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  • 平成13年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • 補助金

補助事業等の実施に当たり、架空に経理されていた額を事業費としていて不当と認められるもの


(247) 補助事業等の実施に当たり、架空に経理されていた額を事業費としていて不当と認められるもの

科目 (一般勘定)  (項)競馬事業費
(特別振興資金勘定)  (項)畜産振興事業費
部局等の名称 日本中央競馬会
補助等の根拠 日本中央競馬会法(昭和29年法律第205号)
事業主体 (1) 社団法人全国家畜畜産物衛生指導協会
(2) 社団法人中央畜産会
事業の委託先
社団法人東京都畜産会

事業名 (1) 馬自衛防疫体制確立推進事業
(2) 畜産総合情報センターシステム整備事業ほか1事業
事業の概要 (1) 競馬の健全な発展を図るために必要な業務のうち馬産の改良等に寄与するものと認めたもの
(2) 経営又は技術の指導の事業など畜産振興事業等について助成するもの
委託先における事業費 (1) 5,748,000円 (平成10事業年度〜12事業年度)
(2) 3,733,320円 (平成10事業年度〜12事業年度)
9,481,320円  
上記に対する補助金等交付額 (1) 3,161,400円  
(2) 3,733,320円  
6,894,720円  
不当と認める事業費 (1) 895,326円 (平成10事業年度〜12事業年度)
(2) 999,098円 (平成10事業年度〜12事業年度)
1,894,424円  
不当と認める補助金等交付額 (1) 492,429円  
(2) 999,098円  
1,491,527円  

1 補助事業の概要

 (1)の助成事業は、社団法人全国家畜畜産物衛生指導協会(以下「全国衛指協」という。)が事業実施主体となって平成10事業年度から12事業年度までの間に、日本中央競馬会助成金交付要綱(昭和42年理事長達第5号)に基づく日本中央競馬会の助成金の交付を受けて、馬自衛防疫体制確立推進事業を実施し、社団法人東京都畜産会(以下「都畜産会」という。)がその一部を事業費5,748,000円(助成金相当額3,161,400円)で受託して実施したものである。
 (2)の補助事業は、社団法人中央畜産会が事業実施主体となって10事業年度から12事業年度までの間に、日本中央競馬会畜産振興交付金交付要綱(平成3年理事長達第21号)に基づく補助金の交付を受けて、畜産総合情報センターシステム整備事業等を実施し、都畜産会がその一部を事業費3,733,320円(補助金相当額同額)で受託して実施したものである。
 都畜産会は、東京都における畜産経営の健全な発展を図るため、畜産農家等の指導・支援を行う団体であり、上記事業のほか、農林水産省及び農畜産業振興事業団より直接又は間接に補助等を受け各種事業を実施している。

2 検査の結果

 検査したところ、上記事業の実施及び経理が次のとおり適切でなかった。
 すなわち、都畜産会では、各種の会議、農家へのモニタリングなどを行うための出張等に要した費用として(1)について5,748,000円、(2)について3,733,320円を全国衛指協等に対する実績報告書に計上していた。しかし、この会議、出張等の一部はその事実が無く、それに要したとする費用(1)について895,326円、(2)について999,098円は架空の関係書類等により会場借上料、謝金、旅費等の名目で払い出した額であった。そして、都畜産会では、これらを簿外の資金に繰り入れて飲食費等の費用や役職員の手当に充てるなどしていた。
 このような事態が生じていたのは、都畜産会において事実に基づく適正な会計経理を行うという基本認識が欠けていたこと、全国衛指協等の都畜産会に対する審査及び指導が十分でなかったこと、日本中央競馬会の全国衛指協等に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
 したがって、事実と相違した架空の名目で支払ったとし、簿外で経理するなどしていた事業費の額に係る助成金相当額(1)について492,429円及び補助金相当額(2)について999,098円、計1,491,527円が不当と認められる。

(参考)