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  • 平成25年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
  • 第10 農林水産省 |
  • 平成23年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(2)森林整備加速化・林業再生基金事業における費用対効果分析について


平成23年度決算検査報告参照
平成24年度決算検査報告参照

1 本院が表示した意見

林野庁は、都道府県が行う森林整備加速化・林業再生基金事業に必要な基金の造成に要する経費に対して補助金を交付しており、この基金事業のうち、木造公共施設等整備事業等を実施する場合には、「森林整備加速化・林業再生基金事業の事業評価実施要領」(以下「評価要領」という。)に基づき事業主体において費用対効果分析を行うこととしている。しかし、費用対効果分析において、交流資源利用効果等の効果額が適切に算定されていなかったり、効果額の算定に用いられる係数の算出根拠が不明となっていて効果額の算定が適切に行われているか検証が困難となっていたりなどしている事態が見受けられた。

したがって、林野庁において、評価要領等の内容について速やかに見直しを行い、費用対効果分析の適切な実施のために必要となる基本的な考え方等について具体的かつ十分な記述等を行い、効果額の算定の基礎となる係数の妥当性を根拠資料により検証できるようにするとともに、都道府県に対して、事業主体における費用対効果分析等の適切な実施及び評価要領等の見直しの内容について周知徹底を図り、事業主体が行った費用対効果分析の内容について十分精査するように指導するよう、林野庁長官に対して平成24年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

本院は、林野庁において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、林野庁は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 25年4月から26年2月までの間に開催した有識者会議の検討結果を踏まえて、同年3月までに評価要領等を改正し、費用対効果分析の適切な実施のために必要となる基本的な考え方等について具体的に記述するとともに、効果額の算定の基礎となる係数については、公的機関等が公表し確実に説明可能な数字を使うこととした。

イ 26年5月までに都道府県に対して通知を発するなどして、費用対効果分析等の適切な実施及びアの評価要領等の改正の内容について事業主体に対して周知徹底を図るよう指導するとともに、事業主体が行った費用対効果分析の内容について十分精査するよう指導した。