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介護保険の普通調整交付金の交付が不当と認められるもの


(208)—(210)介護保険の普通調整交付金の交付が不当と認められるもの

会計名及び科目
一般会計
(組織)
厚生労働本省
(項)老人医療・介護保険給付諸費
部局等の名称
厚生労働本省(交付決定庁)
岐阜県ほか2県(支出庁)
交付の根拠
介護保険法(平成9年法律第123号)
交付先
(保険者)
岐阜市ほか2市
普通調整交付金の概要
65歳以上の者に占める75歳以上の者の割合等の市町村間における格差による介護保険財政の不均衡を是正するため、市町村に交付するもの
上記に対する交付金交付額の合計
1,428,793,000円
(平成15、16両年度)
不当と認める交付金交付額
16,722,000円
(平成15、16両年度)

1 交付金の概要

(1)介護保険の財政調整交付金

 介護保険は、介護保険法(平成9年法律第123号)に基づき、市町村(特別区、一部事務組合及び広域連合を含む。以下同じ。)が保険者となって、市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者(以下「第1号被保険者」という。)等を被保険者として、加齢による疾病等の要介護状態などに関し、保健医療サービス及び福祉サービスの給付を行う保険である。
 介護保険については各種の国庫助成が行われており、その一つとして、財政調整交付金が交付されている。財政調整交付金は、市町村が行う介護保険財政が安定的に運営され、もって介護保険制度の円滑な施行に資することを目的として、各市町村における介護給付等に要する費用の総額の5%に相当する額を国が負担し、それを各市町村に交付するもので、普通調整交付金と特別調整交付金とがある。

(2)普通調整交付金の概要

 普通調整交付金(以下「交付金」という。)は、市町村における第1号被保険者の総数に占める75歳以上の者の割合(以下「後期高齢者加入割合」という。)及び所得段階の区分(第1段階から第5段階)ごとの第1号被保険者の分布状況(以下「所得段階別加入割合」という。)が、市町村間で格差があることによって生じる介護保険財政の不均衡を是正するために交付するものである。

(3)交付金の算定方法

 交付金の交付額は、次により算定することとなっている。

交付金の交付額は、次により算定することとなっている。

 調整率 当該年度に交付する普通調整交付金の総額と市町村ごとに算定した普通調整交付金の総額とのかい離を調整する割合


 上記のうち、調整基準標準給付費額及び普通調整交付金交付割合については、次のとおりとされている。
〔1〕 調整基準標準給付費額は、当該市町村における前年度の1月から当該年度の12月までにおける居宅介護サービス費、施設介護サービス費等の支給を行う介護給付に要した費用及び居宅支援サービス費等の支給を行う予防給付に要した費用(以下、これらの費用を「介護給付費等」という。)などの合計額とする。
〔2〕 普通調整交付金交付割合は、当該市町村における後期高齢者加入割合を国から示されるすべての市町村における後期高齢者加入割合と比較した係数と当該市町村における所得段階別加入割合を国から示されるすべての市町村における所得段階別加入割合と比較した係数(以下「所得段階別加入割合補正係数」という。)を用いるなどして算出した割合とする。

(4)交付手続

 交付金の交付を受けようとする市町村は都道府県に交付申請書及び実績報告書を提出し、これを受理した都道府県は、その内容を添付書類により、また、必要に応じて現地調査を行うことにより審査の上、これを厚生労働省に提出し、厚生労働省はこれに基づき交付決定及び交付額の確定を行うこととなっている。

2 検査の結果

(1)検査の対象及び方法

 北海道ほか23都府県の255市町村において、平成15、16両年度に交付された交付金について実績報告書等により検査した。

(2)検査の結果

 岐阜県ほか2県の3市において、交付金交付額計1,428,793,000円のうち計16,722,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
 これを態様別に示すと次のとおりである。

ア 調整基準標準給付費額を過大に算出しているもの

2市 13,752,000円

イ 普通調整交付金交付割合を過大に算出しているもの

1市  2,970,000円

 このような事態が生じていたのは、市において制度を十分に理解していなかったこと、県において実績報告書の審査、確認が十分でなかったことなどによると認められる。
 これを県別・交付先(保険者)別に示すと次のとおりである。

 
県名
交付先
(保険者)
年度
交付金交付額
左のうち不当と認める額
 
 
 
 
千円
千円
ア 調整基準標準給付費額を過大に算出しているもの
 
(208)
岐阜県
岐阜市
16
724,005
3,705
(209)
鹿児島県
名瀬市
15、16
543,643
10,047
アの計
 
 
 
1,267,648
13,752

 平成18年3月20日以降は奄美市


 上記の2市では、調整基準標準給付費額の算出に当たり、介護給付費等の額を誤るなどしていたため、調整基準標準給付費額が過大に算出されていた。
 上記の事態について一例を示すと次のとおりである。

<事例>

 名瀬市では、平成16年度の調整基準標準給付費額の算出に当たり、16年1月から12月までの12箇月分の介護給付費等の額で算出すべきところを、誤って、介護給付費等の一部について15年11月から16年11月までの13箇月分で算出するなどしていたため、調整基準標準給付費額が過大に算出されていた。
 したがって、適正な調整基準標準給付費額に基づいて交付金の交付額を算定すると266,743,000円となり、9,974,000円が過大に交付されていた。

イ 普通調整交付金交付割合を過大に算出しているもの

(210)
大分県
佐伯市
15
161,145
2,970

 佐伯市では、所得段階別加入割合補正係数を算出するに当たり、その算出の基礎となる所得段階の区分ごとの第1号被保険者数を、第4段階に該当する者は市町村民税課税で合計所得金額が250万円未満の者、第5段階に該当する者は市町村民税課税で合計所得金額が250万円以上の者として算出し、これにより普通調整交付金交付割合を6.51%と算出していた。
 しかし、上記の算出の基礎となる所得段階の区分ごとの第1号被保険者数は、15年度からは第4段階は合計所得金額が200万円未満の者、第5段階は合計所得金額が200万円以上の者となっており、これに基づいて算出した所得段階別加入割合補正係数により普通調整交付金交付割合を算出すると6.39%となり、普通調整交付金交付割合が過大に算出されていた。
 したがって、適正な普通調整交付金交付割合に基づくなどして交付金の交付額を算定すると158,175,000円となり、2,970,000円が過大に交付されていた。

ア、イの計
1,428,793
16,722