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  • 平成21年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 農林水産省|
  • 平成20年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

水田・畑作経営所得安定対策の実施について


(5) 水田・畑作経営所得安定対策の実施について

(平成20年度決算検査報告参照)

1 本院が表示した意見

 農林水産省は、米穀、麦等の土地利用型農業の担い手の経営及び所得の安定を図るための水田・畑作経営所得安定対策(以下「本対策」という。)の一環として、個人、法人等の土地利用型農業の担い手に対して、我が国における生産条件と外国における生産条件との格差から生ずる不利を補正するための生産条件不利補正交付金(以下「交付金」という。)等を交付している。しかし、18法人において、麦、大豆等の農産物の生産に関する経営体としての実質を備えていないなど、交付金の交付が土地利用型農業の担い手の育成に資するものとなっていない事態が見受けられた。
 したがって、農林水産省において、本対策への加入が認められた法人に対して本対策の趣旨の十分な周知徹底を図ったり、法人の実態を把握して麦、大豆等の農産物の生産に関する経営体としての実質を備えていないと認められる場合には、当該法人が本対策の趣旨に沿った具体的な体制整備を一定期間内に図るよう所要の措置を講じたり、交付金の交付申請時の審査等に際して法人に対する交付金の交付が本対策の目的に資するものであるかどうかを検証するための体制整備を図ったりするなどの処置を講ずるよう、農林水産大臣に対して平成21年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

 本院は、農林水産本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、21年10月、11月及び22年3月に地方農政局等に対して通知等を発するなどして、〔1〕 本対策への加入が認められた法人に対して、本対策の趣旨の十分な周知徹底を図ったり、〔2〕 法人の実態を把握して、本対策の対象となる農産物の生産に関する経営体としての実質を備えていないと認められる法人に対しては業務改善計画を作成させるなど本対策の趣旨に沿った具体的な体制整備を一定期間内に図らせることとしたり、〔3〕 交付金の交付申請時等に、申請を行った法人が農作業を実施する能力を有していることを確認するなど、交付金の交付が本対策の目的に資することを検証する体制を整備したりするなどの処置を講じていた。