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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
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  • 平成19年10月

各府省等が締結している随意契約に関する会計検査の結果について


2 随意契約の実施状況及び随意契約となった理由の妥当性

 対象契約のうち17年度及び18年度(12月まで)に締結された随意契約(以下「対象随意契約」という。)について、その実施状況、随意契約とした理由の状況及び企画競争の実施方法の状況を検査したほか、少額随契を含む契約の一部を抽出して随意契約とした理由の妥当性等について検査した。これらの状況を示すと次のとおりである。

(1) 随意契約の実施状況

 各府省等から提出された調書によると、府省等全体の対象随意契約の件数と支払金額は、図表2-1のとおり、17年度は8.9万件、2.6兆円、18年度(12月まで)は8.0万件、1.3兆円となっている。
 このうち、企画随契は、17年度は0.9万件(随意契約全体に占める割合10.1%)、2720億円(同10.2%)、18年度(12月まで)は1.2万件(同15.7%)、1008億円(同7.3%)であり、件数、支払金額共に9割前後は企画競争を経ない随意契約となっている。

図表2-1 随意契約の実施状況(平成17年度及び18年度(12月まで))
(単位:件、百万円)
年度
件数
支払金額
随意契約全体(A)
随意契約全体(D)
 
企画随契(B)
((B)/(A))
企画競争を経ない随意契約(C)
((C)/(A))
 
企画随契(E)
((E)/(D))
企画競争を経ない随意契約(F)
((F)/(D))
17
89,870
9,035
(10.1%)
80,835
(89.9%)
2,679,524
272,024
(10.2%)
2,407,500
(89.8%)
18
(12月まで)
80,294
12,590
(15.7%)
67,704
(84.3%)
1,377,018
100,888
(7.3%)
1,276,130
(92.7%)

ア 契約種類別の随意契約の状況

 対象随意契約を契約種類別にみると、図表2-2のとおり、件数、支払金額共に、「役務」が最も多く、件数では6割弱、支払金額でも5割弱を占めている。
 また、随意契約に占める企画随契の割合は、企画競争を行う余地が比較的高い設計、調査等を含む「工事(設計、調査等を含む。)」や、調査、研究、広報等を含む「役務」において高くなっている。

図表2-2 契約種類別の随意契約の状況
〔1〕 平成17年度
(単位:件、百万円、%)
区分
契約種類
件数
支払金額
随意契約全体(A)
(契約種類別割合)
随意契約全体(C)
(契約種類別割合)
 
うち企画随契(B)
割合(B)/(A)
 
うち企画随契(D)
割合((D)/(C))
工事(設計、調査等を含む。)
11,126
(12.4)
3,076
27.6
414,690
(15.5)
69,354
16.7
用地取得・補償
4,891
(5.4)
41
0.8
247,716
(9.2)
1,158
0.5
物品等の購入
8,089
(9.0)
2
0.0
192,762
(7.2)
6
0
物品等の製造
4,243
(4.7)
64
1.5
108,609
(4.1)
568
0.5
物品等の賃借
12,400
(13.8)
4
0.0
410,038
(15.3)
41
0
役務
49,121
(54.7)
5,848
11.9
1,305,706
(48.7)
200,896
15.4
合計
89,870
(100)
9,035
10.1
2,679,524
(100)
272,024
10.2

〔2〕 平成18年度(12月まで)
(単位:件、百万円、%)

区分
契約種類
件数
支払金額
随意契約全体(A)
(契約種類別割合)
随意契約全体(C)
(契約種類別割合)
 
うち企画随契(B)
割合(B)/(A)
 
うち企画随契(D)
割合((D)/(C))
工事(設計、調査等を含む。)
9,998
(12.5)
4,428
44.3
152,644
(11.1)
20,662
13.5
用地取得・補償
3,327
(4.1)
73
2.2
130,485
(9.5)
150
0.1
物品等の購入
5,210
(6.5)
6
0.1
139,493
(10.1)
12
0.0
物品等の製造
3,228
(4.0)
49
1.5
34,644
(2.5)
140
0.4
物品等の賃借
11,525
(14.4)
2
0.0
298,451
(21.7)
-
-
役務
47,006
(58.5)
8,032
17.1
621,299
(45.1)
79,922
12.9
合計
80,294
(100)
12,590
15.7
1,377,018
(100)
100,888
7.3

イ 府省等別の随意契約の状況

 対象随意契約を府省等別にみると、図表2-3及び2-4のとおり、国土交通省が件数、支払金額共に最も多く約3割を占め、その多くは「役務」、「工事(設計、調査等を含む。)」関係の契約となっている。次いで多いのは防衛省であり、その多くは「役務」や「物品等の購入」関係の契約となっている。
 また、18年度(12月まで)において、随意契約に占める企画随契の件数割合は、全体では15.7%であるが、競争的資金について企画競争を実施している文部科学省では74.1%、調査研究について企画競争を実施している経済産業省では62.7%を占めている。

図表2-3 府省等別の随意契約の状況
〔1〕 平成17年度
(単位:件、百万円、%)
区分
府省等
件数
支払金額
随意契約全体(A)
随意契約全体(C)
 
うち企画随契(B)
割合(B)/(A)
 
うち企画随契(D)
割合(D)/(C)
内閣
349
19
5.4
32,463
198
0.6
 
内閣官房
239
15
6.3
31,744
142
0.4
内閣法制局
11
-
-
69
-
-
人事院
99
4
4.0
649
55
8.6
内閣府
3,206
378
11.8
82,367
5,877
7.1
 
内閣本府
1,827
327
17.9
55,209
5,396
9.8
宮内庁
180
2
1.1
2,130
16
0.8
公正取引委員会
57
-
-
317
-
-
警察庁
994
22
2.2
21,707
121
0.6
金融庁
148
27
18.2
3,001
342
11.4
総務省
1,414
615
43.5
51,765
16,734
32.3
 
総務本省
1,234
563
45.6
49,577
16,340
33.0
公害等調整委員会
5
2
40.0
21
14
67.8
消防庁
175
50
28.6
2,166
379
17.5
法務省
4,090
50
1.2
86,134
1,134
1.3
 
法務本省
4,030
50
1.2
85,796
1,134
1.3
公安調査庁
60
-
-
338
-
-
外務省
587
125
21.3
13,117
1,649
12.6
財務省
3,246
115
3.5
118,310
2,851
2.4
 
財務本省
1,549
83
5.4
62,040
2,080
3.4
国税庁
1,697
32
1.9
56,270
770
1.4
文部科学省
3,028
2,024
66.8
182,756
87,045
47.6
 
文部科学本省
2,138
1,276
59.7
169,506
79,443
46.9
文化庁
890
748
84.0
13,249
7,602
57.4
厚生労働省
9,478
154
1.6
228,806
5,552
2.4
 
厚生労働本省
5,966
98
1.6
108,954
3,529
3.2
中央労働委員会
16
-
-
57
-
-
社会保険庁
3,496
56
1.6
119,794
2,023
1.7
農林水産省
8,634
332
3.8
154,821
4,603
3.0
 
農林水産本省
4,549
285
6.3
110,463
4,046
3.7
林野庁
3,886
43
1.1
29,451
433
1.5
水産庁
199
4
2.0
14,906
123
0.8
経済産業省
3,070
1,387
45.2
296,710
60,955
20.5
 
経済産業本省
2,091
1,137
54.4
93.069
34,773
37.4
資源エネルギー庁
498
141
28.3
144,609
4,925
3.4
特許庁
369
60
16.3
54,184
20,554
37.9
中小企業庁
112
49
43.8
4,848
702
14.5
国土交通省
29,750
3,625
12.2
916,899
80,016
8.7
 
国土交通本省
26,947
3,622
13.4
882,441
79,997
9.1
気象庁
718
1
0.1
8,344
12
0.1
海上保安庁
2,082
2
0.1
26.110
6
0.0
海難審判庁
3
-
-
3
-
-
環境省
1,685
113
6.7
27,871
4,679
16.8
防衛省
19,899
82
0.4
461,172
103
0.0
 
防衛本省
15,766
8
0.1
316,173
74
0.0
防衛施設庁
4,133
74
1.8
144,999
29
0.0
国会
641
1
0.2
13,882
9
0.1
 
衆議院
223
-
-
4,447
-
-
参議院
211
-
-
3,612
-
-
国立国会図書館
207
1
0.5
5,821
9
0.2
裁判所
730
13
1.8
8,607
595
6.9
会計検査院
63
2
3.2
3,837
15
0.4
合計
89,870
9,035
10.1
2,679,524
272,024
10.2
〔2〕 平成18年度(12月まで)
(単位:件、百万円、%)

区分
府省等
件数
支払金額
随意契約全体(A)
随意契約全体(C)
 
うち企画随契(B)
割合(B)/(A)
 
うち企画随契(D)
割合(D)/(C)
内閣
334
16
4.8
11,866
51
0.4
 
内閣官房
221
12
5.4
11,350
42
0.4
内閣法制局
14
-
-
49
-
-
人事院
99
4
4.0
465
9
2.0
内閣府
2,988
484
16.2
32,097
1,409
4.4
 
内閣本府
1,454
450
30.9
17,332
1,321
7.6
宮内庁
164
1
0.6
1,622
5
0.3
公正取引委員会
33
-
-
122
-
-
警察庁
1,222
18
1.5
11,367
24
0.2
金融庁
115
15
13.0
1,652
57
3.5
総務省
1,130
513
45.4
12,952
1,393
10.8
 
総務本省
985
461
46.8
12,637
1,262
10.0
公害等調整委員会
1
-
-
-
-
-
消防庁
144
52
36.1
314
130
41.6
法務省
3,502
22
0.6
44,625
42
0.1
 
法務本省
3,436
21
0.6
44,352
37
0.1
公安調査庁
66
1
1.5
273
4
1.8
外務省
385
122
31.7
3,704
355
9.6
財務省
2,883
118
4.1
63,760
1,275
2.0
 
財務本省
1,504
87
5.8
34,752
1,177
3.4
国税庁
1,379
31
2.2
29,007
98
0.3
文部科学省
3,727
2,763
74.1
89,359
40,707
45.6
 
文部科学本省
2,734
1,874
68.5
82,746
35,088
42.4
文化庁
993
889
89.5
6,613
5,619
85.0
厚生労働省
9,333
218
2.3
201,649
1,335
0.7
 
厚生労働本省
5,768
163
2.8
70,787
349
0.5
中央労働委員会
17
-
-
39
-
-
社会保険庁
3,548
55
1.6
130,823
986
0.8
農林水産省
6,976
855
12.3
103,815
7,207
6.9
 
農林水産本省
3,706
598
16.1
74,500
2,663
3.6
林野庁
3,067
143
4.7
19,424
841
4.3
水産庁
203
114
56.2
9,889
3,702
37.4
経済産業省
2,821
1,770
62.7
101,392
23,150
22.8
 
経済産業本省
1,947
1,327
68.2
11,982
5,730
47.8
資源エネルギー庁
445
315
70.8
59,843
3,844
6.4
特許庁
344
68
19.8
27,870
13,571
48.7
中小企業庁
85
60
70.6
1,695
4
0.3
国土交通省
26,012
5,335
20.5
416,945
21,998
5.3
 
国土交通本省
24,087
5,333
22.1
395,238
21,994
5.6
気象庁
721
1
0.1
5,778
-
-
海上保安庁
1,202
1
0.1
15,928
3
0.0
海難審判庁
2
-
-
0
-
-
環境省
1,176
321
27.3
4,451
434
9.8
防衛省
17,511
34
0.2
274,949
1,478
0.5
 
防衛本省
13,987
29
0.2
142,750
1,465
1.0
防衛施設庁
3,524
5
0.1
132,199
12
0.0
国会
483
4
0.8
7,913
17
0.2
 
衆議院
156
2
1.3
2,392
9
0.4
参議院
120
1
0.8
2,425
7
0.3
国立図書館
207
1
0.5
3,095
-
-
裁判所
978
12
1.2
4,620
15
0.3
会計検査院
55
3
5.5
2,914
15
0.5
合計
80,294
12,590
15.7
1,377,018
100.888
7.3

図表2-4 随意契約と企画随契の状況(平成18年度(12月まで))

7.3

随意契約の実施状況及び随意契約となった理由の妥当性の図1

随意契約の実施状況及び随意契約となった理由の妥当性の図2

ウ 契約相手方別の随意契約の状況

 対象随意契約を契約相手方別にみると、図表2-5のとおり、「民間企業」の占める割合が、17、18両年度共に、件数では6割近く、支払金額では4割台を占め、最も多くなっている。
 また、18年度(12月まで)について、「公益法人」の占める割合をみると、件数では13.4%(うち所管公益法人9.3%)、支払金額では12.5%(同9.8%)である。
 この割合を、競争契約も含めた対象契約全体のうちで公益法人の占める割合(件数で8.8%(同6.2%)、支払金額で8.1%(同6.3%))と比較すると、件数では4.6ポイント(同3.1ポイント)、支払金額では4.4ポイント(同3.5ポイント)高く、随意契約においては「公益法人」の占める割合が相対的に高い状況となっている。

図表2-5 契約相手方別の随意契約の状況
(単位:件、百万円、%)
契約相手方
17年度
18年度(12月まで)
随意契約
随意契約
対象契約全体(競争契約を含む。)における割合
件数
(割合)
支払金額
(割合)
件数
(割合)
支払金額
(割合)
(件数割合)
(支払金額割合)
民間企業
52,120
(58.0)
1,195,761
(44.6)
48,081
653,740
 
(75.6)
 
(65.8)
(59.9)<
(47.5)<
公益法人
14,606
(16.3)
458,508
(17.1)
10,758
172,586
   
(13.4)>
(12.5)>
(8.8)
(8.1)
 
うち所管公益法人
10,822
(12.0)
377,486
(14.1)
7,485
134,632
   
(9.3)>
(9.8)>
(6.2)
(6.3)
独立行政法人等
3,191
(3.6)
390,616
(14.6)
3,145
(3.9)>
181,270
(13.2)>
 
(2.2)
 
(8.2)
その他
19,953
(22.2)
634,637
(23.7)
18,310
(22.8)>
369,421
(26.8)>
 
(13.4)
 
(17.9)
合計
89,870
(100)
2,679,524
(100)
80,294
(100)
1,377,018
(100)
 
(100)
 
(100)

(注)
 大小の符号(「>」又は「<」)は、平成18年度(12月まで)について、対象契約全体と比べて割合が高い「>」か低い「<」かを示している。 


エ 契約時期別の随意契約の状況

 対象随意契約の締結時期を四半期別にみると、図表2-6のとおり、第1四半期には、清掃、警備、事務機器の賃借等年間契約の締結が行われるため、契約件数が、第2四半期及び第3四半期よりも多くなっており、17年度でみると、全体の半数が第1四半期に集中している。
 また、第1四半期から第3四半期まで(9箇月分)の契約の状況を17、18両年度で比較すると、18年度(12月まで)の対象随意契約件数が若干の増加(5%程度)となっているのに対し、企画随契件数は大幅な増加(60%程度)となっている。その結果、随意契約全体に占める企画随契の割合も5.4ポイント増加していて、契約の公平性及び透明性を向上させる手段として企画競争を活用する傾向が高まっていることがうかがえる。

図表2-6 契約時期別随意契約の状況
(単位:件、%)
契約時期
区分
17年度
18年度(12月まで)
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
第1四半期
第2四半期
第3四半期
対象随意契約件数(A)
45,528
15,588
14,950
76,066
13,804
50,581
16,006
13,707
80,294
企画随契件数(B)
3,073
2,627
2,154
7,854
1,181
5,144
4,401
3,045
12,590
割合(B)/(A)
6.7
16.9
14.4
10.3
8.6
10.2
27.5
22.2
15.7

オ 落札率の状況

 17年度と18年度(12月まで)における対象随意契約の平均落札率をみると、図表2-7のとおり、「所管公益法人」の企画随契だけは17年度よりも4ポイント近く上昇 している。しかし、これを除けば、契約全体でみても、契約相手方別でみても、両年度はほぼ同様の状況となっている。また、契約相手方が公益法人の場合について、企画随契と企画競争を経ない随意契約の平均落札率を比較すると、企画随契の方が10ポイント程度低くなっている。

図表2-7 随意契約の平均落札率の状況
(単位:%)
契約相手方
年度
民間企業
公益法人
独立行政法人等
その他
全体
  うち所管公益法人
17年度
企画随契
96.8
87.1
86.6
97.2
92.1
95.6
企画競争を経ない随意契約
97.5
97.8
97.9
98.8
98.8
97.9
全体
97.4
97.2
97.4
98.8
98.6
97.7
18年度(12月まで)
企画随契
96.9
88.1
90.3
97.9
89.2
95.3
企画競争を経ない随意契約
97.4
97.9
98.0
98.7
98.2
97.7
全体
97.3
96.3
97.0
98.6
97.8
97.3

(2) 随意契約とした理由の状況

ア 法令上の適用理由

 対象随意契約について、随意契約とした法令上の適用理由をみると、図表2-8のとおり、「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」(会計法第29条の3第4項)に該当するためとしているものが最も多く、件数、支払金額共に80%以上を占めている。

図表2-8  法令上の適用理由
(単位:件、百万円、%)
法令上の適用理由
17年度
18年度(12月まで)
件数
支払金額
件数
支払金額
 
割合
 
割合
 
割合
 
割合
契約の性質又は目的が競争を許さない場合(会計法第29条の3第4項)
79,265
88.2
2,324,471
86.7
65,714
81.8
1,102,810
80.1
緊急の必要により競争に付することができない場合(同上)
497
0.6
6,820
0.3
412
0.5
3,421
0.2
競争に付することが国に不利と認められる場合(同上)
1,320
1.5
23,384
0.9
1,146
1.4
10,675
0.8
国の行為を秘密にする必要があるとき(予決令第99条第1号)
1,360
1.5
52,049
1.9
969
1.2
22,734
1.7
運送又は保管をさせるとき(予決令第99条第8号)
357
0.4
38,431
1.4
300
0.4
32,400
2.4
その他(不落随契を含む。)
7,071
7.9
234,365
8.7
11,753
14.6
204,975
14.9
合計
89,870
100
2,679,524
100
80,294
100
1,377,018
100

 そこで、随意契約の法令上の適用理由の大部分を占める「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」を適用している契約について、これを契約種類別にみると、図表2-9のとおりである。
 これによると、工事に伴う用地の取得や補償という契約の性格上代替性が低い「用地取得・補償」ではこの理由によるものがほとんどで、件数、支払金額共に100%に近い割合となっている。これに対して、「物品等の製造」は、両年度を通じて件数では最も低い60%台となっている。これは、「物品等の製造」に係る契約においては、「国の行為を秘密にする必要があるとき」(予決令第99条第1号)を理由としているものや不落随契(予決令第99条の2の規定に基づき、競争に付したが入札者がいないため、又は再度の入札をしても落札者がいないため随意契約によったものをいう。以下同じ。図表2-8では「その他」に含まれる。)が相対的に多いことなどによる。

図表2-9 法令上の適用理由が「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」の契約種類別の状況
〔1〕 平成17年度
(単位:件、百万円、%)
区分
契約種類
件数
支払金額
随意契約全体(A)
随意契約全体(C)
 
(A)のうち契約の性質又は目的が競争を許さない場合(B)
割合(B)/(A)
 
(C)のうち契約の性質又は目的が競争を許さない場合(D)
割合(D)/(C)
工事(設計、調査等を含む。)
11,126
10,053
90.4
414,690
378,340
91.2
用地取得・補償
4,891
4,884
99.9
247,716
245,980
99.3
物品等の購入
8,089
5,809
71.8
192,762
139,503
72.4
物品等の製造
4,243
2,807
66.2
108,609
79,704
73.4
物品等の賃借
12,400
11,795
95.1
410,038
397,042
96.8
役務
49,121
43,917
89.4
1,305,706
1,083,900
83.0
合計
89,870
79,265
88.2
2,679,524
2,324,471
86.7
〔2〕 平成18年度(12月まで)
(単位:件、百万円、%)

区分
契約種類
件数
支払金額
随意契約全体(A)
随意契約全体(C)
 
(A)のうち契約の性質又は目的が競争を許さない場合(B)
割合(B)/(A)
 
(C)のうち契約の性質又は目的が競争を許さない場合(D)
割合(D)/(C)
工事(設計、調査等を含む。)
9,998
9,321
93.2
152,644
144,414
94.6
用地取得・補償
3,327
3,324
99.9
130,485
129,954
99.6
物品等の購入
5,210
3,389
65.0
139,493
110,183
79.0
物品等の製造
3,228
1,981
61.4
34,644
21,905
63.2
物品等の賃借
11,525
10,925
94.8
298,451
292,569
98.0
役務
47,006
36,774
78.2
621,299
403,781
65.0
合計
80,294
65,714
81.8
1,377,018
1,102,810
80.1

 また、契約相手方別にみると、図表2-10のとおり、件数、支払金額共に、「所管公益法人」ではこの理由によるものが最も高く100%に近くなっており、「民間企業」と比べると、18年度(12月まで)では件数で20ポイント程度高くなっている。

図表2-10 法令上の適用理由が「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」の契約相手方別の状況
〔1〕 平成17年度
(単位:件、百万円、%)
区分
契約相手方
件数
支払金額
随意契約全体(A)
随意契約全体(C)
 
(A)のうち契約の性質又は目的が競争を許さない場合(B)
割合(B)/(A)
 
(C)のうち契約の性質又は目的が競争を許さない場合(D)
割合(D)/(C)
民間企業
52,120
44,001
84.4
1,195,761
1,015,825
85.0
公益法人
14,606
14,264
97.7
458,508
449,128
98.0
 
うち所管公益法人
10,822
10,573
97.7
377,486
372,331
98.6
独立行政法人等
3,191
3,073
96.3
390,616
268,084
68.6
その他
19,953
17,927
89.8
634,637
591,432
93.2
合計
89,870
79,265
88.2
2,679,524
2,324,471
86.7
〔2〕 平成18年度(12月まで)
(単位:件、百万円、%)

区分
契約相手方
件数
支払金額
随意契約全体(A)
随意契約全体(C)
 
(A)のうち契約の性質又は目的が競争を許さない場合(B)
割合(B)/(A)
 
(C)のうち契約の性質又は目的が競争を許さない場合(D)
割合(D)/(C)
民間企業
48,081 37,027 77.0 653,740 474,091 72.5
公益法人 10,758 10,389 96.6 172,586 169,564 98.2
 
うち所管公益法人
7,485 7,246 96.8 134,632 133,762 99.4
独立行政法人等
3,145 2,729 86.8 181,270 133,616 73.7
その他
18,310 15,569 85.0 369,421 325,538 88.1
合計
80,294 65,714 81.8 1,377,018 1,102,810 80.1

イ 法令上の適用理由別の各府省等における点検結果の状況

 各府省等は17年度の契約を対象に随意契約点検を行い、当該契約について当局が今後執るとしている措置内容を、〔1〕随意契約によらざるを得ないとして継続するもの、〔2〕競争契約に移行するもの、〔3〕企画随契に移行するもの、〔4〕公募(注4) を実施に切り換えるもの、〔5〕当該年度限りで契約を打ち切るものなどに分類し、公表している。
 そこで、各府省等の内部部局が17年度に締結した対象随意契約15,279件(不落随契を除く。)について、随意契約の法令上の適用理由別に上記の措置内容を調査したところ、図表2-11のとおりとなっている。
 これによると、全体の97.4%を占める契約14,881件は、「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」を適用理由とするものであるが、これらについては、〔2〕競争契約に移行するもの(36.8%)と〔3〕企画随契に移行するもの(16.8%)とを合わせ、全体の53.7%を競争性を高めた契約方式等に移行させるとしている。
 このことから、法令上の適用理由のほとんどを占める「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」とされていた契約の半数以上は競争性の面で検討の余地があったと推測される。

 公募  特殊な技術又は設備等が不可欠な契約において、必要な技術又は設備等をホームページ等で具体的に明らかにした上で、参加者を募ることであり、参加者が複数いる場合は一般競争入札又は企画競争が行われ、特定の者しかいない場合は当該者と随意契約が行われることになる。


図表2-11  法令上の適用理由別にみた当局が今後執るとしている措置内容の状況(平成17年度) 
(単位:件、%)
法令上の適用理由
当局が今後執るとしている措置内容
合計
随意契約によらざるを得ない
競争契約に移行
企画随契に移行
公募を実施
当該年度限り等
件数
割合
件数
割合
件数
割合
件数
割合
件数
割合
件数
割合
契約の性質又は目的が競争を許さない場合
3,298
22.2
5,480
36.8
2,506
16.8
830
5.6
2,767
18.6
14,881
100
緊急の必要により競争に付することができない場合
15
16.1
60
64.5
-
-
-
-
18
19.4
93
100
競争に付することが国に不利と認められる場合
40
32.3
58
46.8
4
3.2
2
1.6
20
16.1
124
100
国の行為を秘密にする必要があるとき
-
-
4
25.0
10
62.5
1
6.3
1
6.3
16
100
運送又は保管をさせるとき
57
44.2
58
45.0
7
5.4
2
1.6
5
3.9
129
100
その他
24
66.7
2
5.6
2
5.6
1
2.8
7
19.4
36
100
合計
3,434
22.5
5,662
37.1
2,529
16.6
836
5.5
2,818
18.4
15,279
100

(注)
 「当該年度限り等」とは、契約内容となる具体的な業務内容が当該年度限りのもの又は翌年度以降は当該業務は行わないことにしたものなどである。


ウ 随意契約の具体的な理由

 上記ア及びイの状況を踏まえ、法令上の適用理由を「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」としている契約について、当局において具体的にどのような理由がこれに当たるとしているかを調査した(具体的理由の妥当性については、第2-2-(4) 並びに3-(4) 及び(5) で記述している。)。
 17年度の対象随意契約の内部部局締結分14,881件のうち、各府省等が随意契約の理由を「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」に該当するとして公表している契約について、更に具体的な理由を分類した結果は、図表2-12のとおりである。
 これによると、主な理由としては24項目(「25 その他」はこの24項目に含まれないもの)あるが、「1 企画競争を実施」を理由とするものが25.8%、「19 専門的又は高度な知識、知見、技術を有する」が20.5%、「21 契約実績、経験を有する」が8.4%を占めており、これらで全体の過半を占めている。
 一方、これら24項目の具体的理由を、他に履行可能な者がいる可能性の程度によって次のA、B、Cの三つのグループに大別すると、それぞれの件数割合は、25.8%、26.2%及び37.5%となっており、このうち特にCグループには、随意契約の具体的な理由に占める割合が高い「19 専門的又は高度な知識、知見、技術を有する」及び「21 契約実績、経験を有する」が含まれている。

Aグループ
契約手続の前段階において複数の参加者を想定し、審査の結果、最も優れた企画書等の提案者と契約するとしているため、ある程度競争性が担保されているもの
Bグループ
契約相手方が唯一の者であることの理由が記述されていると考えられるもの
Cグループ
契約相手方が唯一の者であることの理由が必ずしも記述されていないと考えられるもの
図表2-12  「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」に当たるとしている具体的な理由
(単位:件、%)
具体的な理由
件数
順位
 
割合
A
1
企画競争を実施(企画案の提案者)
3,844
25.8
1
B
2
法令、条約、閣議決定の取決め等に基づく
264
1.8
12
3
場所が限定されている施設・敷地の賃借、使用料
56
0.4
18
4
官報、法律案、予算書又は決算書の印刷等
52
0.3
19
5
水道、ガス料の長期継続契約、郵便料金、NHK受信料
23
0.2
22
6
供給元が一の場合の出版元等からの書籍の購入
307
2.1
9
7
特許権、実用新案権、著作権等を有している
415
2.8
8
8
美術品及び工芸品等の購入
17
0.1
24
9
特定情報の提供者
266
1.8
11
10
複数年度の使用を前提とした物件の賃借
739
5.0
5
11
情報システムの(当初の)開発者
974
6.5
4
12
特注の機械、設備の製造者
45
0.3
20
13
互換性・連動性を確保する必要がある
214
1.4
13
14
複数年度の実施を前提とした事業
513
3.4
7
15
電気需給契約、電話料金
19
0.1
23
3,904
26.2
 
C
16
「12」以外の機械、設備の製造者
514
3.5
6
17
連絡体制(ネットワーク、組織)を有している
282
1.9
10
18
リース物件の所有者による保守等
41
0.3
21
19
専門的又は高度な知識、知見、技術を有する
3,052
20.5
2
20
秘密性、安全性の保持
101
0.7
16
21
契約実績、経験を有する
1,245
8.4
3
22
公平性、中立性を有している
148
1.0
14
23
特殊な施設・設備を有する
84
0.6
17
24
「6」以外の書籍、新聞の購入
106
0.7
15
5,573
37.5
 
25 その他
1,560
10.5
合計
14,881
100
(注)
 一つの契約について複数の具体的理由が公表されている場合は、原則として、異なるグループの理由についてはA、B、Cの順に優先し、同じグループの理由については、公表理由の中で最初に記載されているものを優先して分類している。


 また、契約種類別にこれら25項目の件数割合の状況をみると、図表2-13のとおりである。
 これによると、「工事(設計、調査等を含む。)」については、Cグループが60.3%で過半を占め、そのうち「19 専門的又は高度な知識、知見、技術を有する」が28.4%となっている。
 「用地取得・補償」については、すべてBグループの「3 場所が限定されている施設・敷地の賃借、使用料」となっている。
 「物品等の購入」については、Bグループが47.8%と半数近くを占め、そのうち 「6 供給元が一の場合の出版元等からの書籍の購入」が32.9%となっている。
 「物品等の製造」については、Bグループが42.5%を占め、そのうち「7 特許権、実用新案権、著作権等を有している」が18.7%となっており、また、Cグループは 36.5%を占め、そのうち「19 専門的又は高度な知識、知見、技術を有する」及び 「21 契約実績、経験を有する」がいずれも13.7%となっている。
 「物品等の賃借」については、Bグループが81.6%を占め、そのうち「10 複数年度の使用を前提とした物件の賃借」だけで65.1%となっている。
 「役務」については、Aグループの企画競争は3割程度は取り入れられているものの、Cグループが40.9%を占め、そのうち「19 専門的又は高度な知識、知見、技術を有する」が23.5%となっている。

図表2-13 契約種類別の具体的な理由
(単位:%)

図表2-13契約種類別の具体的な理由(単位:%)

エ A、B、C各グループ区分と各府省等における点検結果の状況

 上記のウでA、B及びCグループに区分した契約のうち随意契約点検の措置内容 が「公募を実施」又は「当該年度限り等」とされている契約以外の契約計10,119件 について、グループごとに随意契約点検の措置内容の状況をみると、図表2-14のと おりである。

(ア) Aグループの状況

企画競争を実施しているAグループは、引き続き企画随契を行うことにしているものが50.2%と最も高いが、競争契約に移行するとしているものも27.0%あり、その内容をみると、主として調査や広報に関する契約を中心に企画随契から総合評価方式による競争契約に移行するとしている例が多い。このことは、企画随契の中には、総合評価方式による競争契約の実施を検討すべきものが多く含まれており、従来は、総合評価方式に代えて競争性を高める代替手段として企画随契が行われてきたことを示していると考えられる。なお、調査、研究、広報に係る契約を総合評価方式で行うことについては、18年7月に、財務大臣との包括協議が整っている。

(イ) Bグループの状況及びCグループの状況の比較

 競争契約に移行するとしているものの割合は、Bグループが52.6%であるのに対して、Cグループはそれより10ポイント高い62.6%となっている。一方、企画競争を経ない随意契約のままとしている割合は、Bグループが42.7%であるのに対して、Cグループではそれより20.8ポイント低い21.9%となっている。
 このように、Cグループには、具体的理由の中に占める比重が高い「19 専門的又は高度な知識、知見、技術を有する」や「21 契約実績、経験を有する」などが含まれているが、これらの理由により随意契約を行っているものは、契約相手方が唯一の者であることの理由がより明確に記述されているBグループに比べて、競争契約に移行できる余地の高かったものが多く含まれていたと考えられる。

図表2-14 具体的な理由別にみた当局が今後執るとしている措置内容の状況

図表2-14具体的な理由別にみた当局が今後執るとしている措置内容の状況

随意契約の実施状況及び随意契約となった理由の妥当性の図3

随意契約の実施状況及び随意契約となった理由の妥当性の図4

(3) 企画競争の実施方法の状況

 各府省等が実施した随意契約点検を踏まえた措置内容によれば、内部部局締結分については、その16.6%の契約を企画随契に移行(図表2-11参照) して競争性を向上させるとしている。すなわち、契約の対象となる業務の内容によっては、競争契約を実施することが困難であって随意契約によらざるを得ない場合においても、企画競争を実施すれば、契約手続の前段階において複数の者を参加させることが可能となり、契約の競争性、公平性及び透明性について一定程度の向上が期待できる。一方、企画競争の実施に当たり、最も優れた者の選定が恣意的に行われた場合、上記の競争性等が十分確保されなくなることから、実施方法の内容が極めて重要である。
 そこで、18年度の対象随意契約のうち内部部局締結分の企画随契6,013件について、企画競争の実施に関する要領等の整備状況、応募者の状況、募集方法の状況、契約担当部局の関与の状況等についてみると、以下のとおりとなっている。

ア 企画競争の実施に関する要領等の整備状況

 各省庁(各府省等の本省及び外局等をいう。以下同じ。)における企画競争の実施に係る要領等の整備状況を19年4月1日現在でみると、図表2-15のとおり、〔1〕各府省等の部内で統一的な要領等を作成しているのは21省庁となっている。また、〔2〕統一的な要領等は作成していないが企画競争を実施する都度、契約案件ごとに事前に作成するとしているのは18省庁である。このうち今後、統一的なものを作成する予定としている1省庁を除く17省庁では、契約内容が多岐にわたることなどから今後も統一的な要領等の作成予定はないとしている。さらに、〔3〕企画競争を実施する必要のある契約案件はないため、要領等を特段作成していないとしているのは1省庁となっている。

図表2-15 企画競争の実施に関する要領等の整備状況
平成19年4月1日現在
要領等の作成状況
省庁
統一的な要領等を作成
企画競争実施の都度要領等を作成
要領等を作成していない
企画随契件数(18年度(12月まで))
内閣
内閣官房
12
内閣法制局
○(契約案件なし)
人事院
4
内閣府
内閣本府
281
宮内庁
1
公正取引委員会
警察庁
18
金融庁
15
総務省
総務本省
445
公害等調整委員会
消防庁
52
法務省
法務本省
20
公安調査庁
1
外務省
122
財務省
財務本省
○※
39
国税庁
24
文部科学省
文部科学本省
1,871
文化庁
889
厚生労働省
厚生労働本省
110
中央労働委員会
社会保険庁
9
農林水産省
農林水産本省
190
林野庁
66
水産庁
114
経済産業省
経済産業本省
613
資源エネルギー庁
204
特許庁
68
中小企業庁
60
国土交通省
国土交通本省
489
気象庁
1
海上保安庁
1
海難審判庁
環境省
267
防衛省
防衛本省
9
防衛施設庁
国会
衆議院
2
参議院
1
国立国会図書館
1
裁判所
11
会計検査院
3
合計
21
18
1
6,013
(注)
 「企画競争実施の都度要領等を作成」の※は、今後、統一的な要領等を作成する予定としているものを示す。


 企画競争の実施に当たっては、公平性及び透明性を高めるため、企画書等の審査を行う審査員の構成、審査方法等についての統一的な基準を定めておくことが望ましい。
 この点についての参考事例を示すと次のとおりである。

<参考事例>

 外務省では、18年11月に作成した「「企画競争」実施の手引」において、各種事業を所掌する課(室)が企画競争を実施しようとする際の統一的な基準を定めており、これにより企画競争の透明性等の確保を図ることとしている。
 上記の手引で示されている基準の主な内容は次のとおりである。
〔1〕 審査に当たっては、事前に審査項目(5項目以上)及び最低合格ライン(満点の60%を下回らないこと)を定め、全審査員の得点の合計点により契約予定者を決定する。
〔2〕 審査の透明性・競争性の観点から、採点項目、採点配分等の審査事項については、業者に対してあらかじめ積極的に開示する。
〔3〕 審査員は、透明性を確保するため、当該事業の実施局課だけでなく、関係部局や外部専門家等を含めた5名以上とする。
〔4〕 審査から恣意性を排除し、公正性を確保するため、業者名を伏せて企画書の審査を実施する。
〔5〕 最高得点の企画書と僅差の範囲内(5%以内)の企画書が複数ある場合には、これらの中で最も低廉な見積価格を提示した者の企画を採用する。

イ 応募者数の状況

 企画競争への応募者数の状況をみると、図表2-16のとおり、契約件数6,013件のうち、応募者数が5者以上のものが半数以上を占めており、これを除くと1者応募が23.4%、次いで2者応募が9.5%となっている。応募者数が5者以上の契約が多いのは、文部科学省において、競争的資金のように一つの研究テーマについて複数の課題が採択される企画競争が多く行われていることによる。

図表2-16 企画競争における応募者数の状況
(単位:件、%)
応募者数
1者
2者
3者
4者
5者以上
合計
件数
(割合)
1,409
572
(9.5)
373
(6.2)
204
(3.4)
3,455
(57.5)
6,013
(100)
(23.4)

ウ 参加者の募集方法の状況

 企画競争を行うに当たっての参加者の募集方法をみると、広く一般に募集している「一般募集」がほとんどであるが、参加者を限定して募る「限定募集」も11.9%見受けられる。

エ 審査における契約担当部局の関与の状況

 企画競争への参加者から提出された企画書等の審査については、実質的に契約相手方の決定につながることから、審査過程の透明性を担保するために契約担当部局も審査に関与することが望ましい。
 そこで、企画競争の審査における契約担当部局の関与の状況をみると、図表2-17のとおり、契約担当部局が審査に参加しているものは26.1%、参加はしていないが審査内容・審査結果の報告を書面で受けているものは29.4%、いずれの報告も受けていないものが4.8%となっている。

図表2-17 審査における契約担当部局の関与の状況

図表2-17審査における契約担当部局の関与の状況

オ 評価項目の設定状況

 企画競争の審査に当たっては、あらかじめ具体的に定めた複数の評価項目により採点を行うことは、審査の公正性及び透明性を高めるだけでなく、審査結果の妥当性の向上にも寄与する。
 そこで、審査を行う際の評価項目の設定の有無についてみると、図表2-18のとおり、6,013件の契約中5,348件とほとんどの契約において評価項目は設定されているが、設定していないとしているものも11.1%見受けられる。
 また、評価項目を設定したとしている5,348件の契約について、評価項目数をみると、5項目以上のものが75.0%となっている一方、1項目しか設定していないとしているものも1.9%見受けられる。

図表2-18 企画競争の審査における評価項目の設定状況
(単位:件、%)
評価項目を設定しているもの
評価項目を設定していないもの
合計
1項目
2項目
3項目
4項目
5項目以上
件数
割合
件数
割合
件数
割合
件数
割合
件数
割合
件数
割合
件数
割合
117
1.9
10
0.2
185
3.1
525
8.7
4,511
75.0
5,348
88.9
665
11.1
6,013
100

(4) 随意契約とした理由の妥当性等

 各府省等における17年度及び18年度の契約のうち、18年11月から19年7月までに会計実地検査を行った各官署で締結された契約の中から、契約金額の規模や契約の内容となっている業務の性質等を勘案するなどして抽出した契約について、随意契約とした理由は妥当かなどを検査した。
 これらの検査に際しては、前記の(1)から(3)までにおける随意契約に係る全体的な特徴、傾向等に関する検査状況を踏まえつつ、検査対象として抽出した契約について、随意契約とした理由の妥当性を改めて横断的に洗い直すこととした。そして、対象とした随意契約の中には既に各府省等において随意契約の見直し計画に従い措置を講じているものもあるが、これらについても同様な考え方で検査した。
 検査の結果、随意契約とした理由の妥当性に関して検討の余地があったと認められるに至った契約が601件(当局による見直しとの関係は、次項(5) において記述している。)見受けられたので「ア 随意契約とした理由の妥当性に関して検討の余地があったもの」 として、また、随意契約とした理由の妥当性に関して検討の余地があったとまではいえないものについて、競争性を高める工夫を行い競争契約等に移行している事例も見受けられたので「イ 競争性を高める工夫をし、競争契約等に移行しているもの(参考事例)」 として、それぞれを次に掲げた。

 なお、本項及び第2-3-(4)において示している18年度の支払金額は、18年12月までのものでなく、18年度分の全額である。

ア 随意契約とした理由の妥当性に関して検討の余地があったもの

 随意契約とした理由の妥当性に関して検討の余地があった契約(以下「個別の事態」という。)601件について、契約内容の業務の性質により次の三つに区分した。
 これを府省等別にみると、図表2-19のとおりである。

(ア)共通的業務
各府省等の行政事務の内容のいかんにかかわらず、共通的に必要とされる業務で、具体的には、備品・消耗品の購入、備品等の賃借、清掃、警備等の庁舎等維持管理、庁舎・機械設備の保守・管理等の業務がこれに該当する。
(イ)行政補助的業務
各府省等の専門的行政事務の補助的な業務で、具体的には、データ入力、情報提供業務、印刷業務等の業務がこれに該当する。
(ウ)調査研究等業務
行政事務を遂行するための調査研究等の業務で、具体的には、調査検討、研究、広報等の業務がこれに該当する。
図表2-19 府省等別の業務の性質区分
上段:件数、支払金額(単位:件、百万円)
下段:割合(単位:%)
府省等
(ア)共通的業務
(イ)行政補助的業務
(ウ)調査研究等業務
合計
件数
支払金額
件数
支払金額
件数
支払金額
件数
支払金額
内閣
2
(50.0)
7
(14.9)
1
(25.0)
9
(21.1)
1
(25.0)
30
(64.0)
4
(100)
47
(100)
内閣府
16
(69.6)
415
(76.6)
2
(8.7)
8
(1.5)
5
(21.7)
118
(21.8)
23
(100)
542
(100)
総務省
26
(66.7)
346
(46.3)
4
(10.3)
93
(12.5)
9
(23.1)
308
(41.2)
39
(100)
747
(100)
法務省
91
(92.9)
1,271
(97.0)
7
(7.1)
39
(3.0)
-
 
-
 
98
(100)
1,311
(100)
外務省
9
(75.0)
251
(93.4)
2
(16.7)
11
(4.2)
1
(8.3)
6
(2.4)
12
(100)
269
(100)
財務省
60
(80.0)
862
(16.3)
13
(17.3)
4,400
(83.2)
2
(2.7)
25
(0.5)
75
(100)
5,288
(100)
文部科学省
6
(75.0)
175
(93.4)
1
(12.5)
2
(1.3)
1
(12.5)
10
(5.3)
8
(100)
187
(100)
厚生労働省
70
(95.9)
1,004
(98.9)
3
(4.1)
11
(1.1)
-
 
-
 
73
(100)
1,015
(100)
農林水産省
41
(66.1)
283
(47.1)
15
(24.2)
138
(22.9)
6
(9.7)
180
(30.0)
62
(100)
602
(100)
経済産業省
12
(54.5)
79
(13.3)
6
(27.3)
219
(36.8)
4
(18.2)
297
(50.0)
22
(100)
596
(100)
国土交通省
87
(78.4)
3,279
(89.9)
11
(9.9)
85
(2.3)
13
(11.7)
285
(7.8)
111
(100)
3,649
(100)
環境省
3
(100)
7
(100)
-
 
-
 
-
 
-
 
3
(100)
7
(100)
防衛省
5
(45.5)
35
(36.5)
4
(36.4)
14
(14.8)
2
(18.2)
46
(48.7)
11
(100)
96
(100)
国会
33
(94.3)
542
(96.6)
-
 
-
 
2
(5.7)
19
(3.4)
35
(100)
561
(100)
裁判所
20
(95.2)
178
(98.5)
1
(4.8)
2
(1.5)
-
 
-
 
21
(100)
181
(100)
会計検査院
3
(75.0)
21
(84.4)
1
(25.0)
4
(15.6)
-
 
-
 
4
(100)
26
(100)
合計
484
(80.5)
8,762
(57.9)
71
(11.8)
5,040
(33.3)
46
(7.7)
1,328
(8.8)
601
(100)
15,131
(100)
(注)
 「件数」及び「支払金額」は、平成17、18両年度の計である。ただし、両年度において対応している契約については、件数は両年度分を合わせて1件としてカウントしている。また、複数の少額随契を一括して競争契約を行うべきとする個別の事態は1件としてカウントしている。


 上記の個別の事態を、第2-2-(2) で記述した随意契約の法令上の適用理由(「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」については具体的な理由)別にみると、図表2-20のとおりである。
 これによると、件数、支払金額共に「19 専門的又は高度な知識、知見、技術を有する」が最も多く(件数で全体の2割強)、次いで、件数では「16 「12」以外の機械、設備の製造者」及び「21 契約実績、経験を有する」が同程度、支払金額では「21 契約実績、経験を有する」となっている。
 また、これらの個別の事態について、契約内容となっている具体的な業務でみると、物品関係と役務関係の二つのグループに大別されるが、件数、支払金額共に役務関係が9割程度を占めている。

図表2-20  随意契約とした理由別の業務の性質等区分
上段:件数(単位:件)
〔1〕 件数
下段:割合(単位:%)
随意契約とした理由
(ア)共通的業務
(イ)行政補助的業務
(ウ)調査研究等業務
合計
物品
役務
役務
役務
物品
役務
合計
契約の性質又は目的が競争を許さない場合
28
(46.7)
363
(85.6)
391
(80.8)
65
(91.5)
46
(100)
28
(46.7)
474
(87.6)
502
(83.5)
  A
1
企画競争を実施(企画案の提案者)
-
-
-
2
(2.8)
1
(2.2)
-
3
(0.6)
3
(0.5)
B
2
法令、条約、閣議決定の取決め等に基づく
-
1
(0.2)
1
(0.2)
-
-
-
1
(0.2)
1
(0.2)
4
官報、法律案、予算書又は決算書の印刷等
-
-
-
1
(1.4)
-
-
1
(0.2)
1
(0.2)
6
供給元が一の場合の出版元等からの書籍の購入
3
(5.0)
-
3
(0.6)
-
-
3
(5.0)
-
3
(0.5)
7
特許権、実用新案権、著作権等を有している
-
2
(0.5)
2
(0.4)
-
-
-
2
(0.4)
2
(0.3)
9
特定情報の提供者
-
-
-
-
1
(2.2)
-
1
(0.2)
1
(0.2)
10
複数年度の使用を前提とした物件の賃借
1
(1.7)
-
1
(0.2)
-
-
1
(1.7)
-
1
(0.2)
11
情報システムの(当初の)開発者
-
4
(0.9)
4
(0.8)
3
(4.2)
1
(2.2)
-
8
(1.5)
8
(1.3)
12
特注の機械、設備の製造者
-
20
(4.7)
20
(4.1)
-
-
-
20
(3.7)
20
(3.3)
13
互換性・連動性を確保する必要がある
-
1
(0.2)
1
(0.2)
3
(4.2)
-
-
4
(0.7)
4
(0.7)
14
複数年度の実施を前提とした事業
-
1
(0.2)
1
(0.2)
1
(1.4)
1
(2.2)
-
3
(0.6)
3
(0.5)
15
電気需給契約、電話料金
-
2
(0.5)
2
(0.4)
-
-
-
2
(0.4)
2
(0.3)
4
(6.7)
31
(7.3)
35
(7.2)
8
(11.3)
3
(6.5)
4
(6.7)
42
(7.8)
46
(7.7)
C
16
「12」以外の機械、設備の製造者
-
83
(19.6)
83
(17.1)
-
-
-
83
(15.3)
83
(13.8)
17
連絡体制(ネットワーク、組織)を有している
-
-
-
-
1
(2.2)
-
1
(0.2)
1
(0.2)
18
リース物件の所有者による保守等
2
(3.3)
3
(0.7)
5
(1.0)
-
-
2
(3.3)
3
(0.6)
5
(0.8)
19
専門的又は高度な知識、知見、技術を有する
-
77
(18.2)
77
(15.9)
23
(32.4)
23
(50.0)
-
123
(22.7)
123
(20.5)
20
秘密性、安全性の保持
-
4
(0.9)
4
(0.8)
5
(7.0)
-
-
9
(1.7)
9
(1.5)
21
契約実績、経験を有する
2
(3.3)
59
(13.9)
61
(12.6)
16
(22.5)
9
(19.6)
2
(3.3)
84
(15.5)
86
(14.3)
22
公平性、中立性を有している
-
8
(1.9)
8
(1.7)
1
(1.4)
1
(2.2)
-
10
(1.8)
10
(1.7)
23
特殊な施設・設備を有する
-
-
-
-
1
(2.2)
-
1
(0.2)
1
(0.2)
24
「6」以外の書籍、新聞の購入
1
(1.7)
-
1
(0.2)
-
-
1
(1.7)
-
1
(0.2)
5
(8.3)
234
(55.2)
239
(49.4)
45
(63.4)
35
(76.1)
5
(8.3)
314
(58.0)
319
(53.1)
25 その他
19
(31.7)
98
(23.1)
117
(24.2)
10
(14.1)
7
(15.2)
19
(31.7)
115
(21.3)
134
(22.3)
緊急の必要により競争に付することができない場合
-
1
(0.2)
1
(0.2)
-
-
-
1
(0.2)
1
(0.2)
競争に付することが国に不利と認められる場合
-
14
(3.3)
14
(2.9)
2
(2.8)
-
-
16
(3.0)
16
(2.7)
国の行為を秘密にする必要があるとき
1
(1.7)
4
(0.9)
5
(1.0)
1
(1.4)
-
1
(1.7)
5
(0.9)
6
(1.0)
少額随契
24
(40.0)
13
(3.1)
37
(7.6)
2
(2.8)
-
24
(40.0)
15
(2.8)
39
(6.5)
運送又は保管をさせるとき
-
11
(2.6)
11
(2.3)
1
(1.4)
-
-
12
(2.2)
12
(2.0)
その他
7
(11.7)
18
(4.2)
25
(5.2)
-
-
7
(11.7)
18
(3.3)
25
(4.2)
合計
60
<10.0>
424
<70.5>
484
<80.5>
71
<11.8>
46
<7.7>
60
<10.0>
541
<90.0>
601
<100>
(100)
(100)
(100)
(100)
(100)
(100)
(100)
(100)
(注)
 (  )書きは最下段の理由別合計に対する構成比である。また、< >書きは業務の性質等区分別の構成比である。〔2〕の表においても同じ。

上段:支払金額(単位:百万円)
〔2〕 支払金額
下段:割合(単位:%)
随意契約とした理由
(ア)共通的業務
(イ)行政補助的業務
(ウ)調査研究等業務
合計
物品
役務
役務
役務
物品
役務
合計
契約の性質又は目的が競争を許さない場合
357
(58.0)
7,012
(86.1)
7,370
(84.1)
5,004
(99.3)
1,328
(100)
357
(58.0)
13,345
(92.0)
13,703
(90.6)
  A
1
企画競争を実施(企画案の提案者)
-
 
-
 
-
 
13
(0.3)
12
(1.0)
-
 
26
(0.2)
26
(0.2)
B
2
法令、条約、閣議決定の取決め等に基づく
-
 
7
(0.1)
7
(0.1)
-
 
-
 
-
 
7
(0.1)
7
(0.0)
4
官報、法律案、予算書又は決算書の印刷等
-
 
-
 
-
 
8
(0.2)
-
 
-
 
8
(0.1)
8
(0.1)
6
供給元が一の場合の出版元等からの書籍の購入
186
(30.2)
-
 
186
(2.1)
-
 
-
 
186
(30.2)
-
 
186
(1.2)
7
特許権、実用新案権、著作権等を有している
-
 
9
(0.1)
9
(0.1)
-
 
-
 
-
 
9
(0.1)
9
(0.1)
9
特定情報の提供者
-
 
-
 
-
 
-
 
3
(0.2)
-
 
3
(0.0)
3
(0.0)
10
複数年度の使用を前提とした物件の賃借
5
(0.8)
-
 
5
(0.1)
-
 
-
 
5
(0.8)
-
 
5
(0.0)
11
情報システムの(当初の)開発者
-
 
20
(0.3)
20
(0.2)
26
(0.5)
4
(0.4)
-
 
52
(0.4)
52
(0.3)
12
特注の機械、設備の製造者
-
 
317
(3.9)
317
(3.6)
-
 
-
 
-
 
317
(2.2)
317
(2.1)
13
互換性・連動性を確保する必要がある
-
 
27
(0.3)
27
(0.3)
17
(0.3)
-
 
-
 
44
(0.3)
44
(0.3)
14
複数年度の実施を前提とした事業
-
 
9
(0.1)
9
(0.1)
2
(0.0)
137
(10.3)
-
 
148
(1.0)
148
(1.0)
15
電気需給契約、電話料金
-
 
69
(0.9)
69
(0.8)
-
 
-
 
-
 
69
(0.5)
69
(0.5)
191
(31.0)
462
(5.7)
653
(7.5)
54
(1.1)
145
(10.9)
191
(31.0)
662
(4.6)
853
(5.6)
C
16
「12」以外の機械、設備の製造者
-
 
742
(9.1)
742
(8.5)
-
 
-
 
-
 
742
(5.1)
742
(4.9)
17
連絡体制(ネットワーク、組織)を有している
-
 
-
 
-
 
-
 
30
(2.3)
-
 
30
(0.2)
30
(0.2)
18
リース物件の所有者による保守等
7
(1.2)
27
(0.3)
34
(0.4)
-
 
-
 
7
(1.2)
27
(0.2)
34
(0.2)
19
専門的又は高度な知識、知見、技術を有する
-
 
965
(11.9)
965
(11.0)
4,541
(90.1)
627
(47.2)
-
 
6,135
(42.3)
6,135
(40.5)
20
秘密性、安全性の保持
-
 
19
(0.2)
19
(0.2)
54
(1.1)
-
 
-
 
74
(0.5)
74
(0.5)
21
契約実績、経験を有する
9
(1.5)
1,178
(14.5)
1,187
(13.6)
222
(4.4)
266
(20.1)
9
(1.5)
1,667
(11.5)
1,667
(11.5)
22
公平性、中立性を有している
-
 
38
(0.5)
38
(0.4)
6
(0.1)
49
(3.8)
-
 
95
(0.7)
95
(0.6)
23
特殊な施設・設備を有する
-
 
-
 
-
 
-
 
5
(0.4)
-
 
5
(0.0)
5
(0.0)
24
「6」以外の書籍、新聞の購入
5
(0.8)
-
 
5
(0.1)
-
 
-
 
5
(0.8)
-
 
5
(0.0)
21
(3.5)
2,971
(36.5)
2,993
(34.2)
4,825
(95.7)
979
(73.7)
21
(3.5)
8,777
(60.5)
8,799
(58.1)
25 その他
144
(23.4)
3,578
(43.9)
3,723
(42.5)
110
(2.2)
190
(14.3)
144
(23.4)
3,879
(26.7)
4,024
(26.6)
緊急の必要により競争に付することができない場合
-
 
5
(0.1)
5
(0.1)
-
 
-
 
-
 
5
(0.0)
5
(0.0)
競争に付することが国に不利と認められる場合
-
 
145
(1.8)
145
(1.7)
13
(0.3)
-
 
-
 
159
(1.1)
159
(1.1)
国の行為を秘密にする必要があるとき
4
(0.7)
294
(3.6)
299
(3.4)
5
(0.1)
-
 
4
(0.7)
300
(2.1)
305
(2.0)
少額随契
220
(35.7)
76
(0.9)
297
(3.4)
11
(0.2)
-
 
220
(35.7)
88
(0.6)
308
(2.0)
運送又は保管をさせるとき
-
 
54
(0.7)
54
(0.6)
5
(0.1)
-
 
-
 
60
(0.4)
60
(0.4)
その他
34
(5.7)
555
(6.8)
589
(6.7)
-
 
-
 
34
(5.7)
555
(3.8)
589
(3.9)
合計
617
<4.1>
8,145
<53.8>
8,762
<57.9>
5,040
<33.3>
1,328
<8.8>
617
<4.1>
14,514
<95.9>
15,131
<100>
(100)
100)
100)
100)
100)
100)
100)
100)

 次に、個別の事態601件について、19年8月1日現在で当局が個別の事態に対して講じた見直し状況を次の四つに区分した。

措置済み
今回の会計実地検査の結果、移行が相当と認められた契約方式等と同様の契約方式等により契約を締結しているもの(ただし、不落随契は競争契約に含めている。)
措置未済
今回の会計実地検査の結果、移行が相当と認められた契約方式等と比較して不十分な、又は従来と同様の契約方式等を継続しているもの
未契約
契約はまだ締結していないが、19年度中に締結を予定しているもの
当該年度限り等
契約内容となる具体的な業務内容が契約年度限りのもの又は翌年度以降は当該業務は行わないことにしたものなど

 そして、この601件を(ア)共通的業務、(イ)行政補助的業務及び(ウ)調査研究等業務の三つに区分して示すとともに、当該見直し状況を示すと次のとおりである。

(ア) 共通的業務

 随意契約とした理由の妥当性に関して検討の余地があった契約のうち、共通的業務に係る個別の事態は図表2-21のとおりである。

図表2-21 契約内容区分別の件数、支払金額等(共通的業務)
(単位:件、百万円)
契約内容の区分
契約年度
件数
支払金額
見直し状況(19年8月1日現在)
契約済み件数
未契約件数
当該年度限り等件数
措置済み
措置未済
備品・消耗品の購入
17
20
108
9
-
2
9
17、18
31
456
24
2
4
1
18
5
10
-
-
-
5
小計
56
576
33
2
6
15
備品等の賃借
17
-
-
-
-
-
-
17、18
4
41
-
3
1
-
18
-
-
-
-
-
-
小計
4
41
-
3
1
-
清掃、警備等の庁舎等維持管理
17
16
170
15
-
-
1
17、18
82
3,547
60
16
1
5
18
6
104
5
-
1
-
小計
104
3,823
80
16
2
6
庁舎機械設備の保守・管理等
17
24
69
19
-
-
5
17、18
154
2,621
104
35
8
7
18
8
31
4
1
-
3
小計
186
2,722
127
36
8
15
その他の役務
17
36
231
27
1
1
7
17、18
98
1,368
69
15
13
1
18
-
-
-
-
-
-
小計
134
1,599
96
16
14
8
17
96
579
70
1
3
22
17、18
369
8,035
257
71
27
14
18
19
147
9
1
1
8
合計
484
8,762
336
73
31
44
(注)
 「契約年度」の「17、18」は、平成17、18両年度において対応する契約が締結されているものである。以下の図表2-22及び2-23においても同じ。


 上記について主な事例を示すと次のとおりである。

<事例>

〔備品・消耗品の購入〕
(a) 法務省滋賀刑務所では、17、18両年度に、強化精麦の購入について、5業者と少額随契(契約金額の合計:17年度5,977千円、18年度6,417千円)を行っていた。しかし、この強化精麦の購入に係る契約については同種業務を行う業者が複数存在することから、単価契約による競争契約を行うべきであると認められる。
(b) 環境省関東地方環境事務所では、17年度に、書架等の購入について、18日間の短期間に4回、同一業者とそれぞれ少額随契(契約金額は、967千円が2件、772千円が2件)を行っていた。しかし、これらの契約は、書架等の納入年月日、支払年月日及び供用先が同一であり、一括して競争契約を行うべきであると認められる。

〔備品等の賃借〕
(c) 林野庁四国森林管理局愛媛森林管理署では、17、18両年度に、林道の崩土石除去及び路面整正の建設機械(オペレータを含む。)の賃借について、複数の業者と少額随契(契約金額の合計:17年度24,447千円、18年度4,449千円)を行っていた。しかし、同建設機械は特殊なものではなく、また、契約の時期及び地域が同一となっていることから、一括して競争契約を行うべきであると認められる。

〔清掃、警備等の庁舎等維持管理〕
(d) 文部科学本省では、17、18両年度に、庁舎内の警備、電話交換業務に係る時間外の電話対応などの業務について、多数かつ様々な対応が必要であることなどから、新規業者に請け負わせた場合には相当の研修期間を要することを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額:17年度80,805千円、18年度56,941千円)を行っていた。しかし、マニュアルの充実化などにより警備業務のレベルを維持することは可能であり、同種の業務に熟練した業者であれば実施できることから、競争契約が可能であると認められる。
(e) 国土交通省北陸地方整備局では、17年度に、外来者の受付、案内、庁舎内の巡回・監視等の守衛業務及び電話交換業務について、実績があり業務内容を熟知していて信頼性が高いことを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額13,409千円)を行っていた。しかし、当該業務の内容からみて、業者を特定する必要性はなく、競争契約が可能であると認められる。
(f) 水戸地方裁判所では、17、18両年度に、機械警備業務について、設置されているセンサー等の機器類が特定の業者の製品であり、各端末センサーと制御盤が、当該業者独自の制御ソフトにより制御されており、他の業者では、本機器類を作動確認及び調整することができず、競争を許さないことを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額:17年度6,121千円、18年度6,121千円)を行っていた。しかし、同種業務を実施する業者が複数存在することなどから、他の業者が参入できるように機器の更新を考慮に入れた仕様とするなど工夫することによって競争契約が可能であると認められる。

〔庁舎機械設備の保守・管理等〕
(g) 財務省近畿財務局奈良財務事務所では、17、18両年度に、合同庁舎の設備維持管理業務について、高度な専門的知識を有し、各設備の機能を熟知していることから、当該業務を実施できる唯一の者であることを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額:17年度6,629千円、18年度6,629千円)を行っていた。しかし、必要とされる第3種電気主任技術者の資格はこの種の業務を行うために一般的なものであり、各設備の機能についてもマニュアルの整備及び職員の適切な監督を通じて他の業者も習熟することができることから、競争契約が可能であると認められる。
(h) 厚生労働省国立国際医療センターでは、17、18両年度に、空調自動制御機器に係る保守管理業務について、施工時の状況に詳しく、また、専門知識・経験を有し迅速な対応が可能であることを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額:17年度9,555千円、18年度9,555千円)を行っていた。しかし、業務内容は特殊なものではなく、他の業者でも実施できることから、競争契約が可能であると認められる。

〔その他の役務〕
(i) 厚生労働省国立精神・神経センター国府台病院では、17、18両年度に、一般廃棄物の処理について、同病院に近いことや業務経験が長く信頼性があることを理由に、前年度の契約業者を含めた2社から見積書を徴し、安価な方の業者と随意契約(契約金額:17年度7,763千円、18年度7,171千円)を行っていた。しかし、当該業務については履行できる者が複数あり、また、他の施設においては同種業務について競争契約を行っている例があることから、競争契約が可能であると認められる。
(j) 農林水産省近畿農政局では、17、18両年度に、小荷物の運送業務について、予決令第99条第8号において「運送又は保管をさせるとき」は随意契約によることができるとされていることを理由に、数社から見積書を徴し、最も安価な業者と随意契約(契約金額:17年度3,161千円、18年度2,859千円)を行っていた。しかし、上記の規定の適用は、運送又は保管に独特な事情があり相手方が特定される場合が多い点に着目して認められているもので、本件契約のように、仕様に適合する業者が多数見込まれるような場合には、競争契約によるべきであると認められる。
(k) 経済産業本省では、17、18両年度に、電話交換業務について、交換手には業務概要等の行政知識が必要とされ、交換手が交替した場合、習熟期間中は行政サービスが低下することを理由に、従前から契約を行っている業者と随意契約(契約金額:17年度14,902千円、18年度14,866千円)を行っていた。しかし、他省庁では同種業務について競争契約を実施しているものもあり、競争契約が可能であると認められる。
(l) 会計検査院では、17年度に、来庁者の受付・案内、電話交換業務について、会計検査院の業務、組織及び電話交換業務に精通している者を多数有していて確実に業務を履行できる業者は他にはいないことを理由に、会計検査院が入居しているビルの管理会社と随意契約(契約金額4,410千円)を行っていた。しかし、業務内容等を仕様書で詳細に定めれば、本業務を遂行できる者は他にも存在することから、競争契約が可能であると認められる。

 上記の事例について当局の見直し状況を示すと、19年度に単価契約による競争契約に移行したもの(a)、17年度限りの契約のもの(b)、19年度から競争契約に移行予定のもの(c)、19年度に競争契約に移行したもの(d、f、g、h、i)、18年度に競争契約に移行したもの(e、l)、19年度においても随意契約を実施しているもの(j)及び19年度は随意契約を行い、20年度以降に競争契約を実施するためソフト面、ハード面から検討中のもの(k)となっている。

(注)
 単価契約によるものは年間の支払金額を契約金額としている。以下同じ。


(イ) 行政補助的業務

 随意契約とした理由の妥当性に関して検討の余地があった契約のうち、行政補助的業務に係る個別の事態は、図表2-22のとおりである。

図表2-22 契約内容区分別の件数、支払金額等(行政補助的業務)
(単位:件、百万円)
契約内容の区分
契約年度
件数
支払金額
見直し状況(19年8月1日現在)
契約済み件数
未契約件数
当該年度限り等件数
措置済み
措置未済
データ入力、情報提供
17
5
28
4
-
-
1
17、18
8
119
8
-
-
-
18
1
1
1
-
-
-
小計
14
148
13
-
-
1
その他の役務
17
26
586
16
-
-
10
17、18
30
4,298
19
1
6
4
18
1
6
-
-
-
1
小計
57
4,891
35
1
6
15
17
31
615
20
-
-
11
17、18
38
4,417
27
1
6
4
18
2
7
1
-
-
1
合計
71
5,040
48
1
6
16

 上記について主な事例を示すと次のとおりである。

<事例>

〔データ入力、情報提供〕
(m) 外務省では、17、18両年度に、過去の外交記録写真を電子情報で保存する業務について、現在使用している写真情報及び検索情報等と規格を統一し互換性を確保する必要があることを理由に、15年度に当該業務について競争契約を締結した者と随意契約(契約金額:17年度4,076千円、18年度3,834千円)を行っていた。しかし、写真情報等の規格を統一し互換性を確保することは、仕様を定めておけば他の者でもできることから、競争契約が可能であると認められる。

〔その他の役務〕
(n) 国税庁仙台国税局では、17、18両年度に、管轄内における各県版の租税教育用副教材(小・中学生用)の印刷業務について、県別等に原稿内容が異なることから、それぞれ少額随契(契約金額の合計:17年度2,604千円、18年度4,204千円)を行っていた。しかし、これらの契約は各県における原稿作成のスケジュールを統一するなどの所要の調整を図ることにより、一括して競争契約を行うべきであると認められる。
(o) 農林水産本省では、17年度に、農林水産試験研究年報の印刷業務について、2業者と少額随契(契約金額の合計4,616千円)を行っていたが、一括して競争契約を実施することが可能であると認められる。

 上記の事例について当局の見直し状況を示すと、19年度に競争契約に移行したもの(m、n)及び17年度限りの契約のもの(o)となっている。

(ウ) 調査研究等業務

 随意契約とした理由の妥当性に関して検討の余地があった契約のうち、調査研究等業務に係る個別の事態は、図表2-23のとおりである。

図表2-23 契約内容区分別の件数、支払金額等(調査研究等業務)
(単位:件、百万円)
契約内容の区分
契約年度
件数
支払金額
見直し状況(19年8月1日現在)
契約済み件数
未契約件数
当該年度限り等件数
措置済み
措置未済
役務
調査検討
17
17
245
4
-
2
11
17、18
11
455
1
2
5
3
18
1
7
-
-
-
1
小計
29
709
5
2
7
15
研究
17
2
46
1
-
-
1
17、18
1
27
-
1
-
-
18
-
-
-
-
-
-
小計
3
74
1
1
-
1
広報
17
9
344
7
-
-
2
17、18
5
200
1
2
-
2
18
-
-
-
-
-
-
小計
14
544
8
2
-
4
17
28
637
12
-
2
14
17、18
17
683
2
5
5
5
18
1
7
-
-
-
1
合計
46
1,328
14
5
7
20

 上記について主な事例を示すと次のとおりである。

<事例>

〔調査検討〕
(p) 農林水産省九州農政局徳之島用水農業水利事業所では、17年度に、農業水利施設の建設における天然記念物等の調査検討業務について、当該地区の生態調査に精通しており作業が効率的にできることを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額34,755千円)を行っていた。しかし、この業務は生態調査の方法等をあらかじめ仕様書等で示すことにより、生態調査に熟練した他の業者でも履行できることから、競争契約が可能であると認められる。

〔広報〕
(q) 衆議院では、17、18両年度に、参観者に対する端末の操作・案内及び国会関係情報の説明等の業務について、国会の機構及び運営等について広範な知見を有していることを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額:17年度5,972千円、18年度5,997千円)を行っていた。しかし、これらの業務は他の業者でも実施できることから、競争契約が可能であると認められる。

 上記の事例について当局の見直し状況を示すと、18年度に競争契約に移行したもの(p)及び18年度限りの契約のもの(q)となっている。

イ 競争性を高める工夫をし、競争契約等に移行しているもの(参考事例)

 契約締結時点において随意契約とした理由の妥当性に関して検討の余地があったとまではいえないものについて、その後、各府省等において、競争性を高める工夫をして、競争契約等に移行している事例を参考として示すと次のとおりである。

<参考事例>

[秘密保持方法等について提案を行わせる企画競争を実施しているもの]
(r) 人事院では、17、18両年度に、国家公務員(III種)の試験問題集の印刷業務について、秘密保持が確保される体制が整っていることなどを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額:17年度3,261千円、18年度4,204千円)を行っていた。しかし、19年度には、秘密保持の方法等について企画競争(応募者3者)を実施し、最も優れていると判断した提案を行った従来とは別の業者と随意契約を行っている。

[業務内容を具体的に仕様書に定めることにより競争契約に移行しているもの]
(s) 経済産業省東北経済産業局では、17、18両年度に、エネルギー・原子力に関する意識調査業務について、調査には専門的な知識等が不可欠であることから、この点に関する企画競争を行い、特定の公益法人と随意契約(契約金額:17年度4,973千円、18年度4,287千円)を行っていた。しかし、調査項目は基本的に同一であるため、これまでの調査実施状況を参考にするなどして調査項目、調査方法等を具体的に定め、これを仕様書に明記することにより、19年度には、競争入札(入札者2者)を実施しており、その結果、従来と同一の公益法人と3,412千円で契約を行っている。

[秘密漏えい防止等のための措置を講じることにより競争契約に移行しているもの]
(t) 防衛省陸上自衛隊朝霞駐屯地では、17、18両年度に、通信所における警戒監視業務について、情報漏えいを防止し、施設保全を図ることを理由に、特定の業者と随意契約(契約金額:17年度27,934千円、18年度27,930千円)を行っていた。しかし、秘密漏えい防止等について公安委員会の認定を有していること、官公庁や大企業と契約実績があることについて仕様書等に明記することにより、19年度には競争入札(入札者4者)を実施し、その結果、従来とは別の業者と25,754千円で契約を行っている。

(5) 個別の事態と随意契約点検及び見直し状況との関連等

ア 個別の事態と随意契約点検及び見直し状況との関連

 上記(4)の「ア 随意契約とした理由の妥当性に関して検討の余地があったもの」において掲記した個別の事態601件を、(ア)各府省等が17年度の契約について実施した随意契約点検の対象となり、今後執るとしている措置内容が公表されている契約536件と、(イ)18年度に新たに締結されたため随意契約点検が実施されていないなどの契約65件とに区分した。このうち(ア)については、個別の事態に係る当局が今後執るとしている措置内容の状況をみるとともに、(ア)及び(イ)について、19年8月1日現在における当局による見直し状況の詳細をみることとする。

(ア) 随意契約点検の対象となり、今後執るとしている措置内容が公表されている契約の状況

 個別の事態のうち、随意契約点検の対象となり、今後執るとしている措置内容が公表されている契約536件について、その内容をみると、図表2-24のとおり、〔1〕引き続き随意契約によらざるを得ないとしているもの23件、〔2〕競争契約に移行するとしているもの432件、〔3〕企画随契に移行するとしているもの16件、〔4〕公募を実施に切り換えるとしているもの38件、〔5〕当該年度限りで契約を打ち切るとしているものなど27件となっている。

図表2-24 個別の事態に係る当局が今後執るとしている措置内容の状況
(単位:件)
府省等
件数
当局が今後執るとしている措置内容
〔1〕随意契約によらざるを得ない
〔2〕競争契約に移行
〔3〕企画随契に移行
〔4〕公募を実施
〔5〕当該年度限り等
内閣
4
-
4
-
-
-
内閣府
19
1
14
-
-
4
総務省
35
1
33
-
-
1
法務省
77
-
76
-
1
-
外務省
12
-
12
-
-
-
財務省
68
-
33
7
27
1
文部科学省
8
-
7
-
1
-
厚生労働省
72
4
61
6
-
1
農林水産省
58
-
45
2
3
8
経済産業省
18
-
17
-
-
1
国土交通省
101
-
87
1
6
7
環境省
-
-
-
-
-
-
防衛省
7
-
5
-
-
2
国会
34
17
16
-
-
1
裁判所
19
-
19
-
-
-
会計検査院
4
-
3
-
-
1
合計
536
23
432
16
38
27

 また、536件について、19年8月1日現在における見直し状況をみると、図表2-25のとおり、契約済み437件、未契約37件、計474件である。そして、この474件のうち、今回の会計実地検査の結果、移行が相当と認められた契約方式等に対応した見直しとなっているものが398件(うち「競争契約に移行」は、措置済み332件、措置予定19件、計351件)ある一方、「措置未済」や「措置予定なし」も合わせて76件残されている。

図表2-25 措置内容が公表されている個別の事態に係る契約の見直し状況
(単位:件)
府省等
件数
見直し状況(19年8月1日現在)
契約済み
未契約
当該年度限り等
措置済み
措置未済
措置予定
措置予定なし
競争契約に移行
企画随契に移行
公募を実施
競争契約に移行
企画随契に移行
公募を実施
内閣
4
1
-
-
2
-
-
-
-
1
内閣府
19
10
-
-
1
1
-
-
1
6
総務省
35
24
-
-
8
1
-
-
-
2
法務省
77
55
-
-
14
2
-
-
-
6
外務省
12
5
-
-
2
5
-
-
-
-
財務省
68
28
7
17
-
-
1
9
1
5
文部科学省
8
6
-
-
1
1
-
-
-
-
厚生労働省
72
51
-
-
18
2
-
-
1
-
農林水産省
58
41
1
-
4
-
1
-
1
10
経済産業省
18
7
6
-
1
1
-
-
-
3
国土交通省
101
66
2
-
3
6
-
3
-
21
環境省
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
防衛省
7
5
-
-
-
-
-
-
-
2
国会
34
13
-
-
18
-
-
-
-
3
裁判所
19
17
-
-
-
-
-
-
-
2
会計検査院
4
3
-
-
-
-
-
-
-
1
合計
536
332
16
17
72
19
2
12
4
62
437
37

(イ) (ア)以外の契約の状況

 18年度に新たに締結されたため随意契約点検が実施されていないなど上記(ア)以外の契約65件について、19年8月1日現在における見直し状況をみると、図表2-26のとおり、契約済み40件、未契約7件、計47件となっている。そして、この47件のうち、今回の会計実地検査の結果、移行が相当と認められた契約方式等に対応した見直しとなっているものが40件(うち「競争契約に移行」は、措置済み32件、措置予定7件、計39件)あるが、「措置未済」のものも7件となっている。

図表2-26 (ア)以外の個別の事態に係る契約の見直し状況
(単位:件)
府省等
件数
見直し状況(19年8月1日現在)
契約済み
未契約
当該年度限り等
措置済み
措置未済
措置予定
措置予定なし
競争契約に移行
企画随契に移行
公募を実施
競争契約に移行
企画随契に移行
公募を実施
内閣
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
内閣府
4
3
-
-
-
-
-
-
-
1
総務省
4
2
-
-
-
-
-
-
-
2
法務省
21
13
-
-
4
2
-
-
-
2
外務省
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
財務省
7
5
-
-
-
1
-
-
-
1
文部科学省
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
厚生労働省
1
-
-
-
-
-
-
-
-
1
農林水産省
4
1
-
-
1
1
-
-
-
1
経済産業省
4
-
-
-
-
3
-
-
-
1
国土交通省
10
2
1
-
1
-
-
-
-
6
環境省
3
-
-
-
-
-
-
-
-
3
防衛省
4
3
-
-
1
-
-
-
-
-
国会
1
1
-
-
-
-
-
-
-
-
裁判所
2
2
-
-
-
-
-
-
-
-
会計検査院
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
合計
65
32
1
-
7
7
-
-
-
18
40
7

 以上の19年8月1日現在における当局の見直し状況について、(ア)及び(イ)を合わせると図表2-27のとおり、601件のうち「措置未済」や「措置予定なし」が計83件となっている。

図表2-27 個別の事態に係る契約の見直し状況((ア)と(イ)の合計)
(単位:件)
区分
合計
見直し状況(19年8月1日現在)
契約済み
未契約
当該年度限り等
措置済み
措置未済
措置予定
措置予定なし
競争契約に移行
企画随契に移行
公募を実施
竸争契約に移行
企画随契に移行
公募を実施
件数
601
364
17
17
79
26
2
12
4
80
477
44

イ 個別の事態についての見直し後における競争性の状況

 上記アの19年8月1日現在の見直し状況において競争契約又は企画随契に移行済みとなっている個別の事態について、応札者又は応募者の数にどのような変化があったか、落札率に変化は生じたか及び契約相手方に変更があったかについてみたところ、図表2-28及び2-29のとおりとなっている。
 これによると、全体では、平均落札率は移行前の94.1%から移行後は83.5%へ10.6ポイント低下しており、特に、応札者等が2者以上となった場合には71.0%と23.1ポイント低下していて、見直しの結果、実質的にも競争性が向上している状況がうかがえる。一方、応札者等が1者しかいないものも約半数の195件あり、その平均落札率は移行前とほぼ同水準の93.1%にとどまり、契約相手方もそのほとんどは随意契約当時の相手方と同一の者となっている。

図表2-28 見直し後の応札者(応募者)数、落札率等
(単位:件、%)
競争契約又は企画随契に移行済みとなっている個別の事態
競争契約又は企画随契に移行後の状況
全体
応札者(応募者)1者(A)
応札者(応募者)2者以上
(A)のうち
件数
平均落札率
平均落札率
平均応札者数
件数
平均落札率
件数
平均落札率
契約相手方が同じもの
契約相手方が異なるもの
件数
平均落札率
件数
平均落札率
381
94.1
83.5
2.0
195
93.1
181
71.0
167
93.2
28
92.9
(注)
 見直し後に競争入札を行ったが不落随契となった個別の事態については、移行後の平均落札率等の分析対象から除いている。


図表2-29 見直し前後の落札率の分布図

図表2-29見直し前後の落札率の分布図