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  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書|
  • 平成22年9月

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定における利益剰余金につき、国庫納付が可能な資金の額を把握し、将来においても、余裕資金が生じていないか適時に検討することとするとともに、これらの資金が国庫に納付されることとなるように適切な制度を整備するよう国土交通大臣に対して意見を表示したもの


3 本院が表示する意見

 上記のように、共済年金追加費用の増大や偶発債務の発生等の不確定要素はなお存在するものの、年金の支払が進んできていることなどからその不確定要素の影響度は従来より小さくなってきており、本院の試算によれば、現在、これらのリスクを相当程度見込むなどしてもなお多額の余裕資金が生じており、また、将来においても生ずることが予想される。
 そして、国の財政状況が一層厳しくなっていること、これまでに国鉄債務処理のために国の一般会計は24兆0166億余円もの巨額の債務を承継して現在もその償還を続けていること、さらに、一般会計による債務の承継後も、機構は、特例業務の確実かつ円滑な実施のために一般会計からこれまでに計5525億円と多額の国庫補助金の交付を受けていることにかんがみれば、年金の支払が完了し特例業務が終了すると見込まれる74年度を待つことなく、特例業務勘定における余裕資金を国庫に納付することを可能にして、資金の有効活用を図ることが必要であると認められる。
 ついては、貴省において、機構と共に、国庫納付が可能な資金の額を速やかに把握し、将来においても、特例業務の終了を待つことなく、余裕資金が生じていないか適時に検討することとするとともに、これらの資金が国庫に納付されることとなるように適切な制度を整備するよう意見を表示する。