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  • 第4章 国会及び内閣に対する報告並びに国会からの検査要請事項に関する報告等|
  • 第2節 国会からの検査要請事項に関する報告|
  • 第1 国土交通省の地方整備局等における庁費等の予算執行について

第1 国土交通省の地方整備局等における庁費等の予算執行について


第1 国土交通省の地方整備局等における庁費等の予算執行について

要請を受諾した年月日
平成20年6月10日
検査の対象
国土交通省等
検査の内容
国土交通省の地方整備局等における庁費等の予算執行についての検査要請事項
報告を行った年月日
平成21年9月18日

1 検査の背景及び実施状況

(1) 検査の要請の内容

 会計検査院は、平成20年6月9日、参議院から、国会法第105条の規定に基づき下記事項について会計検査を行いその結果を報告することを求める要請を受けた。これに対し同月10日検査官会議において、会計検査院法第30条の3の規定により検査を実施してその検査の結果を報告することを決定した。

一、 会計検査及びその結果の報告を求める事項
 
(一) 検査の対象
 
 
  国土交通省等
 
(二) 検査の内容
 
 
  国土交通省の地方整備局等における庁費等の予算執行についての次の各事項
 
 
 〔1〕  契約方法、契約手続などの状況
 〔2〕  契約内容、契約金額などの状況
 〔3〕  契約相手方の状況
 〔4〕  一般会計と特別会計における計上区分及び執行の状況

(2) 道路関係業務等の国会の議論等

 第169回国会(20年1月から6月)において、国土交通省の道路整備特別会計における支出の状況や一般乗用旅客自動車(以下「タクシー」という。)の使用状況について、様々な議論がなされた。また、厚生労働省の一般会計と労働保険特別会計(以下「労働特会」という。)のタクシー使用金額の支出の状況についても議論がなされた。国土交通省は、20年2月に道路関係業務の執行のあり方改革本部を設置し、支出の総点検等を行うとともに、改革の方針の検討を行った。
 会計検査院は、上記のような状況を踏まえて会計検査を実施した結果、「道路整備特別会計における支出の状況について」及び「国土交通省における一般乗用旅客自動車の使用状況について」として、いずれも20年10月31日に会計検査院法第36条の規定により国土交通大臣に対して意見を表示(以下、これらの意見表示を「20年次意見表示」という。)している。

(3) 車両管理業務に関する21年次の状況

 21年6月に、公正取引委員会は、国土交通省の北海道開発局及び各地方整備局において発注された車両管理業務の入札参加業者等に対し、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(昭和22年法律第54号)第3条の規定に違反する行為(以下「談合」という。)を行っていたとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。

(4) 庁費等の概要

 国の会計は、一般会計及び特別会計に区分することとされており、特別会計については、国が特定の事業を行う場合等に限り設置するものとされている。
 予算科目としての庁費は、目の一区分の名称であり、狭義には、事務遂行上必要な物の取得、維持又は役務の調達等の目的に充てる経費として区分された目の名称であるとされているが、明確な定義はなされていない。
 庁費については、財務省が毎年度公表している「一般会計、特別会計歳出予算目の区分表」において、16項目の経費区分(以下「費途」という。)が示されており、いずれも予算書では目番号として下2けたに09番の予算コードが付され「庁費の類」と説明されている。
 また、公共事業関係費の予算科目は、「公共事業関係費予算の目及び目の細分表」において大きく工事費関係と事務費関係に二分されており、事業に必要な事務的な経費は事務費関係に区分されている。事務費関係の庁費、工事雑費等については、下2けたに09番の予算コードが付されており、その説明も「庁費の類」と同様となっている(以下、「庁費の類」と事務費関係の庁費、工事雑費等を合わせて「09庁費」という。)。
 一方、工事費関係の予算科目のうちには、工事等に直接必要とするなどの限定はあるものの、09庁費と同様の費途に適用されるものもある(以下、工事費関係の予算科目から庁費と同様な費途に支出される経費を「庁費的経費」、09庁費に庁費的経費を合わせたものを「庁費等」という。)。庁費的経費は予算書の下2けたに09番の予算コードは付されておらず、工事費関係の予算科目においても区分されていないためその予算額等を把握することはできないが、20年次意見表示を行った道路整備特別会計の車両管理業務やタクシー乗車券に対しては、庁費的経費からの支払も行われていた。

(5) 検査の観点、着眼点、対象及び方法

 本院は、合規性、経済性、効率性、有効性等の観点から、国会等の議論や20年次意見表示を踏まえつつ、国土交通省の地方整備局等における庁費等の予算の執行について検査を実施した。
 検査に当たっては、前記の検査要請事項のうち〔3〕 契約相手方の状況については、特に車両管理業務の契約の状況に留意するとともに、〔4〕 一般会計と特別会計の計上区分及び執行の状況については、一般会計から人件費を支出している厚生労働本省職員に対して労働特会からタクシー使用金額が支出されていたことなどが国会で議論され今回の要請となった経緯を踏まえて、厚生労働省についても併せて検査することとした。
 検査においては、国土交通本省の内部部局のほか、すべての地方支分部局の本局に相当する8地方整備局、北海道開発局、9地方運輸局及び神戸運輸監理部(以下、地方運輸局と神戸運輸監理部を合わせて「地方運輸局等」という。)、2地方航空局、4航空交通管制部のほか、地方整備局及び北海道開発局管内の108事務所等を対象とした。
 また、厚生労働省の検査は、厚生労働本省及び47都道府県労働局(以下、都道府県労働局を「労働局」という。)を対象として、09庁費(以下「厚労省庁費」という。)並びに職員基本給、職員諸手当及び超過勤務手当(以下「人件費」という。)について行った。

2 検査の結果

(1) 決算等の状況

 国土交通省の本省及び地方支分部局(管内の事務所等を含む。)における18、19両年度の09庁費の支出済歳出額は、図表1のとおり、一般会計は1453億円、特別会計は1838億円となっている。

図表1 09庁費の組織別、会計別支出済歳出額(平成18、19両年度)
上段:金額(単位:千円)
下段:割合(単位: %)
本省及び地方支分部局
年度
一般会計支出済歳出額
特別会計支出済歳出額
合計
特定国有財産整備
都市開発資金融通
治水
道路整備
港湾整備
空港整備
自動車損害賠償保障事業
自動車検査登録
特別会計小計
本省
平成
18
34,174,044
(54.6)
(—)
5,250
(0.0)
296,256
(0.5)
532,668
(0.9)
22,841
(0.0)
18,257,672
(29.1)
434,772
(0.7)
8,923,331
(14.2)
28,472,793
(45.4)
62,646,837
【39.1】
19
37,914,865
(58.1)
(—)
2,470
(0.0)
89,019
(0.1)
505,244
(0.8)
48,161
(0.1)
16,965,937
(26.0)
379,522
(0.6)
9,309,500
(14.3)
27,299,856
(41.9)
65,214,722
【38.6】
地方整備局
18
28,088,635
(69.4)
(—)
(—)
5,448,274
(13.5)
5,897,120
(14.6)
965,541
(2.4)
63,719
(0.2)
(—)
2,604
(0.0)
12,377,260
(30.6)
40,465,895
【25.3】
19
33,630,002
(73.8)
108,697
(0.2)
(—)
5,220,900
(11.5)
5,706,076
(12.5)
811,975
(1.8)
62,021
(0.1)
(—)
1,816
(0.0)
11,911,487
(26.2)
45,541,490
【27.0】
北海道開発局等
18
2,261,366
(100.0)
(—)
(—)
(—)
(—)
(—)
(—)
(—)
412
(0.0)
412
(0.0)
2,261,778
【1.4】
19
2,263,293
(95.5)
105,839
(4.5)
(—)
(—)
(—)
(—)
(—)
(—)
453
(0.0)
106,292
(4.5)
2,369,585
【1.4】
地方運輸局等
18
3,559,879
(52.5)
(—)
(—)
(—)
(—)
(—)
(—)
(—)
3,217,225
(47.5)
3,217,225
(47.5)
6,777,104
【4.2】
19
3,296,101
(51.3)
(—)
(—)
(—)
(—)
(—)
(—)
(—)
3,133,461
(48.7)
3,133,461
(48.7)
6,429,562
【3.8】
地方航空局
18
59,600
(0.1)
(—)
(—)
(—)
(—)
(—)
48,016,924
(99.9)
(—)
(—)
48,016,924
(99.9)
48,076,525
【30.0】
19
60,725
(0.1)
(—)
(—)
(—)
(—)
(—)
49,338,538
(99.9)
(—)
(—)
49,338,538
(99.9)
49,399,264
【29.2】
18
68,143,525
5,250
5,744,530
6,429,788
988,382
66,338,317
434,772
12,143,573
92,084,616
160,228,141
19
77,164,989
214,536
2,470
5,309,920
6,211,321
860,137
66,366,496
379,522
12,445,231
91,789,635
168,954,624
総計
145,308,514
214,536
7,720
11,054,450
12,641,110
1,848,520
132,704,813
814,294
24,588,804
183,874,251
329,182,766
注(1)
 一般会計及び特別会計の支出済歳出額の( )書きは、合計に占める割合である。
注(2)
 一般会計と特別会計の合計の【 】書きは、各年度の計に占める割合である。
注(3)
 特定国有財産整備特別会計については、財務省との共管である。

 一般会計と特別会計の計上割合は、地方航空局はほぼ全額が空港整備特別会計、北海道開発局等はほぼ全額が一般会計、本省及び地方運輸局等は、一般会計の計上割合の方が若干高く、地方整備局は一般会計が70%程度、特別会計が30%程度となっている。
 さらに、特別会計別の計上割合は、本省は空港整備、自動車検査登録両特別会計が高く、地方運輸局等は自動車検査登録特別会計のみとなっている。また、地方整備局は治水、道路整備、港湾整備各特別会計からの支出がほとんどとなっている。

(2) 契約方法、契約手続などの状況

 国の契約方式としては、一般競争契約及び指名競争契約(以下、両者を合わせて「競争契約」という。)並びに随意契約があるが、上記の契約方式とは別に、従来随意契約によっていた業務について、契約手続の前段階に企画競争を行い、その者と契約する随意契約(以下「企画随契」という。)が行われている。
 そして、国土交通省においても、「随意契約見直し計画」に基づき、一般競争契約等への移行を進めてきている。
 なお、以下の分析においては、企画随契、不落・不調随契(競争に付したが入札者がいないことなどのため随意契約としたもの)の二つを合わせて「企画随契等」とし、それ以外の随意契約を「企画競争等を経ない随意契約」として取り扱う。ただし、応募者数の分析においては、不落・不調随契は除外して企画随契のみを取り扱う。また、随意契約については、原則として、予定価格が少額である場合に認められる契約(以下「少額随契」という。)等を除いて分析を行うこととする。

図表2 庁費等の対象契約に係る検査対象の組織別の件数及び支払金額(平成18年度〜20年度(12月まで))
上段:件数、支払金額(単位:件、千円)
下段:割合(単位:%)
検査対象の組織\年度
平成18年度
19年度
20年度(12月まで)
件数
支払金額
件数
支払金額
件数
支払金額
件数
支払金額
本省
1,808
(25.5)
38,926,473
(35.0)
1,771
(26.3)
38,805,591
(33.6)
1,396
(25.6)
22,660,406
(37.8)
4,975
(25.8)
100,392,471
(35.0)
地方整備局
本局
1,494
(21.1)
20,535,498
(18.5)
1,328
(19.7)
25,215,592
(21.8)
1,069
(19.6)
6,179,232
(10.3)
3,891
(20.2)
51,930,323
(18.1)
事務所等
1,790
(25.3)
13,977,625
(12.6)
1,745
(25.9)
15,943,340
(13.8)
1,307
(24.0)
6,960,552
(11.6)
4,842
(25.1)
36,881,518
(12.9)
3,284
(46.4)
34,513,124
(31.1)
3,073
(45.6)
41,158,932
(35.6)
2,376
(43.6)
13,139,784
(21.9)
8,733
(45.3)
88,811,841
(31.0)
北海道開発局
本局
162
(2.3)
1,564,669
(1.4)
169
(2.5)
1,685,126
(1.5)
136
(2.5)
959,608
(1.6)
467
(2.4)
4,209,404
(1.5)
事務所等
345
(4.9)
2,203,843
(2.0)
279
(4.1)
2,129,894
(1.8)
241
(4.4)
1,886,847
(3.1)
865
(4.5)
6,220,584
(2.2)
507
(7.2)
3,768,512
(3.4)
448
(6.6)
3,815,020
(3.3)
377
(6.9)
2,846,456
(4.7)
1,332
(6.9)
10,429,988
(3.6)
地方運輸局等
577
(8.2)
2,359,394
(2.1)
635
(9.4)
2,386,749
(2.1)
571
(10.5)
885,487
(1.5)
1,783
(9.3)
5,631,631
(2.0)
地方航空局
732
(10.3)
30,094,617
(27.1)
653
(9.7)
28,043,930
(24.3)
600
(11.0)
19,404,260
(32.4)
1,985
(10.3)
77,542,809
(27.0)
航空交通管制部
171
(2.4)
1,412,937
(1.3)
164
(2.4)
1,418,941
(1.2)
132
(2.4)
1,029,901
(1.7)
467
(2.4)
3,861,780
(1.3)
合計
7,079
(100)
111,075,059
(100)
6,744
(100)
115,629,165
(100)
5,452
(100)
59,966,298
(100)
19,275
(100)
286,670,523
(100)
(注)
 北海道開発局の事務所等には開発建設部を含む。

 検査対象の組織において18年度から20年度(12月まで)に締結された庁費等に係る支出原因契約(以下「対象契約」という。)について、件数及び支払金額をみると、図表2のとおり、19,275件、2866億円となっていて、19年度は18年度より件数は減少しているが、支払金額はほぼ同額となっている。検査対象の組織別にみると、地方整備局は、18年度は件数割合46.4%、支払金額割合31.1%となっていて、件数割合は最も高く、支払金額割合は最も高い本省の35.0%とほぼ同様となっている。

ア 契約方法の状況

(ア) 契約方式別の状況

a 契約方式別にみると、一般競争契約及び企画随契等の19年度の件数及び支払金額は、18年度よりも増加し、指名競争契約及び企画競争等を経ない随意契約は減少している。また、件数割合が最も高い契約方式は、18年度は企画競争等を経ない随意契約、19年度は一般競争契約となっているが、支払金額割合が最も高いものは、両年度とも企画競争等を経ない随意契約となっている。

b 契約種類別にみると、18、19両年度とも「役務」の件数及び支払金額が最も多く、「物品等の賃借」がその次となっている。また、企画競争等を経ない随意契約の件数割合及び支払金額割合は、「役務」より「物品等の賃借」が高くなっている。

c 応札(応募)者数別にみると、18年度から20年度(12月まで)まで、一般競争契約及び企画随契は各年度とも1者応札(応募)の件数割合が40%以上と高くなっている。さらに、一般競争契約においては、1者応札の件数割合が上昇している一方、5者以上応札の件数割合は低下している。

(イ) 落札率の状況

a 契約方式別の平均落札率をみると、18年度から20年度(12月まで)のいずれも、一般競争契約及び指名競争契約は85%程度と低く、企画随契等及び企画競争等を経ない随意契約は95%程度と高くなっている。また、随意契約の落札率の分布をみると、競争契約よりも90%以上に集中している。

b 応札者数別の平均落札率をみると、一般競争契約は1者応札が最も高く、応札者数の増加に応じて低下する傾向となっている。また、指名競争契約は該当のない1者応札を除き、2者応札が最も高く、応札者数の増加に応じて低下する傾向となっている。

イ 契約手続の状況

(ア) 入札参加資格要件の設定

 入札参加資格要件の設定状況をみると、契約実績を求めている契約のうち、公的機関との契約実績を求めている件数割合は、19年度及び20年度(12月まで)とも16%程度となっている。また、「役務」は件数割合で20%程度の契約において公的機関との契約実績を求めており、契約種類のうちでは最も件数割合が高くなっている。

(イ) 契約内容等の明示

 一般競争契約の仕様書における業務内容の明示や企画競争の審査における評価内容等の明示が十分でないなどの事態が見受けられた。

(ウ) 単価契約における契約単価の設定

 単価契約における契約単価の設定をみると、1か月分の総額で行われた入札において落札価格の基礎となった単価よりも高い単価で契約している事態が見受けられた。

ウ 契約内容の状況

(ア) 少額随契の一括化

 事務用消耗品のトナーカートリッジをみると、18、19両年度とも、少額随契のうち年間を通じた総支払金額が160万円を上回っているものは、支払金額割合で80%程度を占めている。そして、これらについては、既往年度の使用実績等に基づく計画的な購入を図ることにより、個別に少額随契を行うことなく一括化して、一般競争契約による購入を検討すべきであったと認められる。なお、国土交通省は、「国土交通省行政効率化推進計画」において、トナー類については調達事務の集約化等を行うこととしている。

(イ) 発注単位の設定

 各庁舎で実施している健康診断業務等の発注単位の設定をみると、集約化を検討すべき事態が見受けられた。

(ウ) 業務範囲の設定や実施方法

 契約した業務範囲の設定が適切でなかったり、業務の実施方法を検討すべきであったりしている事態が見受けられた。また、広報誌については、多くの種類を多数調達して配布していたが、20年度ではその多くが調達を取りやめるなどしていた。

エ 契約金額の状況

(ア) 経済的な仕様の設定

 トナーカートリッジについては、メーカーが製造している新品より安価な純正リサイクル品は、必ずしも需要に応じた供給に対応できない面もあるが、その契約に当たっては、経済性だけでなく環境にも配慮して、供給状況に応じた純正リサイクル品の購入を図ることができるよう仕様の記載を検討すべきであったと認められる。

(イ) 経済的な料金プランの利用

 固定電話発携帯電話着の通話料については、固定電話会社の事業者識別番号を付することにより、固定電話会社が設定した経済的な料金プランの利用を検討すべきであったと認められる。

(ウ) 予定価格の算定方法

 予定価格の算定に当たって、業者から徴取した見積り(以下「参考見積り」という。)を基にしている契約について、参考見積りの徴取数をみると、62.0%が1者となっていて、その選定方法は、既契約の契約者又は応札者、当該契約の応札が見込まれる者など限られた範囲から徴取しているものがほぼ100%となっている。また、参考見積りの徴取先を既契約者等に限定していたり、予定価格の算定に当たり、予定数量の算出を誤ったり、適用すべき積算基準、単価が定められているのに使用していなかったりしていた事態が見受けられた。

オ 契約相手方の状況

(ア) 契約種類別の契約状況

 契約相手方別の件数割合をみると、「役務」、「物品等の購入」及び「物品等の賃借」については「民間企業」との件数割合が最も高く70%を超えていて、特に、「物品等の購入」はおおむね90%程度となっている。また、支払金額割合も件数割合と同様な傾向となっている。

(イ) 契約方式別の契約状況

a 「役務」について、契約方式別に契約相手方の件数割合をみると、「民間企業」がおおむね90%以上を占める競争契約と比較すると、随意契約では「民間企業」の件数割合は60%前後と低いが、「所管公益法人」は20%前後を占めている。また、支払金額割合をみると、「所管公益法人」は、一般競争契約では18年度6.9%から19年度22.9%へ上昇している一方、企画競争等を経ない随意契約では18年度38.7%から19年度34.1%へと低下している。

b 「役務」の契約相手方別に応札(応募)者数及び平均落札率をみると、一般競争契約の平均応札者数は、「民間企業」が2.1者から2.6者であり、そのほかの契約相手方のおおむね1者程度と比較して多いものの、1者応札の件数割合がいずれの年度も50%前後を占めている。平均落札率は、いずれの年度も「民間企業」が80%台前半、「所管公益法人」が90%前後となっている。
 企画随契の「所管公益法人」の平均応募者数は1.5者程度で「民間企業」の2.5者程度よりも少なく、1者応募の件数割合はいずれの年度も「所管公益法人」が約70%で「民間企業」の30%台よりも高い。平均落札率は、両者ともおおむね95%を超えている。
 企画競争等を経ない随意契約の平均落札率は、いずれの契約相手方も90%台後半となっている。

(ウ) 指名競争契約とした理由等

 指名競争契約とした理由をみると、「一般競争に付することが不利と認められる場合であり、契約上の義務違反があるときは国の事業に著しく支障をきたすおそれがあること」としている契約の件数割合が最も高く、次に件数割合が高い「契約の性質又は目的により競争に加わるべき者が少数で一般競争に付する必要がない場合」を合わせると大半を占めている。
 また、その内容からみて一般競争契約への移行を検討すべきであったと認められる事態が見受けられた。

(エ) 随意契約とした理由等

 随意契約とした理由をみると、「契約の性質又は目的が競争を許さない場合」が大半となっていて、企画随契を実施したもの以外で、上記理由に該当するとしている契約は、「複数年度の使用を前提とした物件の賃借」、「場所が限定されている施設・敷地の賃借、使用料」などが多く、全般的な傾向としては、他に履行可能な者がいる可能性が高いと思われる契約の件数割合は低下しており、競争契約や企画随契等に移行しているものと考えられる。また、その内容からみて一般競争契約への移行を検討すべきであったと認められる事態が見受けられた。

(オ) 車両管理業務の契約状況

a 検査対象の組織別に件数及び支払金額をみると、地方整備局が最も多く、その次に多い北海道開発局を加えると全体の90%以上を占めている。契約方式別に件数割合をみると、18年度においては指名競争契約は76.2%で、地方整備局及び北海道開発局以外では指名競争契約は行われていない。しかし、国土交通省は、車両管理業務について20年7月に通知を発して、8月以降締結する契約から一般競争契約とすることとしていて、通知以降の契約は一般競争契約へ移行している。

b 契約方式別の応札者数をみると、一般競争契約においては応札者数が5者以上の件数割合が30%前後と最も高くなっていて、1者応札の件数割合は18年度から徐々に低下した後、20年度(7月通知後)は該当がなかった。また、指名競争契約においては、18、19両年度は応札者数が2者の件数割合が最も高くなっているが、20年度は指名業者数の見直しにより4者応札の件数割合が最も高くなっている。

c 契約方式別の平均落札率をみると、一般競争契約は、18年度から20年度までの通算は81.9%で指名競争契約の94.5%よりも12.6ポイント低くなっている。一般競争契約においては、1者又は2者応札の平均落札率が最も高くなっており、また、指名競争契約においては、2者応札の平均落札率が最も高くなっている。

d 一般競争契約の入札参加資格要件の設定をみると、契約実績を求めているもののうち、契約台数に条件を設けている場合は平均応札者数が少なくなっている。また、入札参加資格要件に契約実績を求めないこととした前記通知以降は、平均応札者数は増加している。

e 談合が行われていた地方整備局(港湾空港関係を除く。)及び北海道開発局とそれ以外の組織とに区分して、対象契約のうち公正取引委員会が談合を認定した期間(以下「談合認定期間」という。)内の通算の平均応札者数及び平均落札率をみると、地方整備局及び北海道開発局は平均応札者数は3.1者で、それ以外の組織の4.2者に比べ1.1者少なく、平均落札率は95.9%でそれ以外の組織の78.4%に比べ17.5ポイント高くなっている。
 また、地方整備局及び北海道開発局について、18年度から20年度の契約を談合認定期間に締結された契約とそれ以降の契約とに区分してみると、図表3のとおり、談合認定期間以降は、公正取引委員会が談合を行っていたとした者以外の4事業者と契約を行っていて、談合認定期間内と比較すると、平均応札者数は3.1者から4.3者と1.2者増加し、平均落札率は95.9%から81.2%と14.7ポイント低下している。

図表3 地方整備局(港湾空港関係を除く。)及び北海道開発局における契約相手方別の件数、支払金額、平均応札者数及び平均落札率の状況(平成18年度〜20年度(7月通知後))
上段:件数、支払金額(単位:件、千円)
下段:割合(単位:%)
事業者名
対象契約(平成18年度から20年度(7月通知後))
談合認定期間内に締結された契約
(18年度から20年度(7月通知前))
談合認定期間以降に締結された契約
(20年度(7月通知後))
件数
支払金額
平均応札者数(者)
平均落札率(%)
件数
支払金額
平均応札者数(者)
平均落札率(%)
違反事業者
日本道路興運株式会社
111
(41.9)
5,815,529
(48.7)
2.9
95.6
19
(33.9)
115,162
(47.2)
3.4
88.1
日本総合サービス株式会社
51
(19.2)
2,697,551
(22.6)
2.5
96.4
5
(8.9)
3,663
(1.5)
4.6
65.1
北協連絡車管理株式会社
54
(20.4)
1,533,594
(12.8)
3.4
96.9

(—)

(—)
大新東株式会社
21
(7.9)
258,758
(2.2)
3.8
94.1
10
(17.9)
32,500
(13.3)
4.1
84.6
株式会社セノン
4
(1.5)
223,062
(1.9)
4.0
96.4
10
(17.9)
39,898
(16.4)
4.5
76.8
ムサシ興発株式会社
13
(4.9)
567,495
(4.8)
2.8
93.8
4
(7.1)
26,446
(10.8)
6.0
80.8
株式会社関東ロードメンテナンス
4
(1.5)
304,443
(2.5)
6.0
96.5

(—)

(—)
株式会社日経サービス
4
(1.5)
154,879
(1.3)
5.0
98.3

(—)

(—)
株式会社アクアテルス
3
(1.1)
389,416
(3.3)
3.7
99.2

(—)

(—)
265
(100)
11,944,730
(100)
3.1
95.9
48
(85.7)
217,671
(89.2)
4.1
82.0
上記以外
その他4者

(—)

(—)
8
(14.3)
26,229
(10.8)
5.6
76.4
合計
265
(100)
11,944,730
(100)
3.1
95.9
56
(100)
243,901
(100)
4.3
81.2
注(1)
 平成20年度については、20年12月までに締結された契約を対象とし、支払金額は20年12月までに支払われた金額である。
注(2)
 株式会社関東ロードメンテナンスは、平成20年4月30日付で解散の決議を行い、事業活動の全部を取りやめている。

カ 一般会計と特別会計における計上区分及び執行の状況

(ア) 庁費等の会計別の計上区分及び執行

 19年度の庁費等に係る支払(対象契約に国庫債務負担行為等を加えたもの)について、検査対象の組織別に一般会計及び特別会計の計上割合をみると、図表4のとおりとなっていて、そして、この計上割合と09庁費の支出済歳出額(前記図表1参照 )を比較すると、次のとおりとなっている。
 地方航空局はほぼ全額が特別会計の支払となっていて、09庁費の支出済歳出額と同様となっている。また、地方運輸局等は36.5%となっていて、09庁費の支出済歳出額の計上割合(48.7%)よりも低くなっているが、検査の対象としていない事務所等の支出を除くとほぼ同様となる。
 本省は44.7%となっていて、09庁費の支出済歳出額の計上割合(41.9%)とほぼ同様となっている。
 一方、地方整備局及び北海道開発局の特別会計の計上割合は、庁費的経費からの支払が多くなっていることから、地方整備局75.4%、北海道開発局80.1%と、いずれも09庁費の支出済歳出額(地方整備局26.2%、北海道開発局4.5%)の計上割合より高くなっている。また、地方整備局及び北海道開発局においては、本局に比べて事務所等の方が特別会計に占める庁費的経費の計上割合が高くなっており、地方整備局では本局84.6%、事務所等92.5%、また、北海道開発局では本局99.7%、事務所等100%となっている。

図表4 庁費等に係る支払の会計別等の状況(平成19年度)
上段:支払金額(単位:千円)
下段:割合(単位:%)
検査対象の組織\区分
一般会計
 
特別会計
 
合計
 
うち庁費的経費
うち庁費的経費
うち庁費的経費
本省
26,371,118
(55.3)
406,822
【1.5】
21,336,837
(44.7)
2,093,999
【9.8】
47,707,956
<33.5>
2,500,822
【5.2】
地方整備局
本局
11,800,805
(41.2)
2,037,935
【17.3】
16,810,067
(58.8)
14,223,768
【84.6】
28,610,873
<20.1>
16,261,704
【56.8】
事務所等
791,145
(3.5)
625,614
【79.1】
21,701,682
(96.5)
20,079,643
【92.5】
22,492,827
<15.8>
20,705,258
【92.1】
12,591,950
(24.6)
2,663,550
【21.2】
38,511,750
(75.4)
34,303,412
【89.1】
51,103,700
<35.9>
36,966,962
【72.3】
北海道開発局
本局
624,119
(31.8)
36,203
【5.8】
1,335,553
(68.2)
1,331,610
【99.7】
1,959,673
<1.4>
1,367,814
【69.8】
事務所等
307,970
(11.3)
86,753
【28.2】
2,409,580
(88.7)
2,409,580
【100.0】
2,717,551
<1.9>
2,496,333
【91.9】
932,090
(19.9)
122,957
【13.2】
3,745,133
(80.1)
3,741,191
【99.9】
4,677,224
<3.3>
3,864,148
【82.6】
地方運輸局等
2,029,255
(63.5)
【—】
1,165,091
(36.5)
【—】
3,194,346
<2.2>
【—】
地方航空局
34,675
(0.1)
【—】
33,808,252
(99.9)
219,081
【0.6】
33,842,927
<23.8>
219,081
【0.6】
航空交通管制部
(—)
【—】
1,900,675
(100.0)
9,211
【0.5】
1,900,675
<1.3>
9,211
【0.5】
41,959,091
(29.5)
3,193,330
【7.6】
100,467,740
(70.5)
40,366,896
【40.2】
142,426,831
<100>
43,560,226
【30.6】
注(1)
 一般会計、特別会計の( )書きは、合計に対する割合である。
注(2)
 うち庁費的経費の【 】書きは、一般会計、特別会計及び合計に対する割合である。
注(3)
 合計の< >書きは、計に占める割合である。

(イ) 文書事務に共通的に使用される経費の計上区分及び執行

a 18、19両年度で文書事務に共通的に使用される電子複写用紙及びトナーカートリッジに係る経費(以下、これらの経費を「文書事務経費」という。)をみると、地方整備局及び北海道開発局については、特別会計の計上割合が比較的高くなっていて、その特別会計の内訳は、公共事業関係費である治水、道路整備、港湾整備各特別会計からの支払が多くなっている。また、一般会計及び特別会計の計上割合や特別会計別の計上割合は区々となっていて、合理的な計上区分は見いだせない。
 さらに、一般会計には予算書上「一般行政に必要な経費」として事項整理されている予算科目があるものの、文書事務経費にほとんど充てられておらず、ほとんどの支払が特別会計から行われている事態も見受けられた。

b 09庁費と庁費的経費の計上区分をみると、文書事務経費に対して特別会計の庁費的経費からの支払が多くなっているのは、地方整備局及び北海道開発局となっている。地方整備局及び北海道開発局では、事務所等の方が庁費的経費の計上割合が高くなっていて、事務所等はほとんどが特別会計の庁費的経費からの支払となっている。また、同種の事業を行っている組織であっても庁費的経費の計上割合が大きく異なっていたり、大半が庁費的経費からの支払となっていたりしていて、真に工事等に必要なものだけに限定されているのか確認できない事態も見受けられた。

(ウ) タクシー使用金額の計上区分及び執行

 19年度のタクシー使用金額の計上区分をみると、職員の基本給を支出する会計(以下「所属会計」という。)とタクシー使用金額を支出した会計との関係については、大臣官房ほか11局(自動車交通局及び航空局を除く。)の職員の所属会計はすべて一般会計となっているのに対し、このうち、大臣官房、河川局及び港湾局においては、一般会計のほかに特別会計からもタクシー使用金額を支出している。
 なお、本省においては、20年6月以降タクシー乗車券の使用を取りやめて職員による立替払としていて、8月以降は、タクシー使用金額はすべて当該使用職員の所属会計から支出している。

(エ) 前渡資金の交付及び金券類の管理

 前渡資金の交付をみると、庁中常用の雑費について、手持ち限度額を上回る額の前渡資金の交付を受けている事態が見受けられた。また、金券類の管理をみると、年度末における保有相当額が支払金額以上となっているなどの事態が見受けられた。

(オ) 厚生労働省における計上区分及び執行の状況

a 厚労省庁費及び人件費の計上区分及び執行

 厚生労働本省における19年度の厚労省庁費の支出済歳出額計1322億円の会計別の計上割合は一般会計53.6%、労働特会46.3%となっている。これに対して、人件費の支出済歳出額計266億円の会計別の計上割合は一般会計92.4%、労働特会7.5%となっている。
 また、47労働局における19年度の厚労省庁費の支出済歳出額計436億円の会計別の計上割合は一般会計5.7%、労働特会94.2%となっている。これに対して、人件費の支出済歳出額計1493億円の会計別の計上割合は一般会計58.3%、労働特会41.6%となっている。

b タクシー使用金額の計上区分及び執行

 厚生労働本省における19年度の厚労省庁費のうち、所属会計が労働特会である職員がいる課室及び労働特会の職員はいないが労働特会のタクシー乗車券を使用した課室において深夜帰宅用として使用されたタクシー乗車券の使用金額等について所属会計とタクシー使用金額を支出した会計との関係をみると、職員の所属会計と異なる会計からタクシー使用金額を支出しているものが大半の課室において見受けられ、使用金額計1億7480万円の32.9%を占めている。
 このような状況となっている理由について、厚生労働本省は、一般会計と労働特会の業務が混在していて両業務を区分することが実務的に難しいことから、各課室の業務内容等を勘案し、支出する会計を課室単位ごとに特定するなどしてタクシー使用金額を支出してきたためとしている。
 なお、厚生労働本省は、合理的な根拠もなく職員の所属会計と異なる会計からタクシー使用金額を支出しているとの誤解を避けるためとして、20年12月までに、タクシー使用金額は、タクシー乗車券を使用する職員の所属会計から支出するよう方針を変更している。
 一方、労働局においては、タクシー乗車券の使用実績はない。

c 超過勤務手当の計上区分及び執行

 厚生労働本省において、前記のタクシー乗車券を使用している課室に在籍する職員に対する19年度の超過勤務手当の支出をみると、職員の所属会計と異なる会計から超過勤務手当を支出しているものが多数の課室において見受けられ、支出額計8億7799万円の6.7%を占めている。
 このような状況となっている理由について、厚生労働本省は、一般会計と労働特会の業務が混在していて両業務を区分することが実務的に難しいことから、予算の状況等を勘案し、所属会計と異なる会計から超過勤務手当を支出する場合があったためとしている。
 なお、厚生労働本省は、タクシー使用金額の支出と同様の理由で、20年9月から職員への超過勤務手当は、当該職員の所属会計から支出するよう方針を変更している。
 また、47労働局において、19年度の超過勤務手当の支出をみると、職員の所属会計と異なる会計から超過勤務手当を支出しているものが47労働局すべてにおいて見受けられ、支出額計59億5605万円の16.9%を占めている。
 このような状況となっている理由について、各労働局は、厚生労働本省と同様であるとしており、超過勤務手当を支出する会計について、21年4月に厚生労働本省と同様の取扱いとしている。

d 共通経費の計上区分及び執行

 厚生労働本省及び47労働局の庁舎においては、一般会計と労働特会の業務が行われているため、厚労省庁費のうち光熱水料、庁舎維持管理費等は両会計の業務に係る共通の経費(以下「共通経費」という。)となる。そこで、共通経費の計上区分についてみたところ、次のとおりとなっている。
 厚生労働本省における主な共通経費について、一般会計と労働特会の負担をみると、両所属会計の予算定員割合によるとしていたり、過去の会計別の実績によるとしていたりなどしている。
 一方、47労働局における主な共通経費についてみると、労働特会のみから支出している経費が各労働局で相当数あり、特に、庁舎警備に要する経費については43労働局、水道料金については37労働局がそれぞれ労働特会のみから支出している状況となっている。また、3労働局は調査したすべての共通経費について労働特会のみから支出している。
 このように、両会計で負担すべき経費について労働特会のみから支出するなど、労働局における計上区分が合理的とは認められない事態が見受けられた。

3 検査の結果に対する所見

 昨今の厳しい財政状況の下で、我が国の行政は、改めて納税者の視点に立って無駄を省き、効率化を進めることが求められている。
 国土交通省においても、16年度に「国土交通省行政効率化推進計画」を、18年度に「随意契約見直し計画」を定めるなど、効率化等を図ることとしてきたが、19年度中の道路整備特別会計における暫定税率の延長などに関連して、改めて道路関係業務の執行の在り方、ひいては特別会計の支出について、国会を始め各方面で様々な議論がなされた。
 庁費等については、行政コストの中でも行政の基本的な活動の基礎となる継続的な経費であることから、当該コストをより経済的、効率的なものとすることは行政の効率化を進めていく上で最も基本的な課題であるが、継続的な支出であるが故に、安易に前例を踏襲しがちで、新たな視点からの提案を内部から提起しにくい側面もある。国土交通省においては、「道路関係業務の執行のあり方改革本部」の最終報告書等に基づいて、行政全般について各種の方策を実施している。また、21年度歳出予算では、真に工事等に関連した執行となるよう、庁費的経費から事務費関係の庁費等へ予算の組換えを行っているが、更に次のような点に留意することにより、経済的、効率的な庁費等の執行に努める必要がある。
ア 今後とも契約方式の見直しに努め、一般競争契約の実施に当たっては、公正性、競争性等の確保に配慮して、必要以上に応札者の範囲を制限しないように入札参加資格要件を定めるとともに、競争入札への参加や企画競争への提案書の提出を希望する者に業務内容等について正確な情報を提供できるよう努める。
イ 年間の使用量の多い事務用消耗品の購入に当たっては、個別に少額随契を行うことなく、単価契約による一括化を行うことにより、一般競争契約への移行に努める。契約発注単位の設定では、集約化により経済的かつ効率的な発注となるよう十分配慮する。業務の実施に当たっては、業務範囲の設定や業務の実施方法について財政状況等も考慮して継続の可否の検討や内容の見直し等に努める。また、購入品の仕様を経済的なものとするとともに、電話利用契約のうち、固定電話発携帯電話着の通話についても経済的な料金プランの利用に努める。積算基準等が整備されておらず参考見積りを基に予定価格を決定する場合は、市場価格を適切に反映した予定価格とするため、参考見積りの徴取先は原則として複数とし、特定の相手方に偏らないように配慮する。
ウ 企画競争等を経ない随意契約から一般競争契約や企画随契等へ移行した契約についても、所管公益法人との契約に多く見られるような応札(応募)者がこれまでの契約相手方のみの契約とならないよう、入札参加資格要件の設定、契約内容の明示や発注単位の設定等、契約内容を検討するなどして、競争性の確保に努める。また、一般競争契約以外の契約を適用する場合、契約相手方の決定に当たっては、特に客観性の確保に配慮して合理的なものとなるように努める。
エ 談合を行っていたとされた車両管理業務については、国土交通省では、20年8月以降に入札手続を開始する契約から違約金条項を付すこととしている。談合を行っていたとされた契約は、20年7月以前の契約であり、早急に談合等により生じた損害額の調査を行い、損害賠償請求権に係る時効が3年であることなども念頭に置きつつ、早期の損害回復に努める。さらに、入札談合等関与行為が排除されたことを確保するために必要な改善措置を速やかに講ずる。
オ 庁費等の支払に当たっては、特別会計の設置目的、事業に沿った合理的な計上区分を行い、工事等との関連性等について第三者の理解が得やすい明確な内容とするよう努める。前渡資金の交付に当たっては、定められた経費が手持ち限度額の範囲で交付されるよう資金管理を徹底するとともに、金券類については使用状況等を十分勘案した上で適切な購入を行い、多額の金額に相当する金券類を常時保有することのないよう適切な管理を行う。
 また、厚生労働省については、一般会計と労働特会間における労働局の共通経費の計上区分を合理的なものとなるよう、両会計の適切な負担について検討する必要がある。

 そして、本院としては、今後とも、庁費等の予算執行において、契約の公正性、競争性及び透明性の確保に向けた取組が着実に行われ、庁費等の支出が適正なものとなっているかなどについて、多角的な観点から引き続き検査していくこととする。