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  • 平成17年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • 第9 独立行政法人情報通信研究機構|
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高齢者・障害者向け通信・放送サービス充実研究開発助成事業の実施に当たり、外注費が実績報告書の額より低額で支払われていたため、助成対象事業費の精算が過大となっているもの


(385)高齢者・障害者向け通信・放送サービス充実研究開発助成事業の実施に当たり、外注費が実績報告書の額より低額で支払われていたため、助成対象事業費の精算が過大となっているもの

科目
一般勘定 (項)助成金
部局等の名称
独立行政法人情報通信研究機構本部
助成の根拠
独立行政法人情報通信研究機構法(平成11年法律第162号)
助成事業者(事業主体)
株式会社プロシード
助成事業
高齢者・障害者向け通信・放送サービス充実研究開発
助成事業の概要
通信・放送事業分野における新規事業の創出を図るため、平成16年度に、高齢者・障害者の利便の増進に資する通信・放送役務の開発を実施するもの
事業費
57,766,683円
 
上記に対する助成金交付額
28,776,500円
 
不当と認める事業費
18,639,995円
 
不当と認める助成金交付額
9,320,000円
 

1 助成事業の概要

 この助成事業は、株式会社プロシード(東京都港区)が、通信・放送事業分野における新規事業の創出を図るため、平成16年度に、視覚障害者等が利用可能なアプリケーションソフトを開発したものである。
 同会社では、本件開発に必要なプログラムの設計、構築に係る外注費36,878,095円を含め、事業費57,766,683円で本件助成事業を実施したとしていた。そして、独立行政法人情報通信研究機構(以下「機構」という。)は、17年4月に上記の外注費に係る契約書等を添付した実績報告書の提出を受け、助成金28,776,500円を同会社に交付していた。

2 検査の結果

 この助成事業について実績報告書等により検査したところ、機構では、実績報告書に添付された外注費に係る契約書によると同会社は外注費の一部を実績報告書の提出後に支払うこととなっていたため、未払額を支払うこと及びその支払に係る証拠書類の写しを、後日機構に提出することを条件として、同会社に上記の助成金を交付していた。
 しかし、機構は、18年7月の会計実地検査時までに、未払額の支払に係る証拠書類を提出させておらず、外注費の支払等の状況を確認していなかった。そして、実際には、同会社では事業の途中で本件開発に必要なプログラムの仕様を変更し、外注費に係る契約金額を減額しており、外注費として業者に支払っていたのは18,238,095円であることなどから、結局、同会社は実績報告書記載の事業費より低額な39,126,688円で本件助成事業を実施していた。
 このような事態が生じていたのは、同会社において助成事業の適切な実施に対する認識が十分でなかったことにもよるが、機構において本件助成事業の審査・確認が十分でなかったことなどによると認められる。
 したがって、適正な助成対象事業費は39,126,688円となり、前記の事業費57,766,683円との差額18,639,995円が過大に精算されていて、これに係る助成金9,320,000円が不当と認められる。