ページトップ
  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第8 厚生労働省|
  • 平成21年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

生活保護の実施における厚生年金保険の脱退手当金の受給及び国民年金の任意加入による年金給付の活用について


(9) 生活保護の実施における厚生年金保険の脱退手当金の受給及び国民年金の任意加入による年金給付の活用について

平成21年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

 生活保護の実施に当たっては各種の社会保障施策等の活用が前提となっていることから、社会保障等を受けることができる者については極力その利用に努めさせることとなっている。しかし、厚生年金保険の脱退手当金が受給できたり、国民年金に任意加入し、生活福祉資金貸付制度を活用するなどして保険料を納付することにより年金受給が可能となったりする者について、これらの活用が図られていない事態が見受けられた。
 したがって、厚生労働省において、脱退手当金の受給及び国民年金の任意加入による年金給付の活用が十分に図られるよう、都道府県又は市町村(特別区を含む。以下、これらを合わせて「事業主体」という。)が脱退手当金を受給できる者及び国民年金の任意加入により国民年金の受給権を取得できる者を把握するための様式を示し、事業主体及び都道府県社会福祉協議会等(以下「都道府県社協等」という。)に対して、国民年金の任意加入に係る保険料納付のために生活福祉資金貸付制度を活用できることについて周知徹底するとともに、都道府県等が事業主体に対して実施する監査の際に脱退手当金の受給及び国民年金の任意加入による年金給付の活用について改めて指導を徹底するなどの処置を講ずるよう、厚生労働大臣に対して平成22年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

 本院は、厚生労働本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、厚生労働省は、本院指摘の趣旨に沿い、23年3月及び6月に都道府県等に対して通知を発するなどして、次のような処置を講じていた。

ア 年金調査表等の様式を示して、事業主体において脱退手当金を受給できる者及び国民年金の任意加入により国民年金の受給権を取得できる者を的確に把握し、組織的に管理することとした。
イ 事業主体及び都道府県社協等に対して、国民年金の任意加入に係る保険料納付のために生活福祉資金貸付制度を活用できることについて周知徹底した。
ウ 都道府県等が事業主体に対して実施する監査の際に脱退手当金の受給及び国民年金の任意加入による年金給付の活用状況について確認し、必要な指導を行うこととした。