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  • 平成25年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
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  • (4)工事の設計が適切でなかったもの

LED照明灯の基礎の設計が適切でなかったもの[九州経済産業局](308)


(1件 不当と認める国庫補助金 23,765,000円)

  部局等 補助事業者等
(所在地)
間接補助事業者等
(所在地)
補助事業等 年度 事業費
(補助対象事業費等)
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める補助対象事業費等 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(308) 九州経済産業局 鹿児島県 肝属郡
東串良町
〈事業主体〉
石油貯蔵施設立地対策等交付金 22~24 25,536
(25,536)
23,765 25,536 23,765

この交付金事業は、石油貯蔵施設の周辺地域における住民の福祉の向上を図るために必要な公共用の施設を整備するため、東串良町が、一般県道柏原池之原線、町道馬越俣瀬線等において、太陽光パネル付きのLED照明灯を、平成22年度14基、23年度10基、24年度12基、計36基設置したものである。

照明灯の基礎の設計については、「道路附属物の基礎について」(昭和50年道企発第52号建設省道路局企画課長通達)等において、風荷重等を考慮することとなっており、風荷重の算定の基となる設計風速は60m/sが標準とされている。また、「ポール基礎の安定計算法」(昭和50年建設省土木研究所)等によれば、照明灯の基礎は、風荷重等から求められる基礎の前面地盤の水平地盤反力度(注)がその点における地盤の受働土圧強度を上回らないなどするよう基礎の側面幅、前面幅及び根入れ長を設計することにより、安定するとされている。

同町は、本件LED照明灯に係る工事の仕様書において、設計風速を60m/sと定めていたが、基礎の形状、寸法等は特段示していなかった。そして、22年度の請負業者は、基礎の側面幅及び前面幅をいずれも0.8m、根入れ長を1.0mと設計し、これにより施工していた(参考図参照)。また、23、24両年度の請負業者は、いずれも前年度の設計を踏襲して施工していた。

しかし、同町は、上記の設計によるLED照明灯の基礎が設計風速60m/sの風荷重に耐えられる強度を有しているかについての確認を行っていなかった。

そこで、本件LED照明灯の基礎について安定計算を行ったところ、36基全てにおいて、基礎の前面地盤の水平地盤反力度がその点における地盤の受働土圧強度を上回っており、仕様書における設計風速60m/sの風荷重に耐えられる強度を有していなかった。

したがって、本件LED照明灯36基(工事費相当額22年度9,765,000円、23年度7,140,000円、24年度8,631,000円、計25,536,000円)は、基礎の設計が適切でなかったため、所要の強度が確保されていない状態になっており、これに係る交付金相当額計23,765,000円(22年度9,300,000円、23年度6,000,000円、24年度8,465,000円)が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同町においてLED照明灯の基礎の設計における安定計算の重要性に関する認識が欠けていたこと、鹿児島県において実績報告書等に対する審査が十分でなかったことなどによると認められる。

(注)
水平地盤反力度  構造物を介して地盤に水平方向の力を加えたとき、地盤に発生する単位面積当たりの抵抗力をいう。

(参考図)

LED照明灯の概念図

LED照明灯の概念図 画像