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  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
  • 第11 農林水産省 |
  • 不当事項 |
  • 補助金 |
  • 補助事業 の実施及び経理が不当と認められるもの |
  • (6) 補助金の交付額の算定が適切でなかったもの及び補助の対象とならないもの

家畜伝染病予防費負担金及び口蹄疫まん延防止対策事業費負担金の算定が適切でなかったり、交付対象とならない経費を含めたりしていたもの[農林水産本省](364)


1件 不当と認める国庫補助金 6,235,702円

部局等 補助事業者等 間接補助
事業者等
補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
千円 千円 千円 千円
(364) 農林水産本省 宮崎県
(事業主体)
家畜伝染病予防費負担金 22、23 673,060 336,530 △6,737(注) △3,368(注)
口蹄疫まん延防止対策事業費負担金 22 24,618,971 23,134,622 11,260 9,604
25,292,031 23,471,152 4,522 6,235
(注)
両負担金の交付対象費用の間で増減が生じたため、マイナスとなっている。

これらの負担金は、宮崎県が、同県で口蹄疫に感染するなどしたために殺処分された牛、豚等の家畜を平成22年4月から7月までの間に埋却するのに要した費用等の一部を農林水産省が負担したものである。

家畜伝染病予防費負担金は、家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)等に基づき、都道府県が、防疫措置として、家畜伝染病である口蹄疫に感染している疑いがある牛、豚等(以下「疑似患畜」という。)の殺処分、埋却等を実施した場合に、国が当該都道府県知事に対して、埋却に要した費用の2分の1を交付するなどするものである。また、口蹄疫まん延防止対策事業費負担金は、口蹄疫対策特別措置法(平成22年法律第44号)等に基づき、都道府県が、急速かつ広範囲にまん延した口蹄疫の拡大を防止するため、口蹄疫の発症を抑制するためのワクチンを接種した上で殺処分した牛、豚等(以下「ワクチン接種家畜」という。)の埋却を実施するとともに、その所有者に対してワクチン接種家畜の評価額を補m金として交付するなどした場合に、国が、都道府県知事に対して、ワクチン接種家畜の埋却に要した費用、補m金の交付に要した費用等を合わせた額の全部又は一部を交付するものである。

同県は、上記の両負担金に係る交付申請書等を農林水産省に提出するに当たり、疑似患畜等の埋却に使用した資材、燃料を販売するなどした業者から提出された納品書等により、疑似患畜の埋却又はワクチン接種家畜の埋却のいずれに係る費用であるかが区分できるものについてはそれぞれの費用として経理していた。また、納品書等に使途が明示されていないなどのためいずれに係る費用であるかが区分できないものについては共通費用として経理しており、この共通費用については、殺処分された頭数を基に疑似患畜又はワクチン接種家畜の埋却に要した費用に案分することにより、それぞれの費用として算定していた。そして、22、23両年度に疑似患畜の埋却に要した費用である673,060,053円に対して家畜伝染病予防費負担金計336,530,026円(国の負担率2分の1)、22年度にワクチン接種家畜の埋却に要した費用に補m金等の費用を加えた額24,618,971,246円に対して口蹄疫まん延防止対策事業費負担金23,134,622,263円(国の負担率約93.9%)の交付を受けていた。

しかし、実際には、上記の共通費用の中に納品書等に記載された日付、場所等により疑似患畜の埋却又はワクチン接種家畜の埋却のいずれに係る費用であるかを区分できるものが含まれているなどしており、これらについては、それぞれの費用として経理するなどすべきであった。また、共通費用の中には、防疫措置の体制を整備するための会議等に係る旅費が含まれていたが、これらは疑似患畜及びワクチン接種家畜の埋却に要したものではなく、両負担金の交付対象とならないものであった。

したがって、共通費用のうちそれぞれの費用として経理すべきものを適切に区分したり、対象外の費用を除いたりなどして、改めて適正な費用を算定すると、疑似患畜の埋却に要した費用は22、23両年度で計679,797,806円、ワクチン接種家畜の埋却に要する費用等は22年度で24,607,711,146円となる。その結果、前記の同県が算定した費用等に対して、疑似患畜の埋却に要した費用が22、23両年度で計6,737,753円(家畜伝染病予防費負担金相当額3,368,877円)増加するものの、ワクチン接種家畜の埋却に要した費用が22年度で11,260,100円(口蹄疫まん延防止対策事業費負担金相当額9,604,579円)減少することとなり、これらに対する両負担金相当額計6,235,702円が過大になっていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同県において疑似患畜及びワクチン接種家畜の埋却に要した費用の区分についての確認が十分でなかったこと、両負担金の交付対象費用についての検討が十分でなかったこと、農林水産本省において同県に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。