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  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書|
  • 平成24年10月

地震・火山に係る観測等の実施状況について


 参考 用語集

DONET  (Dense Oceanfloor Network System for Earthquakes and Tsunamis 地震・津波観測監視システム)

 紀伊半島沖熊野灘において、稠(ちゅう)密かつ高精度に地震や津波等のリアルタイム観測を行うため、当該海域の水深約1,900m〜4,300mの海底に、高感度地震計、広帯域地震計及び津波計を備えた海底ケーブルネットワーク型観測システム

GPS  (Global Positioning System 汎地球測位システム)

 地上約20,000kmの高度に打ち上げられた人工衛星から発射される電波を用いて、船舶や航空機の航法支援を行うために開発された機器。地上の観測点で四つ以上の衛星から信号を受信することにより、観測点の3次元的位置と精密な時刻を得ることができる。
 また、高い精度で位置決定が可能であることから地震、火山噴火等に伴う地殻変動を観測することができる。

GPS波浪計
 GPS衛星を用いて、沖に浮かべたブイ(GPS波浪計)の上下変動を計測し、波浪や潮位をリアルタイムで観測する機器

IP網
 コンピューター同士が通信を行うために、定められた通信方式(protocol)を用いることで構築されているネットワーク(インターネット、LAN等)

MCA無線

 一定数の周波数を多数の利用者で共同利用するMCA(Multi Channel Access System)方式を採用した無線システム

SLR  (Satellite Laser Ranging 人工衛星レーザー測距)

 人工衛星に向けて発射したレーザー光が反射されて戻ってくるまでの時間を計測することで、人工衛星までの距離を測るもの

VLBI  (Very Long Baseline Interferometry 超長基線電波干渉法)

 天体から地球に届く特定の電波を世界各地のパラボラアンテナで同時受信し、受信した時間から数千km離れたアンテナ間の距離を測る測量技術

遠地津波計

 南米チリ沖等の遠地で発生した地震による津波を、日本沿岸に到達する前に捕えることを目的として南鳥島に設置された津波計

海底基準局

 船上局(測量船)から発射された音波を受信・返信し、船上局との距離を測定する機能をもつ機器。GPS衛星等を用いた他の観測手法との組合せで、海底の地殻変動の観測に使用されている。

海底津波計

 海底で圧力の変化を測定し、海面の上下変化を検知するための観測機器

カメラ

 土砂災害の発生状況の把握等のため、また、火山噴火による噴煙、噴出物(噴火の状況)を連続的に観測するための機器。遠望カメラ、火口カメラ、監視カメラ等がある。

強震計

 地震計の項目を参照

巨大津波計

 陸上に進入するような大きな津波の高さを測るための津波計。岸壁を乗り越えるような津波に対し、その水圧を計測して、津波の高さに変換する。検潮所や津波観測計で測定不能な大津波を測定することができる。

空振計

 火山噴火の際の空気振動(空振)を観測する機器

傾斜計

 土地(岩盤)の傾斜を記録する観測機器。地殻変動の状況、特に地震・火山に関連する異常地殻変動を調べることができる。

検潮儀/験潮儀

 海面の昇降(潮位)を測る観測機器。長期間、連続観測して蓄積した潮位データ、近接した検潮所/験潮場/験潮所間の相対的な上下の潮位データから地殻変動や気候変動による海面上昇などの把握ができる。

高感度地震計

 地震計の項目を参照

広帯域地震計

 地震計の項目を参照

降灰量計

 火山の噴火に伴う火山灰の降下量を自動的に連続観測する機器

光波距離計

 目標地点に設置した反射鏡にレーザー光を発射し、反射して戻った光を解析して距離を測る観測機器。火山等で地殻変動を観測するためにも利用される。

3成分ひずみ計

 検出部の60度ずつ異なる三つの方位の直径の変化(線ひずみ)を測定するひずみ計

地震計

 地震が発生させた地震波を計測する機器で、微弱な揺れまで検知することが可能な「高感度地震計」、速い揺れからゆっくりとした揺れまでの広い周波数範囲にわたる地震波を記録することが可能な「広帯域地震計」、非常に強い揺れであっても確実に地震波を記録することが可能な「強震計」に大別される。また、計測した地震波から震度を算出する機能を併せもっている強震計を「震度計」という場合がある。本文中では、気象庁及び防災科研の地震計のうち、震度演算機能を併せもっている強震計については、「震度計」ではなく「強震計」と表記し、地方公共団体の震度情報ネットワークの地震計についてのみ「震度計」と表記している。

自然電位観測機器

 地下水の流動等によって発生する地表の電位差の観測を行う機器

首都直下地震防災・減災特別プロジェクト

 事業の概要は以下のとおり。

〔1〕  複雑なプレート構造の下で発生しうる首都直下地震の姿(震源域、発生時期、揺れの強さ)の詳細を明らかにする。

〔2〕  長周期地震を含めた首都圏を襲う巨大地震に対して、都市施設の高い耐震性能と機能保持性能を確保するための技術開発を行う。

〔3〕  地震発生直後の迅速な震災把握と情報広域連携、被災者の生活支援から都市の復旧・復興策までを総合的に提示する。

伸縮計

 10m〜100m程度離れた2点間の距離の伸び縮みを測定して、線ひずみを求めるための観測機器。地表面に設置された2本の杭と一方の杭に取り付けられた記録器及び記録器と他の杭との間に張られたインバー線や石英管などで構成される。

震度計

 地震計の項目を参照

全磁力計

 地磁気観測機器の項目を参照

体積ひずみ計

 岩盤の伸び縮みによる検出部の体積の変化(体積ひずみ)を測定するひずみ計

多成分ひずみ計

 検出部の45度ずつ異なる四つの方位の直径の変化(線ひずみ)を測定するひずみ計

地下水観測井

 地震直前には地盤のひずみが発生し、地下水にかかる圧力が変化すると考えられていることから、深さ100m〜1,000mの深井戸の地下水位の変化を観測するために整備された地下水観測点

地磁気観測機器

 全国の地磁気(地球の磁気)の永年変化と偏角(真北からの磁北のずれ)の地理的分布を明らかにするための観測機器(磁気儀、磁力計)

津波計

 突堤等に超音波等の発信受信装置を取り付けたL字型支柱を置き、超音波等が海面を反射して戻ってくるまでの時間を測定することにより、海面の水位(潮位)を測り、津波による水位変化を測定する観測機器

同報系防災行政無線

 市町村から住民に対して防災情報等を屋外に設置したスピーカー又は戸別受信機を介して一斉に伝達する無線通信システム

ひずみ計

 地下の岩盤の伸び・縮みを非常に高感度で観測できる地殻変動の観測機器。3成分ひずみ計、体積ひずみ計、多成分ひずみ計等がある。

ひずみ集中帯の重点的調査観測・研究プロジェクト

 事業の概要は以下のとおり。
 東北日本の日本海側及び日本海東縁部に存在する「ひずみ集中帯」において、調査観測・研究を行うことにより、ひずみ集中帯の活構造を明らかにし、ここで発生する地震のメカニズムを解明するとともに、震源断層モデルを構築する。

 ※機器については、同一名称のものであっても各機関によって仕様等が異なる場合、主な観測機関の機器を例に記述している。