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  • 平成13年度|
  • 第4章 特定検査対象に関する検査状況|
  • 第1 金融システムの安定化のための緊急対策等の実施状況について|
  • 3 検査の状況|
  • (2) 金融システムの安定化のための緊急対策等の実施状況|
  • カ 日銀特融等の実施状況

社団法人新金融安定化基金への拠出


(社団法人新金融安定化基金への拠出)

 社団法人新金融安定化基金が、金融システムの安定化及び内外からの信頼確保に資することを目的として設立されるに当たり、日本銀行は、8年10月、信用制度全体の安定を確保する観点から、当該社団法人に設けられた基金に対し、金融機関の資本基盤の構築等を支援する事業に充てるための資金を1000億円拠出した。
 当該基金は、9年4月、資本増強策等を骨子とする経営再建策を発表していた日本債券信用銀行に対し、総額3000億円の増資計画のうち800億円の優先株式の引受けを実施した。その後、日本債券信用銀行は、前記のとおり、金融機能再生法に基づき、10年12月、特別公的管理銀行となり、預金保険機構が当該優先株式を取得することとなった。そして、金融再生委員会に設置された株価算定委員会(当時)が、11年6月、当該優先株式の対価の額を0円と決定したため、日本銀行の当該基金への拠出金の一部が毀損することになった。このため、日本銀行は、10年度決算において、新金融安定化基金拠出金損失引当金繰入額として800億円を計上し、11年度に上記の拠出金800億円を直接償却した。