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  • 平成19年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 厚生労働省|
  • 不当事項|
  • 補助金

緊急地域雇用創出特別基金事業の実施が不当と認められるもの


(118) 緊急地域雇用創出特別基金事業の実施が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)厚生労働本省 (項)職業転換対策事業費
部局等 厚生労働本省
補助の根拠 予算補助
補助事業者
(事業主体)
秋田県
事業 緊急地域雇用創出特別基金事業
事業の概要 国の交付金により造成した基金を活用して、緊急かつ臨時的な雇用・就業機会の創出を図る事業を実施する市町村に対して補助金の交付を行うもの
県補助金の交付先 湯沢市
上記交付先の事業費の合計 3,528,000円 (平成14年度〜16年度)
上記に対する国庫補助金相当額 3,528,000円
不当と認める事業費 3,528,000円 (平成14年度〜16年度)
不当と認める国庫補助金相当額 3,528,000円 (平成14年度〜16年度)

1 事業の概要

 厚生労働省は、総合雇用対策の一環として、厳しい雇用失業情勢にかんがみて、平成16年度までの事業として緊急かつ臨時的な雇用・就業機会の創出を図る緊急地域雇用創出特別基金事業(以下「基金事業」という。)を実施する都道府県に対して、緊急地域雇用創出特別交付金(以下「国庫補助金」という。)を交付している。そして、都道府県は、この国庫補助金を財源として造成した基金を活用することにより、緊急地域雇用創出特別基金事業実施要領(平成13年厚生労働省発職第252号厚生労働事務次官通知。以下「実施要領」という。)等に基づいて、自ら基金事業を実施するなどのほか、市町村が実施要領に定める法人等に委託して行う基金事業(以下「委託事業」という。)に対して、事業費全額の補助金(以下「県補助金」という。)を交付している。
 そして、秋田県は、14年度から16年度までの各年度において、失業者の雇用創出を図るため、湯沢市が山田五ヶ村堰(せき)地区において実施した農道等の除草作業を内容とした委託事業(各年度の事業費1,176,000円、事業費計3,528,000円)に対して、同市から実績報告書の提出を受けて、県補助金を交付している。

2 検査の結果

 本院は、合規性等の観点から、委託事業が適切に行われているかなどに着眼して、秋田県及び湯沢市において実績報告書等の書類により会計実地検査を行った。そして、適切でないと思われる事態があった場合には、更に調査及び報告を求めて、その報告内容を確認するなどの方法により検査を行った。
 検査したところ、前記の委託事業について、14年度においては、委託先が事業を全く実施しておらず、また、15、16両年度においては、事業を一部実施した形跡はあるものの、実際に事業に要した人件費を特定できない状況となっていたり、他の経費に流用していたりなどしていて、事業の実施状況及び経理が著しく適正を欠く事態となっていた。
 このような事態が生じていたのは、同市において、委託先から提出された報告内容の調査、確認及び委託先に対する指導が十分でなかったこと、また、同県において、同市から提出された実績報告書等の調査、確認及び同市に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
 したがって、委託事業に係る14年度から16年度までの各年度の事業費1,176,000円、計3,528,000円は、基金事業の対象とは認められず、これに係る国庫補助金相当額計3,528,000円が不当と認められる。