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空港における利用者アンケート調査業務等に係る請負契約において、調査業務が履行期間内に履行されたこととする虚偽の内容の関係書類を作成するなどの不適正な会計経理を行い、代金を支出していたもの


(779) 空港における利用者アンケート調査業務等に係る請負契約において、調査業務が履行期間内に履行されたこととする虚偽の内容の関係書類を作成するなどの不適正な会計経理を行い、代金を支出していたもの

会計名及び科目 空港整備特別会計 (項) 空港整備事業費
    平成20年度以降は、社会資本整備事業特別会計(空港整備勘定)
      (項) 空港整備事業費
部局等 国土技術政策総合研究所
契約名 (1) 空港における利用者アンケート調査業務
  (2) 空港における旅客の満足度調査業務
契約の概要 (1) 空港において旅行者にアンケート調査を行い、旅行先での行程等を把握するもの
  (2) 空港において旅行者にアンケート調査を行い、空港サービスの満足度を把握するもの
契約の相手方 株式会社日本空港コンサルタンツ
契約 (1) 平成19年3月 一般競争契約
  (2) 平成19年3月 一般競争契約
契約額 (1) 8,295,000円 (平成18年度)
  (2) 4,725,000円 (平成18年度)
  13,020,000円  
支払 (1) 平成19年4月  
  (2) 平成19年4月  
不適正支払額 (1) 8,295,000円 (平成18年度)
  (2) 4,725,000円 (平成18年度)
  13,020,000円  

1 空港における利用者アンケート調査業務等に係る会計経理の概要

 国土技術政策総合研究所(以下「研究所」という。)は、平成18年度に、「空港における利用者アンケート調査業務」及び「空港における旅客の満足度調査業務」(以下、これらを「両調査業務」という。)を株式会社日本空港コンサルタンツにそれぞれ契約額8,295,000円及び4,725,000円で請け負わせて実施している。両調査業務の主な内容は、空港において旅行者を対象にアンケート調査を実施して、得られたデータを整理・分析等して報告書を作成、提出するものであり、履行期間は、それぞれ19年3月15日から同月30日までの間及び19年3月7日から同月23日までの間となっている。
 そして、研究所は両調査業務が履行期間内に適正に履行されたとして4月20日に請負代金を支払っている。

2 検査の結果

 本院は、研究所において、合規性等の観点から、本件調査業務に係る契約が適正に履行されているか、会計経理が会計法令等に従って適正に行われているかなどに着眼して会計実地検査を行った。そして、本件調査業務について、検査調書、調査業務の成果品である報告書等の書類により検査したところ、次のとおり適正とは認められない事態が見受けられた。
 研究所は、前記のとおり、両調査業務に係る契約が履行期間内に適正に履行されたとして請負代金を支払っていた。しかし、実際には、両調査業務は翌年度の19年7月21日から8月3日までの間にアンケート調査が実施されており、同年12月25日にこれらの報告書が研究所に提出されていて、履行期間内には実施されていないにもかかわらず、履行期間内に契約の内容に適合した給付があったことを確認したとする虚偽の検査調書を作成するなどして、請負代金を請負業者に支払っていた。
 このような事態が生じていたのは、研究所において、会計法令等を遵守することなどの基本的な会計経理を適正に行う認識が欠如していたことなどによると認められる。
 したがって、研究所において、両調査業務が履行期間内に履行されていないのに、履行されたこととする虚偽の内容の関係書類を作成するなど不適正な会計経理を行い、契約額8,295,000円、4,725,000円、計13,020,000円を支払っていたことは、不当と認められる。