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  • 平成15年度|
  • 第4章 特定検査対象に関する検査状況|
  • 第2 株式会社りそな銀行及び株式会社足利銀行に対する金融危機対応措置の実施について|
  • 1 検査の背景|
  • (3)金融庁の監督・検査の枠組み

イ 金融機能早期健全化法に基づく資本増強措置を受けた金融機関に対する監督


イ 金融機能早期健全化法に基づく資本増強措置を受けた金融機関に対する監督

(ア)金融庁の監督権限と金融機能早期健全化法との関係

 金融機能早期健全化法では、金融庁が、経営健全化計画の履行を確保するために、銀行法等に基づいて、業務改善命令等の監督上の必要な措置を命ずることができるとされている。

(イ)3割ルール等の策定

 金融再生委員会(当時)では、11年9月に「資本増強行に対するフォローアップに係る行政上の措置について」を公表し、この中で、経営健全化計画の履行を確保するための監督方針として、同計画の履行状況を公表することにより、金融機関自身による自己規正を促すことを基本とするとしている。
 そして、資本増強措置を受けた金融機関から、状況把握のために四半期ごとにヒアリングを行い、また、半期ごとに経営健全化計画の履行状況について報告させることとした。
 さらに、経営健全化計画に記載されている業務純益ROE(注8) 又は当期利益の計画値を基本的な指標として、その実績が計画値を3割以上下回った場合などには、当該金融機関に対してその理由及び収益改善策等について報告を求めることとした。また、同計画に当該収益改善策を盛り込むよう見直しを行わせ、さらに必要に応じて業務改善命令を発動することとした(以下、実績が計画値を3割以上下回った場合の対応方針を「3割ルール」という。)。
 一方で、金融庁では、不良債権処理の促進という観点から、13年6月に「資本増強行に対するフォローアップに係る行政上の措置についての考え方の明確化について」を公表し、3割ルールの運用方針を明確化した。具体的には、上記の報告において、〔1〕業務純益ROEの計画値がおおむね達成されていること、〔2〕当期利益の実績が計画値を3割以上下回った大きな要因が不良債権の積極的な処理によると認められること、〔3〕剰余金の減少を回復するための方策が示され、資本増強措置に係る株式等の消却等が当初見込みどおり可能となること、の3点が明らかにされた場合には、まずは、見直し後の経営健全化計画の履行状況等を注視していくこととした。
 また、優先株式により資本増強措置を受けた金融機関が当該優先株式に係る所定の配当を行わない場合の監督方針としては、金融庁では、当該金融機関に対してその理由及び抜本的な収益改善策について報告を求めるとともに、経営健全化計画に当該収益改善策を盛り込むよう見直しを行わせ、さらに必要に応じて業務改善命令を発動することとした。また、同報告において、上記の3点が明らかにされた場合には、3割ルールと同様に、まずは、見直し後の経営健全化計画の履行状況等を注視していくこととした。

業務純益ROE(「ROE」は「Return On Equity」の略。)  資本の部に対してどれだけの業務純益を計上することができたのかを示す数値。金融機関の収益力を示す指標として用いられる。なお、業務純益は、金融機関本来の業務により得られる利益であり、具体的には、資金運用収支、役務取引等収支及びその他業務収支から一般貸倒引当金繰入額及び経費などを差し引いて算出される。