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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 平成21年9月

国土交通省の地方整備局等における庁費等の予算執行に関する会計検査の結果について


5 一般会計と特別会計における計上区分及び執行の状況

 国の予算は、毎会計年度における国の政策を網羅して通観できるよう、単一の会計(一般会計)で一体として経理することが、財政の健全性を確保する見地から望ましい。しかし、現在のように、国の活動が広範かつ複雑化してくると、単一の会計では、かえって個々の事業の運営実績等が不明確となることなどから、特別会計が設置され一般会計と区分した経理が行われている。
 国土交通省が所管している特別会計は、いずれも特定の事業を経理するために設置されており、受益と負担の関係や事業別の収支等を明確化するためにも、一般会計との区分経理を明確に実施し、国民への説明責任を適切に果たすことが重要である。
 一般会計と特別会計においては、前記の北海道開発局のように、工事費関係の予算科目は特別会計に計上されているが、事務費関係の09庁費は一般会計に計上されているなど工事費関係と事務費関係の予算科目が同一会計から支出されない場合もある。このため、必ずしも事業に係るすべての支出が同一会計から行われるとは限らないが、基本的には事業に係る支出は同一会計に計上されており、一般会計と特別会計については、特別会計が国の特定の事業のために限定的に設置されていることから、事業に沿った合理的な計上区分が必要である。

(1) 庁費等の会計別の計上区分及び執行

 庁費等に係る支払(対象契約に国庫債務負担行為等を加えたもの)について、検査対象の組織別に19年度の一般会計及び特別会計における支払金額をみると、図表5-1 のとおりとなっている。

図表5-1
 庁費等に係る支払の会計別等の状況(平成19年度)

上段 件数、:支払金額(単位:千円)
下段:割合(単位:%)
区分
検査対象の組織
一般会計   特別会計   合計  
うち庁費的経費 うち庁費的経費 うち庁費的経費
本省 26,371,118
(55.3)
406,822【1.5】
21,336,837
(44.7)
2,093,999
【9.8】
47,707,956
<33.5>
2,500,822【5.2】
地方整備局 本局 11,800,805
(41.2)
2,037,935
【17.3】
16,810,067
(58.8)
14,223,768
【84.6】
28,610,873
<20.1>
16,261,704
【56.8】
事務所等 791,145
(3.5)
625,614
【79.1】
21,701,682
(96.5)
20,079,643
【92.5】
22,492,827
<15.8>
20,705,258
【92.1】
12,591,950
(24.6)
2,663,550
【21.2】
38,511,750
(75.4)
34,303,412
【89.1】
51,103,700
<35.9>
36,966,962
【72.3】
北海道開発局 本局 624,119
(31.8)
36,203
【5.8】
1,335,553
(68.2)
1,331,610
【99.7】
1,959,673
<1.4>
1,367,814
【69.8】
事務所等 307,970
(11.3)
86,753
【28.2】
2,409,580
(88.7)
2,409,580
【100.0】
2,717,551
<1.9>
2,496,333
【91.9】
932,090
(19.9)
122,957
【13.2】
3,745,133
(80.1)
3,741,191
【99.9】
4,677,224
<3.3>
3,864,148
【82.6】
地方運輸局等 2,029,255
(63.5)
-
【-】
1,165,091
(36.5)
-
【-】
3,194,346
<2.2>
-
【-】
地方航空局 34,675
(0.1)
-
【-】
33,808,252
(99.9)
219,081
【0.6】
33,842,927
<23.8>
219,081
【0.6】
航空交通管制部 -
(-)
-
【-】
1,900,675
(100.0)
9,211
【0.5】
1,900,675
<1.3>
9,211
【0.5】
41,959,091
(29.5)
3,193,330
【7.6】
100,467,740
(70.5)
40,366,896
【40.2】
142,426,831
<100>
43,560,226
【30.6】
注(1)
 一般会計、特別会計の( )書きは、合計に対する割合である。

注(2)
 うち庁費的経費の【 】書きは、一般会計、特別会計及び合計に対する割合である。

注(3)
 合計の< >書きは、計に占める割合である。

 検査対象の組織別に一般会計及び特別会計を合わせた計上割合をみると、地方整備局35.9%、本省33.5%、地方航空局23.8%となっており、これらで全体の93.1%を占めている。
 前記の図表1-2 の09庁費の会計別支出済歳出額を比較のために再掲すると、次のとおりとなっている。

図表1-2 09庁費の組織別、会計別支出済歳出額(平成18、19両年度)<再掲>
上段:金額 (単位: 千円)
下段:割合 (単位: %)
本省及び地方支分部局 年度 一般会計支出済歳出額 特別会計支出済歳出額 合計
特定国有財産整備 都市開発資金融通 治水 道路整備 港湾整備 空港整備 自動車損害賠償保障事業 自動車検査登録 特別会計小計
本省 平成
18
34,174,044
(54.6)
-
(-)
5,250
(0.0)
296,256
(0.5)
532,668
(0.9)
22,841
(0.0)
18,257,672
(29.1)
434,772
(0.7)
8,923,331
(14.2)
28,472,793
(45.4)
62,646,837
【39.1】
19 37,914,865
(58.1)
-
(-)
2,470
(0.0)
89,019
(0.1)
505,244
(0.8)
48,161
(0.1)
16,965,937
(26.0)
379,522
(0.6)
9,309,500
(14.3)
27,299,856
(41.9)
65,214,722
【38.6】
地方整備局 18 28,088,635
(69.4)
-
(-)
-
(-)
5,448,274
(13.5)
5,897,120
(14.6)
965,541
(2.4)
63,719
(0.2)
-
(-)
2,604
(0.0)
12,377,260
(30.6)
40,465,895
【25.3】
19 33,630,002
(73.8)
108,697
(0.2)
-
(-)
5,220,900
(11.5)
5,706,076
(12.5)
811,975
(1.8)
62,021
(0.1)
-
(-)
1,816
(0.0)
11,911,487
(26.2)
45,541,490
【27.0】
北海道開発局等 18 2,261,366
(100.0)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
412
(0.0)
412
(0.0)
2,261,778
【1.4】
19 2,263,293
(95.5)
105,839
(4.5)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
453
(0.0)
106,292
(4.5)
2,369,585
【1.4】
地方運輸局等 18 3,559,879
(52.5)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
3,217,225
(47.5)
3,217,225
(47.5)
6,777,104
【4.2】
19 3,296,101
(51.3)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
3,133,461
(48.7)
3,133,461
(48.7)
6,429,562
【3.8】
地方航空局 18 59,600
(0.1)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
48,016,924
(99.9)
-
(-)
-
(-)
48,016,924
(99.9)
48,076,525
【30.0】
19 60,725
(0.1)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
49,338,538
(99.9)
-
(-)
-
(-)
49,338,538
(99.9)
49,399,264
【29.2】
18 68,143,525 - 5,250 5,744,530 6,429,788 988,382 66,338,317 434,772 12,143,573 92,084,616 160,228,141
19 77,164,989 214,536 2,470 5,309,920 6,211,321 860,137 66,366,496 379,522 12,445,231 91,789,635 168,954,624
総計 145,308,514 214,536 7,720 11,054,450 12,641,110 1,848,520 132,704,813 814,294 24,588,804 183,874,251 329,182,766
注(1)
 一般会計及び特別会計の支出済歳出額の( )書きは、合計に占める割合である。

注(2)
 一般会計と特別会計の合計の【 】書きは、各年度の計に占める割合である。

注(3)
 特定国有財産整備特別会計については、財務省との共管である。

 19年度の09庁費の支出済歳出額における特別会計の計上割合は、本省及び地方運輸局等は41.9%及び48.7%、地方整備局は26.2%、北海道開発局はほぼ全額が一般会計、地方航空局はほぼ全額が特別会計となっているが、庁費等に係る支払における特別会計の計上割合は、次のとおりとなっている。
 地方航空局はほぼ全額が特別会計の支払となっていて、09庁費の支出済歳出額と同様となっている。また、地方運輸局等は36.5%となっていて、09庁費の支出済歳出額の計上割合(48.7%)よりも低くなっているが、検査の対象としていない事務所等の支出を除くとほぼ同様となる。
 本省は44.7%となっていて、09庁費の支出済歳出額の計上割合(41.9%)とほぼ同様となっている。
 一方、地方整備局及び北海道開発局は地方整備局75.4%、北海道開発局80.1%となっていて、いずれも09庁費の支出済歳出額の計上割合よりも高くなっている。また、地方整備局及び北海道開発局においては、本局に比べて事務所等の方が特別会計の計上割合が高くなっており、地方整備局では本局58.8%、事務所等96.5%、また、北海道開発局では本局68.2%、事務所等88.7%となっている。

(2) 検査対象の組織別の計上区分及び執行

 検査対象の組織別にみると、庁費的経費からの支払がない地方運輸局等や計上割合が低い本省、地方航空局及び航空交通管制部については、庁費等に係る支払がほぼ09庁費によるものだけであることから、09庁費の支出済歳出額の計上割合と同様となっている。
 一方、地方整備局及び北海道開発局については、特別会計において庁費的経費の支払が多くなっていることから、庁費等に係る支払に対する特別会計の計上割合は、09庁費の支出済歳出額の計上割合より高くなっている。
 このため、以下においては、庁費等の支払に対して庁費的経費の支払が多い地方整備局及び北海道開発局について、庁費的経費はどのような費途に多く執行されているのか分析した。

ア 地方整備局(本局及び事務所等)

 庁費等に係る支払の一般会計、特別会計別の計上割合及び庁費的経費の費途別の支払金額を本局・事務所等別にみると、図表5-2 のとおりとなっている。

 庁費等に係る支払の会計別等の計上割合等(平成19年度)

〔1〕 地方整備局(本局)
上段 件数、支払金額(単位:千円)
下段:割合(単位:%)
費途\区分 一般会計   特別会計   合計  
うち庁費的経費 うち庁費的経費 うち庁費的経費
備品費 31,466
(1.6)
2,645
【8.4】
1,997,716
(98.4)
1,961,696
【98.2】
2,029,183
<7.1>
1,964,341
【96.8】
消耗品費 152,323
(18.5)
14,105
【9.3】
668,870
(81.5)
562,925
【84.2】
821,194
<2.9>
577,030
【70.3】
被服費 5,595
(6.4)
537
【9.6】
81,527
(93.6)
77,037
【94.5】
87,123
<0.3>
77,575
【89.0】
印刷製本費 60,557
(17.8)
14,943
【24.7】
279,071
(82.2)
269,026
【96.4】
339,629
<1.2>
283,969
【83.6】
通信運搬費 164,615
(20.5)
26,926
【16.4】
638,540
(79.5)
503,002
【78.8】
803,156
<2.8>
529,928
【66.0】
光熱水料 169,018
(50.7)
6,238
【3.7】
164,369
(49.3)
135,446
【82.4】
333,388
<1.2>
141,684
【42.5】
借料及び損料 852,635
(18.2)
71,577
【8.4】
3,835,475
(81.8)
3,659,888
【95.4】

4,688,110
<16.4>
3,731,466
【79.6】
会議費 -
(-)
-
【-】
-
(-)
-
【-】
-
<->
-
【-】
賃金 178,962
(18.1)
14,463
【8.1】
807,686
(81.9)
756,967
【93.7】
986,648
<3.4>
771,430
【78.2】
保険料 18,419
(16.5)
1,658
【9.0】
93,036
(83.5)
84,580
【90.9】
111,455
<0.4>
86,238
【77.4】
児童手当拠出金 19,118
(15.3)
7
【0.0】
105,782
(84.7)
276
【0.3】
124,900
<0.4>
284
【0.2】
自動車交換差金 -
(-)
-
【-】
277,795
(100.0)
277,795
【100.0】
277,795
<1.0>
277,795
【100.0】
雑役務費 10,127,108
(56.4)
1,884,760
【18.6】
7,819,267
(43.6)
5,934,687
【75.9】
17,946,376
<62.7>
7,819,448
【43.6】
自動車維持費 1,538
(38.3)
-
【-】
2,482
(61.7)
-
【-】
4,020
<0.0>
-
【-】
燃料費 7,641
(75.0)
73
【1.0】
2,549
(25.0)
406
【16.0】
10,191
<0.0>
480
【4.7】
職員厚生経費 11,804
(24.7)
-
【-】
35,894
(75.3)
30
【0.1】
47,698
<0.2>
30
【0.1】
11,800,805
(41.2)
2,037,935
【17.3】
16,810,067
(58.8)
14,223,768
【84.6】
28,610,873
<100>
16,261,704
【56.8】
注(1)
 一般会計、特別会計の( )書きは、合計に対する割合である。

注(2)
 うち庁費的経費の【 】書きは、一般会計、特別会計及び合計に対する割合である。

注(3)
 合計の< >書きは、計に占める割合である。

 地方整備局(本局)については、庁費等に係る支払の特別会計の計上割合は58.8%であり、そのうち庁費的経費の計上割合は84.6%と大半を占めている。
 特別会計について、庁費等に係る支払に占める庁費的経費の計上割合をみると、100%となっている費途は自動車交換差金であり、計上割合が比較的高い費途は、備品費(98.2%)、印刷製本費(96.4%)、借料及び損料(95.4%)、被服費(94.5%)及び賃金(93.7%)となっている。逆に、計上割合がほとんどない費途は、自動車維持費(0%)、職員厚生経費(0.1%)及び児童手当拠出金(0.3%)となっている。

〔2〕 地方整備局(事務所等)
上段 件数、支払金額(単位:千円)
下段:割合(単位:%)
費途\区分 一般会計   特別会計   合計  
うち庁費的経費 うち庁費的経費 うち庁費的経費
備品費 44,036
(6.0)
39,386
【89.4】
693,993
(94.0)
687,095
【99.0】
738,030
<3.3>
726,482
【98.4】
消耗品費 41,215
(7.0)
39,162
【95.0】
544,027
(93.0)
522,946
【96.1】
585,242
<2.6>
562,109
【96.0】
被服費 -
(-)
-
【-】
2,743
(100.0)
2,743
【100.0】
2,743
<0.0>
2,743
【100.0】
印刷製本費 3,076
(1.6)
-
【-】
192,292
(98.4)
188,138
【97.8】
195,369
<0.9>
188,138
【96.3】
通信運搬費 10,289
(1.4)
4,232
【41.1】
729,127
(98.6)
657,602
【90.2】
739,417
<3.3>
661,835
【89.5】
光熱水料 201,074
(5.8)
195,700
【97.3】
3,279,748
(94.2)
3,124,721
【95.3】
3,480,822
<15.5>
3,320,422
【95.4】
借料及び損料 31,635
(1.7)
19,691
【62.2】
1,811,648
(98.3)
1,719,759
【94.9】
1,843,283
<8.2>
1,739,451
【94.4】
会議費 -
(-)
-
【-】
-
(-)
-
【-】
-
<->
-
【-】
賃金 36,176
(2.1)
30,422
【84.1】
1,695,107
(97.9)
1,669,594
【98.5】
1,731,284
<7.7>
1,700,017
【98.2】
保険料 3,764
(1.8)
2,866
【76.2】
199,796
(98.2)
179,290
【89.7】
203,561
<0.9>
182,157
【89.5】
児童手当拠出金 9
(0.2)
8
【87.1】
3,787
(99.8)
3,787
【100.0】
3,796
<0.0>
3,795
【100.0】
自動車交換差金 0
(0.0)
0
【100.0】
120,392
(100.0)
120,364
【100.0】
120,392
<0.5>
120,364
【100.0】
雑役務費 411,444
(3.4)
286,208
【69.6】
11,773,448
(96.6)
10,617,534
【90.2】
12,184,893
<54.2>
10,903,742
【89.5】
自動車維持費 8,421
(1.5)
7,934
【94.2】
553,978
(98.5)
506,188
【91.4】
562,399
<2.5>
514,122
【91.4】
燃料費 -
(-)
-
【-】
81,425
(100.0)
73,192
【89.9】
81,425
<0.4>
73,192
【89.9】
職員厚生経費 -
(-)
-
【-】
20,164
(100.0)
6,681
【33.1】
20,164
<0.1>
6,681
【33.1】
791,145
(3.5)
625,614
【79.1】
21,701,682
(96.5)
20,079,643
【92.5】
22,492,827
<100>
20,705,258
【92.1】
注(1)
 一般会計、特別会計の( )書きは、合計に対する割合である。

注(2)
 うち庁費的経費の【 】書きは、一般会計、特別会計及び合計に対する割合である。

注(3)
 合計の< >書きは、計に占める割合である。

 地方整備局(事務所等)については、特別会計の計上割合は96.5%であり、そのうち庁費的経費の計上割合は92.5%とほとんどを占めている。
 特別会計について、庁費等に係る支払に占める庁費的経費の計上割合をみると、職員厚生経費(33.1%)を除いては、全般的に庁費的経費の計上割合が高くなっている。庁費的経費の計上割合が100%となっている費途は、被服費、児童手当拠出金及び自動車交換差金であり、また、庁費的経費の計上割合が比較的高い費途は、備品費(99.0%)、賃金(98.5%)、印刷製本費(97.8%)、消耗品費(96.1%)及び光熱水料(95.3%)となっている。

イ 北海道開発局(本局及び事務所等)

 庁費等に係る支払の一般会計、特別会計別の計上割合及び庁費的経費の費途別の支払金額を北海道開発局の本局・事務所等別にみると、図表5-3 のとおりとなっている。

 なお、北海道開発局は、地方整備局と異なって工事費関係の09庁費が一般会計に計上されており、特別会計における庁費的経費の計上割合は、すべての費途でほぼ100%となっているため一般会計と特別会計の合計により分析した。


図表5-3
 庁費等に係る支払の会計別等の計上割合等(平成19年度)

〔1〕 北海道開発局(本局)
上段 件数、支払金額(単位:千円)
下段:割合(単位:%)
費途\区分 一般会計   特別会計   合計  
うち庁費的経費 うち庁費的経費 うち庁費的経費
備品費 11,209
(66.0)
-
【-】
5,775
(34.0)
5,775
【100.0】
16,984
<0.9>
5,775
【34.0】
消耗品費 22,633
(30.7)
6,552
【28.9】
51,055
(69.3)
50,705
【99.3】
73,689
<3.8>
57,257
【77.7】
被服費 -
(-)
-
【-】
-
(-)
-
【-】
-
<->
-
【-】
印刷製本費 2,500
(12.6)
30
【1.2】
17,313
(87.4)
17,313
【100.0】
19,813
<1.0>
17,344
【87.5】
通信運搬費 44,086
(19.5)
6,348
【14.4】
182,501
(80.5)
182,501
【100.0】
226,587
<11.6>
188,849
【83.3】
光熱水料 34,958
(90.8)
246
【0.7】
3,545
(9.2)
3,545
【100.0】
38,503
<2.0>
3,791
【9.8】
借料及び損料 112,396
(41.2)
6,639
【5.9】
160,102
(58.8)
156,804
【97.9】
272,498
<13.9>
163,444
【60.0】
会議費 -
(-)
-
【-】
-
(-)
-
【-】
-
<->
-
【-】
賃金 22,416
(87.1)
-
【-】
3,312
(12.9)
3,312
【100.0】
25,728
<1.3>
3,312
【12.9】
保険料 2,931
(90.2)
-
【-】
317
(9.8)
317
【100.0】
3,249
<0.2>
317
【9.8】
児童手当拠出金 -
(-)
-
【-】
-
(-)
-
【-】
-
<->
-
【-】
自動車交換差金 15,081
(70.6)
-
【-】
6,279
(29.4)
6,279
【100.0】
21,360
<1.1>
6,279
【29.4】
雑役務費 299,583
(25.2)
15,296
【5.1】
890,384
(74.8)
890,089
【100.0】
1,189,967
<60.7>
905,386
【76.1】
自動車維持費 2,063
(100.0)
-
【-】
-
(-)
-
【-】
2,063
<0.1>
-
【-】
燃料費 54,258
(78.4)
1,089
【2.0】
14,967
(21.6)
14,967
【100.0】
69,225
<3.5>
16,056
【23.2】
職員厚生経費 -
(-)
-
【-】
-
(-)
-
【-】
-
<->
-
【-】
624,119
(31.8)
36,203
【5.8】
1,335,553
(68.2)
1,331,610
【99.7】
1,959,673
<100>
1,367,814
【69.8】
注(1)
 一般会計、特別会計の( )書きは、合計に対する割合である。

注(2)
 うち庁費的経費の【 】書きは、一般会計、特別会計及び合計に対する割合である。

注(3)
 合計の< >書きは、計に占める割合である。

 北海道開発局(本局)については、特別会計の計上割合は68.2%であり、そのほとんどが庁費的経費の支払となっている。
 一般会計及び特別会計の合計について、庁費等に係る支払に占める庁費的経費の計上割合をみると、計上割合が比較的高い費途は、印刷製本費(87.5%)、通信運搬費(83.3%)、消耗品費(77.7%)及び雑役務費(76.1%)であり、逆に計上割合が比較的低い費途は、光熱水料(9.8%)、保険料(9.8%)、賃金(12.9%)、燃料費(23.2%)及び自動車交換差金(29.4%)となっている。

〔2〕 北海道開発局(事務所等)
上段:支払金額(単位:千円)
下段:割合(単位:%)
費途\区分 一般会計   特別会計   合計  
うち庁費的経費 うち庁費的経費 うち庁費的経費
備品費 251
(2.0)
251
【100.0】
12,204
(98.0)
12,204
【100.0】
12,455
<0.5>
12,455
【100.0】
消耗品費 9,028
(12.9)
6,971
【77.2】
61,052
(87.1)
61,052
【100.0】
70,081
<2.6>
68,023
【97.1】
被服費 -
(-)
-
【-】
15,628
(100.0)
15,628
【100.0】
15,628
<0.6>
15,628
【100.0】
印刷製本費 2,074
(28.2)
205
【9.9】
5,271
(71.8)
5,271
【100.0】
7,345
<0.3>
5,476
【74.6】
通信運搬費 13,694
(18.7)
3,285
【24.0】
59,632
(81.3)
59,632
【100.0】
73,327
<2.7>
62,918
【85.8】
光熱水料 30,078
(8.3)
2,166
【7.2】
332,865
(91.7)
332,865
【100.0】
362,943
<13.4>
335,031
【92.3】
借料及び損料 15,575
(5.2)
10,318
【66.2】
282,395
(94.8)
282,395
【100.0】
297,970
<11.0>
292,713
【98.2】
会議費 -
(-)
-
【-】
-
(-)
-
【-】
-
<->
-
【-】
賃金 12,133
(11.3)
12,133
【100.0】
94,890
(88.7)
94,890
【100.0】
107,023
<3.9>
107,023
【100.0】
保険料 667
(9.3)
464
【69.6】
6,490
(90.7)
6,490
【100.0】
7,158
<0.3>
6,955
【97.2】
児童手当拠出金 -
(-)
-
【-】
-
(-)
-
【-】
-
<->
-
【-】
自動車交換差金 205
(0.6)
-
【-】
35,737
(99.4)
35,737
【100.0】
35,942
<1.3>
35,737
【99.4】
雑役務費 211,053
(12.8)
50,671
【24.0】
1,443,936
(87.2)
1,443,936
【100.0】
1,654,989
<60.9>
1,494,607
【90.3】
自動車維持費 3,781
(23.3)
285
【7.6】
12,454
(76.7)
12,454
【100.0】
16,236
<0.6>
12,740
【78.5】
燃料費 9,427
(16.7)
-
【-】
47,020
(83.3)
47,020
【100.0】
56,447
<2.1>
47,020
【83.3】
職員厚生経費 -
(-)
-
【-】
-
(-)
-
【-】
-
<->
-
【-】
307,970
(11.3)
86,753
【28.2】
2,409,580
(88.7)
2,409,580
【100.0】
2,717,551
<100>
2,496,333
【91.9】
注(1)
 一般会計、特別会計の( )書きは、合計に対する割合である。

注(2)
 うち庁費的経費の【 】書きは、一般会計、特別会計及び合計に対する割合である。

注(3)
 合計の< >書きは、計に占める割合である。

 北海道開発局(事務所等)については、特別会計の計上割合は88.7%であり、その全額が庁費的経費の支払となっている。
 一般会計及び特別会計の合計について、庁費等に係る支払に占める庁費的経費の計上割合をみると、計上割合が100%となっている費途は備品費、被服費及び賃金となっている。また、庁費的経費の計上割合が比較的高い費途は、自動車交換差金(99.4%)、借料及び損料(98.2%)、保険料(97.2%)及び消耗品費(97.1%)となっている。

(3) 文書事務に共通的に使用される経費の計上区分及び執行

ア 一般会計及び特別会計の計上区分及び執行

 文書事務に共通的に使用される経費の一般会計及び特別会計の計上区分や執行は、事業に応じて合理的に行う必要がある。そこで、これらの経費のうち、各部局等で共通的に書類作成等に使用され、比較的支払金額が多い電子複写用紙(以下「複写用紙」という。)及びトナーカートリッジに係る経費(以下、これらの経費を「文書事務経費」という。)の一般会計及び特別会計の計上区分等を分析した。
 検査対象の組織別に、18、19両年度に支払われた文書事務経費を一般会計及び各特別会計別に区分してみると、図表5-4 のとおりとなっている。

図表5-4
 文書事務経費の会計別計上区分(平成18、19両年度)

〔1〕 複写用紙
(単位:%)
\会計区分 一般会計 特別会計
検査対象の組織 年度 治水 道路整備 港湾整備 空港整備 自動車検査登録 その他
本省 平成18 (78.7) 24.6 9.2 57.6 0.7 8.0 (21.3)
19 (74.2) 33.8 55.5 0.5 10.3 (25.8)
地方整備局 本局 18 (37.9) 36.5 39.8 16.9 6.0 0.8 (62.1)
19 (34.3) 36.3 45.3 13.9 3.3 1.3 (65.7)
事務所等 18 (4.3) 38.1 49.7 9.8 2.4 (95.7)
19 (3.3) 40.9 48.5 9.3 1.3 (96.7)
18 (18.5) 37.6 46.5 12.1 3.6 0.3 (81.5)
19 (18.7) 39.1 47.2 11.2 2.1 0.5 (81.3)
北海道開発局 本局 18 (53.3) 19.9 45.9 7.4 0.8 1.1 24.8 (46.7)
19 (41.8) 8.2 45.8 3.3 3.5 3.2 36.1 (58.2)
事務所等 18 (4.2) 49.0 35.3 9.8 2.7 3.2 (95.8)
19 (8.2) 53.3 35.2 3.4 2.3 5.7 (91.8)
18 (17.6) 44.5 36.9 9.4 2.4 0.2 6.5 (82.4)
19 (18.3) 43.7 37.5 3.4 2.5 0.7 12.2 (81.7)
地方運輸局等 18 (45.2) 97.4 2.6 (54.8)
19 (35.1) 93.9 6.1 (64.9)
地方航空局 18 (0.0) 100.0 (100.0)
19 (0.3) 100.0 (99.7)
航空交通管制部 18 (-) 100.0 (100.0)
19 (-) 100.0 (100.0)
合計 18 (31.2) 32.0 36.5 9.3 10.2 10.4 1.6 (68.8)
19 (30.0) 32.0 34.6 7.6 9.8 13.0 3.0 (70.0)
(30.6) 32.0 35.5 8.4 10.0 11.8 2.4 (69.4)
注(1)
 その他は、登記、産業投資、労働保険、食糧管理、国営土地改良事業、特許、特定国有財産整備、自動車損害賠償保障事業各特別会計である。

注(2)
 ( )書きは、一般会計及び特別会計の合計に占める割合である。

注(3)
 各特別会計の数字は、特別会計全体に占める割合である。


〔1〕 トナーカートリッジ

(単位:%)

\会計区分 一般会計 特別会計
検査対象の組織 年度 治水 道路整備 港湾整備 空港整備 自動車検査登録 その他
本省 平成18 (77.4) 34.4 16.6 46.3 2.6 (22.6)
19 (77.1) 18.2 13.9 15.1 51.7 1.2 (22.9)
地方整備局 本局 18 (30.2) 33.9 41.9 21.1 2.9 0.2 (69.8)
19 (22.5) 42.2 47.2 9.6 1.0 0.0 (77.5)
事務所等 18 (3.5) 46.7 46.4 6.0 0.9 (96.5)
19 (1.5) 47.9 46.3 5.2 0.6 (98.5)
18 (15.3) 42.1 44.8 11.5 1.6 0.1 (84.7)
19 (13.7) 44.9 46.8 7.5 0.8 0.0 (86.3)
北海道開発局 本局 18 (59.0) 33.2 48.7 18.2 (41.0)
19 (61.9) 22.9 56.5 15.3 1.8 1.9 1.6 (38.1)
事務所等 18 (7.8) 58.2 29.6 7.5 2.5 2.2 (92.2)
19 (10.5) 57.3 29.2 2.3 1.5 9.8 (89.5)
18 (27.2) 52.8 33.7 9.8 2.0 1.7 (72.8)
19 (23.2) 53.1 32.5 3.8 1.5 0.2 8.8 (76.8)
地方運輸局等 18 (33.6) 97.5 2.5 (66.4)
19 (30.6) 96.5 3.5 (69.4)
地方航空局 18 (3.4) 100.0 (96.6)
19 (2.4) 100.0 (97.6)
航空交通管制部 18 (-) 100.0 (100.0)
19 (-) 100.0 (100.0)
合計 18 (37.6) 30.4 28.6 7.0 13.4 19.6 1.0 (62.4)
19 (35.3) 29.4 28.6 5.8 12.9 21.8 1.5 (64.7)
(36.4) 29.9 28.6 6.3 13.1 20.8 1.3 (63.6)
注(1)
 その他は、登記、労働保険、食糧管理、国営土地改良事業、特定国有財産整備、都市開発資金融通、自動車損害賠償保障事業各特別会計である。

注(2)
 ( )書きは、一般会計及び特別会計の合計に占める割合である。

注(3)
 各特別会計の数字は、特別会計全体に占める割合である。

 文書事務経費の一般会計及び各特別会計別の計上区分をみると、地方航空局及び航空交通管制部においては一般会計からの支払はほとんどなく、ほぼ全額が空港整備特別会計から支払われている。これら以外の検査対象の組織における特別会計の計上割合をみると、本省は20%程度、地方運輸局等は60%程度、地方整備局及び北海道開発局は80%程度となっている。また、地方整備局及び北海道開発局においては、本局に比べて事務所等の方が特別会計の計上割合が高くなっており、公共事業関係費である治水、道路整備、港湾整備各特別会計からの支払が多くなっている。
 特別会計における計上割合を年度別にみると、北海道開発局(本局)は、複写用紙は19年度が高いが、トナーカートリッジは18年度が高くなっている。
 さらに、特別会計別の内訳をみると、本省は、18、19両年度において、治水特別会計で複写用紙24.6%、33.8%、トナーカートリッジ34.4%、18.2%、道路整備特別会計で複写用紙9.2%、0%、トナーカートリッジ16.6%、13.9%、港湾整備特別会計で複写用紙0%、0%、トナーカートリッジ0%、15.1%となっていて計上割合は区々となっている。
 一般会計及び特別会計においては、それぞれの事業に係る経費が計上されており、公共事業関係費についても、例外はあるものの基本的には工事費関係の予算科目と事務費関係の予算科目は同一会計に計上されている。このため、事業に応じて、文書事務経費が支出されれば、一般会計及び特別会計の計上割合、また、各特別会計の計上割合は同様の傾向となると考えられる。しかし、実際の計上割合は区々となっていて、合理的な計上区分は見いだせない。
 また、検査対象の組織のうちには、一般会計には行政庁費として事項整理されている予算科目があるものの、文書事務経費には、この予算科目がほとんど充てられておらず、結果的にほとんどの支払が特別会計から行われている事態も見受けられた。その事例を示すと次のとおりである。

<事例19>

[文書事務経費に係る支払が一般会計から行われていないもの]

 東京航空局は、文書事務に必要な複写用紙、トナーカートリッジの事務用消耗品を毎年度多数購入しており、平成18、19両年度の購入金額は、それぞれ複写用紙2,430千円、3,613千円、トナーカートリッジ7,930千円、9,644千円となっている。
 地方航空局については、一般会計に行政庁費が計上されており、また、空港整備特別会計に空港整備等に必要な経費等の様々な予算科目が計上されている。
 東京航空局における文書事務経費の一般会計及び同特別会計の計上区分についてみると、18年度では、文書事務経費は、すべて同特別会計から支払われていて、一般会計からの支払はなかった。また、19年度も、18年度とほぼ同様となっているが、複写用紙の購入については、一般会計からの支払が0.4%あった。

イ 09庁費と庁費的経費の計上区分及び執行

 前記のとおり、庁費等には、09庁費と庁費的経費があり、公共事業関係費の多くを執行している地方整備局及び北海道開発局においては、特別会計の庁費的経費が多くなっている。
 そこで、検査対象の組織別に、19年度の文書事務経費について、一般会計及び特別会計別に09庁費と庁費的経費の計上区分及び執行をみると、図表5-5 のとおりとなっている。

図表5-5 文書事務経費の計上区分及び執行(平成19年度)

図表5-5文書事務経費の計上区分及び執行(平成19年度)

 検査対象の組織別にみると、地方運輸局等及び航空交通管制部は、庁費的経費の支払が全くなく、地方航空局もほとんどない。
 庁費的経費の支払がある検査対象の組織をみると、地方整備局及び北海道開発局は、大半が特別会計からの支払となっている。地方整備局及び北海道開発局については、本局に比べて、事務所等の方が庁費的経費の計上割合が高くなっており、地方整備局(事務所等)は84.4%、90.3%、北海道開発局(事務所等)は91.8%、89.5%とほとんどの支払が庁費的経費となっている。
 特別会計における庁費的経費の計上割合を複写用紙及びトナーカートリッジ別にみると、本省、地方整備局(本局及び事務所等)は、トナーカートリッジの割合が高くなっているが、北海道開発局(本局及び事務所等)は、複写用紙の割合が高くなっている。
 また、本省の庁費的経費の計上割合をみると、複写用紙については特別会計からの庁費的経費の支払はないが、トナーカートリッジについては特別会計からも庁費的経費が支払われていて計上割合は区々となっている。
 庁費的経費は、工事等に必要なものという限定で庁費と同様の費途に適用するものであり、真に工事等に必要なものだけに限定して文書事務経費が支払われれば、その計上割合は同様の傾向となると考えられる。しかし、実際の計上割合は区々となっていて、合理的な計上区分は見いだせない。
 また、同種の事業を行っている組織であっても庁費的経費の計上割合が大きく異なっていたり、大半が庁費的経費からの支払となっていたりしていて真に工事等に必要なものだけに限定しているのか確認できない事態も見受けられた。その事例を示すと次のとおりである。

<事例20>

[文書事務経費における庁費的経費の計上割合が異なっているもの]

 九州地方整備局(港湾空港関係)は、文書事務に必要な複写用紙、トナーカートリッジの事務用消耗品を、平成18、19両年度において、複写用紙1,590千円、1,736千円、トナーカートリッジ3,947千円、3,160千円で購入している。また、関東地方整備局(港湾空港関係)は、同様に、複写用紙3,044千円、2,896千円、トナーカートリッジ6,697千円、3,036千円で購入している。
 地方整備局については、一般会計に行政庁費が計上されており、また、港湾事業等に必要な経費として港湾整備特別会計、空港整備等に必要な経費として空港整備特別会計に、それぞれ様々な予算科目が計上されている。
 これらの文書事務経費に係る18、19両年度の予算科目別の支払をみると、九州地方整備局(港湾空港関係)は、複写用紙の購入はすべて庁費的経費となっており、また、トナーカートリッジも、庁費的経費の計上割合が18年度82.0%、19年度97.6%と大半を占めていた。
 一方、関東地方整備局(港湾空港関係)については、庁費的経費の計上割合は複写用紙は18年度16.0%、19年度47.7%、トナーカートリッジは18年度40.6%、19年度52.8%となっていた。
 このような状況となっている背景には、庁費等の予算額の制約も考えられるが、庁費的経費は、工事等に限定して支払うことができるとされているのに、両地方整備局(港湾空港関係)では、庁費的経費の計上割合が大きく異なっていた。

(4) タクシー使用金額の計上区分及び執行

 本省の庁費等のうち、タクシー乗車券の使用金額等についてみると、19年度の使用枚数は142,439枚、使用金額は1,262,210千円となっており、その大半は深夜帰宅用となっている。
 これについて、職員の基本給を支出する会計(以下「所属会計」という。)とタクシー使用金額を支出した会計との関係をみると、図表5-6 のとおりとなっている。

図表5-6
 タクシー使用金額の局等別・会計別内訳(平成19年度)

 
上段:職員数、使用金額(単位:人、千円)
下段:使用枚数(単位:枚)
局等名 職員数 使用金額
一般会計 特別会計 一般会計 特別会計
空港整備 自動車損害賠償保障事業 自動車検査登録 治水 道路整備 港湾整備 空港整備 自動車損害賠償保障事業 自動車検査登録 特許
大臣官房 848 848 159,994 500 160,494
(16,111)
総合政策局 738 738 129,296 129,296
(16,317)
国土計画局 116 116 22,368 22,368
(2,761)
土地・水資源局 131 131 23,189 23,189
(2,638)
都市・地域整備局 260 260 155,205 155,205
(16,357)
河川局 267 267 18,566 59,485 78,051
(8,913)
道路局 215 215 115,699 115,699
(13,476)
住宅局 159 159 64,744 64,744
(8,000)
鉄道局 162 162 47,934 47,934
(5,884)
自動車交通局 112 62 75 249 42,153 11,156 36,411 89,721
(10,019)
海事局 290 290 41,259 41,259
(5,296)
港湾局 195 195 30,609 90,551 121,160
(16,143)
航空局 319 202 521 15,741 176,535 192,276
(17,712)
北海道局 111 111 20,808 20,808
(2,812)
3,923 202 62 75 4,262 887,570 59,485 90,551 176,535 11,156 36,411 500 1,262,210
(142,439)

 大臣官房ほか11局(自動車交通局及び航空局を除く。)の職員の所属会計はすべて一般会計であるが、このうち、大臣官房、河川局及び港湾局においては、一般会計のほかに特別会計からもタクシー使用金額を支出している。
 なお、本省においては、20年6月以降タクシー乗車券の使用を取りやめて職員による立替払としている。そして、同年8月以降は、タクシー使用金額はすべて当該使用職員の所属会計から支出している。

(5) 前渡資金の交付状況

 前渡資金は、会計法第17条において、交通通信の不便な地方で支払う経費、庁中常用の雑費その他経費の性質上主任の職員をして現金支払をなさしめなければ事務の取扱いに支障を及ぼすような経費で政令で定めるものとされていて、支出の特例として指定された経費に限定して認められたものである。
 経費の指定は、その種類別に予決令第51条において第1号から第13号の経費が定められており、庁費等とほぼ同様の経費に執行されていると考えられる官署の日常業務を管理運営していくために必要な消耗品費等の庁中常用の雑費は、第4号で定められている。
 また、主任の職員が手持ちすることができる金額については、その保管に属する資金の出納保管について負担する危険の防止を図るとともに、国庫金の固定化及びこの種の経費の性質上その濫用を防止する趣旨から限度額(以下「手持ち限度額」という。)が定められている。
 手持ち限度額については、予決令第51条において定められ、さらに同令臨時特例(昭和21年勅令第558号)第1条第2項で、財務大臣は、当分の間、必要があると認めるときは、特例を設けて手持ち限度額を変更することができるとされている。
 上記の規定に基づき、例えば庁中常用の雑費の手持ち限度額の場合は300万円と定められているが、主任の職員ごとに、必要に応じて過去の支払実績等を考慮して手持ち限度額を増額する変更を行っている。
 庁費等の予算執行に係る検査の一環として、本局等から事務所等への庁中常用の雑費に係る前渡資金の交付状況等について検査したところ、手持ち限度額を上回る額の前渡資金が交付されていて、前渡資金の交付、管理等が適切とは認められない事態が、巻末別表3 のとおり25か所見受けられた。その事例を示すと次のとおりである。

<事例21>

[庁中常用の雑費に該当する経費を請負工事費等に係る前渡資金として交付を受けているもの]

 九州地方整備局博多港湾・空港整備事務所は、事務の執行に必要な人件費、庁中常用の雑費等を支払うため、九州地方整備局本局より前渡資金の交付を受けている。
 手持ち限度額については、予決令第51条により、庁中常用の雑費、請負工事費等ごとに限度額(庁中常用の雑費:300万円、請負工事費等:500万円)が定められている。
 そして、同事務所は、資金の交付を受けるに当たって、複写機賃貸借保守料等の経費は工事に必要な経費であり、請負工事費等に当たると判断している。
 しかし、複写機賃貸借保守料等の経費は請負工事費等ではなく庁中常用の雑費に該当するものである。
 このため、同事務所が交付を受けた前渡資金を上記により分類して整理したところ、平成19年4月に既に約290万円の庁中常用の雑費を保管しているのに、更に約480万円の庁中常用の雑費の交付を受けているなどしており、手持ち限度額を上回る額の前渡資金の交付を受けていた。

<事例22>

[手持ち限度額を前渡資金を要する1件ごとの契約等の金額に適用しているもの]

 福岡航空交通管制部は、事務の執行に必要な人件費、庁中常用の雑費等を支払うため、本省航空局より前渡資金の交付を受けている。
 手持ち限度額については、庁中常用の雑費、請負工事費等ごとに限度額(庁中常用の雑費:300万円)が定められている。
 この手持ち限度額は、常時保管する前渡資金の残高を制限するものであるが、同交通管制部では、手持ち限度額を前渡資金を要する1件ごとの契約等の金額に適用することとしていて、おおむね1か月間に支払を予定している契約等の金額の合計額に当たる前渡資金を1回の交付で受けている。
 このため、同交通管制部は、平成19年4月に1回の前渡資金の交付で、約4650万円の庁中常用の雑費の交付を受けているなどしており、手持ち限度額を上回る額の前渡資金の交付を受けていた。

<事例23>

[庁中常用の雑費、請負工事費等の手持ち限度額を合計して、その合計額の範囲内となるように前渡資金の交付を受けているもの]

 中部地方整備局三重河川国道事務所は、事務の執行に必要な人件費、庁中常用の雑費等を支払うため、中部地方整備局本局より前渡資金の交付を受けている。
 同事務所では、庁中常用の雑費、請負工事費等として支払った過去の支払実績等を考慮し、平成19年度は手持ち限度額を変更して庁中常用の雑費1180万余円、請負工事費等1億1409万余円と定めていた。
 そして、同事務所は、経費ごとの把握を行っておらず、庁中常用の雑費、請負工事費等の手持ち限度額を合計して、その合計額の範囲内となるように前渡資金の交付を受けている。
 しかし、前渡資金の交付については、庁中常用の雑費、請負工事費等のそれぞれが手持ち限度額の範囲内となるように交付を受けることとされている。
 したがって、同事務所が交付を受けた前渡資金を、上記により分類して整理したところ、19年10月25日に交付を受けた庁中常用の雑費、請負工事費等の前渡資金約8920万円のうち約8900万円は庁中常用の雑費に該当しているなどしており、手持ち限度額を上回る額の前渡資金の交付を受けていた。

(6) 金券類の管理

 物品は、物品管理法(昭和31年法律第113号)等に基づき、適正かつ効率的な供用その他良好な管理を図ることとされている。
 検査対象の組織が19年度に購入している金券類は、換金性が高く現金と同等と認められる〔1〕 切手類、〔2〕 収入印紙等の証紙類、〔3〕 電車、バス等の回数券類(磁気カード式も含む。)であり、その管理は受払簿や使用簿等により行われている。
 検査対象の組織別に、19年度に購入した金券類に係る支払金額、年度末保有相当額を、上記の〔1〕 から〔3〕 の別にみると、図表5-7 のとおりとなっている。

図表5-7
 金券類に係る支払金額及び年度末保有相当額(平成19年度)

 
上段:支払金額、年度末保有相当額(単位:千円)
下段:割合(単位:%)
検査対象の組織 切手類 証紙類 回数券類
支払金額 年度末保有相当額 支払金額 年度末保有相当額 支払金額 年度末保有相当額
本省 384 736
(191.4)
1,456 95
(6.6)
11,117 1,030
(9.3)
地方整備局 本局 2,284 1,735
(76.0)
3,431 22
(0.6)
1,866 554
(29.7)
事務所等 5,155 3,179
(61.7)
22,986 16,626
(72.3)
6,073 2,728
(44.9)
7,440 4,915
(66.1)
26,417 16,648
(63.0)
7,939 3,282
(41.3)
北海道開発局 本局 171 135
(78.7)
462 -
(-)
176 114
(64.8)
事務所等 3,008 1,555
(51.7)
12,820 731
(5.7)
60 17
(28.4)
3,180 1,690
(53.2)
13,282 731
(5.5)
236 131
(55.5)
地方運輸局等 16,589 6,778
(40.9)
669 -
(-)
3,893 1,790
(46.0)
地方航空局 1,225 150
(12.2)
24,765 3,021
(12.2)
2,992 212
(7.1)
航空交通管制部 - -
(-)
0 0
(100.0)
56 57
(102.1)
合計
28,819
 
14,270
(49.5)
66,591
 
20,497
(30.8)
26,236
 
6,504
(24.8)
(注)
 年度末保有相当額の( )書きは、支払金額に対する割合である。

 金券類に係る19年度支払金額は、証紙類(66,591千円)が最も多く、次に切手類(28,819千円)及び回数券類(26,236千円)となっている。切手類は地方運輸局等、証紙類は地方整備局の事務所等及び地方航空局、回数券類は本省において主に購入している。
 また、年度末保有相当額(回数券類については利用可能額)については、切手類(14,270千円)及び証紙類(20,497千円)は比較的多額となっているが、検査対象の組織別には、支払金額に対する年度末保有相当額の割合は区々となっている。
 そこで、切手類及び証紙類について、19年度支払金額に対する年度末保有相当額の割合をみると、図表5-8 のとおりとなっている。

図表5-8
 支払金額に対する年度末保有相当額の割合(平成19年度)

上段:箇所数(単位:箇所)
下段:割合(単位:%)
検査対象の組織 切手類 証紙類
50%未満 50%以上100%以上 100%以上   合計 50%未満 50%以上100%未満 100%以上   合計
うち200%以上 うち200%以上
本省 1
(33.3)
-
(-)
2
(66.7)
1
(33.3)
3 1
(100.0)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
1
地方整備局 本局 9
(69.2)
2
(15.4)
2
(15.4)
2
(15.4)
13 5
(100.0)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
5
事務所等 23
(39.7)
26
(44.8)
9
(15.5)
3
(5.2)
58 20
(43.5)
12
(26.1)
14
(30.4)
5
(10.9)
46
32
(45.1)
28
(39.4)
11
(15.5)
5
(7.0)
71 25
(49.0)
12
(23.5)
14
(27.5)
5
(9.8)
51
北海道開発局 本局 -
(-)
1
(100.0)
-
(-)
-
(-)
1 1
(100.0)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
1
事務所等 8
(38.1)
11
(52.4)
2
(9.5)
1
(4.8)
21 13
(92.9)
1
(7.1)
-
(-)
-
(-)
14
8
(36.4)
12
(54.5)
2
(9.1)
1
(4.5)
22 14
(93.3)
1
(6.7)
-
(-)
-
(-)
15
地方運輸局等 5
(50.0)
3
(30.0)
2
(20.0)
-
(-)
10 2
(100.0)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
2
地方航空局 1
(50.0)
-
(-)
1
(50.0)
1
(50.0)
2 4
(80.0)
-
(-)
1
(20.0)
1
(20.0)
5
航空交通管制部 -
(-)
-
(-)
-
(-)
-
(-)
- -
(-)
-
(-)
1
(100.0)
-
(-)
1
合計
47
(43.5)
43
(39.8)
18
(16.7)
8
(7.4)
108
46
(61.3)
13
(17.3)
16
(21.3)
6
(8.0)
75
(注)
 下段の( )書きは切手類、証紙類の各箇所数の合計に対する割合である。なお、証紙類については、収入印紙等の品目ごとに算出している。

 各検査対象の組織における19年度支払金額に対する年度末保有相当額の割合をみると、切手類は50%未満と50%以上100%未満がそれぞれ4割程度となっているが、証紙類は50%未満が6割程度、50%以上100%未満は2割弱となっていて、切手類より証紙類の方が年度末保有相当額の割合が低い。しかし、年度末保有相当額の割合が100%以上(年度末保有相当額が支払金額よりも多い。)のものについてみると、切手類より証紙類の方が割合が高い。また、年度末保有相当額の割合が200%以上(年度末保有相当額が支払金額の2倍以上となっている。)のものも切手類で7.4%、証紙類で8.0%ある。
 このように、切手類及び証紙類の年度末における保有相当額は、少ないところもある一方、支払金額以上となっているところも見受けられる。このような原因としては、保有している券種別の額面金額と使用したい額面金額が一致しないことにもよるが、必要な都度購入することなくまとめて購入していることなどによると認められる。
 金券類は、前記のとおり、厳重な管理を要することなどを考慮すると、使用状況等を十分勘案した上で適切な購入等を行い、多額の金額に相当する金券類、特に高額な金券類を常時保有することのないよう管理方法等を検討すべき事態が見受けられた。その事例を示すと次のとおりである。

<事例24>

[多額の金額に相当する金券類を管理しているもの]

 大阪航空局は、土地売買及び賃貸借契約に必要な収入印紙を、毎年度多数購入し、受払簿により管理している。
 この収入印紙について同航空局では、土地売買及び賃貸借契約が多いことなどから、契約に必要な都度購入することなくまとめて購入していた。
 その保有相当額は平成18年度末1,985千円、19年度末2,329千円であり、一方、購入及び使用した収入印紙の相当額は、18年度購入305千円、使用373千円、19年度購入820千円、使用475千円となっていて、購入・使用に比べて多額の収入印紙を常時保有していた。
 このように、購入・使用に比べて多額の収入印紙を保有しているのは、使用する収入印紙は賃貸借契約に必要な200円相当がその大半となっているのに、使用頻度が少ない6万円相当や10万円相当等の高額な収入印紙を常時保有していることなどによるものであり、土地売買に必要な高額な収入印紙については、必要な都度購入するなど管理方法等を検討すべきであったと認められる。

(7) 厚生労働省における計上区分及び執行の状況

ア 厚労省庁費及び人件費の計上区分及び執行

(ア) 16年度から19年度までの厚生労働本省(注2) の厚労省庁費及び人件費の執行状況をみると、図表5-9 のとおりとなっている。

 厚生労働本省  厚生労働本省が支出した庁費のうち一般会計に係る支出済額の数値については、いわゆる労働行政に係るものに限られず、厚生労働本省が執行するすべての業務に係る支出が含まれている。また、人件費についても、同様に厚生労働本省に所属するすべての人員に係る支出が含まれている。

図表5-9 厚労省庁費及び人件費の執行状況(厚生労働本省)(平成16年度〜19年度)

図表5-9厚労省庁費及び人件費の執行状況(厚生労働本省)(平成16年度〜19年度)

(注)
 「割合(%)」は、小数点第2位以下を切り捨てているため、各項目を合計しても100にならない。
また、金額は、単位未満を切り捨てているため、各項目の数値を合計しても「計」欄の数値と一致しない場合がある。(以下同様。)

 19年度の一般会計及び労働特会に係る厚労省庁費の支出済歳出額は、一般会計708億円(53.6%)、労働特会613億円(46.3%)、計1322億円となっている。また、16年度から19年度までの労働特会の占める割合は、38%から52%までの間で推移している。
 これに対して、19年度の両会計に係る人件費の支出済歳出額は、一般会計246億円(92.4%)、労働特会20億円(7.5%)、計266億円となっている。また、16年度から19年度までの労働特会の占める割合は、いずれの年度も10%に満たない。
 なお、19年度の両会計の実人員(注3) は、一般会計3,240人(89.7%)、労働特会372人(10.2%)、計3,612人となっている。

 実人員  20年3月に給与を支給した者

(イ) 16年度から19年度までの47労働局の厚労省庁費及び人件費の執行状況をみると、図表5-10 のとおりとなっている。

図表5-10 厚労省庁費及び人件費の執行状況(47労働局)(平成16年度〜19年度)

図表5-10厚労省庁費及び人件費の執行状況(47労働局)(平成16年度〜19年度)

 19年度の両会計に係る厚労省庁費の支出済歳出額は、一般会計24億円(5.7%)、労働特会411億円(94.2%)、計436億円となっている。また、16年度から19年度までの労働特会の占める割合は、いずれの年度も90%を超えている。
 これに対して、19年度の両会計に係る人件費の支出済歳出額は、一般会計871億円(58.3%)、労働特会622億円(41.6%)、計1493億円となっている。また、16年度から19年度までの労働特会の占める割合は、いずれの年度も42%程度となっている。
 なお、19年度の両会計の実人員は、一般会計12,461人(55.3%)、労働特会10,070人(44.6%)、計22,531人となっている。

イ タクシー使用金額の計上区分及び執行

 前記のとおり、一般会計から人件費を支出している厚生労働本省の職員に対して労働特会からタクシー使用金額が支出されていたことについて国会で議論された。そこで、19年度の厚労省庁費のうち、所属会計が労働特会である職員がいる17課室及び労働特会の職員はいないが労働特会のタクシー乗車券を使用した12課室、計29課室におけるタクシー乗車券の使用金額等についてみたところ、次のような状況となっている。
 タクシー乗車券は深夜帰宅用として使用されており、タクシー使用金額の合計は1億7480万円となっている。これらについて、所属会計とタクシー使用金額を支出した会計(注4) との関係をみると、職員の所属会計と異なる会計からタクシー使用金額を支出しているものが26課室において見受けられた。
 上記29課室のタクシー使用金額の所属会計別・支出会計別内訳をみると、図表5-11 のとおりとなっている。

 所属会計とタクシー使用金額を支出した会計  所属会計とタクシー使用金額を支出した会計には、労働特会の各勘定も含む。(以下、超過勤務手当についても同じ。)


図表5-11
 深夜帰宅用として使用されたタクシー乗車券のタクシー使用金額の所属会計別・支出会計別内訳(厚生労働本省)(平成19年度))

単位: 上段:人
  中段:枚
  下段:千円
支出会計
所属会計
一般会計 労働特会 合計
労災勘定 雇用勘定 徴収勘定
一般会計 使用人数 383 150 200 40 773
使用枚数 8,051 2,737 2,423 163 13,374
使用金額 74,008 26,901 23,415 1,863 126,188
労働特会 労災勘定 使用人数 4 125 3 9 141
使用枚数 73 2,246 6 63 2,388
使用金額 376 23,244 65 403 24,090
雇用勘定 使用人数 9 2 51 10 72
使用枚数 142 5 1,787 215 2,149
使用金額 1,638 38 14,936 2,878 19,491
徴収勘定 使用人数 0 0 0 21 21
使用枚数 0 0 0 413 413
使用金額 0 0 0 5,032 5,032
合計 使用人数 396 277 254 80 1,007
(割合:%) (39.3) (27.5) (25.2) (7.9) (100)
使用枚数 8,266 4,988 4,216 854 18,324
(割合:%) (45.1) (27.2) (23.0) (4.6) (100)
使用金額 76,023 50,184 38,417 10,178 174,803
(割合:%) (43.4) (28.7) (21.9) (5.8) (100)
所属会計と支出会計が異なるものの計 使用人数 13 152 203 59 427
(割合:%) (1.2) (15.0) (20.1) (5.8) (42.4)
使用枚数 215 2,742 2,429 441 5,827
(割合:%) (1.1) (14.9) (13.2) (2.4) (31.7)
使用金額 2,014 26,940 23,480 5,145 57,581
(割合:%) (1.1) (15.4) (13.4) (2.9) (32.9)

 職員の所属会計と異なる会計からタクシー使用金額を支出しているものは、使用人数427人、タクシー乗車券の使用枚数5,827枚、タクシー使用金額5758万円となっていて、タクシー使用金額計1億7480万円の32.9%を占めている。
 このような状況となっている理由について、厚生労働本省は、一般会計と労働特会の業務が混在していて両業務を区分することが実務的に難しいことから、各課室の業務内容や一般会計と労働特会の事業予算の規模の比率を勘案し、支出する会計を課室単位ごとに特定するなどしてタクシー使用金額を支出してきたためとしている。
 なお、厚生労働本省は、計上区分を対外的に分かりやすいものとし、合理的な根拠もなく職員の所属会計と異なる会計からタクシー使用金額を支出しているとの誤解を避けるためとして、20年12月までに、タクシー使用金額は、タクシー乗車券を使用する職員の所属会計から支出するよう方針を変更しており、これ以降、この変更後の方針により、タクシー使用金額を支出している。
 一方、労働局においては、タクシー乗車券の使用実績はない。

ウ 超過勤務手当の計上区分及び執行

 厚生労働本省及び労働局では、一般会計及び労働特会の業務が混在していて、職員がその所属会計とは異なる業務を行う場合もあると考えられる。そこで、超過勤務手当の支出状況をみたところ、次のとおりとなっている。

(ア) 厚生労働本省において、前記の19年度のタクシー乗車券を使用している29課室に在籍する職員に対する超過勤務手当の支出をみると、職員の所属会計と異なる会計から超過勤務手当を支出しているものが9課室において見受けられた。
 上記29課室の超過勤務手当の支出状況の内訳をみると、図表5-12 のとおりとなっている。

図表5-12
 超過勤務手当の支出状況(厚生労働本省)(平成19年度)

(単位:千円)
支出会計
所属会計
一般会計 労働特会 合 計
労災勘定 雇用勘定 徴収勘定
一般会計 546,120 24,807 29,005 1,652 601,585
労働特会 労災勘定 0 166,160 0 1,965 168,126
雇用勘定 0 0 78,479 1,651 80,130
徴収勘定 0 500 0 27,649 28,149
合計
(割合:%)
546,120
(62.2)
191,468
(21.8)
107,484
(12.2)
32,918
(3.7)
877,991
(100)
所属会計と支出会計が異なるものの計
(割合:%)
0
(0)
25,307
(2.8)
29,005
(3.3)
5,268
(0.6)
59,581
(6.7)

 職員の所属会計と超過勤務手当を支出している会計が異なるものは、計5958万円となっていて、支出額計8億7799万円の6.7%を占めている。
 このような状況となっている理由について、厚生労働本省は、一般会計と労働特会の業務が混在していて両業務を区分することが実務的に難しいことから、予算の状況等を勘案し、所属会計と異なる会計から超過勤務手当を支出する場合があったためとしている。
 なお、厚生労働本省は、タクシー使用金額の支出と同様の理由で、20年9月から職員への超過勤務手当は、当該職員の所属会計から支出するよう方針を変更しており、これ以降、この変更後の方針により、超過勤務手当を支出している。

(イ) 47労働局において、19年度の超過勤務手当の支出をみると、職員の所属会計と異なる会計から超過勤務手当を支出しているものが47労働局すべてにおいて見受けられ、その内訳は図表5-13 のとおりとなっている。

図表5-13
 超過勤務手当の支出状況(47労働局)(平成19年度)

(単位:千円)
支出会計
所属会計
一般会計 労働特会 合 計
労災勘定 雇用勘定 徴収勘定
一般会計 2,792,452 44,763 140,031 9,418 2,986,664
労働特会 労災勘定 112,388 731,544 1,598 23,605 869,137
雇用勘定 455,453 1,670 1,134,841 17,675 1,609,641
徴収勘定 139,901 23,471 42,203 285,038 490,615
合 計
(割合:%)
3,500,195
(58.7)
801,450
(13.4)
1,318,674
(22.1)
335,737
(5.6)
5,956,058
(100)
所属会計と支出会計が異なるものの計
(割合:%)
707,743
(11.8)
69,905
(1.1)
183,832
(3.0)
50,699
(0.8)
1,012,181
(16.9)

 職員の所属会計と超過勤務手当を支出している会計が異なるものは、計10億1218万円となっていて、支出額計59億5605万円の16.9%を占めている。
 このような状況となっている理由について、各労働局は、厚生労働本省と同様であるとしており、21年4月に、超過勤務手当を支出する会計について、厚生労働本省と同様に方針を変更している。

エ 共通経費の計上区分及び執行

 厚生労働本省及び47労働局の庁舎においては、一般会計と労働特会のそれぞれに所属する職員が在籍し、両会計の業務が行われているため、厚労省庁費のうち光熱水料、庁舎維持管理費等は両会計の業務に係る共通の経費(以下「共通経費」という。)となる。そこで、共通経費の計上区分についてみたところ、次のとおりとなっている。

(ア) 厚生労働本省における19年度の共通経費のうち、主な9項目を抽出して、その計上区分及び執行状況をみると、図表5-14 のとおりとなっている。

図表5-14
 共通経費の計上区分及び執行状況(厚生労働本省)(平成19年度)

単位: 上段:人、千円
  下段:%
会計名
共通経費項目等
一般会計 労働特会 その他の会計 合計
職員数 2,771
(94.2)
148
(5.0)
22
(0.7)
2,941
(100)
事務機器借料・保守料 221,049
(76.5)
67,701
(23.4)
0
(0)
288,750
(100)
庁舎警備に要する経費 111,299
(94.3)
5,842
(4.9)
857
(0.7)
118,000
(100)
電気料金 145,349
(94.3)
7,630
(4.9)
1,120
(0.7)
154,100
(100)
水道料金 31,815
(94.3)
1,670
(4.9)
245
(0.7)
33,730
(100)
電話料金 60,186
(87.4)
8,632
(12.5)
0
(0)
68,819
(100)
庁舎清掃に要する経費 44,277
(94.1)
2,429
(5.1)
341
(0.7)
47,048
(100)
LANに要する経費 37,611
(69.9)
16,128
(30.0)
0
(0)
53,739
(100)
給与システムに要する経費 24,575
(100)
0
(0)
0
(0)
24,575
(100)
ホームページの運用に要する経費 58,572
(88.6)
7,499
(11.3)
0
(0)
66,071
(100)
734,736
(85.9)
117,533
(13.7)
2,564
(0.3)
854,835
(100)

 上記の9項目の共通経費の負担額は、一般会計7億3473万円、労働特会1億1753万円となっている。そして、これを項目別に一般会計と労働特会の負担をみると、庁舎警備に要する経費や水道料金等について両所属会計の予算定員割合によっていたり、ホームページの運用に要する経費について過去の会計別の実績によっていたり、給与システムに要する経費について会計別に区分することが困難であるとして全額を一般会計の負担としていたりなどしている。

(ア) 47労働局における19年度の共通経費のうち、上記の9項目に地方合同庁舎の分担金(労働局)及び地方合同庁舎の分担金(労働基準監督署及び公共職業安定所)の2項目を加えた主な11項目を抽出して、その計上区分及び執行状況をみると、図表5-15 のとおりとなっている。

図表5-15
 共通経費の計上区分及び執行状況(47労働局)(平成19年度)

単位: 上段:人、千円  
  下段:%  
 
会計名
共通経費項目等
一般会計 労働特会 合計 労働特会のみから経費を支出している労働局数
(単位:局)
職員数 12,335
(55.1)
10,041
(44.8)
22,376
(100)
事務機器借料・保守料 30,424
(1.9)
1,500,040
(98.0)
1,530,465
(100)
22
庁舎警備に要する経費 3,803
(1.0)
368,480
(98.9)
372,283
(100)
43
電気料金 36,689
(2.1)
1,689,003
(97.8)
1,725,693
(100)
32
水道料金 12,921
(4.3)
284,069
(95.6)
296,990
(100)
37
電話料金 18,343
(1.6)
1,125,478
(98.3)
1,143,822
(100)
20
庁舎清掃に要する経費 8,473
(1.1)
699,163
(98.8)
707,637
(100)
28
地方合同庁舎の分担金(局)
(31局が支出(16局は支出なし))
36,486
(8.6)
382,977
(91.3)
419,464
(100)
14
地方合同庁舎の分担金
(労働基準監督署及び公共職業安定所)
(43局が支出(4局は支出なし))
37,551
(5.0)
701,808
(94.9)
739,360
(100)
26
LANに要する経費
(42局が支出(5局は支出なし))
8,271
(6.0)
129,037
(93.9)
137,309
(100)
29
給与システムに要する経費 53,386
(26.6)
146,741
(73.3)
200,127
(100)
15
ホームページの運用に要する経費 31,701
(31.6)
68,605
(68.3)
100,307
(100)
18
278,053
(3.7)
7,095,406
(96.2)
7,373,460
(100)
 

 上記の11項目の共通経費の負担額は、一般会計2億7805万円、労働特会70億9540万円となっている。これを項目別にみると、各項目とも労働特会のみから支出している労働局が相当数あり、特に、庁舎警備に要する経費については、43労働局、水道料金については37労働局がそれぞれ労働特会のみから支出している状況となっている。また、3労働局は、11項目すべての経費について労働特会のみから支出している。
 このように、両会計で負担すべき経費について、労働特会のみから支出しているなど、労働局における計上区分が合理的とは認められない事態が見受けられた。