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  • 平成13年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 2 国が資本金の2分の1以上を出資している法人の決算|
  • (2) 公団、事業団等の決算|
  • (事業団)

中小企業総合事業団


(13) 中小企業総合事業団

 この事業団は、次の業務等を行うことにより中小企業の振興、小規模企業者の福祉の増進及び中小企業の経営の安定に寄与することなどを目的として設置されているものである。

(ア) 中小企業構造の高度化及び中小企業の新事業の開拓を促進するために必要な指導、資金の貸付け、出資及び助成等の事業を総合的に実施し、併せて中小企業の経営管理の合理化及び技術の向上を図るために必要な研修、指導等の事業を行う業務

(イ) 中小企業に対する事業資金の融通を円滑にするために債務の保証等についての保険及び信用保証協会に対する資金の貸付けを行うなどの業務。

(ウ) 小規模企業共済法(昭和40年法律第102号)及び中小企業倒産防止共済法(昭和52年法律第84号)による共済制度の運営等を行う業務

(エ) 新事業創出促進法(平成10年法律第152号)による創業促進に関する業務

 このうち、同事業団信用保険部門 で実施している上記(イ)を除く業務に関する収入支出決算等についてみると、次のとおりである。
 その資本金は13事業年度末現在で1兆2576億9611万余円(全額国の出資)となっている。
同事業団の会計は、高度化、新事業開拓促進及び指導研修勘定、小規模企業共済勘定並びに中小企業倒産防止共済勘定の3勘定に区分して経理されている。
 同事業団の勘定別の13事業年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。

(高度化、新事業開拓促進及び指導研修勘定)

 この勘定は、中小企業構造の高度化及び中小企業の新事業の開拓を促進するために必要な指導、資金の貸付け、出資及び助成等の事業、経営管理の合理化、技術の向上を図るための指導、研修等の事業等に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

区分 13事業年度 (12事業年度)
  千円 千円
(収入)    
 収入決定済額 195,872,954 179,256,421
(支出)    
 支出予算現額 273,171,752 284,669,755
 支出決定済額 106,854,427 122,108,658
 翌事業年度繰越額 13,736,187 19,577,868
 不用額 152,581,137 142,983,228

 翌事業年度繰越額の主なものは貸付金(支出予算現額1802億6284万余円)の136億2545万余円である。また、不用額の主なものは、貸付金の1265億8026万余円、出資金(同200億円)の172億円及び助成金(同24億円)の20億0900万円である。

2 損益

区分 13事業年度 (12事業年度)
  千円 千円
 経常収益 87,582,119 95,004,152
 (うち貸付事業収入) (12,834,594) (13,635,033)
 経常費用 78,119,720 87,995,216
 (うち貸付事業費) (6,963,873) (8,369,695)
 特別損失 46,486 48,556
 当期利益金 9,499,916 7,047,946
(利益金の処理)    
 翌事業年度に新事業開拓促進資金に繰入 2,960,000 2,850,000
 翌事業年度に積立金として整理 6,539,916 4,197,946

3 借入金等

区分 13事業年度末 (12事業年度末)
  千円 千円
借入金残高 11,665,714 14,286,946
(都道府県等)    
中小企業総合事業団債券発行残高 122,790,000 154,560,000
積立金残高 36,784,335 32,586,388

4 主な業務実績

(1) 貸付業務

区分   13事業年度 (12事業年度)
貸付け 件数 210件 272件
  金額 40,057,129千円 69,022,425千円
貸付金回収等 金額 158,377,643千円 139,385,652千円
(うち繰上償還)   (61,081,709千円) (28,895,464千円)
(うち貸付金償却))   (166,758千円) (39,449千円)
事業年度末貸付金残高 件数 5,776件 6,264件
  金額 953,434,372千円 1,071,754,887千円
 上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に事業団において開示している債権    
  破綻先債権   26,219,214千円 19,818,808千円
  延滞債権   36,325,807千円 32,457,187千円
  3カ月以上延滞債権   4,564,477千円 3,110,625千円
  貸出条件緩和債権   109,579,334千円 91,873,548千円
  176,688,832千円 147,260,169千円
 貸倒引当金   47,671,718千円 53,587,744千円
 (貸倒引当金計上率)(注) (50/1000) (50/1000)
 (注)
 貸倒引当金に計上する金額は、当該事業年度末における貸付金残高に50/1000を乗じて得た金額とされている。

(2) 出資業務

区分   13事業年度 (12事業年度)
出資 会社数 5社 8社
  件数 5件 8件
  金額 2,800,000千円 3,550,000千円
事業年度末出資金残高 会社数 55社 51社
  件数 59件 54件
  金額 19,274,577千円 16,063,053千円

(小規模企業共済勘定)

 この勘定は、小規模企業共済事業及び小規模企業共済契約者に対する資金の貸付事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

区分 13事業年度 (12事業年度)
  千円 千円
(収入)    
 収入決定済額 1,650,758,609 1,598,074,719
(支出)    
 支出予算現額 1,833,670,535 1,712,417,734
 支出決定済額 1,494,420,816 1,396,274,618
 不用額 339,249,718 316,143,116

 不用額の主なものは、貸付金(支出予算現額9015億4697万余円)の2524億5847万余円、借入金償還(同3533億9838万余円)の393億7343万余円及び解約手当金(同907億3669万余円)の255億8049万余円である。

2 損益

区分 13事業年度 (12事業年度)
  千円 千円
 経常収益 8,453,881,681 8,221,382,678
 (うち共済事業収入) (685,437,716) (701,899,963)
 経常費用 8,483,240,309 8,232,626,475
 (うち共済事業費) (518,423,688) (470,157,444)
 当期損失金 29,358,753 11,243,797
(損失金の処理)    
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 29,358,753 11,243,797
(繰越欠損金 328,570,385 317,326,587)

3 責任準備金

区分 13事業年度末 (12事業年度末)
  千円 千円
責任準備金残高 7,958,059,966 7,755,281,927

4 主な業務実績

区分   13事業年度 (12事業年度)
共済契約 契約件数 75,858件 85,003件
  事業年度末契約件数 1,920,092件 1,992,514件
共済金の支払 件数 53,470件 52,513件
  金額 447,004,170千円 402,735,604千円
貸付け 件数 130,219件 131,072件
  金額 319,238,700千円 309,169,220千円
貸付金回収 金額 301,949,022千円 272,292,209千円
事業年度末貸付金残高 件数 105,841件 103,013件
  金額 248,330,414千円 231,040,736千円

(中小企業倒産防止共済勘定)

 この勘定は、中小企業倒産防止共済事業に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

区分 13事業年度 (12事業年度)
  千円 千円
(収入)    
 収入決定済額 182,194,898 185,325,622
(支出)    
 支出予算現額 230,275,188 210,122,142
 支出決定済額 210,087,723 181,686,145
 不用額 20,187,464 28,435,996

 不用額の主なものは、解約手当金(支出予算現額680億2436万余円)の143億4906万余円及び貸付金(同1355億7770万円)の40億7080万円である。

2 損益

区分 13事業年度 (12事業年度)
  千円 千円
 経常収益 743,311,423 752,162,284
 (うち共済事業収入) (56,541,913) (61,314,827)
 経常費用 743,324,077 752,183,434
 (うち共済事業費) (55,772,806) (51,953,104)
 当期損失金 14,591 21,150
(損失金の処理)    
 翌事業年度に積立金を減額整理 14,591 21,150

3 倒産防止共済基金等

区分 13事業年度末 (12事業年度末)
  千円 千円
倒産防止共済基金残高 654,627,282 667,367,383
積立金残高 451,535 472,685

4 主な業務実績

区分   13事業年度 (12事業年度)
共済契約 契約件数 16,174件 18,224件
  事業年度末契約件数 377,619件 405,076件
貸付け 件数 26,740件 23,873件
  金額 131,506,900千円 107,782,350千円
貸付金回収等 金額 115,104,659千円 114,487,279千円
(うち貸付金償却)   (12,510,620千円) (13,198,283千円)
事業年度末貸付金残高 件数 90,603件 86,227件
  金額 378,246,620千円 361,844,379千円
 上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に事業団において開示している債権    
  破綻先債権   49,223,675千円 46,557,693千円
  延滞債権   42,366,980千円 41,463,707千円
  3カ月以上延滞債権   7,322,875千円 7,698,895千円
  貸出条件緩和債権   31,891,859千円 28,065,676千円
  130,805,390千円 123,785,972千円
 貸倒引当金   17,929,686千円 17,127,626千円
 (貸倒引当金計上率)(注) (5/100) (5/100)
(注)
 中小企業倒産防止共済勘定の貸付金には共済貸付金、一時貸付金がある。共済貸付金の貸倒引当金に計上する金額は、当該事業年度末における貸付金残高に5/100を乗じて得た金額とされている。なお、一時貸付金の貸倒引当金は設定されていない。

 なお、この事業団について検査した結果、「第3章 個別の検査結果」に「中小企業高度化資金の貸付けが不当と認められるもの」 を掲記した。