平成15年度
第3章 個別の検査結果
第1節 省庁別の検査結果
第9 農林水産省
不当事項
補助金(136)−(149)
1 補助金の概要
農林水産省所管の補助事業は、地方公共団体等が事業主体となって実施するもので、同省では、この事業に要する経費について、都道府県等及び特定の団体に対しては直接に、市町村等に対しては都道府県等を経由して補助金を交付し又は無利子貸付金(注)を貸し付けている。
| (注) | 無利子貸付金 日本電信電話株式会社の株式の売払収入を財源とする財務省所管産業投資特別会計社会資本整備勘定及びこの勘定から財源の繰入れを受けた公共事業関係の各特別会計からの無利子貸付金。この無利子貸付金については、その償還時に国の負担又は補助が行われることになっていることから、補助金と同様に取り扱われている。 |
2 検査の結果
47都道府県及びその管内の市町村等並びに24団体を検査した結果、3県、9府県管内の10町村等計13事業主体が実施した小規模零細地域営農確立促進対策事業、中山間総合整備事業等の14事業に係る国庫補助金119,254,873円が不当と認められる。
これを不当の態様別に示すと次のとおりである。
| 〔1〕 工事の設計が適切でないもの | ||
| 4事業 | 不当と認める国庫補助金 | 63,787,965円 |
| 〔2〕 補助の対象とならないもの | ||
| 3事業 | 不当と認める国庫補助金 | 19,183,159円 |
| 〔3〕 補助金を過大に受給しているもの | ||
| 2事業 | 不当と認める国庫補助金 | 8,329,869円 |
| 〔4〕 補助対象事業費を過大に精算しているもの | ||
| 1事業 | 不当と認める国庫補助金 | 14,225,968円 |
| 〔5〕 工事の施工が設計と相違しているもの | ||
| 1事業 | 不当と認める国庫補助金 | 7,265,719円 |
| 〔6〕 補助の目的を達していないもの | ||
| 1事業 | 不当と認める国庫補助金 | 2,806,900円 |
| 〔7〕 事業の計画が適切でないもの | ||
| 1事業 | 不当と認める国庫補助金 | 1,922,793円 |
| 〔8〕 工事費の積算が過大となっているもの | ||
| 1事業 | 不当と認める国庫補助金 | 1,732,500円 |
また、これを個別に示すと次のとおりである。
(136)復旧治山事業の実施に当たり、護岸工費の積算を誤ったため、工事費が割高となっているもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、神奈川県が、復旧治山事業の一環として、小田原市早川地内において荒廃山地を復旧整備し、災害の防止、軽減を図るため、平成14年度に谷止工、護岸工等を工事費39,784,500円(国庫補助金21,881,475円)で実施したものである。
このうち護岸工は、2基の谷止工の間に現場で採取する巨石(径0.6m〜1.0m程度)を積み上げて護岸(右岸側は延長32.4m、法長4.5m〜5.5m、面積162m2、左岸側は延長30.0m、法長1.5m、面積45m2)を築造するものである。
そして、本件護岸工費については、同県制定の「森林土木事業設計要領」の巨石積工(練)の歩掛かりを適用するなどして算出した1m2当たりの施工単価17,595円に施工面積207m2を乗じて3,642,165円と積算していた。
2 検査の結果
検査したところ、護岸工費の積算が次のとおり適切でなかった。
本件護岸工は、胴込めコンクリート、裏込めコンクリートを打設せずに現場で採取する巨石をそのまま積み上げるものであり、このような場合の護岸工費については、同県制定の「土木工事標準積算基準書」の巨石据付工の歩掛かりを適用して積算すべきであったのに、同県では、胴込めコンクリート等を打設して巨石を積み上げる場合に適用する前記巨石積工(練)の歩掛かりにより積算していた。
したがって、上記巨石据付工の歩掛かりを適用して算出した1m2当たりの施工単価2,926円に施工面積207m2を乗じると、本件護岸工費は605,682円となり、3,036,483円が過大に積算されていた。
このような事態が生じていたのは、同県において、積算の基準に対する理解及び工事費の積算に対する審査が十分でなかったことによると認められる。
上記により本件工事費を修正計算すると、積算過小となっていた足場の設置撤去費329,022円を考慮しても、諸経費等を含めた工事費総額は36,634,500円となり、本件工事費はこれに比べて3,150,000円割高となっており、これに係る国庫補助金相当額1,732,500円が不当と認められる。
(137)経営構造整備事業の実施に当たり、事業主体でない者が取得したホイールローダを補助の対象としていたもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、みなもと堆肥生産組合(新潟県中頸城郡吉川町)が、経営構造整備事業の一環として、農業所得の拡大を図り地域農業の担い手を育成・確保するため、平成13年度にたい肥製造施設の整備及びたい肥の移動運搬の用に供するホイールローダ1台の導入を事業費71,378,370円(国庫補助金34,916,000円)で実施したものである。
同組合では、上記のうちホイールローダを8,190,000円で業者から購入したとして吉川町に対し実績報告書を提出し、これにより補助金の交付を受けていた。
2 検査の結果
検査したところ、本件ホイールローダについては、事業主体である同組合が購入したものではなく、同組合の構成員の1名が代表取締役となっている建設会社が、6,927,900円で契約し、代金全額を同会社が支払って購入したものであり、自動車検査証上の使用者及び自動車損害賠償責任保険の契約者も同会社となっていて、その保険料も同会社が支払っていた。そして、同組合では、このホイールローダを自らが8,190,000円で購入したこととする虚偽の契約書等を作成するなどして事実と異なる実績報告を行っていた。
このような事態が生じていたのは、同組合において補助事業の適正な実施に対する認識が欠如していたこと、新潟県及び同町において、本件補助事業の審査、確認及び同組合に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件補助事業のうちホイールローダ(事業費8,190,000円)は、事業主体である同組合が購入したものではなく、補助の対象とは認められず、これに係る国庫補助金相当額4,006,777円が不当と認められる。
(138)農林漁業用揮発油税財源身替農道整備事業の実施に当たり、設計が適切でなかったため、ブロック積護岸の基礎として築造した底版等の所要の安全度が確保されていない状態になっているもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、山梨県が、農林漁業用揮発油税財源身替農道整備事業の一環として、東八代郡一宮町釈迦堂地区において農道を新設するため、平成13、14両年度に、農道と交差する河川の改修工事、橋りょうの下部工事等を工事費71,051,000円(国庫補助金35,525,500円)で実施したものである。
このうち、河川改修工事は、橋りょう下部工事の建設箇所から上流側14.1m、下流側81.5m、計95.6mの区間について、ブロック積護岸(右岸側の高さ1.6m、左岸側の高さ1.6m〜3.0m)、ブロック積護岸の基礎として鉄筋コンクリート構造の底版(幅4.5m、厚さ0.3m)等
を施工したものである(参考図参照)。
同県では、この底版については、次のとおり設計すれば応力計算上安全であるとし、これにより施工していた(参考図参照)。
(ア)底版には、ブロック積護岸、水等の荷重とこれらの荷重により発生する地盤反力(注1)によって、底版の中央部を凹状に変形させる曲げモーメント(注2)が作用し、この曲げモーメントの最大値は26.4kN・mとなり、底版の上面側には圧縮力が、下面側には引張力がそれぞれ発生する。
(イ)上記により、径16mmの主鉄筋を下面側のみに25cm間隔で配置すれば、主鉄筋に生じる引張応力度(注3)は許容引張応力度(注3)を下回る。
2 検査の結果
検査したところ、底版の設計が次のとおり適切でなかった。
すなわち、底版における曲げモーメントは、底版の両端部にブロック積護岸の荷重がかかるなどのため、底版の中央部が凸状に変形するように作用するのに、誤って、凹状に変形するように作用することとしていた。このため、底版の上面側には引張力、下面側には圧縮力が発生し、主鉄筋は、上面側に配置しなければならないのに、下面側に配置していた(参考図参照)。
そこで、本件底版について改めて応力計算を行うと、鉄筋が配置されていないコンクリートの上面側に発生する曲げ引張応力度(注4)は0.90N/mm2から1.30N/mm2となり、許容曲げ引張応力度(注4)の0.29N/mm2を大幅に上回っているなど、前記95.6mの全区間において、応力計算上安全な範囲を超えている。
このような事態が生じていたのは、同県において、委託した設計業務の成果品に誤りがあったのに、これに対する検査が十分でなかったことによると認められる。
したがって、本件底版の設計が適切でなかったため、底版、これを基礎としているブロック積護岸等(これらの工事費相当額24,891,740円)は、所要の安全度が確保されていない状態になっており、これに係る国庫補助金相当額12,445,870円が不当と認められる。

(139)中山間農地保全対策事業の実施に当たり、既に自力により導入を完了していて補助の対象にならないコンバインを補助の対象としていたもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、財団法人園部町農業公社(京都府船井郡園部町)が、中山間農地保全対策事業の一環として、中山間地域において行う農地の管理を推進するため、平成12年度に、コンバイン2台及び畦ぬり機1台の導入を事業費15,356,250円(国庫補助金7,678,000円)で実施したものである。
同公社では、13年2月に、コンバイン等を同年3月末日までに導入する事業を実施する旨の補助金交付申請書を園部町に提出し、同年3月に同町より当該申請の事業を対象とする補助金の交付決定を受けていた。そして、同公社では、同月にコンバイン等を導入し事業を完了したとして、同月に実績報告書を同町に提出し、これにより補助金の交付を受けていた。
2 検査の結果
検査したところ、同公社が本件補助事業により導入したとしていたコンバイン2台は、補助金交付申請書の提出に先立って、12年2月に既に導入されていたものであり、実績報告書等の内容は虚偽のものとなっていた。
このような事態が生じていたのは、同公社において補助事業の適正な実施に対する認識が欠如していたこと、京都府及び同町において、本件補助事業の審査、確認及び同公社に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件補助事業により導入したとしていたコンバイン2台(事業費14,679,000円)については、同公社が同町からの補助金の交付申請の前年には既に自力により導入を完了していたもので、補助の対象とは認められず、これに係る国庫補助金相当額7,339,382円が不当と認められる。
(140)森林保全整備事業の実施に当たり、コンクリート吹付工の施工が設計と著しく相違していたため、工事の目的を達していないもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、奈良県吉野郡野迫川村が、森林保全整備事業の一環として、同村桧股地内において林道を開設するため、平成14年度に切土工、法面保護工、擁壁工等を工事費59,980,200円(国庫補助金29,990,100円)で実施したものである。
上記法面保護工のうち、林道の山側法面の崩壊を防止するためのコンクリート吹付工1,773m2は、設計図書等によると、次のように施工することとしていた(参考図参照)。
(ア)コンクリート吹付層と地山とが密着するよう、法面から浮き石、草木等を入念に取り除いて清掃する。
(イ)コンクリート吹付層を補強するため、法面の全面に菱形金網(網目5cm×5cm)を布設する。金網は、吹き付けたコンクリートの層のほぼ中央に位置するよう、かつ、吹付け等により移動しないよう、アンカーピン及びスペーサを使用して支持・固定する。
(ウ)コンクリートは、法面に直角に設置した検測ピン等を用いて吹付け厚さを確認しながら、圧縮空気を使用して厚さ10cmに吹き付ける。ただし、検査基準上許容される最小吹付け厚さ(以下「許容値」という。)は8cmとする。
(エ)吹付箇所に付着しないで周囲に飛び散ったはね返り材等は、コンクリートの付着を害さないよう取り除く。
2 検査の結果
検査したところ、コンクリート吹付工を施工した法面には多数のき裂が発生するなどしていた。このため、法面1,773m2について89箇所を削孔して調査したところ、コンクリート吹付工の施工が次のとおり適切でなかった。
(ア)コンクリートの吹付け厚さが、許容値の8cm未満となっているものが59箇所あり、その平均で5.5cm(上記89箇所の平均で7.2cm)となっていて、なかには1.8cmと著しく不足している箇所もあった。
(イ)コンクリート吹付層と地山との間に、はね返り材や浮き石等が残存していたり、空隙が生じていたりしていて、コンクリートが地山に密着していないものが46箇所あった。
(ウ)金網が地山に直接張り付いていたり、はね返り材等の中に埋もれていたり、地山寄りに大きくずれていたりしていて、金網の効果が十分発揮できていないものが30箇所あった。
このような事態が生じていたのは、コンクリート吹付工の施工が粗雑であったのに、これに対する同村の監督及び検査が適切でなかったこと、同村に対する奈良県の指導が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件コンクリート吹付工1,773m2(工事費相当額14,531,438円)は、吹付け厚さの確認が十分でなかったり、はね返り材や浮き石等を十分に取り除かなかったり、コンクリート吹付け時に金網を所定の位置に支持・固定せずに吹き付けたりしていたなど、施工が設計と著しく相違していて、工事の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金相当額7,265,719円が不当と認められる。

(141)新山村振興等農林漁業特別対策事業の実施に当たり、設計が適切でなかったため、もたれ式コンクリート擁壁等の所要の安全度が確保されていない状態になっているもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、和歌山県東牟婁郡古座川町が、新山村振興等農林漁業特別対策事業の一環として、同町蔵土地区において、同地区の17戸の民家等に衛生的な水を供給する簡易給水施設を整備するため、平成14年度に配水管の布設、電気滅菌室の建設、もたれ式コンクリート擁壁(注1)の築造等を工事費17,059,350円(国庫補助金8,529,675円)で実施したものである。
このうち、もたれ式コンクリート擁壁(高さ1.1m〜2.9m、厚さ0.4m、延長7.1m)は、水の塩素滅菌を電気制御するための電気滅菌室(コンクリートブロック造平屋建て、床面積4.62m2)の建設用地の三方の法面に施工することとしていたものである(参考図参照)。
そして、同町では、本件擁壁については法面の保護が目的であるとして安定計算を行うことなく設計図面を作成し、施工していた。
2 検査の結果
検査したところ、もたれ式コンクリート擁壁の設計が、次のとおり適切でなかった。
すなわち、電気滅菌室を建設することにより本件擁壁には、その背面からの土圧及び電気滅菌室(総重量13.0t)の荷重が作用することになるのであるから、本件擁壁については、単に法面の保護のためだけではなく、地盤及び法面の安定が確保できる構造でなければならず、安定計算を行う必要があったと認められるのに、同町では、これを行っていなかった。
そこで、本件擁壁の三面それぞれの安全度を確認するため、「道路土工 擁壁工指針」(社団法人日本道路協会編)に基づき、擁壁に作用する土圧及び荷重を考慮して安定計算を行ったところ、次のとおり本件擁壁は所要の安全度が確保されておらず、ひいては電気滅菌室等の安全性も確保されていないと認められる。
ア 滑動に対する安定については、その安全率が0.75から0.88となり、三面とも許容値である1.5を大幅に下回っている。
イ 転倒に対する安定については、水平荷重及び鉛直荷重の合力の作用位置が擁壁の底版の中央からつま先部寄りに0.18mから0.41mの位置となり、三面とも転倒に対して安全である範囲、すなわち底版の中央からつま先部寄りに0.10mの範囲を大幅に逸脱している。
ウ 基礎地盤の支持力に対する安定については、三面のうち二面では、擁壁の荷重を底版のつま先部の地盤のみで支持することとなるため、地盤反力度(注2)が地盤の許容支持力度を著しく上回る結果となっている。
このような事態が生じていたのは、同町において、本件擁壁の設計についての理解が十分でなかったことによると認められる。
したがって、本件擁壁は設計が適切でなかったため、擁壁、電気滅菌室等(工事費相当額4,035,471円)は、所要の安全度が確保されていない状態になっており、これに係る国庫補助金相当額2,017,735円が不当と認められる。
| (注1) | もたれ式コンクリート擁壁 コンクリート擁壁を背面に傾けたものであり、土圧には自重により抵抗するが、単独では自立できない擁壁をいう。 |
| (注2) | 地盤反力度 構造物を介して地盤に力を加えたとき、地盤に発生する単位面積当たりの抵抗力をいう。この地盤反力度がその地盤の許容支持力度を超えていなければ、構造物は基礎地盤の支持力に対して安定した状態にあるとされている。 |

(142)食品リサイクルモデル整備事業の実施に当たり、仕入税額控除した消費税額に係る補助金を返還していないもの
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1 補助事業の概要
(補助事業の概要)
この補助事業は、有限会社山陰エコシステム(鳥取県境港市)が、食品リサイクルモデル整備事業の一環として、食品関連事業者から排出される食品残さを再生利用することにより、大量のたい肥を必要としている農家等に安定的にたい肥を供給するため、平成14年度に食品循環資源堆肥化施設を整備したものである。
同会社では、本件補助事業を消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)18,289,010円(うち国庫補助金相当額5,948,916円)を含め、事業費384,116,251円(国庫補助金124,928,000円)で実施している。そして、15年3月に境港市に実績報告書を提出し、これにより国庫補助対象事業費の精算を受けていた。
(補助事業における消費税相当額の取扱い)
消費税は、事業者が課税対象となる取引を行った場合に納税義務が生じるが、生産、流通の各段階で重ねて課税されないように、確定申告において、課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除(以下、この控除を「仕入税額控除」といい、控除する額を「消費税仕入控除税額」という。)する仕組みが採られている。
そして、補助事業の事業主体が補助対象の機械や施設を取得することも課税仕入れに該当し、上記の仕組みにより確定申告の際に課税仕入れに係る消費税額を仕入税額控除した場合には、事業主体は補助事業で取得した機械等に係る消費税額については、実質的に負担していないことになる。
このため、補助事業の事業主体は、「生産振興総合対策等補助金等交付要綱」(平成14年13生産第10199号農林水産事務次官依命通知)等により、実績報告書の提出後に、消費税の申告により課税売上高に対する消費税額から補助事業に係る消費税額を課税仕入れに係るものとして控除し、補助金に係る消費税仕入控除税額が確定したときには、その金額を速やかに報告するとともに、当該金額を返還しなければならないこととなっている。
2 検査の結果
検査したところ、同会社は15年6月に消費税の確定申告を行い、本件補助事業に係る消費税額18,289,010円を課税仕入れに係る消費税額として控除し、同年7月に消費税の還付を受けていた。
しかし、同会社では、上記の消費税仕入控除税額18,289,010円のうち本件補助金に係る額5,948,916円を報告、返還しておらず、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同会社において、補助事業における消費税相当額の取扱いについての理解が十分でなかったこと、鳥取県及び境港市において、本件補助事業の消費税相当額の取扱いについての確認が適切でなかったことなどによると認められる。
(143)農業生産総合対策条件整備事業の実施に当たり、既に自力により導入を完了していて補助の対象にならない葉たばこ乾燥調製の作業用機器等を、補助の対象としていたもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、大山町葉たばこ乾燥組合(鳥取県西伯郡大山町)が、農業生産総合対策条件整備事業の一環として、葉たばこの乾燥調製作業を省力化することにより生産コストの低減等を図るため、葉たばこ乾燥調製の作業用機器等(以下「乾燥調製機器等」という。)の導入を事業費15,674,400円(国庫補助金7,837,000円)で実施したものである。
上記補助事業の実施に当たっては、生産振興総合対策事業実施要綱(平成14年13生産第10198号農林水産事務次官依命通知)等により、事業主体が自力若しくは他の助成により実施中又は既に完了している事業を補助対象とすることは認められないこととされている。
同組合では、乾燥調製機器等を補助事業により平成15年3月末日までに導入する旨の実施計画の承認申請書を14年11月に鳥取県へ提出し、同月、同県より実施計画の承認を受け、同年12月に補助金交付申請書を大山町に提出して、15年2月に同町より補助金の交付決定を受けていた。そして、同組合では、同年3月に乾燥調製機器等を導入し事業を完了したとして、同年4月に実績報告書を同町に提出し、これにより補助金の交付を受けていた。
2 検査の結果
検査したところ、同組合が本件補助事業により導入したとした乾燥調製機器等は、上記実施計画の承認に先立って、13年6月に同組合が従来から既存の乾燥調製施設のメンテナンスを委託していた業者に発注を行い、同月及び14年5月に既に導入していたものであった。
このような事態が生じていたのは、同組合において補助事業の適正な実施に対する認識が欠如していたこと、同県及び同町において、本件補助事業の審査、確認及び同組合に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件補助事業で導入したとしていた乾燥調製機器等については、同組合が同町からの補助金交付決定時には既に自力により導入を完了していたもので、補助の対象とは認められず、これに係る国庫補助金7,837,000円が不当と認められる。
(144)地域農業経営確立支援事業の実施に当たり、仕入税額控除した消費税額に係る補助金を返還していないもの
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1 補助事業の概要
(補助事業の概要)
この補助事業は、星の郷青空市株式会社(岡山県小田郡美星町)が、地域の立地条件に即した農業・農村の活性化を図ることを目的とする地域農業経営確立支援事業の一環として、平成9年度に地域特産品の加工等を行う農畜産物処理加工施設を整備したものである。
同会社では、本件補助事業を消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)4,761,905円(うち国庫補助金相当額2,380,953円)を含め、事業費100,000,000円(国庫補助金50,000,000円)で実施している。そして、10年2月に美星町に実績報告書を提出し、これにより国庫補助対象事業費の精算を受けていた。
(補助事業における消費税相当額の取扱い)
消費税は、事業者が課税対象となる取引を行った場合に納税義務が生じるが、生産、流通の各段階で重ねて課税されないように、確定申告において、課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除(以下、この控除を「仕入税額控除」といい、控除する額を「消費税仕入控除税額」という。)する仕組みが採られている。
そして、補助事業の事業主体が補助対象の機械や施設を取得することも課税仕入れに該当し、上記の仕組みにより確定申告の際に課税仕入れに係る消費税額を仕入税額控除した場合には、事業主体は補助事業で取得した機械等に係る消費税額については、実質的に負担していないことになる。
このため、補助事業の事業主体は、「農業構造改善事業促進対策費補助金交付要綱」(昭和37年37振A第5418号農林事務次官依命通達)等により、実績報告書の提出後に、消費税の申告により課税売上高に対する消費税額から補助事業に係る消費税額を課税仕入れに係るものとして控除し、補助金に係る消費税仕入控除税額が確定したときには、その金額を速やかに報告するとともに、当該金額を返還しなければならないこととなっている。
2 検査の結果
検査したところ、同会社は10年4月に消費税の確定申告を行い、本件補助事業に係る消費税額4,761,905円を課税仕入れに係る消費税額として控除し、同年5月に消費税の還付を受けていた。
しかし、同会社では、上記の消費税仕入控除税額4,761,905円のうち本件補助金に係る額2,380,953円を報告、返還しておらず、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同会社において、補助事業における消費税相当額の取扱いについての理解が十分でなかったこと、岡山県及び美星町において、本件補助事業の消費税相当額の取扱いについての確認が適切でなかったことなどによると認められる。
(145)経営体質強化施設整備事業で実施した農家台帳データ入力業務において主要な項目のデータが入力されていなかったため、補助の目的を達していないもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、徳島市農業協同組合が、経営体質強化施設整備事業の一環として、地域農業の担い手の育成・確保を図るため、平成12年度に地域農業管理施設としての営農センターの設置、農家台帳データの整備等を事業費50,636,450円(国庫補助金24,114,000円)で行ったものである。
上記事業のうち、農家台帳データの整備は、地域農業の担い手への土地の集積を図る際の情報提供等に利用することを目的として、農地等のデータを蓄積するものであり、同組合では、このデータの整備を農家台帳データ入力業務として委託により、事業費5,894,490円で実施したとして、徳島市に実績報告書を提出していた。
2 検査の結果
検査したところ、同組合では、本件農家台帳データ入力業務を委託する際に、担い手への土地の集積を図ることに資するための農家台帳データのうち収穫量、農地の権利関係、貸借意向等の主要な項目のデータを保有していなかった。このため、これら主要な項目のデータが入力業務の委託先業者に提供されず、担い手への土地の集積を図るための主要なデータが入力されていなかった。
このような事態が生じていたのは、同組合において補助事業の適正な執行に対する認識が十分でなかったこと、徳島県及び同市において、本件補助事業の審査、確認及び同組合に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、本件農家台帳データ入力業務は、主要な項目のデータが入力されていなかったため、農地等のデータを蓄積して担い手への土地の集積を図るという補助の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金相当額2,806,900円が不当と認められる。
(146)小規模零細地域営農確立促進対策事業の実施に当たり、導入する農業用機械施設を利用することについての十分な合意形成が図られないまま事業実施計画を策定したため、導入した機械施設の一部が利用されないこととなるもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、愛媛県宇摩郡土居町が、小規模零細地域営農確立促進対策事業の一環として、小規模零細な農林家における農林業所得の向上等を図るため、平成11年度に農業用機械施設(以下「農業用機械」という。)の導入及び農機具保管施設の設置を事業費23,226,000円(国庫補助金15,484,000円)で実施したものである。
同町では、地域の農林家が組織する農業用機械の共同利用組合(以下「利用組合」という。)の組合員から事業実施の同意を得た上で、組合員の作付面積に基づき、水稲の収穫等の作業内容に応じた農業用機械ごとの利用計画面積を算出し、導入する農業用機械でこれを耕作などするとした事業実施計画を策定していた。そして、これに基づき、トラクタ2台、田植機2台、コンバイン2台、動力噴霧機1台、マルチ機2台、掘取機2台、管理機2台、計13台(事業費11,113,693円)の導入を行い、これらを利用組合に農機具保管施設とともに管理、利用させていた。
2 検査の結果
検査したところ、次のとおり、適切とは認められない事態が見受けられた。
同町では、本件農業用機械の年間の利用計画面積について、トラクタ2台で計6.2ha、田植機2台で計2.9ha、コンバイン2台で計2.9ha、動力噴霧機1台で10.4ha、マルチ機2台で計1.2ha、掘取機2台で計1.2ha、管理機2台で計3.3haとしていた。
これに対して、本件農業用機械13台のうち、機種ごとに2台を導入し、耐用年数(5年)の相当期間が経過していて残余期間がほとんどない田植機、コンバイン、マルチ機、掘取機及び管理機、計10台の11年度から15年度までの各年度の利用状況をみると、田植機は相当程度の利用が図られていたものの、これを除いた8台については、利用実績面積は最大に利用した年度でもコンバインでは0.88ha、マルチ機では0.34ha、掘取機では0.35ha、管理機では0.65haとなっていて、機種ごとの利用割合(利用計画面積に対する利用実績面積の割合)が19.7%から30.3%と著しく低調となっていた。
そこで、同町における事業実施計画の策定状況についてみると、本件農業用機械の導入に際して、利用組合の組合員から事業実施についての同意は得たものの、新たに導入する農業用機械の利用については、利用料金を支払ってまでもこれらを利用することについての十分な合意形成が図られないまま、事業実施計画を策定していた。
そして、利用組合の組合員の多くは、本件農業用機械の導入後も、自己所有の農業用機械を利用して耕作などしている状況であった。
したがって、本件農業用機械については利用することについての十分な合意形成が図られておらず、機種ごとに2台を導入しているコンバイン、マルチ機、掘取機及び管理機は、いずれの年度においても、それぞれ1台で利用組合の組合員の必要に応えられるものである。よって、機種ごとに2台を導入しているこれらのうち、残りの1台が全く利用されないこととなるこれら4台相当分(事業費2,883,986円)に係る国庫補助金相当額1,922,793円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同町において、事業実施計画を適切に策定することについての認識が十分でなかったこと、愛媛県において、本件補助事業の審査・指導が十分でなかったことなどによると認められる。
(147)地域用水環境整備事業の実施に当たり、設計が適切でなかったため、洪水吐等の所要の安全度が確保されていない状態になっているもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、福岡県が、地域用水環境整備事業の一環として、直方市内ヶ磯地区において、老朽化したため池の洪水吐(注1)を改修するため、平成13、14両年度に洪水吐の築造、洪水吐を横断する橋りょうの架け替え等の工事を工事費203,164,500円(国庫補助金101,582,250円)で実施したものである。
このうち洪水吐の築造工事は、ため池の既設の洪水吐を取り壊し、新たに鉄筋コンクリート構造の洪水吐(延長106.9m、底幅6.0m〜7.8m、高さ4.5m〜8.4m)を築造するもので、全延長を15のコンクリート打設区間に分割して施工したものである。また、この工事に伴う橋りょうの架け替えは、新設した洪水吐の上流側から2番目と3番目の打設区間(両区間の延長計13.4m。以下「橋りょう設置部」という。)に橋りょう(橋長12.3m、幅4.0m)を建設するもので、洪水吐両側壁の背面に橋台を築造し、これに桁を架設するなどして施工したものである(参考図参照)。
同県では、本件洪水吐の設計については、洪水吐の自重、水圧、洪水吐の側壁に作用する土圧のほか、側壁の背面に作用する荷重(以下「載荷重」という。)としては、側壁の背面上に人が立ち入ることがあるため群集荷重(3kN/m2)を考慮して応力計算を行っていた。そして、橋りょう設置部については、底版厚を80cm、側壁厚を25cmから105.2cmとし、底版下面及び側壁外側に配置する主鉄筋は、径29mmと径32mmの鉄筋をそれぞれ20cm間隔で配置することとすれば応力計算上安全であるとし、これにより施工していた。
2 検査の結果
検査したところ、洪水吐のうち橋りょう設置部の設計が次のとおり適切でなかった。
すなわち、橋りょう設置部については、洪水吐両側壁の背面側60cmと近接した位置に橋台を築造し、橋台の背面に盛土をした上で桁を架設していることから、洪水吐の載荷重としてはこれらの橋りょう、盛土等の荷重を考慮しなければならないのに、これらを考慮していなかった。
そこで、載荷重として橋りょう、盛土等の荷重を考慮するなどして改めて応力計算を行うと次のような結果となり、洪水吐の橋りょう設置部は常時(注2)において応力計算上安全な範囲を超えている。
(ア)底版のコンクリートに生じる曲げ圧縮応力度(注3)は最大で11.9N/mm2、底版下面の主鉄筋に生じる引張応力度(注4)は最大で251.2N/mm2となり、コンクリートの許容曲げ圧縮応力度(注3)8N/mm2、鉄筋の許容引張応力度(注4)157N/mm2をそれぞれ大幅に上回っている。
(イ)側壁外側の主鉄筋に生じる引張応力度は最大で177.2N/mm2、せん断応力度(注5)は最大で0.46N/mm2となり、鉄筋の許容引張応力度157N/mm2、許容せん断応力度(注5)0.42N/mm2をそれぞれ上回っている。
このような事態が生じていたのは、同県において、委託した設計業務の成果品に誤りがあったのに、これに対する検査が十分でなかったことによると認められる。
したがって、本件洪水吐の橋りょう設置部は設計が適切でなかったため、洪水吐(延長13.4m)、洪水吐を横断して建設された橋りょう等(これらの工事費相当額47,403,836円)は、所要の安全度が確保されていない状態となっており、これに係る国庫補助金相当額23,701,917円が不当と認められる。


(148)中山間総合整備事業の実施に当たり、設計が適切でなかったため、橋りょう上部工等の所要の安全度が確保されていない状態になっているもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、福岡県が、中山間総合整備事業の一環として、豊前市合河東部第二地区において、橋りょうの老朽化に伴い、二級河川佐井川に架かる農道の橋りょうを新橋(橋長40.5m、幅員6.2m)に架け替えるため、平成14年度に、橋台2基、橋脚1基の築造及び橋りょう上部工としてプレテンション方式2径間連結PC中空床版桁(以下「PC桁」という。)の製作、架設等を工事費83,790,000円(国庫補助金46,084,500円)で実施したものである。そして、この橋りょうは、橋軸と支承の中心線とのなす角が70度の斜橋となっている(参考図参照)。
この橋りょうの設計は、「道路橋示方書・同解説」(社団法人日本道路協会編。以下「示方書」という。)等に基づき行っている。そして、示方書によると、設計で想定されない地震動が作用したり、周辺地盤の破壊や構造部材の予期しない損傷が生じたりした場合でも上部構造の落下を防止することができるように、落橋防止システムを設けることとされている。この落橋防止システムは、落橋防止構造、桁かかり長(注1)等から構成されていて、橋りょうの形式、地盤条件等に応じ適切に選定することとされている。
このうち、落橋防止構造は、上部構造の両端が剛性の高い橋台に支持され、その橋台がI種地盤(注2)に支持されていて、上部構造の長さが50m以下の橋りょうについては、橋軸方向の変位が生じにくいことから、その設置をしなくてもよいこととされている。
本件橋りょうは、PC桁の両端が剛性の高い橋台に支持されていること、その橋台がI種地盤に支持されていること、PC桁の長さが40.4mであることから、橋軸方向の変位が生じにくいので、落橋防止構造を設置しなくても安全であるとして、これにより施工していた。
2 検査の結果
検査したところ、落橋防止システムの設計が、次のとおり適切でなかった。
示方書によると、前記の落橋防止構造を設置しなくてもよいとされている橋りょうであっても、斜橋の場合には、予期し得ない大きな変位が生じることがあるためその必要性を判定式により判定しなければならないとされている。
そして、この判定式に本件橋りょうの橋長や幅員の条件を当てはめて計算すると落橋防止構造を設置する要があると認められる。
このような事態が生じていたのは、同県において、委託した設計業務の成果品に誤りがあったのに、これに対する検査が十分でなかったことによると認められる。
したがって、本件橋りょう上部工等(これらの工事費相当額46,586,261円)は、落橋防止システムの設計が適切でなかったため、所要の安全度が確保されていない状態になっており、これに係る国庫補助金相当額25,622,443円が不当と認められる。
| (注1) | 落橋防止構造、桁かかり長 桁と橋台の胸壁をPC鋼材で連結するなどして、上下部構造間に予期しない大きな相対変位が生じた場合に、これが桁かかり長(桁端部から下部構造頂部縁端までの長さ)を超えないようにする構造 |
(参考例)

| (注2) | I種地盤地震による揺れの大きさは地盤の硬さなどにより異なり、耐震設計ではこれを考慮する必要がある。示方書では、地盤の揺れやすさに応じて、I種地盤、II種地盤、III種地盤と分類しており、概略の目安としては、I種地盤は良好な洪積地盤及び岩盤等が該当する。 |

(149)小規模零細地域営農確立促進対策事業の実施に当たり、実績報告の額より低額で工事を施行していたため、補助対象事業費の精算が過大となっているもの
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1 補助事業の概要
この補助事業は、川西地区共同利用組合(鹿児島県姶良郡吉松町)が、小規模零細地域営農確立促進対策事業の一環として、小規模零細な農林家における農林業所得の向上等を図るため、平成13、14両年度に、ほ場の整備、農業用機械の購入等を実施したものである。
同組合では、上記のうちほ場の整備(1.75ha)を工事費41,520,000円で業者に請け負わせて施行し、その全額を支払ったとしていた。そして、これに農業用機械の購入費等9,396,450円を加え、事業費計50,916,450円(国庫補助対象事業費同額)で事業を実施したとする実績報告書を吉松町に提出し、国庫補助金33,683,000円の交付を受けていた。
2 検査の結果
検査したところ、本件補助金の交付決定に当たって、事業主体は補助金に係る収入及び支出の内容を明らかにした帳簿を備え、その証拠書類を5年間保管しなければならないとの条件が付されていたにもかかわらず、同組合では、帳簿、通帳、領収書等を作成・保管しておらず、支払等の状況を確認できないものとなっていた。そこで、別途関係者から書類の提出を受けるなどして調査したところ、同組合がほ場整備の工事代金として業者に支払っていたのは20,000,000円のみであり、結局、同組合は、実績報告書記載の事業費より低額な29,396,450円で本件補助事業を実施していた。
このような事態が生じていたのは、同組合において補助事業の適正な実施に対する認識が欠如していたこと、鹿児島県及び同町の本件補助事業の審査、確認及び同組合に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
したがって、適正な国庫補助対象事業費は29,396,450円となり、前記の国庫補助対象事業費50,916,450円との差額21,520,000円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金相当額14,225,968円が不当と認められる。