社会福祉・医療事業団

（８）社会福祉・医療事業団

　この事業団は、次の業務を行うことにより、社会福祉の増進並びに医療の普及及び向上を図ることを目的として設置されているものである。

（ア）社会福祉事業施設及び病院、診療所等の設置等に必要な資金の融通

（イ）社会福祉事業施設及び病院、診療所等に関する経営指導

（ウ）社会福祉施設職員等退職手当共済制度の運営

（エ）心身障害者扶養保険事業の実施

（オ）社会福祉振興事業者に対する助成

（カ）厚生年金保険、船員保険又は国民年金の年金受給権者に対する小口資金の融資

　その資本金は１４事業年度末現在で２９２５億５０００万円（全額国の出資）となっている。
　同事業団の会計は、一般、長寿・子育て・障害者基金及び年金担保貸付の３勘定に区分して経理され、一般勘定は、さらに、一般、共済及び保険の３経理に区分されている。
　同事業団の勘定及び経理別の１４事業年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。

（一般勘定）

　（一般経理）

　この経理は、社会福祉事業施設を設置し又は経営する社会福祉法人等に対する社会福祉事業施設の設置、整備又は経営に必要な資金の貸付け、病院、診療所、介護老人保健施設等を開設する個人、医療法人等に対する病院等の設置、整備又は経営に必要な資金の貸付け等の事業に関するものである。

１　収入支出決算

区分	14事業年度	(13事業年度)
	千円	千円
(収入)
収入決定済額	82,402,197	85,928,282
(支出)
支出予算現額	89,360,968	94,220,746
支出決定済額	85,816,854	88,705,583
不用額	3,544,113	5,515,162

２　損益

区分	14事業年度	(13事業年度)
	千円	千円
経常収益	91,631,341	99,601,740
(うち貸付金利息)	(68,050,798)	(71,859,061)
経常費用	91,605,896	99,588,703
(うち借入金利息)	(79,179,303)	(82,083,754)
特別損失	25,445	13,036

３　借入金等

区分	14事業年度末	(13事業年度末)
	千円	千円
借入金残高	2,858,605,323	2,790,535,649
(財政融資資金)
社会福祉・医療事業団債券発行残高	45,020,000	40,020,000

４　主な業務実績

区分		14事業年度	(13事業年度)
貸付け	件数	1,806件	1,919件
	金額	357,232,200千円	361,908,800千円
貸付金回収	金額	277,982,917千円	276,004,308千円
(うち繰上償還)		(91,011,551千円)	(98,411,520千円)
事業年度末貸付金残高	件数	22,368件	21,958件
	金額	3,035,332,609千円	2,956,083,327千円
上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に事業団において開示している債権
破綻先債権		5,280,422千円	3,876,655千円
延滞債権		20,524,729千円	20,163,940千円
3カ月以上延滞債権		3,449,111千円	2,995,103千円
貸出条件緩和債権		14,210,297千円	16,876,071千円
計		43,464,559千円	43,911,769千円
貸倒引当金		4,731,953千円	9,745,598千円
(貸倒引当金計上率)(注)		(1.6/1000)	(3.4/1000)

　（注)

　貸倒引当金に計上できる金額は、当該事業年度末における貸付金残高（貸付受入金残高を控除）に6/1000を乗じて得た金額の範囲内とされている。

（共済経理）

　この経理は、社会福祉施設職員等退職手当共済法（昭和３６年法律第１５５号）に基づく退職手当金の支給等の事業に関するものである。

１　収入支出決算

区分	14事業年度	(13事業年度)
	千円	千円
(収入)
収入決定済額	69,914,424	71,930,895
(支出)
支出予算現額	69,787,605	71,850,213
支出決定済額	69,774,979	71,831,913
不用額	12,626	18,300

２　損益

区分	14事業年度	(13事業年度)
	千円	千円
経常収益	68,410,982	68,570,101
(うち掛金)	(22,909,936)	(21,050,087)
経常費用	66,552,136	69,846,761
(うち退職手当給付金)	(63,529,934)	(68,453,397)
当期利益金(△当期損失金)	1,858,846	△1,276,660
(利益金又は損失金の処理)
翌事業年度に繰越欠損金の補てんに充当	1,858,846	−
翌事業年度に繰越欠損金として整理	−	1,276,660
(繰越欠損金	3,360,436	2,083,776)

３　借入金

区分	14事業年度末	(13事業年度末)
	千円	千円
借入金残高	1,501,590	3,360,436
(市中金融機関)

（保険経理）

　この経理は、地方公共団体が心身障害者扶養共済制度の加入者に対して負う共済責任を保険する等の事業に関するものである。

１　収入支出決算

区分	14事業年度	(13事業年度)
	千円	千円
(収入)
収入決定済額	30,432,897	30,581,914
(支出)
支出予算現額	30,439,228	30,751,682
支出決定済額	30,431,897	30,580,914
不用額	7,331	170,768

２　損益

区分	14事業年度	(13事業年度)
	千円	千円
経常収益	30,543,322	30,464,676
(うち保険金)	(11,667,770)	(11,720,620)
経常費用	30,543,322	30,464,676
(うち支払保険料)	(9,916,398)	(10,281,604)

（長寿・子育て・障害者基金勘定）

　この勘定は、社会福祉事業の振興を図る事業者に対する助成等の事業に関する経理を行うものである。

１　収入支出決算

区分	14事業年度	(13事業年度)
	千円	千円
(収入)
収入決定済額	6,567,530	5,344,134
(支出)
支出予算現額	5,114,791	5,280,828
支出決定済額	4,829,759	4,990,357
不用額	285,031	290,470

２　損益

区分	14事業年度	(13事業年度)
	千円	千円
経常収益	5,020,065	5,170,383
(うち基金運用収入)	(4,953,183)	(5,152,954)
経常費用	4,830,717	4,991,323
(うち社会福祉事業振興事業費)	(4,413,148)	(4,561,786)
当期利益金	188,725	179,060
(利益金の処理)
翌事業年度に積立金として整理	188,725	179,060

３　長寿・子育て・障害者基金等

区分	14事業年度末	(13事業年度末)
	千円	千円
長寿・子育て・障害者基金残高	280,000,000	280,000,000
積立金残高	3,087,642	2,908,581

４　主な業務実績

区分		14事業年度	(13事業年度)
社会福祉振興事業の助成	件数	841事業	851事業
	金額	3,975,952千円	4,158,000千円
調査研究等事業の委託	件数	2事業	2事業
	金額	91,854千円	72,597千円

（年金担保貸付勘定）

　この勘定は、厚生年金保険、船員保険又は国民年金の年金給付の受給権者に対する、その受給権を担保とした小口の資金の貸付け等の事業に関する経理を行うものである。

１　収入支出決算

区分	14事業年度	(13事業年度)
	千円	千円
(収入)
収入決定済額	2,466,671	1,497,455
(支出)
支出予算現額	3,025,212	2,210,568
支出決定済額	2,052,579	1,264,097
不用額	972,632	946,470

２　損益

区分	14事業年度	(13事業年度)
	千円	千円
経常収益	2,287,874	1,482,082
(うち貸付金利息)	(2,060,331)	(1,336,806)
経常費用	2,161,813	1,608,143
(うち業務委託費)	(1,193,996)	(1,010,878)
当期利益金(△当期損失金)	126,061	△126,061
(利益金又は損失金の処理)
翌事業年度に繰越欠損金の補てんに充当	126,061	−
翌事業年度に繰越欠損金として整理	−	126,061
(繰越欠損金	126,061	−)

３　借入金等

区分	14事業年度末	(13事業年度末)
	千円	千円
借入金残高	190,009,705	152,700,000
(財政融資資金)
社会福祉・医療事業団債券発行残高	25,000,000	10,000,000

４　主な業務実績

区分		14事業年度	(13事業年度)
貸付け	件数	195,471件	167,773件
	金額	232,679,550千円	205,601,840千円
貸付金回収	金額	180,430,335千円	51,277,173千円
(うち繰上償還)		(9,991,589千円)	(1,741,023千円)
事業年度末貸付金残高	件数	269,190件	158,831件
	金額	206,573,881千円	154,324,666千円
上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に事業団において開示している債権
破綻先債権		149,879千円	55,666千円
延滞債権		100,084千円	9,105千円
3カ月以上延滞債権		136,085千円	35,297千円
貸出条件緩和債権		17,042千円	7,458千円
計		403,090千円	107,527千円
貸倒引当金		70,364千円	52,356千円
(貸倒引当金計上率)(注)		(0.3/1000)	(0.3/1000)

　(注)

　貸倒引当金に計上できる金額は、当該事業年度末における貸付金残高に6/1000を乗じて得た金額の範囲内とされている。