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  • 平成19年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第19 独立行政法人国立印刷局|
  • 平成18年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

官報号外等製造加工請負契約について


官報号外等製造加工請負契約について

平成18年度決算検査報告 参照)

1 本院が求めた是正改善の処置

(検査結果の概要)

 独立行政法人国立印刷局(以下「印刷局」という。)は、虎の門工場において、官報、国会会議録、予算・決算書等の製造を行っており、印刷局は、製造業務量が集中して印刷局職員のみでは対応できない場合に、入力・編集から校正・版下作成までの作業を製造加工請負契約として業者に外注している。そして、平成17、18両年度に、株式会社朝陽会(以下「朝陽会」という。)と官報号外等製造加工請負契約各6件、計12件の契約を随意契約により締結している。
 そこで、合規性、経済性等の観点から、上記の製造加工請負契約12件について、競争契約を導入することはできないか、積算が業務実態を適切に反映したものとなっているかに着眼して検査したところ、印刷局は、前記の製造加工請負契約について、2年4月以降は財団法人印刷局朝陽会と、15年7月以降は朝陽会と随意契約を締結していた。しかし、業務内容をみると、官報号外等の製造作業は、熟達した印刷業者であれば朝陽会でなくても特段の支障なく行えると認められた。そして、製造加工請負契約に係る朝陽会の業務実態をみると、朝陽会は、作業場所として印刷局虎の門工場の構内所定の作業場所を無償で貸与されていて、光熱水費等の製造経費相当分は無償で提供されていた。
 また、18年度の印刷局の積算をみると、総製造実績面数を校正する作業のみでも41人が必要であったこととしているが、製造加工請負契約に係る人員数は実際は35人で業務が処理されている状況であり、積算方法が業務の実態とかい離して過大な積算となっていた。
 このような事態が生じているのは、朝陽会との随意契約が長期にわたり引き継がれていたことから、見直しを行って契約に競争性を導入する意識に欠けていたこと、製造加工請負契約作業は、印刷局工場内で作業が行われていて所要経費のほとんどは労務費であるのに、こうした実態を考慮することなく物価資料の単価料金をそのまま適用したり、朝陽会から聞き取りを行った作業内容を十分検証することなく校正時間等を決定したりしていて、業務の実態とかい離した積算を行っていたことなどによると認められた。

(検査結果により求めた是正改善の処置)

 印刷局において、契約事務の公正性及び透明性を確保して、これにより競争の利益を享受するとともに、実態を反映した適切な積算を行って経済性を確保することができるよう、次のとおり、印刷局の理事長に対して19年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
ア 契約に当たっては、今後の契約方式については随意契約を見直して、競争性のある方式に移行すること
イ 予定価格の積算に当たっては、印刷局工場内で作業が行われていて、材料費、機械設備費、光熱水費等の製造経費相当分を印刷局が負担していたり、積算における校正時間等の条件が実績とかい離したりしているなどの業務の実態を十分に踏まえて所要経費を適切に算出して、1面当たりの契約単価に反映させること

2 当局が講じた処置

 本院は、印刷局において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、印刷局は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。
ア 官報号外等製造加工請負契約の契約方式については、随意契約を見直して、一般競争を導入して競争性のある契約方式に移行した。また、適切な契約を締結するよう、印刷局内各機関の会計担当者に周知して、適切な契約手続の促進を図った。
イ 業務の実態を反映した適切な積算による経済性確保のために、19年度のすべての官報号外等製造加工請負契約について、製造経費相当分を控除するなど1面当たりの契約単価の見直しを行い、19年11月30日に朝陽会と変更契約を締結した。また、20年度において、製造加工請負契約の積算に当たり、賃金センサスに基づく労務単価を採用するなど積算方法を変更するとともに、業務の実態を反映した適切な積算方法に変更した。