ページトップ
  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果|第1節 省庁別の検査結果|第11 農林水産省|平成23年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(7) 肉用子牛生産者補給金制度における指定肉用子牛の体重の規格の見直しについて


平成23年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

農林水産省は、肉用子牛生産者補給金制度において、制度発足時に定めた省令規格における肉用子牛の平均的な体重の範囲を20年以上の間一度も改正していなかった。このため、家畜市場で取引されている肉用子牛の体重の実態を反映していない省令規格に基づいて算定された単価により肉用子牛生産者補給金及び肉用牛繁殖経営支援交付金が交付されている事態が見受けられた。

したがって、農林水産省において、肉用子牛生産者補給金制度及びこれを補完する肉用牛繁殖経営支援事業が適切に実施されるよう、既存の家畜市場取引データを活用することなどによる省令規格の見直しの方法を直ちに検討して、省令規格の改正を速やかに実施するとともに、今後の省令規格の見直しに当たっての条件や見直しの方法及び必要な家畜市場取引の売買データの収集、蓄積等を実施する体制を確立するよう、農林水産大臣に対して平成24年4月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

本院は、農林水産本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

  • ア 17年度から23年度までの7年間の家畜市場取引の売買データを都道府県から入手し、これに基づき25年3月に省令規格を改正して、同年4月から施行した。
  • イ 今後の省令規格の見直しのために、独立行政法人農畜産業振興機構に要請して家畜市場取引の売買データ(生年月日、取引日、品種、性別、体重、取引市場及び取引額)の収集、蓄積等を実施する体制を確立した。そして、毎年度、直近7年間の売買データを基に肉用子牛の平均的な体重の範囲を算出し、これを検証した上で、省令規格の改正が必要と判断した場合には、当該範囲を省令規格とすることとした。