ページトップ
  • 平成19年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第43 国立大学法人千葉大学|
  • 不当事項|
  • 工事

(859) 病棟の新築に伴う仕上工事の施行に当たり、コンクリート工事費等の積算を誤ったため、契約額が割高となっているもの


(859) 病棟の新築に伴う仕上工事の施行に当たり、コンクリート工事費等の積算を誤ったため、契約額が割高となっているもの

科目
経常費用
部局等
国立大学法人千葉大学
工事名
千葉大学医学部附属病院病棟新営その他工事(仕上)
工事の概要
千葉大学医学部附属病院の病棟の新築工事に伴う内外装等の仕上工事を行うもの
契約額
1,575,000,000円
 
請負人
大林・ナカノフドー・京成特定建設工事共同企業体
契約
平成18年8月 一般競争契約
支払
平成18年10月、19年11月 2回
割高になっている契約額
9,400,000円
 

1 工事の概要

 国立大学法人千葉大学(以下「千葉大学」という。)は、病院施設の老朽、狭あい化に伴う計画的な整備の一環として、平成16年度から、入院病棟(鉄骨鉄筋コンクリート造り、地上11階、地下1階、延床面積20,765m 。以下「病棟」という。)の新築工事を実施しており、18年度に、千葉大学医学部附属病院病棟新営その他工事(仕上)契約を契約額1,575,000,000円で大林・ナカノフドー・京成特定建設工事共同企業体と締結して、18、19両年度に、病棟新築に伴う内外装等の仕上工事を施行している。
 千葉大学は、本件工事費の積算に当たり、表計算ソフトを用いて、直接工事費を細分化した中科目別内訳書を作成して、これを科目別に転記集計した科目別内訳書により直接工事費を1,287,958,277円と算定していた。

2 検査の結果

 本院は、千葉大学において、経済性等の観点から工事費の積算が適切に行われているかに着眼して、会計実地検査を行った。そして、本件工事について、千葉大学が保有している契約図書、積算内訳書等の書類により検査したところ、病棟等の直接工事費の集計が次のとおり誤っていた。
ア 中科目別内訳書に記載されたコンクリート工に要する経費の計2,624,760円を科目別内訳書のコンクリート工事費として転記すべきところを、表計算ソフトの操作を誤って、中科目別内訳書のコンクリート工に要する経費と全く関係ない石工事費45,294,626円と記載していた。
イ 中科目別内訳書に記載された外部仕上等の鉄筋工に要する経費の計740,600円を科目別内訳書の鉄筋工事費として転記すべきところを、同じように誤って防水工事費39,495,370円と記載していた。
 そして、これらのことなどにより、計82,926,455円が過大に積算されていた。
 このような事態が生じていたのは、千葉大学において、予定価格の積算における審査・確認等が十分でなかったことによると認められる。
 したがって、本件工事費を修正計算すると、積算過小となっていた直接工事費34,696,040円等を考慮しても、一般管理費等の共通費を含めた工事費の総額は1,565,550,000円となり、本件契約額1,575,000,000円はこれに比べて約940万円が割高になっていて不当と認められる。