橋長2.9m、幅員2.0mとなっており、流路工に桁を架設するものである(参考図参照)
 そして、各橋りょうの桁下高(流路工の底版上面から桁下までの高さ)については、1号橋では2.2m、2号橋及び3号橋では1.2m、4号橋では1.0mと、それぞれ設計し、これにより施工していた。

2 検査の結果

 検査したところ、練石積工の施工及び橋りょう工の設計が、次のとおり適切でなかった。

(1) 練石積工について

 練石積の基礎地盤や胴込めコンクリートについて検査したところ、次のような状況となっていた。
 基礎地盤となる流路工背面の埋戻しの施工に当たって締固めを十分行っていなかった。そして、胴込めコンクリートの充てんに当たっては裏型枠を設けることなく、野面石を積み上げる際、部分的にコンクリートを充てんしているだけであり、中には野面石の背面に胴込めコンクリートを全く充てんしていない箇所もあった。
 これらの施工の結果、練石積は基礎地盤の支持力が低下して沈下が生じたり、野面石と胴込めコンクリートが一体化しなかったりしており、一部には野面石と胴込めコンクリートの間に最大4.5cmのすき間が生じていた(参考図参照)
 このような事態が生じていたのは、埋戻しにおける十分な締固め及び胴込めコンクリートの充てんに当たっての裏型枠設置など必要な作業を行わないまま粗雑な施工をしていたのに、これに対する同町の監督及び検査が適切でなかったことなどによると認められる。

(2) 橋りょう工について

 広島県では、砂防指定地内を流下する河川に施工する橋りょうについて「建設省河川砂防技術基準(案)」(社団法人日本河川協会編)に準拠して「砂防技術指針」(以下「技術指針」という。)を定めている。技術指針によれば、川角川が砂防指定地内を流下する河川であることから、橋りょうの桁下高は、計画高水位に、流路工としての余裕高(0.6m)と、流木等による橋りょうの破壊等を考慮した橋りょうとしての余裕高(0.5m)を加算した高さ以上とすることとなっている。
 そこで、技術指針に基づき、前記の各橋りょうで必要となる桁下高を計算すると、2号橋では1.7m、3号橋では1.6m、4号橋では1.7mとなり、2号橋では0.5m、3号橋では0.4m、4号橋では0.7mそれぞれ桁下高が不足することとなる。このように、2号橋から4号橋までの3橋は設計が適切でなかったため流木等により破壊されるなどのおそれがあると認められる。
 このような事態が生じていたのは、設計に当たり、同町において技術指針を理解していなかったことによると認められる。
 したがって、本件練石積工は施工が粗雑であったため、また、2号橋から4号橋までの3橋は桁下高の設計が適切でなかったため、工事(これらの工事費相当額7,098,613円)の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金相当額3,904,237円が不当と認められる。

砂防指定地 砂防法(明治30年法律第29号)に基づき、砂防設備を要する土地又は治水上砂防のため一定の行為を禁止若しくは制限する土地として主務大臣が指定した土地

(参考図)

(参考図)

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