平成18年度
第3章 個別の検査結果
第1節 省庁別の検査結果
第10 厚生労働省
不当事項
補助金
(80)(81) 医療施設運営費等補助金の経理において、補助対象事業費の精算が過大となっているもの
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 補助金の概要
医療施設運営費等補助金(救命救急センター運営事業分)は、地域住民の救急医療の確保を目的として、都道府県が救命救急センター(以下「センター」という。)を整備し、初期救急医療施設、第2次救急医療施設及び救急患者の搬送機関との円滑な連絡体制の下に、重篤救急患者の医療を確保するため、センターの運営事業に要する費用の一部を国が補助するものである。
この補助金の交付額は、対象事業ごとに次のように算定することとなっている。
ア 都道府県がセンターの運営事業を行う事業
〔1〕 所定の基準額と対象経費の実支出額(以下「実支出額」という。)とを施設ごとに比較して少ない方の額を選定する。
〔2〕 〔1〕により選定された額(以下「選定額」という。)と施設ごとの総事業費から診療収入額及び寄附金その他の収入額を控除した額(以下「差引額」という。)とを比較して少ない方の額を補助対象事業費とし、これに補助率3分の1を乗じて得た額の合計額を交付額とする。
イ 都道府県の要請を受けた病院の開設者が行うセンターの運営事業に対して都道府県が補助する事業
上記アと同様に、選定額と差引額とを比較して少ない方の額に3分の2を乗じて得た額と都道府県が補助した額とを比較して少ない方の額を補助対象事業費とし、これに補助率2分の1を乗じて得た額の合計額を交付額とする。
上記の総事業費及び実支出額の対象となる経費は、給与、退職金等の人件費、減価償却費、運営に要した借入資金に係る借入利息等の運営経費などセンターの運営実態を反映する経費となっている。このうち、センター専用部分に係る減価償却費等の経費が明確に算出できない場合は、センター専用部分の延べ面積を病院全体の延べ面積で除して得た割合などを用いて、あん分計算により算出することとなっている。ただし、センター専用部分の建物及び構築物のうち、国庫補助を受けて整備した部分については、センターの延べ面積から除くこととなっている。また、借入利息については、施設整備に係るものはその対象外とすることとなっている。
2 検査の結果
(1) 検査の観点、着眼点、対象及び方法
本院は、合規性等の観点から、補助対象経費の算定は適正に行われているかに着眼して、6県4市等計10事業主体において、事業実績報告書等の書類により会計実地検査を行った。
(2) 検査の結果
検査したところ、新潟市及び広島県において、救命救急センター運営事業に係る補助対象事業費が過大に精算されていて国庫補助金計22,393,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、事業主体において補助制度の内容についての理解が十分でなかったこと、厚生労働省及び新潟県において事業主体から提出された事業実績報告書等の審査、確認が十分でなかったことなどによると認められる。
これを事業主体別に示すと次のとおりである。
|
|
県名
|
事業主体
|
補助事業
|
年度
|
補助対象事業費
|
左に対する国庫補助金
|
不当と認められる補助対象事業費
|
不当と認められる国庫補助金
|
摘要
|
|
|
|
|
|
|
千円
|
千円
|
千円
|
千円
|
|
|
(80)
|
新潟県
|
新潟市
|
救命救急センター運営
|
14〜17
|
337,471
|
168,735
|
27,707
|
13,854
|
精算過大
|
上記の市では、平成14年度から17年度までの各年度に、県の要請を受けて新潟市民病院が実施したセンターの運営事業における差引額の算定に当たり、センター専用部分の延べ面積から国庫補助を受けて整備した部分に係る延べ面積を控除していなかったことなどにより、あん分計算を誤って総事業費に減価償却費を過大に計上していたため、各年度における差引額が過大となっていた。
したがって、適正な差引額を基に補助対象事業費を算定すると計309,764,000円となり、補助対象事業費が過大に精算されていた。そして、適正な補助対象事業費に基づき国庫補助金を算定すると計154,881,000円となり、交付額との差額計13,854,000円が過大となっていた。
|
(81) |
広島県 |
広島県 |
救命救急センター運営 |
14、17 |
233,820 |
77,940 |
25,615 |
8,539 |
精算過大 |
上記の県では、平成14年度及び17年度に、県立広島病院が実施したセンターの運営事業における差引額の算定に当たり、センター専用部分の延べ面積から国庫補助を受けて整備した部分に係る延べ面積を控除していなかったことなどにより、あん分計算を誤って総事業費に減価償却費を過大に計上したり、総事業費に施設整備を行った際に発行した債券に係る借入利息を計上したりなどしていたため、各年度における差引額が過大となっていた。
したがって、適正な差引額を基に補助対象事業費を算定すると計208,204,304円となり、補助対象事業費が過大に精算されていた。そして、適正な補助対象事業費に基づき国庫補助金を算定すると計69,401,000円となり、交付額との差額計8,539,000円が過大となっていた。
|
(80)(81)の計
|
571,291 |
246,675 |
53,322 |
22,393 |