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  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書|
  • 平成23年11月

情報システムに係る契約における競争性、予定価格の算定、各府省等の調達に関する情報の共有等の状況について


情報システムに係る契約における競争性、予定価格の算定、各府省等の調達に関する情報の共有等の状況について

検査対象 25府省等
検査の対象とした契約の概要 府省共通業務・システム及び個別府省業務・システムの最適化の実施等に係るハードウェアの調達、システムの設計・開発、システムの運用・運用支援等に係る契約
25府省等における情報システムに係る契約の支払金額 5246億6035万円(平成20年度〜22年度)

1 検査の背景

(1) 情報システムに係る契約の概要

 政府は、行政内部の効率的な事務処理や国民等への質の高い行政サービスの提供を図るため、情報システムを有効に活用していくとしており、そうした中で、情報システムに係る調達は、便利で効率的な電子行政を実現するための重要な手続として位置付けられている。
 情報システムに係る調達は、府省等ごとに行われており、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する予算(内閣高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部公表)をみると、平成20年度1兆2168億円、21年度1兆0886億円、22年度9694億円と毎年度多額なものとなっている。

(2) 情報システムに係る政府調達の基本指針等

 政府は、情報システムに係る調達において、サービス市場における自由で公正な競争を促し、真の競争環境を実現するとともに、調達手続のより一層の透明性及び公平性の確保を図るため、「情報システムに係る政府調達の基本指針」(平成19年3月各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定。以下「基本指針」という。)を策定している。
 基本指針の対象となる情報システムは、原則として、予定価格が80万SDR(注1) 以上と見込まれるものとされているが、80万SDR未満と見込まれるものについても、基本指針の基本的考え方に沿って調達を行うこととされている。
 そして、基本指針の統一的かつ的確な実施の確保のため、内閣官房は、総務省の協力を得て、各府省等における調達等の実施状況を踏まえつつ、必要な措置を講ずることとされ、総務省は、「情報システムに係る政府調達事例データベース」(以下「調達事例DB」という。)の充実等を行うことなどとされている。
 調達事例DBは、各府省等における情報システムに係る政府調達実務や政府調達のより一層の透明性及び公平性の向上等に資するため、情報システムの受注者側に調達情報を提供し、また、発注者側である各府省等の調達事例の情報共有を図ることを目的としており、基本指針において調達事例DBを充実させるとしたことから、20年度に改修され、21年4月から現行の調達事例DBとして運用されている。

 SDR  SDRはIMF(国際通貨基金)の特別引出権(Special Draw-ing Rights)であり、米ドル、ユーロ、日本円及び英ポンドの加重平均方式により決定されている。邦貨換算額は2年ごとに見直されており、80万SDRの邦貨換算額は平成20、21両年度が1億4000万円、22、23両年度が1億2000万円となっている。