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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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(2)義務教育費国庫負担金が過大に交付されていたもの[6道県](16)-(21)


6件 不当と認める国庫補助金 45,856,763円

義務教育費国庫負担金(以下「負担金」という。)は、義務教育費国庫負担法(昭和27年法律第303号)に基づき、義務教育について、義務教育無償の原則にのっとり、国が必要な経費を負担することによって教育の機会均等とその水準の維持向上とを図ることを目的として、国が都道府県に対して交付するものである。また、負担金により国が負担する経費は、公立の義務教育諸学校(小学校、中学校、中等教育学校の前期課程(以下、これらを合わせて「小中学校」という。)並びに特別支援学校の小学部及び中学部)に勤務する教職員の給与及び報酬等に要する経費となっており、その額は、都道府県の実支出額と「義務教育費国庫負担法第二条ただし書の規定に基づき教職員の給与及び報酬等に要する経費の国庫負担額の最高限度を定める政令」(平成16年政令第157号。以下「限度政令」という。)に基づいて都道府県ごとに算定した額(以下「算定総額」という。)とのいずれか低い額の3分の1となっている。

算定総額は、限度政令に基づき、小中学校の教職員に係る基礎給料月額等に同教職員に係る算定基礎定数を乗ずるなどして得た額と、特別支援学校の小学部及び中学部の教職員に係る基礎給料月額等に同教職員に係る算定基礎定数を乗ずるなどして得た額とを合算して算定することとなっている。

このうち、基礎給料月額等は、「義務教育費国庫負担法第二条ただし書の規定に基づき教職員の給与及び報酬等に要する経費の国庫負担額の最高限度を定める政令施行規則」(平成16年文部科学省令第28号)等に基づき、都道府県ごとに当該年度の5月1日に在職する教職員を対象として算定した教職員一人当たりの給料及び諸手当の単価となっている。

また、算定基礎定数は、当該年度の5月1日現在において、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」(昭和33年法律第116号)に基づいて標準学級数(注1)等により算定した教職員の定数(以下「標準定数」という。)に、産休代替教職員及び育児休業代替教職員の実数を加え、育児休業者の実数を差し引くなどして算定することとなっており、病気休暇を取得した教職員に係る代替教職員の実数は加えることとなっていない。

そして、特別支援学校については、義務教育である小学部及び中学部のほかに幼稚部と高等部を置く学校があるため、当該年度の5月1日現在における標準定数並びに産休代替教職員、育児休業代替教職員及び育児休業者の実数にそれぞれ義務制率(注2)を乗ずるなどして小学部及び中学部に係る算定基礎定数を算定することとなっている。

(注1)
標準学級数 「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」(昭和33年法律第116号)に規定する学級編制の標準により算定した学級数
(注2)
義務制率 「小学部及び中学部の標準学級数の合計」を「小学部及び中学部の標準学級数並びに幼稚部及び高等部の実学級数の合計」で除して求めた率

本院が、18都道県において会計実地検査を行ったところ、6道県において、特別支援学校の標準定数及び義務制率については小学部及び中学部の標準学級数を用いて算定すべきであるのに、実学級数を用いて算定し、これらに基づき算定基礎定数を算定していたり、病気休暇を取得した教職員に係る代替教職員の実数は標準定数に加えることとなっていないのに、これを加えて算定基礎定数を算定していたり、実際には5月1日以前に手当の支給要件に該当しなくなっていた教職員で、5月2日以降に事務手続が行われたことにより5月1日以前に遡及して支給対象から除かれた教職員の手当の額を含めるなどして基礎給料月額等を算定していたりしていたため、負担金計45,856,763円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、上記の6道県において、算定基礎定数や基礎給料月額等の算定方法についての理解が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

島根県は、平成24、25両年度において、小中学校並びに特別支援学校の小学部及び中学部に勤務する教職員の給与及び報酬等に要する経費の算定総額が実支出額を下回ったことから、算定総額を基に24年度12,665,329,783円、25年度12,018,111,431円の負担金の交付を受けていた。

しかし、同県は、特別支援学校の小学部及び中学部の標準定数及び義務制率の算定に当たり、標準学級数(24年度計155学級、25年度計161学級)を用いて算定すべきであるのに、実学級数(24年度計160学級、25年度計163学級)を用いて算定し、これらに基づき算定基礎定数を24年度440人、25年度432人と算定していた。

したがって、上記の標準学級数を用いて適正な標準定数及び義務制率を算定し、これらに基づき適正な算定基礎定数を算定すると、24年度429人、25年度430人となる。そして、これに基づくなどして適正な負担金の額を算定すると、24年度12,648,749,870円、25年度12,016,488,634円となることから、24年度16,579,913円、25年度1,622,797円、計18,202,710円の負担金が過大に交付されていた。

以上を部局等別に示すと次のとおりである。

  部局等 補助事業者
(事業主体)
年度 算定総額 左に対する負担金交付額 不当と認める算定総額 不当と認める負担金交付額 摘要
        千円 千円 千円 千円  
(16) 北海道 北海道 25 217,330,401 72,439,893 34,653 11,551 基礎給料月額等の算定が過大となっていたもの
(17) 青森県 青森県 22〜25 248,764,116 82,921,372 27,355 9,118
(18) 島根県 島根県 24、25 74,055,181 24,683,441 54,608 18,202 算定基礎定数の算定が過大となっていたもの
(19) 愛媛県 愛媛県 22 60,887,626 20,295,749 4,479 1,493
(20) 長崎県 長崎県 24、25 131,639,814 43,879,938 11,807 3,935 基礎給料月額等の算定が過大となっていたもの
(21) 熊本県 熊本県 24 76,744,487 25,580,920 4,666 1,555
(16)—(21)の計 809,421,627 269,801,314 137,570 45,856