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  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果|第1節 省庁別の検査結果|第10 厚生労働省|不当事項|補助金|補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

(8) 障害者自立支援給付費負担金が過大に交付されていたもの[4都府県](279)-(286)


8件 不当と認める国庫補助金 556,120,665円

障害者自立支援給付費負担金(以下「負担金」という。)は、障害者自立支援法(平成17年法律第123号)に基づき、障害者及び障害児(以下「障害者等」という。)の福祉の増進を図ることなどを目的として、市町村(特別区を含む。)が、都道府県知事の指定する障害福祉サービス事業者等から居宅介護等の障害福祉サービス等を受けた障害者等に対して、介護給付費、訓練等給付費等(以下「自立支援給付費」という。)を支給した場合に、その支給に要する費用の一部を国が負担するものである。

負担金の交付額は、交付要綱等に基づき、次のように算定することとなっている。

  • ① 所定の方式により算定した基準額と、自立支援給付費の支給に要した費用(以下「対象経費の実支出額」という。)から寄附金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額を選定する。
  • ② ①により選定された額を国庫負担対象事業費として、これに100分の50を乗じて得た額を交付額とする。

本院が、24都道府県の189市区町において会計実地検査を行ったところ、4都府県の8市区において、負担金の算定に当たり、誤って、基準額を過大に算定したり、対象経費の実支出額に対象とならない経費を計上したりなどしていたため、負担金計556,120,665円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、8市区において事務処理が適切でなかったため適正な実績報告を行っていなかったこと、4都府県において事業実績報告書の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

横浜市は、負担金の基準額の算定方式についての理解が十分でなかったことから、誤って居宅介護等の障害福祉サービス費等に対象者以外の者に係る費用を含めるなどして、平成21年度から23年度までの間の負担金の基準額を過大に算定するなどしていた。

この結果、国庫負担対象事業費が1,015,988,132円過大に算定されており、これに係る負担金507,994,065円が過大に交付されていた。

以上を部局等別・事業主体別に示すと次のとおりである。

部局等 補助事業者
(事業主体)
年度 国庫負担対象事業費 左に対する国庫負担金交付額 不当と認める国庫負担対象事業費 不当と認める国庫負担金交付額 摘要
千円 千円 千円 千円
(279) 東京都 品川区 23 2,253,083 1,126,541 3,192 1,596 対象外経費を計上していたもの
(280) 荒川区 22 1,438,464 719,232 34,453 17,226 対象経費の集計を誤っていたものなど
(281) 府中市 21、22 3,834,017 1,917,008 18,570 9,285 対象外経費を計上していたもの
(282) 神奈川県 横浜市 21〜23 77,193,384 38,596,692 1,015,988 507,994 基準額を過大に算定していたものなど
(283) 福井県 敦賀市 23 681,704 340,852 19,343 9,671 対象経費を二重に計上していたものなど
(284) 大阪府 吹田市 23 3,647,172 1,823,586 2,964 1,482 対象外経費を計上していたものなど
(285) 東大阪市 22 5,330,997 2,665,498 12,186 6,093 対象経費の集計を誤っていたものなど
(286) 四條畷市 23 533,246 266,623 5,541 2,770
(279)—(286)の計 94,912,070 47,456,035 1,112,241 556,120