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  • 平成19年10月

平成13年度から18年度までの間に内閣府が実施したタウンミーティングの運営に関する請負契約に関する会計検査の結果について


1 契約方法、契約手続などの状況

(1) 13年度のタウンミーティングの運営に関する請負契約について

 内閣府では、13年度においては、タウンミーティングの運営に関する請負に当たり、13年5月23日から8月10日まで(13年度前期)を契約期間とする契約と、13年8月1日から12月21日まで(13年度後期)を契約期間とする契約を次のように締結している。

ア 契約方式及び契約形態

(ア) 13年度前期の契約

 内閣府では、13年度前期においては、会計法第29条の3第4項に規定する契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合に該当するとして、随意契約の契約方式により電通と総価契約の契約形態で契約を締結していた。
 そして、上記の規定に該当し、電通と契約する理由については、本件契約に当たりTM室が作成したタウンミーティングの実施についての伺いに添付されている請負先選定理由によると、おおむね次のとおりとなっていた。
〔1〕 タウンミーティングは、13年5月7日の総理大臣所信表明演説に盛り込まれ、半年間で47都道府県で実施するものとされており、緊急に準備に取り掛かる必要がある。さらに、毎週土、日曜日4箇所で同時に開催するというハードスケジュールが組まれている。このため、一定の実績のある業者との随意契約により、開催準備の迅速性を確保することが重要である。
〔2〕 事前の周知及び事後の報道の両面で地元地方紙の活用が不可欠であり、地元地方紙との連携関係を有し、その協力を迅速かつ容易に得られる体制を持つ業者を選定することが重要である。
〔3〕 タウンミーティング会場では、ビデオ放映やパンフレットの配布を行うこととしており、会場の設営、集会の全体構成等の企画立案に際して、ビデオやパンフレットの内容との一体性を保持する必要があり、短い準備期間に円滑かつ有機的な連携を図るためには、ビデオやパンフレットの製作業者と集会実施業者が同一であることが適当である。
〔4〕 電通は、全国に支社、支店及び営業所を持ち、多くの中央省庁主催イベントの請負実績があり企画・運営能力についても業界内での評判が高い。
 そして、13年度前期のタウンミーティングは、前記所信表明演説の行われた40日後の6月16日に鹿児島市で第1回が行われてから7月8日までの23日間に13道県の16市町村で計16回行われていた。

(イ) 13年度後期の契約

 内閣府では、13年度後期においては、会計法第29条の3第4項に規定する契約の性質又は目的が競争を許さない場合に該当するとして、企画競争を経た後、随意契約により電通と総価契約を締結していた。
 上記の規定に該当する理由について、内閣府では、13年度後期の契約においても、運営業務に関する知見がTM室に十分蓄積されておらず、より良い手法を模索していたため、直ちに運営業務を定型化して競争に付すことはできなかったとしている。
 そして、内閣府における具体的な企画競争の手続を確認したところ、内閣府では、次のように企画競争を行い、その結果、評価が最上位であった電通と契約を行っていた。
〔1〕 TM室では、企画競争の実施に当たり、13年7月23日に企画競争の説明会を実施した後、同月24日に「タウンミーティングの開催に関する企画競争審査要領」を定めた。これによれば、企画競争の審査は、企画書及びイベント実施実績により、TM室室員を評定者として、1)求める形式・要件の合致度(予算を含む。)、2)内容の面白さ・工夫、3)運営・実施上の円滑性、4)業者及び責任者の経験度並びに信頼性の4項目について、1点から5点までの点数を付して評定することとされていて、審査結果は、上記の点数により評定された上位3社のうちから、TM室の企画官以上の者により決定されることとなっていた。また、事業費については、上記1)に含まれているため、それのみでは評定されないこととなっており、その上限額は、書類上明らかではないが、内閣府の説明によれば、企画競争の説明会において、TM室の担当者が口頭により上限額を5億円(会場費は含まない。)とする旨を説明したとしている。
〔2〕 企画競争の説明会には12社が参加し、企画書等は7月30日までにこのうちの10社から提出され、TM室室員が上記の4項目について点数を付けこの4項目を踏まえた総合的な点から評定した結果、電通の点数が最上位であった。そして、TM室は、支出負担行為担当官である会計担当参事官に電通と契約を締結することを依頼し、会計担当参事官は電通と契約を行っていた。

 また、13年度後期のタウンミーティングは、9月8日から11月18日までの72日間に34都府県の34市区町で計34回行われていた。
 13年度におけるタウンミーティングの開催日、開催地、名称及び参加者数は巻末の別表1 のとおりであり、13年度前期及び後期の開催費用として電通から内閣府に請求された金額の内訳は同別表2 のとおりである。

イ 契約手続

(ア) 13年度前期の契約

 13年度前期の契約における契約書作成までの事務手続は、決裁文書等の上では次のように行われたこととなっていた。
〔1〕 TM室の担当者は、13年5月21日付けで事業名、請負先として電通を希望する旨とその請負先選定理由のほか、請負予定金額、作業期間、作業内容等を記載したタウンミーティングの実施についての伺いを起案し、TM室室長までの決裁を受け、会計担当参事官、会計課長までの合議を同月23日までに了した。
〔2〕 会計課の担当者は、予定価格調書を作成し、5月23日付けで支出負担行為担当官である会計担当参事官の決裁を経て予定価格が決定された。
〔3〕 内閣府は、電通から5月23日付けで見積書を徴取した。その金額は、〔2〕で決定された予定価格の範囲内であった。
〔4〕 会計課の担当者は、会計法第29条の3第4項の規定により随意契約で電通と契約をすることについての伺いを契約書案、仕様書案等を添付して5月23日付けで起案し、会計担当参事官及び会計課長の決裁を受けた。
〔5〕 会計課の担当者は、支出負担行為決議書を5月23日付けで起案した。そして、支出官である会計課長の確認、支出負担行為担当官である会計担当参事官の決定を経て、同日付けで、会計担当参事官と電通との間で契約書が作成された。

 しかし、内閣府及び電通から説明を聴取するなどしたところ、実際は表2に示すとおりであったと認められた。

表2 契約手続の流れ(平成13年度前期)
番号
契約手続
決裁文書等上の日付
実際の時期
〔1〕
実施についての伺いの起案
13年5月21日
13年6月以降
〔2〕
予定価格の決定
13年5月23日
13年度前期のタウンミーティングの開始(13年6月16日)後
〔3〕
見積書の徴取
13年5月23日
13年度前期のタウンミーティングの終了(13年7月8日)後
〔4〕
契約をすることについての伺い(仕様書添付)の起案
13年5月23日
13年度前期のタウンミーティングの終了(13年7月8日)後
〔5〕
支出負担行為決議書の起案、契約書作成の完了
13年5月23日
14年3月頃

(イ) 13年度後期の契約

 13年度後期の契約における契約書作成までの事務手続は、決裁文書等の上では次のように行われたこととなっていた。
〔1〕 TM室の担当者は、13年7月11日にタウンミーティングの開催時期及び場所、企画競争の項目、提出資料の内容等を記載したタウンミーティングの開催に関する企画競争オリエンテーション資料を内容とするタウンミーティングの実施についての伺いを起案し、TM室室長までの決裁を受け、会計担当参事官、会計課長までの合議を受けた。
〔2〕 会計課の担当者は、7月12日に企画競争の実施及びその公告についてを内容とするタウンミーティング運営業務に係る企画競争についての伺いを起案し、会計担当参事官及び会計課長の決裁を受け、会計担当参事官は同月13日に企画競争について公告を行った。そして、同月23日に、会計課及びTM室は、参加業者に対して企画競争の説明会を行った。
〔3〕 TM室は、7月30日に、企画競争に参加した10社から企画書等に関する説明を聴取した。そして、8月1日に、会計課に対し、TM室が定めた「タウンミーティングの開催に関する企画競争審査要領」に基づき審査した結果を報告するとともに、電通と契約することを依頼した。
〔4〕 会計課の担当者は、予定価格調書を作成し、8月1日付けで支出負担行為担当官である会計担当参事官の決裁を経て予定価格が決定された。
〔5〕 会計課は、電通から8月1日付けで見積書を徴取した。その金額は、〔4〕で決定された予定価格の範囲内であった。
〔6〕 会計課の担当者は、会計法第29条の3第4項の規定により随意契約で電通と契約をすることについての伺いを契約書案、仕様書案等を添付して8月1日付けで起案し、会計担当参事官及び会計課長の決裁を受けた。
〔7〕 会計課の担当者は、支出負担行為決議書を8月1日付けで起案した。そして、支出官である会計課長の確認、支出負担行為担当官である会計担当参事官の決定を経て、同日付けで、会計担当参事官と電通との間で契約書が作成された。

 しかし、内閣府及び電通から説明を聴取するなどしたところ、実際は表3に示すとおりであったと認められた。

表3 契約手続の流れ(平成13年度後期)
番号
契約手続
決裁文書等上の日付
実際の時期
〔1〕
実施についての伺いの起案
13年7月11日
13年7月11日
〔2〕
企画競争の説明会の実施
13年7月23日
13年7月23日
〔3〕
企画書等に関する説明の聴取
13年7月30日
13年7月30日
〔4〕
予定価格の決定
13年8月1日
13年9月以降
〔5〕
見積書の徴取
13年8月1日
13年度後期のタウンミーティングの終了(13年11月18日)後
〔6〕
契約をすることについての伺い(仕様書添付)の起案
13年8月1日
13年度後期のタウンミーティングの終了(13年11月18日)後
〔7〕
支出負担行為決議書の起案、契約書作成の完了
13年8月1日
14年4月頃

 このように、13年度においては、電通と随意契約の契約方式により総価契約を事業の実施前に締結したとしているが、事業の実施を先行させ、契約を確定させるまでに必要となる見積書の徴取、支出負担行為決議書及び契約書の作成等の手続を事後的に行う処理をして、実際には請負業務を了した後に契約金額を確定させていたと認められた。さらに、支出負担行為決議書、契約書等の日付をさかのぼって記載していたと認められた。

(2) 14年度から18年度までのタウンミーティングの運営に関する請負契約について

ア 契約方式及び契約形態

 内閣府では、14年度から18年度までのタウンミーティングの運営に関する請負に当たり、一般競争の契約方式により、13年度における総価契約と異なり標準的な個々の業務ごとに単価を定める単価契約の契約形態で契約を締結していた。
 内閣府では、14年度から一般競争契約とした理由について、13年度にかなりの回数をこなしたことにより運営業務についてのノウハウが蓄積されたことを踏まえ、ある程度定型化した契約を競争入札で行うことが可能となったためであるとしている。
 また、内閣府では、14年度から単価契約とした理由については、次のように説明している。
〔1〕 タウンミーティングは、基本的な開催形式が定型化されたものであるが、開催する会場の規模や仕様、出席閣僚等や一般参加者の人数等が毎回異なること
〔2〕 タウンミーティングの各年度の開催回数及び開催場所は、各年度当初にすべて決まっているものではないこと
〔3〕 〔1〕、〔2〕のことから、会場の借上費用、出席閣僚等の対応及び警備に係る人数等が毎回異なるので、タウンミーティング開催に要する費用も毎回異なることとなるが、タウンミーティングに必要な業務ごとに単価を設定するとともに、会場の借上費用等については実費精算とすることで、こうした数量や開催回数の変動に対応できるものとなること

 そして、14年度以降のタウンミーティングの実績をみると、後掲「2(2)14年度から18年度までのタウンミーティングの運営に関する請負契約について」で記述するとおり、基本的な仕様は定まっていたが、毎回の必要な各項目の員数は異なっている状況となっていた。

イ 仕様書の作成、予定価格の算定、入札及び落札者の決定

 内閣府では、契約に当たり、請負内容を特定する仕様書の作成、予定価格の算定、入札及び落札者の決定について、次のように行っていた。
〔1〕 タウンミーティング開催1回当たりに必要となる標準的な個々の業務(受付や警備員の配置、ハイヤーの手配、パンフレットの作成印刷等)と各業務ごとに要する標準的な数量(以下「モデル員数」という。)を記載した仕様書を作成する。
〔2〕 仕様書における標準的な個々の業務に対応するモデル員数にその単価を乗ずるなどしてタウンミーティング開催1回当たりの金額の総額について積算した金額を予定価格とする。ただし、会場借上げに要する費用等、契約上実費精算とする業務については予定価格に含めないなどとする。
〔3〕 仕様書を入札参加者に事前に示して、モデル員数を前提としたタウンミーティング開催1回当たりの金額について入札することを求める。その際、契約上実費精算とする業務については、入札金額に含めないこと、落札者は開札後速やかに各業務ごとの契約単価となる単価を記載した契約単価内訳書を提出することなどをあらかじめ入札参加者に説明する。
〔4〕 タウンミーティング開催1回当たりの金額について最も低い金額を入札した者を落札者と決定する。

 なお、14年度以降の各年度の入札者数は、入札状況を記録した書類、入札書等により確認したところ、表4のとおりとなっていた。そして、各年度の入札者のうち、14年度前期、16年度、17年度及び18年度は朝日広告社、14年度後期及び15年度は電通がそれぞれ落札者となっていた。

表4 各年度の入札者数
年度
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
前期
後期
入札者数 8 4 4 5 4 4

 平成14年度前期の契約期間は14年4月1日から7月31日まで、後期の契約期間は8月1日から15年3月31日までである。
 18年度は1回目の入札において予定価格を下回る者がいなかったため再度入札を行っており、その際の入札者数は1となっていた。

ウ 契約単価の決定、契約の締結

 内閣府では、契約単価の決定、契約の締結について、次のように行っていた。
〔1〕 落札者は各契約に係る入札説明書に示されたところにより、開札後契約上実費精算とする業務以外の各業務ごとに単価を定めた契約単価内訳書を内閣府に提出する。この契約単価内訳書の提出は開札後速やかに行うこととなっており、謝礼金等の事前に単価が指定された一部の項目を除き、この契約単価内訳書の単価は、仕様書に定められた各業務ごとのモデル員数にこの単価を乗じた合計額が落札金額と一致する範囲内で落札者が自由に設定できるものとなっている。また、一般管理費について、独立した項目は設定されていない。
〔2〕 内閣府は、〔1〕により落札者が契約単価内訳書に記載した各業務ごとの単価をもって落札者と単価契約を締結する(参考図1参照)

(参考図1)契約単価決定の概念図

(参考図1)契約単価決定の概念図

〔3〕 仕様書は契約書に付属するものとなるが、仕様書において、仕様書に記載のない事務(以下「追加作業」という。)については、内閣府の指示があった場合には、これに従い、速やかに対応することとし、これに係る費用(以下「追加費用」という。)は別途協議する旨定めていた。

エ 支払金額の算定

内閣府では、支払金額について、次のように算定していた。
〔1〕 契約単価を設定している項目(以下「単価項目」という。)に係る業務については、モデル員数は仮置きとし、実際のタウンミーティングに当たっての員数は内閣府の指示によるものとされている。そして、実施されたタウンミーティングの実際の員数にそれぞれ契約単価を乗じたものを合計して当該タウンミーティングの単価項目に係る支払金額とする。
〔2〕 会場借上げに要する費用等契約上実費精算とする業務については実費精算を行う。
〔3〕 〔1〕、〔2〕に、追加費用を加えた金額を当該タウンミーティングに係る支払金額とする(参考図2参照)

(参考図2) 支払金額の概念図

(参考図2)支払金額の概念図

オ 契約手続

 14年度から18年度までの契約における契約書作成までの事務手続は、関係書類及び内閣府の説明によれば、おおむね、〔1〕TM室の担当者による仕様書案を添付した実施についての伺いの起案、〔2〕会計課の担当者による入札実施、入札公告についての伺いの起案、〔3〕会計担当参事官による入札公告の開始、〔4〕TM室及び会計課による入札説明会の実施、〔5〕会計課の担当者による予定価格決定についての伺いの起案、〔6〕会計課による入札の実施、〔7〕落札者からの契約単価内訳書の提出、〔8〕会計課の担当者による契約をすることについての伺いの起案、〔9〕会計担当参事官と落札者との間で契約書の作成となっている。
 そして、各年度の契約手続の日程は決裁文書等の日付によれば、表5のとおりであった。

表5 各年度の契約手続の日程(決裁文書等上)
契約手続
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
前期
後期
〔1〕
実施についての伺いの起案
14.2.14
14.7.5
15.2.26
16.1.29
17.1.19
17.12.26
〔2〕
入札実施、入札公告についての伺いの起案
14.2.19
14.7.11
15.3.6
16.2.6
17.1.26
18.1.4
〔3〕
入札公告の開始
14.2.25
14.7.12
15.3.7
16.2.17
17.2.4
18.1.10
〔4〕
入札説明会の実施
実施せず
14.7.22
15.3.12
16.2.20
17.2.15
18.1.20
〔5〕
予定価格決定についての伺いの起案
14.3.4
14.7.23
15.3.13
16.2.25
17.2.21
18.1.19
〔6〕
入札の実施
14.3.7
14.7.25
15.3.17
16.2.27
17.2.28
18.1.27
〔7〕
契約単価内訳書の提出
14.3.7
14.7.25
15.3.17
記載なし
記載なし
記載なし
〔8〕
契約をすることについての伺いの起案
14.4.1
14.7.25
15.4.1
16.4.1
17.4.1
18.4.3
〔9〕
契約書作成の完了
14.4.1
14.7.25
15.4.1
16.4.1
17.4.1
18.4.3

 しかし、内閣府並びに請負業者である朝日広告社及び電通から説明を聴取するなどしたところ、上記の手続のうち、15年度、17年度及び18年度の〔7〕以降の手続については、実際は表6のとおりであったと認められた。

表6 平成15年度、17年度及び18年度の契約手続の日程(実際)
番号
契約手続
15年度
17年度
18年度
決裁文書等上の日付
実際の時期
決裁文書等上の日付
実際の時期
決裁文書等上の日付
実際の時期
(参考)入札の実施
15.3.17
15.3.17
17.2.28
17.2.28
18.1.27
18.1.27
(参考)タウンミーティング初回開催日
15.4.5
17.4.2
18.4.1
〔7〕
契約単価内訳書の提出
15.3.17
15年5月以降
記載なし
17年7月以降
記載なし
18年4月下旬以降
〔8〕
契約をすることについての伺いの起案
15.4.1
15年5月以降
17.4.1
17年7月以降
18.4.3
18年4月下旬以降
〔9〕
契約書作成の完了
15.4.1
15年5月以降
17.4.1
17年7月以降
18.4.3
18年4月下旬以降

 このように、15年度においては電通、17年度及び18年度においては朝日広告社との間で一般競争の契約方式による単価契約を締結したが、事業の実施を先行させ、契約を確定させるまでに必要となる落札者が開札後速やかに提出することとなっている契約単価内訳書の受領や契約書の作成等の手続を事後的に行う処理をしていたり、契約書等の日付をさかのぼって記載したりしていたと認められた。
 特に、契約単価内訳書の受領が事業の開始後になっている事態については、14年度以降の本件単価契約における契約単価は、前記のとおり、内閣府が関与することなく落札者が契約単価内訳書に設定した各単価とするとされていること、タウンミーティングのモデル員数は仮置きであり、各タウンミーティングごとの実際の員数は内閣府の指示によることとなってはいるが、後述するように実際の員数とモデル員数との間に大幅なかい離が生じていることから、落札者が、員数の実績を確認した後にモデル員数に比べて実際の員数が大きく増加した項目に高い契約単価を設定することを可能とするものであり、発注者に過大な費用を支払うリスクを生じさせるものであった。