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  • 平成14年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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補助金


(230)フードシステム連携強化・循環推進対策事業で設置した原料野菜の貯蔵用プレハブ冷蔵庫が利用されておらず、補助の目的を達していないもの

会計名及び科目 一般会計  (組織)農林水産本省  (項)総合食料対策費
部局等の名称 関東農政局
補助の根拠 予算補助
補助事業者 神奈川県
間接補助事業者(事業主体) 神奈川県経済農業協同組合連合会(平成15年4月以降は全国農業協同組合連合会神奈川県本部)
補助事業 フードシステム連携強化・循環推進対策
補助事業の概要 地域における加工・業務用原料野菜の生産の維持と供給体制を整備して供給の安定化を図るため、平成13年度にその貯蔵施設等を整備するもの
事業費 20,560,000円
上記に対する国庫補助金交付額 10,280,000円
不当と認める事業費 18,500,000円
不当と認める国庫補助金交付額 9,250,000円

1 補助事業の概要

 この補助事業は、神奈川県経済農業協同組合連合会(平成15年4月以降は全国農業協同組合連合会神奈川県本部。以下「経済連」という。)が、フードシステム連携強化・循環推進対策事業の一環として、地域における加工・業務用原料野菜の生産の維持と供給体制を整備して供給の安定化を図るため、13年度に、横浜市内において原料野菜の貯蔵用プレハブ冷蔵庫(床面積97.2m 、貯蔵能力27.2t)の設置及び運搬用コンテナ3,000個の購入を事業費20,560,000円(国庫補助金10,280,000円)で実施したものである。
 そして、本件補助事業において、原料野菜を生産する地区として、経済連と加工業者等との間で原料野菜を長期に継続して取引する基本契約を締結するなどして周年安定供給等に取り組む地区を対象としていて、経済連では、横浜市以外でこの要件に該当する神奈川県内の南部及び西部地域に所在する12産地を対象としていた。

2 検査の結果

 検査したところ、次のとおり設置した冷蔵庫が補助目的どおりに利用されていなかった。
 経済連では、3年及び4年に、漬物加工業者、飲食業者等の7業者との間で原料野菜の売買基本契約を締結し、これに基づいて大根、キャベツなど4品目の原料野菜(12年の契約数量1,180t)を前記産地の農協の集出荷施設に集め、この施設から直接業者に出荷していた。
 その後、本件補助事業により冷蔵庫を設置し、産地の集出荷施設に集めた原料野菜をすべて本件冷蔵庫に搬入・貯蔵した後、業者に出荷することとした。これによって、周年安定した出荷が可能となり、業者との取引が安定・継続するとして、本件補助事業に係る事業計画では、原料野菜の契約数量の17年目標を1,770tと設定し、生産の拡大を図ることとしていた。
 しかし、本件冷蔵庫等の利用状況をみると、経済連では、本件冷蔵庫を設置した後も、購入したコンテナを利用して、従前どおり原料野菜はすべて産地の集出荷施設から直接業者に出荷しており、本件冷蔵庫に貯蔵した実績は全くなく、今後も貯蔵する予定はない状況であった。なお、本件冷蔵庫は補助事業の対象となっていない横浜市内の野菜産地の集出荷施設として、前記目標とされた数量の1割程度が使用されているにすぎない状況であった。
 このような事態が生じていたのは、経済連において原料野菜の出荷方法を変更することの当否の検討が十分でなかったこと、神奈川県において経済連に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
 したがって、本件冷蔵庫(事業費18,500,000円)は補助の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金相当額9,250,000円が不当と認められる。

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