ページトップ
  • 平成20年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要

国の財政等の概況


第1節 国の財政等の概況

 会計検査院の検査対象のうち、国の会計についての歳入歳出、債務等の状況、政府関係機関その他国が資本金の2分の1以上を出資している法人についての財務等の状況、また、財政投融資等の状況、さらに、検査対象のうち特定の決算等の状況を示すと、次のとおりである。

第1 国の会計

1 概況

 平成20年度における国の一般会計及び21特別会計の歳入及び歳出は、次のとおりである。

(1) 歳入

一般会計 89兆2082億2953万余円  
特別会計 387兆7395億2984万余円
合計 476兆9477億5937万余円

 上記の合計額から、会計間の繰入れによる歳入歳出の重複額等240兆9769億5173万余円を控除した歳入の純計額は、235兆9708億0764万余円となっている。この純計額から、更に前年度剰余金の受入れ等34兆5265億6607万余円を控除した純歳入額は201兆4442億4156万余円となる。

(2) 歳出

一般会計 84兆6973億9504万余円  
特別会計 359兆1982億2382万余円
合計 443兆8956億1886万余円

 上記の合計額から、会計間の繰入れによる歳入歳出の重複額等239兆1150億5383万余円を控除した歳出の純計額は、204兆7805億6503万余円となっている。

2 一般会計の歳入及び歳出

(1) 歳入

 20年度における一般会計の収納済歳入額及びその主な内訳(構成比率)は、次のとおりである。

千円
収納済歳入額 89,208,229,535
租税及印紙収入

44,267,303,862 (49.6%)
公債金

33,167,999,561 (37.2%)
財政法(昭和22年法律第34号)第4条第1項ただし書の規定により発行された公債(建設公債)の収入金

6,974,999,813
平成20年度における公債の発行の特例に関する法律(平成20年法律第24号)第2条第1項の規定により発行された公債(特例公債)の収入金

26,192,999,747
その他

11,772,926,111 (13.2%)

20年度における一般会計の収納済歳入額及びその主な内訳(構成比率)

(2) 歳出

 20年度における一般会計の支出済歳出額及びその主な内訳(構成比率)は、次のとおりである。

千円
支出済歳出額 84,697,395,043
社会保障関係費

22,561,742,478 (26.6%)
文教及び科学振興費
国債費
地方交付税交付金
防衛関係費
公共事業関係費
その他
5,487,018,303
19,166,464,213
15,140,119,889
4,803,258,410
6,920,908,727
10,617,883,019
(6.5%)
(22.6%)
(17.9%)
(5.7%)
(8.2%)
(12.5%)

 なお、支出済歳出額に対する前記の公債金33兆1679億9956万余円の割合は39.2%(19年度31.0%)である。

20年度における一般会計の支出済歳出額及びその主な内訳(構成比率)

(3) 会計間の繰入れに係る特例措置

 20年度においては「平成20年度における財政運営のための財政投融資特別会計からの繰入れの特例に関する法律」(平成21年法律第4号)により、一般会計と特別会計との間の繰入れについて次のとおり特例的な措置が執られた。

千円
財政投融資特別会計(財政融資資金勘定)から一般会計への繰入れ

4,158,000,000

3 特別会計の損益等

(1) 一般会計からの繰入額

 20年度において一般会計から繰入れを受けているものが21特別会計のうち17特別会計あり、その合計額は48兆0417億5115万余円である。このうち、一般会計からの繰入額が1兆円以上のものは、次のとおりである。なお、括弧書きの数値は、当該特別会計(勘定)の収納済歳入額に占める一般会計からの繰入額の割合である。

千円
交付税及び譲与税配付金特別会計(交付税及び譲与税配付金勘定) 15,679,227,889 (30.7%)
国債整理基金特別会計 19,166,464,213 (9.8%)
年金特別会計 (国民年金勘定) 1,855,801,337 (34.3%)
(厚生年金勘定) 5,432,308,950 (14.9%)
社会資本整備事業特別会計(道路整備勘定) 2,196,989,431 (48.2%)

(2) 特別会計の損益

 21特別会計の中で法令上損益計算書を作成しているものが15特別会計ある。この15特別会計のうち、20年度末において翌年度繰越利益金が1兆円以上となっているものは、次のとおりである。

20年度の利益金
(△損失金)
20年度末における翌年度繰越利益金
千円 千円
財政投融資特別会計(財政融資資金勘定) 2,154,270,029 11,006,868,350
労働保険特別会計 (労災勘定) 130,816,960 8,423,610,184
(雇用勘定) 570,372,534 6,325,879,161
年金特別会計 (基礎年金勘定) 24,664,462 2,318,275,755
(国民年金勘定) △615,313,615 8,095,445,633
(厚生年金勘定) △3,544,757,072 127,546,243,501

 また、20年度末において翌年度繰越損失金が生じている特別会計は、次のとおりである。

20年度の利益金
(△損失金)
20年度末における翌年度繰越△損失金
千円 千円
年金特別会計(健康勘定) △203,480,985 △1,273,487,338
食料安定供給特別会計(農業経営基盤強化勘定) 637,315 △4,023,926
農業共済再保険特別会計(果樹勘定) 2,420,727 △29,320,176
国有林野事業特別会計 △27,782,541 △397,570,789
漁船再保険及び漁業共済保険特別会計
(漁業共済保険勘定)
1,630,356 △27,905,394
社会資本整備事業特別会計(業務勘定) 179,961 △2,083,422

4 一般会計及び特別会計の債務

 平成20年度一般会計国の債務に関する計算書及び各特別会計債務に関する計算書における債務の年度末現在額の合計額は906兆9007億8867万余円である。このうち主なものは次のとおりである。

(1) 公債

 公債の20年度末現在額は680兆5091億7799万余円で、前年度末に比べて3兆8865億1913万余円減少している。このうち主なものは次のとおりである。

千円
財政法第4条第1項ただし書の規定により発行したもの及びこの公債を借り換えるために発行したもの(建設公債) 224,926,954,114
公債の発行の特例に関する特別の法律により発行したもの及びこの公債を借り換えるために発行したもの(特例公債) 299,050,519,526
日本国有鉄道清算事業団承継債務を借り換えるために発行したもの 18,686,640,850
国有林野事業承継債務を借り換えるために発行したもの 2,421,034,500
交付税及び譲与税配付金承継債務を借り換えるために発行したもの 873,062,250
財政融資資金の運用の財源に充てるために財政投融資特別会計(財政融資資金勘定)の負担において発行したもの(財投債) 131,050,138,089

(2) 借入金

 一般会計及び各特別会計における借入金の20年度末現在額の合計は57兆5661億2408万余円で、前年度末に比べて4071億7453万余円増加している。

〔1〕  一般会計の借入金
 一般会計の借入金の20年度末現在額は19兆6429億7208万余円で、その主なものは次のとおりである。

千円
交付税及び譲与税配付金借入金 16,348,681,496
旧日本国有鉄道借入金 1,221,770,084
旧日本国有鉄道清算事業団借入金 4,153,542
旧国営土地改良事業借入金 500,177,486
日本高速道路保有・債務返済機構借入金 1,526,767,519
(注)
 上記はすべて財政融資資金からの借入金である。

〔2〕  特別会計の借入金
 20年度末において借入金を計上しているものが21特別会計のうち8特別会計あり、この8特別会計の借入金の20年度末現在額の合計は37兆9231億5199万余円で、その主なものは次のとおりである。

千円
交付税及び譲与税配付金特別会計(交付税及び譲与税配付金勘定) 33,617,295,408
年金特別会計(健康勘定) 1,479,228,212
国有林野事業特別会計 1,279,394,178
(注)
 上記のうち、交付税及び譲与税配付金特別会計(交付税及び譲与税配付金勘定)における借入金には21,124,405,000千円、国有林野事業特別会計における借入金には675,702,375千円の民間金融機関からの借入金がそれぞれ含まれているが、その他は財政融資資金からの借入金である。

5 今後一般会計からの繰入れを要する措置

 上記のほか、20年度までに国の財政運営に資するなどのため、法律の規定に基づき、一般会計から特別会計に繰り入れるべき国庫負担金の一部を繰り延べたり、特別会計から一般会計に特別に繰り入れたりするなどの措置が執られたものがある。これらのうち、法律の規定に基づき、今後一般会計から当該各特別会計に繰り入れることとされているものの20年度末における現在額は、次のとおりである。

    千円
交付税及び譲与税配付金特別会計(交付税及び譲与税配付金勘定) 4,508,942,981
エネルギー対策特別会計(電源開発促進勘定) 59,500,000
年金特別会計 (国民年金勘定) 445,400,000
(厚生年金勘定) 2,635,000,000
自動車安全特別会計 (保障勘定) 49,000,000
(自動車事故対策勘定) 435,768,984
(注)
 繰延べ等を行った期間に係る運用収入相当額は含まない。