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  • 平成25年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
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  • 意見を表示し又は処置を要求した事項

(11)新直轄方式による高速自動車国道の整備のために旧日本道路公団等から譲渡を受けるなどした用地のうち、設置しないこととされた料金所の予定地等について、具体的な利用計画を定めたり、今後も保有し続ける必要性についての具体的な検討を行ったりすることなどにより、有効利用等を図るよう改善の処置を要求したもの


会計名及び科目
社会資本整備事業特別会計(道路整備勘定)(平成19年度以前は、道路整備特別会計) (項)地域連携道路事業費 等
部局等
4地方整備局、5国道事務所等
事業の根拠
高速自動車国道法(昭和32年法律第79号)
新直轄道路用地の概要
国が直轄事業として高速自動車国道を整備するために、旧日本道路公団等から譲渡を受けるなどして管理を行っている用地
検査の対象とした用地面積及び取得価額
2,011,080m2 158億4360万余円(平成13年度、15年度~25年度)
上記のうち有効利用されていない用地面積及び取得価額
215,462m2 12億4466万円(平成13年度、16年度~18年度)

【改善の処置を要求したものの全文】

新直轄道路における料金所予定地等の有効利用等について

(平成26年10月24日付け 国土交通大臣宛て)

標記について、会計検査院法第36条の規定により、下記のとおり改善の処置を要求する。

1 国が保有する新直轄道路用地の概要

(1)新直轄道路事業の概要

貴省は、平成15年の高速自動車国道法(昭和32年法律第79号。以下「法」という。)改正以降、旧日本道路公団(以下「公団」という。)又は公団の分割民営化に伴って設立された東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社(以下、3高速道路株式会社を合わせて「道路会社」という。)が整備することとされていた高速自動車国道(以下「有料高速道路」という。)の一部区間について、法第6条の規定に基づき、貴省自らが行う直轄事業により整備している(以下、貴省が直轄事業として高速自動車国道を整備する方式を「新直轄方式」といい、新直轄方式により整備される高速自動車国道を「新直轄道路」という。)。

新直轄道路は、法等の規定に基づき、国及び関係都道府県等の費用負担により整備され、有料高速道路と異なり無料で供用されることとなっている。整備主体が公団等から国土交通大臣へ移行(以下、この移行を「新直轄方式への移行」という。)され、新直轄道路として整備される区間は、国土開発幹線自動車道建設法(昭和32年法律第68号)等の規定に基づき、国土開発幹線自動車道建設会議(以下「国幹会議」という。)の議を経て国土交通大臣が定めることとなっている。そして、26年3月末現在、のとおり、北海道縦貫自動車道函館名寄線等16路線の計36区間(延長計865㎞)について、新直轄方式への移行がなされている。

表 新直轄道路路線一覧

新直轄道路の路線名称 道県名 区間 延長(㎞)
北海道縦貫自動車道函館名寄線 北海道 七飯~大沼 10
士別剣淵~名寄 24
北海道横断自動車道黒松内北見線 足寄~北見 79
北海道横断自動車道黒松内釧路線 本別~釧路 65
東北横断自動車道釜石秋田線 岩手 遠野~宮守 9
宮守~東和 24
日本海沿岸東北自動車道 新潟 荒川~朝日 20
山形 温海~鶴岡 26
酒田みなと~遊佐 12
秋田 本荘~岩城 21
大館北~小坂 14
東北中央自動車道相馬尾花沢線 福島・山形 福島~米沢 28
山形 米沢~米沢北 9
東根~尾花沢 23
中部横断自動車道 山梨 富沢~六郷 28
長野 八千穂~佐久南 15
佐久南~佐久 8
東関東自動車道水戸線 茨城 潮来~鉾田 31
近畿自動車道松原那智勝浦線 和歌山 田辺~白浜 14
白浜~すさみ 24
近畿自動車道尾鷲多気線 三重 尾鷲北~紀伊長島 21
中国横断自動車道姫路鳥取線 兵庫・岡山 佐用~大原 19
鳥取 智頭~鳥取 24
米子~米子北 5
中国横断自動車道尾道松江線 広島 尾道~三次 50
広島・島根 三次~三刀屋木次 61
四国横断自動車道阿南四万十線 徳島 阿南~小松島 10
小松島~徳島東 8
高知 須崎新荘~窪川 22
四国横断自動車道愛南大洲線 愛媛 宇和島北~西予宇和 16
九州横断自動車道延岡線 熊本 嘉島~矢部 23
東九州自動車道 大分 佐伯~蒲江 20
大分・宮崎 蒲江~北川 26
宮崎 清武~北郷 19
北郷~日南 9
鹿児島 志布志~末吉財部 48
計16路線   36区間 865

また、18年2月の国幹会議において、有料高速道路の無料化に伴う見直しとしてコスト削減を行うこととされ、新直轄道路は無料で供用されることから料金所を設置せず、インターチェンジの規模も縮小し、パーキングエリア等の休憩施設等の設置も取りやめることとされた。

(2)公団等から国への資産等の譲渡

新直轄方式への移行に伴って、公団等が有料高速道路を整備するとして取得した資産等が貴省に譲渡されることとなるが、貴省が地方整備局等に対して発した「新直轄方式に移行する高速自動車国道の資産譲渡について」(平成16年12月道路局高速国道課長、総合政策局国土環境・調整課長連名通知。以下「通知」という。)によれば、新直轄方式への移行以前に公団が取得するなどした資産等の譲渡については、貴省と公団との間で路線等ごとに新直轄道路の譲渡に関する協定を締結して、譲渡の対象となる資産等及び公団が当該資産等の取得等に要した経費の確認を行った後に、当該経費の確定に伴う契約を締結して行うこととされている。

なお、公団が解散して以降の資産等の譲渡に関する手続については、貴省は、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構又は道路会社を相手方として、公団を相手方とした場合と同様に、上記の協定及び契約を締結することになっている。

(3)国が新直轄道路の整備のために取得した用地

貴省は、15年度以降、新直轄道路を整備するために、公団等が新直轄方式への移行以前に有料高速道路を整備するとして取得した用地を前記の協定に基づいて譲渡を受けたり、新直轄方式への移行の際に公団等が取得手続を行っていた用地についてその取得手続を引き継いだりするなどしている。

そして、通知によれば、公団が貴省に譲渡する用地には、当該道路に関連する側道、料金所の敷地等を含むとされていることなどから、貴省が管理する新直轄道路の用地には、公団等が料金所を整備することを予定して取得した用地、公団等がインターチェンジを設置することを予定して取得した用地等のうち貴省が規模を縮小したインターチェンジを設置することとしたために生じた残余地及び公団等が休憩施設を整備することを予定して取得した用地(以下、これらを合わせて「料金所予定地等」という。)が含まれている。

上記のように国が新直轄道路を整備するために取得した用地は、国有財産として管理されることになるが、国有財産法(昭和23年法律第73号)によれば、各省各庁の長は、その所管に属する国有財産について、良好な状態での維持及び保存、用途又は目的に応じた効率的な運用その他の適正な方法による管理及び処分を行わなければならないとされている。

2 本院の検査結果

(検査の観点、着眼点、対象及び方法)

料金所予定地等は、新直轄方式への移行に伴うコスト削減により発生した用地であり、当初公団等が予定していた利用が見込まれなくなった用地である。

そこで、本院は、有効性等の観点から、料金所予定地等がどのような利用状況となっているか、料金所予定地等を有効利用するための具体的な計画を定めているか、料金所予定地等を保有し続ける必要性の検討を行っているかなどに着眼して、7地方整備局等(注1)の12国道事務所等(注2)が管理している料金所予定地等に係る用地計29か所、面積計2,011,080m2、取得価額計158億4360万余円を対象として、上記の7地方整備局等において、譲渡協定の内容、譲渡契約に係る契約書、管理用図面等の関係書類を確認するとともに、5河川国道事務所等(注3)において現地の状況等を確認するなどして会計実地検査を行った。

(注1)
7地方整備局等  東北、関東、北陸、中国、四国、九州各地方整備局、北海道開発局
(注2)
12国道事務所等  長野、土佐両国道事務所、秋田、山形、酒田、羽越、鳥取、福山、三次、大洲、大隅各河川国道事務所、函館開発建設部
(注3)
5河川国道事務所等  山形、鳥取、大洲、大隅各河川国道事務所、函館開発建設部

(検査の結果)

検査したところ、4地方整備局(注4)及び5国道事務所等(注5)において、26年7月末時点で有効利用されていない料金所予定地等が、次のとおり、計8か所、面積計215,462m2、取得価額計12億4466万余円見受けられた。

(注4)
4地方整備局  北陸、中国、四国、九州各地方整備局
(注5)
5国道事務所等  土佐国道事務所、羽越、福山、三次、大隅各河川国道事務所

ア 料金所予定地等の一部が有効利用されていないもの

3か所 面積計49,910m2 取得価額計2億1878万余円

3河川国道事務所(注6)が管理している3か所の料金所予定地等(面積計107,894m2、取得価額計4億4216万余円)のうち、計57,984m2については、道路の利用者のための駐車場、新直轄道路の維持管理のための除雪基地等の施設を設置するなどして利用されているが、これらを除く計49,910m2については、有効利用されていない状況が見受けられた。この中には、通行止め時等に車両の転回場として有効利用しているとしているものもあるが、実際は他の箇所において車両を転回させているため利用実績が全くなかったことから、有効利用されているとは認められない。

イ 料金所予定地等の全体が有効利用されていないもの

5か所 面積計165,552m2 取得価額計10億2587万余円

4国道事務所等(注7)が管理している料金所予定地等計165,552m2については、国道事務所等により一部が資材置場として一時的に利用されているものがある程度で有効利用されていない状況が見受けられた。

<事例>

北陸地方整備局羽越河川国道事務所が管理する日本海沿岸東北自動車道の荒川胎内インターチェンジ用地(新潟県村上市)は、規模を縮小したインターチェンジを設置することとなったため残余地を生ずることとなった。

しかし、当該残余地(面積計51,319m2、取得価額4億0700万余円)は、取得時のまま全く利用されていなかった。

そして、4地方整備局及び5国道事務所等は、ア及びイの有効利用されていない料金所予定地等について、有効利用等するための具体的な計画を定めたり、今後も保有し続ける必要性についての具体的な検討を行ったりしていなかった。

(注6)
3河川国道事務所  羽越、福山、三次各河川国道事務所
(注7)
4国道事務所等  土佐国道事務所、羽越、福山、大隅各河川国道事務所

(改善を必要とする事態)

料金所予定地等が有効利用されていない状況において、これらの用地を有効利用等するための具体的な計画が定められていなかったり、保有し続ける必要性が具体的に検討されていなかったりしている事態は適切ではなく、改善を図る要があると認められる。

(発生原因)

このような事態が生じているのは、次のことなどによると認められる。

  • ア 地方整備局及び国道事務所等において、国道事務所等が管理する料金所予定地等について、有効利用等するための具体的な計画を定めたり、保有し続ける必要性の具体的な検討を行ったりすることの重要性に対する理解が十分でないこと
  • イ 貴省において、地方整備局及び国道事務所等に対して、上記の計画を定めたり、検討を行ったりするよう十分に周知していないこと

3 本院が要求する改善の処置

貴省が管理している料金所予定地等は、国有財産として用途又は目的に応じた効率的な運用その他の適正な方法による管理及び処分が求められるものである。

ついては、貴省において、有効利用されていない料金所予定地等について、地方整備局及び国道事務所等に対して、地方公共団体等との必要に応じた調整等を通じて有効利用等するための具体的な計画を定めたり、有効利用されていない用地を今後も保有し続ける必要性の具体的な検討を行ったりするよう周知するなどの改善の処置を要求する。