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  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書|
  • 平成22年12月

都道府県及び政令指定都市における国庫補助事業に係る事務費等の不適正な経理処理等の事態、発生の背景及び再発防止策について


2 検査の観点、着眼点、対象及び方法

(1) 検査の観点及び着眼点

 検査の結果、65都道府県市すべてにおいて不適正な経理処理等の事態が判明したことから、これらの事態についてその発生原因を分析するとともに、有効性等の観点から、会計事務手続においても問題はなかったかなどに着眼して検査した。
 また、会計検査院の検査結果等を踏まえて都道府県市が策定した再発防止策について、有効性等の観点から、これらが有効に機能しているかなどに着眼して検査した。
 さらに、不適正な経理処理等の事態を決算検査報告に掲記したことなどを契機として、国会において地方公共団体における監査機能等の問題について議論がなされ、21年6月に参議院決算委員会が行った「平成19年度決算審査措置要求決議」において、監査制度について監査機能の充実強化に向けて検討すべきであるとされたことを踏まえて、65都道府県市における会計監査の実施状況等についても検査した。

(2) 検査の対象及び方法

 65都道府県市に対する会計実地検査は、公共事業関係の補助金等の交付が多額に上っている農林水産省及び国土交通省所管の13年度から20年度までの間の国庫補助事業に係る事務費等のうち、過去に不適正な経理処理等が多く行われた需用費、賃金及び旅費を対象として、65都道府県市の保管する支出命令書等の書類により行った。
 そして、65都道府県市において判明した事態の発生原因や会計事務手続上の問題点、再発防止策の内容、会計監査の実施状況等について、65都道府県市から調書を徴するなどして確認した。このうち、初年次の20年次に検査を実施した12道府県については、22年次に改めて会計実地検査を行い、関係職員から聞き取りを行うなどして不適正な経理処理等の再発防止策の実施状況等を確認するとともに、これらが有効に機能しているか検証するために、21年度の需用費の支払を対象として不適正な経理処理が行われていないか検査した。
 また、20、21両年次に会計実地検査を行った40道府県市の補助金等の返還状況及び65都道府県市における内部調査の状況についても、各都道府県市から報告を受けるなどして確認した。