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  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第10 経済産業省|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

多数の郵便物の郵送を伴う環境対応車普及促進事業等の実施に当たり、割引制度を適切に活用することにより郵便料金の節減を図るよう改善させたもの


多数の郵便物の郵送を伴う環境対応車普及促進事業等の実施に当たり、割引制度を適切に活用することにより郵便料金の節減を図るよう改善させたもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)経済産業本省 (項)温暖化対策費
部局等 経済産業本省
補助の根拠 予算補助
補助事業者
(事業主体)
一般社団法人次世代自動車振興センター、一般社団法人環境パートナーシップ会議
補助事業の概要 環境対応車を導入した者に対して、当該環境対応車の導入に要する経費の一部を助成するもの
国庫補助金交付額
5876億1063万余円
(平成21年度)

上記のうち通知書の郵送に要した郵便料金
2億1701万余円
 

節減できた郵便料金
3469万円
(平成21年度)

1 環境対応車普及促進事業の概要

(1) 環境対応車普及促進対策費補助金の概要

 経済産業省は、環境対策と景気対策を効果的に実現することを目的として、環境対応車を導入した者に対しその経費の一部を助成する環境対応車普及促進事業(以下「本件補助事業」という。)を実施する事業主体に対して、平成21年度補正予算により措置された環境対応車普及促進対策費補助金(以下「補助金」という。)を次のとおり交付している。
 すなわち、同省は、第1次補正予算により措置された補助金3572億1001万余円を一般社団法人次世代自動車振興センター(以下「センター」という。)に、また、第2次補正予算により措置された補助金2304億0061万余円を一般社団法人環境パートナーシップ会議(以下「パートナーシップ会議」という。)にそれぞれ交付している。
 そして、センターは、本件補助事業を自ら実施しており、また、パートナーシップ会議は、交付を受けた補助金を原資として基金を設置するとともに、本件補助事業の実施をセンターに委託していて、センターから本件補助事業の実施に要すると見込まれた経費の請求を受け、その請求内容を審査した上で、基金を取り崩して当該経費を支払っている。

(2) 通知書の郵送の概要

 センターは、本件補助事業の実施に当たり、環境対応車を導入した者(以下「申請人」という。)から申請を受けた助成金の交付決定等を行う際には、助成金の交付決定通知書兼額の確定通知書等(以下「通知書」という。)を申請人に郵送することとされており、21年8月から23年2月までに郵送した通知書は457万余通となっている。そして、通知書の郵送に当たっては、通知書の印刷、加工業務をセンターから受託している印刷業者が、近隣の郵便事業株式会社の支店に集配を依頼することにより差し出しており、センターが郵便事業株式会社に対して郵便料金を支払っている。
 また、上記の郵便料金は、次のとおり、一定の条件に該当する場合には各種の郵便料金割引制度が定められている。

ア バーコード割引

 定形郵便物及び郵便はがきに受取人の住所等を表す所定のバーコードを記載して一度に1,000通以上差し出した場合に受けられる割引であり、その割引率は5%となっている。

イ 区分郵便物割引のうちの基本割引

 差出人が受取人の住所又は居所の郵便番号ごとに区分して一度に2,000通以上差し出した場合に受けられる割引であり、その割引率は、差出通数に応じて、2,000通以上は5%、1万通以上は7%、5万通以上は8%、10万通以上は9%となっている。

ウ 区分郵便物割引のうちの特別割引

 基本割引に加算して受けられる割引であり、受取人の住所等を表すバーコードの有無等に応じて割引率が設定されている。このうち、バーコード付郵便物を差し出す場合における割引率は、差出人が送達に7日の余裕を承諾した場合は11%、送達に7日の余裕を承諾し、更に郵便事業株式会社の承認を受けて同社が指定する支店に一度に5万通以上差し出した場合は12%となっている。

2 検査の結果

(検査の観点、着眼点、対象及び方法)

 前記のとおり、本件補助事業においては多数の郵便物の郵送を行っていることから、本院は、経済性等の観点から、郵便料金割引制度を適切に活用して、郵便料金の支払額の節減が図られているかなどに着眼して、経済産業省、センター及びパートナーシップ会議において、申請人に対して郵送した通知書に係る郵便料金2億1701万余円を対象として、委託契約書、料金後納郵便物差出票、領収証等の書類を確認するなどの方法により会計実地検査を行った。

(検査の結果)

 検査したところ、センターは、通知書の郵送に当たりバーコード割引の適用を受けていたが、さらに、次のとおり、各種の郵便料金割引制度の適用を受けることが可能であると認められた。

(1) 基本割引の適用について

 センターが管理している申請人の住所、氏名等の情報の中には郵便番号が含まれていて、センターにおいて、当該情報を郵便番号順に並べ換えることが容易であったことから、一度に2,000通以上の差し出しを行っているものについては、郵便番号ごとに区分して差し出すことにより、5%から9%までの範囲で基本割引の適用を受けることが可能であると認められた。

(2) 特別割引の適用について

ア 通知書には、通知書の発送後、約2週間程度で助成金の確定額がセンターから指定の銀行口座に振り込まれる旨が記載されていて、送達に7日の余裕を承諾しても振込予定日前に通知書が送達されることが十分見込まれることから、基本割引の適用を受けることが可能であったものについて、基本割引に加算して、送達に7日の余裕を承諾した場合における11%の特別割引の適用を受けることが可能であると認められた。
イ センターは、郵便事業株式会社からその指定する支店に通知書を差し出すことについて承認を受けていたため、印刷業者は、通知書の郵送に当たり、郵便事業株式会社が指定していない近隣の支店ではなく、上記の指定する支店に差し出すことが可能であった。
 したがって、一度に5万通以上差し出しているものについては、送達に7日の余裕を承諾し、郵便事業株式会社が指定する支店に差し出すことにより、基本割引に加算して、12%の特別割引の適用を受けることが可能であると認められた。

 上記のとおり、通知書の郵送に当たり、各種郵便料金割引制度の適用の可否を十分検討すれば、基本割引や特別割引の適用を受けることが可能であったのに、単にバーコード割引のみの適用を受けている事態は適切とは認められず、改善を図る必要があると認められた。

(節減できた郵便料金)

 上記により、申請人への通知書の郵送に当たり、基本割引及び特別割引の適用を受けていたとすれば、郵便料金を3469万余円節減できたと認められた。

(発生原因)

 このような事態が生じていたのは、センターにおいて、各種郵便料金割引制度を適切に活用することにより郵便料金の節減を図るという認識が十分でなかったこと、経済産業省等において、各種郵便料金割引制度の活用についてのセンターへの指導が十分でなかったことによると認められた。

3 当局が講じた改善の処置

 上記についての本院の指摘に基づき、経済産業省は、23年8月に、センター及び補助事業の担当部局に対して通知を発し、センターが実施する補助事業において、通知書の発送通数に応じた郵便料金割引制度を適切に活用するよう指導するとともに、補助事業の担当部局において、多数の郵便物の郵送が予定されている補助事業を実施する場合には、各種郵便料金割引制度を活用して、補助事業を経済的に実施するよう補助事業者を指導することとする処置を講じた。