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  • 平成20年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • 第36 独立行政法人労働者健康福祉機構|
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  • 不正行為

(577) 職員の不正行為による損害が生じたもの


(577) 職員の不正行為による損害が生じたもの

部局等
独立行政法人労働者健康福祉機構釧路労災病院(平成16年3月31日以前は労働福祉事業団釧路労災病院)
不正行為期間
平成12年5月〜20年7月
損害金の種類
収納金現金
損害額
19,438,694円

 本院は、独立行政法人労働者健康福祉機構釧路労災病院(平成16年3月31日以前は労働福祉事業団釧路労災病院。以下「病院」という。)における不正行為について、会計検査院法第27条の規定に基づく同機構理事長からの報告を受けるとともに、病院において、合規性等の観点から不正行為の内容がどのようなものであるかなどに着眼して会計実地検査を行った。
 本件は、病院において、医事課の医療ソーシャルワーカーが、患者の経済的問題の解決・調整業務、診断書の発行に係る業務等に従事中、12年5月から20年7月までの間に、診断書料を収納する権限がないのに、独自に作成した支払証明書に病院長の公印を許可なく押印し、これを患者に交付するなどして診断書料を受領したり、保険者から病院の銀行口座に振り込まれるべき高額療養費を、同人名義の銀行口座に振り込ませたりして、収納金現金計19,438,694円を領得したものであり、不当と認められる。
 なお、本件損害額については、20年8月末までに全額が同人から返納されている。
 また、本件の発生原因は、職員の公金に対する認識が欠如していたことであるが、病院において、長期にわたり現金を受領する権限のない者が現金を扱っていた事態を放置していたり、他の労災病院では通常行われている診断書の種類別の収納状況の把握を行っていなかったり、保険者に対して高額療養費の支払方法の確認を行わなかったりなどしていて、現金収納事務に係る管理体制が機能していなかったことなどにもよると認められる。