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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 農林水産省|
  • 平成20年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

土地改良事業の受益農地の転用の許可に際しての取扱いについて


(4) 土地改良事業の受益農地の転用の許可に際しての取扱いについて

(平成20年度決算検査報告参照)

1 本院が表示した意見

 農林水産省は、国営事業又は国庫補助事業により、農業用用排水施設の新設等を行う土地改良事業を多数実施している。そして、この土地改良事業の受益農地であるかどうかにかかわらず、優良な農地の転用については、農業従事者の就業機会の増大に寄与する施設の用に供する場合など、例外的に許可できる場合がある。しかし、農業従事者の就業機会の増大に寄与する施設の用に供するために例外的に転用の許可を受けた受益農地に設置された施設が、転用許可後において農業従事者の就業機会の増大に十分寄与していなかったり、転用許可後、施設を設置する事業が実施されないなどのため、受益農地が転用目的に供されないまま長期間にわたり放置されていたりしている事態が見受けられた。
 したがって、農林水産省において、受益農地について農業従事者の就業機会を増大させるために例外的に転用の許可を与える場合の具体的な審査方法を定めて、これを関係部局及び都道府県に示すとともに、転用許可後の事業の実施状況に問題があると認められる場合には指導を行うことなどの重要性について、関係部局及び都道府県に対して周知徹底を図る処置を講ずるよう、農林水産大臣に対して平成21年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

 本院は、農林水産本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、21年12月に関係部局、都道府県等に対して農地法関係通知を発出して、転用許可後の受益農地に設置される施設が農業従事者の就業機会の増大に寄与する施設であるかどうかの審査方法をより具体的に示すとともに、転用許可後の事業の実施状況を十分に把握し、問題があると認められる場合には許可を受けた事業者に指導を行うなどして農地転用許可事務を適正に行うよう指導・助言する処置を講じていた。