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  • 平成20年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第1 歳入歳出決算|
  • 2 特別会計

農林水産省所管  食料安定供給特別会計


(13) 農林水産省所管  食料安定供給特別会計

 この特別会計は、農業経営基盤強化事業、農業経営安定事業、食糧の需給及び価格の安定のために行う事業及び土地改良工事等に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されているものである。
 なお、同特別会計は、特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)により設立され、19年度の末日において、国営土地改良事業特別会計に所属していた未完了借入事業の工事に係る権利及び義務を承継し ている。
 食料安定供給特別会計は、農業経営基盤強化、農業経営安定、米管理、麦管理、業務、調整及び国営土地改良事業の7勘定に区分して経理されており、その勘定別の20年度の歳入歳出決算、損益、積立金、借入金、主な業務実績、調整資金の増減額及び政府短期証券(食糧証券)の発行は次のとおりである。

ア 農業経営基盤強化勘定

 この勘定は、農業経営基盤の強化に資するための農地等の買収、売渡し等及び農地保有合理化事業等に係る補助金の交付等、農業経営の改善等に資するための農業改良資金の貸付け並びに青年等の就農促進を図るための就農支援資金の貸付けに関する経理を行うものである。

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
20年度
19年度
19,985,057
36,513,722
19,504,536
36,024,396
3,543
2,026
476,976
487,299
歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
20年度
19年度
21,801,696
33,350,506
13,630,906
23,612,036

8,170,789
9,738,469

(イ) 損益

区分 20年度(千円) 19年度(千円)
利益 5,573,704 6,072,819
(うち農業改良資金貸付金納付金 3,433,717) (うち農業改良資金貸付金納付金 3,104,039)
損失 4,936,389 13,817,476
(うち農地保有合理化促進費 3,158,020) (うち農地保有合理化促進対策費 11,929,763)
利益金
(△損失金)
637,315 △7,744,656
前年度繰越利益金
前年度繰越損失金
翌年度繰越損失金

4,661,242
4,023,926
3,083,414

4,661,242

(ウ) 主な業務実績

区分   20年度 (19年度)
(農地等の売渡し等のうちの主なもの)
 農地等の売渡し等 555千m 1,137千m
 農地等の買収 0千m 3千m
 農地等の貸付け 2,051千m 2,153千m
 年度末所有農地等(注) 43,802千m 44,499千m
(農地保有合理化促進対策費補助金の交付のうちの主なもの)      
 農地保有合理化法人に対する補助金の交付 1,437,825千円 1,800,867千円
 全国農地保有合理化協会に対する補助金の交付 900,548千円 8,654,459千円
(農業改良資金)      
 都道府県に対する農業改良資金政府貸付金の貸付け
(就農支援資金)  
 都道府県に対する就農支援資金政府貸付金の貸付け   788,302千円 820,652千円
 「年度末所有農地等」の面積は国有財産台帳に登載されている面積

イ 農業経営安定勘定

 この勘定は、農業経営安定事業生産条件不利補正対策交付金及び農業経営安定事業収入減少影響緩和対策交付金の交付事業に関する経理を行うものである。

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
20年度
19年度
210,165,606
152,834,422
210,165,606
152,834,422


歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
20年度
19年度
210,466,102
153,879,527
175,316,620
148,551,114

35,149,481
5,328,412

 不用額の主なものは、農業経営安定事業費(歳出予算現額2090億0457万余円)の340億8863万余円である。

(イ) 損益

区分 20年度(千円) 19年度(千円)
利益 210,165,606 145,759,354
(うち調整勘定より受入 108,288,033) (うち調整勘定より受入 68,930,811)
損失 175,316,620 148,551,114
(うち農業経営安定事業費 174,906,406) (うち農業経営安定事業費 148,123,074)
利益金
(△損失金)
34,848,985 △2,791,760
前年度繰越損失金
翌年度繰越利益金
翌年度繰越損失金
2,791,760
32,057,225


2,791,760

(ウ) 主な業務実績

区分   20年度 (19年度)
認定農業者等に対する農業経営安定事業生産条件不利補正対策交付金の交付 150,261,445千円 147,827,832千円
認定農業者等に対する農業経営安定事業収入減少影響緩和対策交付金の交付 24,345,443千円

ウ 米管理勘定

 この勘定は、国内米の備蓄に伴う売買等及び輸入米の売買に伴う事業に係る経理を行うものである。

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
20年度
19年度
638,360,847
712,458,556
635,290,464
709,595,120
61,145
3,009,236
2,863,435
歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
20年度
19年度
759,248,229
757,394,129
632,305,636
675,207,634
215,766
401,599
126,726,826
81,784,895

 不用額は、米買入費(歳出予算現額1593億2675万余円)の707億7885万余円、米管理費(歳出予算現額664億3105万円)の121億9606万余円及び返還金等他勘定へ繰入(歳出予算現額4934億9042万余円)の37億5190万余円である。

(イ) 損益

区分 20年度(千円) 19年度(千円)
利益 113,866,132 100,538,895
(うち売上高 98,418,233) (うち売上高 95,291,320)
損失 179,750,404 204,040,476
(うち売上原価 113,443,638) (うち売上原価 119,723,543)
  (うち事業管理費 53,620,837) (うち事業管理費 69,040,847)
損失金
(損失金の処理)
65,884,272
(調整勘定へ移し整理)
103,501,581
(調整勘定へ移し整理

(ウ) 主な業務実績

区分    20年度 (19年度)
米穀 買入れ 74万t 107万t
売渡し 99万t 119万t
年度末在庫 187万t 214万t

エ 麦管理勘定

 〔この勘定は、輸入麦等の売買等に伴う事業に係る経理を行うものである。〕

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
20年度
19年度
466,403,772
418,927,593
466,403,772
418,927,593


歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
20年度
19年度
688,071,396
477,178,601
460,691,486
418,460,544
636,979
226,742,930
58,718,057

 不用額の主なものは、麦買入費(歳出予算現額4916億3105万余円)の1392億2975万余円及び返還金等他勘定へ繰入(歳出予算現額1137億6294万余円)の119億2962万余円である。

(イ) 損益

区分 20年度(千円) 19年度(千円)
利益 396,313,988 311,110,325
(うち売上高 395,885,009) (うち売上高 310,689,880)
損失 446,716,878 359,530,599
(うち食糧麦売上原価 320,237,981) (うち売上原価 280,635,197)
  (うち輸入飼料売上原価 40,913,982)
損失金
(損失金の処理)
50,402,890
(調整勘定へ移し整理)
48,420,273
(調整勘定へ移し整理)

(ウ) 主な業務実績

区分  20年度 (19年度)
麦類 買入れ 600万t 625万t
売渡し 590万t 622万t
年度末在庫 83万t 74万t

オ 業務勘定

 この勘定は、農業経営基盤強化勘定、農業経営安定勘定、米管理勘定及び麦管理勘定の各事業勘定に共通する事務人件費に係る経理を行うものである。

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
20年度
19年度
13,859,963
20,427,098
13,746,669
20,427,098
113,279
14
歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
20年度
19年度
21,186,505
26,080,243
13,746,669
19,809,486

7,439,835
6,270,757

(イ) 損益

区分 20年度(千円) 19年度(千円)
利益 13,794,556 17,409,260
(うち米管理勘定より業務経費受入 8,890,812) (うち米管理勘定より業務経費受入 11,597,006)
損失 15,801,598 47,156,855
(うち事務取扱に必要な経費 12,778,913) (うち食糧事業事務取扱費 16,598,491)
損失金
(損失金の処理)
2,007,042
(調整勘定へ移し整理)
29,747,595
(調整勘定へ移し整理)

カ 調整勘定

 この勘定は、各事業勘定が必要とする資金の手当(一般会計の受入、食糧証券の発行、各事業勘定で生じた決算剰余金の集約等による資金の調達と返済)を一括して行うとともに、米管理勘定、麦管理勘定及び業務勘定の損益を移し受けて整理する機能を有しているものである。

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
20年度
19年度
1,275,055,488
1,279,487,285
1,275,055,488
1,279,487,285


歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
20年度
19年度
1,582,332,908
1,319,480,680
1,238,471,099
1,256,677,747

343,861,808
62,802,932

 不用額は、主要食糧及輸入飼料買入費等財源他勘定へ繰入(歳出予算現額9842億2416万余円)の2851億2127万余円及び国債整理基金特別会計へ繰入(歳出予算現額5981億0874万余円)の587億4053万余円である。

(イ) 損益

区分 20年度(千円) 19年度(千円)
利益 111,275,051 71,775,310
(うち一般会計より受入 108,288,033) (うち一般会計より受入 67,204,108)
損失 111,275,051 71,775,310
(うち農業経営安定勘定へ繰入 108,288,033) (うち農業経営安定勘定へ繰入 68,930,811)

(ウ) 積立金

区分 20年度末(千円) 19年度末(千円)
積立金現在額 15,342,965 15,342,965

(エ) 調整資金の増減額

区分 20年度(千円) 19年度(千円)
年度首資金
本年度受入額
本年度損失整理
損失整理後の現在額
60,047,429
132,000,000
△118,294,204
73,753,225
90,716,879
151,000,000
△181,669,450
60,047,429

(オ) 政府短期証券(食糧証券)の発行

区分 20年度(千円) 19年度(千円)
繰越債務額
本年度発行額
本年度償還額
年度末現在額
537,000,000
1,886,000,000
1,968,000,000
455,000,000
472,000,000
1,799,000,000
1,734,000,000
537,000,000

キ 国営土地改良事業勘定

 〔この勘定は、未完了借入事業の工事に関する経理を行うものである。〕

(ア) 歳入歳出決算

歳入 徴収決定済額(千円) 収納済歳入額(千円) 不納欠損額(千円) 収納未済歳入額(千円)
20年度
19年度
119,127,835
119,127,694
141

歳出 歳出予算現額(千円) 支出済歳出額(千円) 翌年度繰越額(千円) 不用額(千円)
20年度
19年度
145,788,882
108,097,652
26,994,771
10,696,459

 翌年度繰越額の主なものは、土地改良事業費(歳出予算現額936億1146万余円)の231億8243万余円及び離島土地改良事業費(同96億2237万余円)の31億9069万円である。また、不用額の主なものは、土地改良事業費の94億9244万余円である。

(イ) 借入金

区分 20年度末(千円) 19年度末(千円)
借入金現在額(財政融資資金) 17,596,646

(ウ) 主な業務実績

区分   20年度 (19年度)
かんがい排水事業 58地区
総合農地防災事業 6地区
畑地帯総合土地改良パイロット事業 3地区

 なお、この特別会計について検査した結果、不当事項32件((358)(363)(415)—(425)(427)(429)—(435)(437)—(440)(443)(445)(446)(448)—(450)(452) 参照)及び意見を表示し又は処置を要求した事項3件(3か所参照      )を掲記した。