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  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
  • 第9 文部科学省 |
  • 不当事項 |
  • 補助金 |
  • 補助事業 の実施及び経理が不当と認められるもの

(6) 私立大学等経常費補助金(私立大学教育研究高度化推進特別補助)が過大に交付されていたもの[文部科学本省](41)(42)


2件 不当と認める国庫補助金 7,093,000円

私立大学等経常費補助金(私立大学教育研究高度化推進特別補助)は、私立大学における学術の振興及び私立大学等における特定の分野、課程等に係る教育の振興を図ることを目的として、私立大学等の経常的経費について国から学校法人に補助を行い、私立大学等における教育研究の高度化を図るものである。

この補助金の交付額は、「私立大学等経常費補助金・政府開発援助私立大学等経常費補助金交付要綱」(昭和52年文部大臣裁定)に基づき、「私立大学等経常費補助金(私立大学教育研究高度化推進特別補助)配分基準」(平成15年文部科学省高等教育局長決定)に定める方法により算定した額とするとされており、「研究科特別経費(研究科分)」等の補助の対象となる項目ごとに、所定の額を限度として、所要経費の2分の1以内の額となっている。

本院が、2学校法人において会計実地検査を行ったところ、2学校法人の研究者8名(注1)が、業者に架空の取引等を指示して研究で使用する消耗品等(以下「研究用物品」という。)を購入したとする虚偽の納品書、請求書等を作成させ、これにより2学校法人に購入代金を支払わせて、これを業者に預けて別途に経理するなどしていたため、国庫補助金計7,093,000円が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、研究者8名において補助金の原資は税金等であるにもかかわらず事実に基づく適正な会計経理を行うという基本的な認識が欠けていたこと、2学校法人において研究用物品の納品検査等が十分でなかったこと、文部科学省において学校法人及び研究者に対する補助金の不正使用の防止についての周知徹底が十分でなかったことによると認められる。

これを事業主体別に示すと次のとおりである。

部局等 補助事業者(事業主体) 補助事業 年度 補助対象経費 左に対する国庫補助金交付額 不当と認める補助対象経費 不当と認める国庫補助金 摘要
千円 千円 千円 千円
(41) 文部科学本省 学校法人千葉工業大学 私立大学等経常費補助(私立大学教育研究高度化推進特別補助) 16〜18 12,896,909 1,050,398 10,998 5,293 不適正な経理処理及び補助の対象外
(42) 学校法人武蔵野女子学院(注2) 17、18 4,177,450 516,564 3,664 1,800 不適正な経理処理
(41)(42)の計 17,074,359 1,566,962 14,663 7,093
(注1)
研究者8 名学校法人千葉工業大学の研究者A からF の6 名及び学校法人武蔵野女子学院の研究者H、I の2 名の計8 名。このうち研究者A からD、H 及びI については本件以外にも不当事項を掲記しており、同一の研究者については同一のアルファベットで表示している(後掲3か所参照 1  2  3 )。
(注2)
平成24 年4 月1 日以降は学校法人武蔵野大学