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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • (3)補助金の交付額の算定が適切でなかったもの

交付対象事業費の算定が適切でなかったため、交付金が過大に交付されていたもの[宮城県](375)


(1件 不当と認める国庫補助金 23,480,000円)

  部局等 補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度 事業費
(国庫補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(375) 宮城県 石巻市 東日本大震災復興交付金
(市街地復興効果促進)
25 1,150,066
(1,150,066)
920,052 29,351
(29,351)
23,480

この交付金事業は、石巻市が、東日本大震災により相当数の住宅、公共施設その他の施設の滅失又は損壊等の著しい被害を受けた地域の円滑かつ迅速な復興のために復興交付金事業計画に基づき実施する必要がある事業の一環として、市街地再開発事業等と一体となってその効果を増大させるために必要な復興まちづくりのための住民合意形成の促進等を行う事業(以下「市街地復興効果促進事業」という。)を基金を造成して実施するものである。

東日本大震災復興交付金制度要綱(平成24年府復第3号等)、東日本大震災復興交付金基金交付要綱(平成24年国官会第2412号国土交通事務次官通知)等(以下、これらを総称して「要綱等」という。)によれば、市街地復興効果促進事業に係る交付金の交付額は、市町村が実施する市街地再開発事業等の基幹事業(以下「対象基幹事業」という。)の交付対象事業費(以下「対象基幹事業費」という。)の合計額に10分の2を乗ずるなどして得られる額(以下「効果促進事業費」という。)に10分の8を乗じて算定することとされている。ただし、対象基幹事業に民間事業者等が費用の一部を負担する事業が含まれている場合には、対象基幹事業費の合計額から民間事業者等の負担額を減じた額に10分の2を乗ずるなどして効果促進事業費を算定することとされている。

また、復興庁が決定した復興交付金交付可能額(以下「交付可能額」という。)の通知を受けた市町村は、通知で示された交付可能額の範囲内で、要綱等に基づく上記の算定方法により交付申請額を算定して、交付金の交付申請をすることとなっている。

しかし、同市は、交付申請書の作成に当たり、誤って対象基幹事業費の合計額から民間事業者等の負担額を減ずることなく効果促進事業費を1,150,066,000円と算定していた。

したがって、対象基幹事業費の合計額から民間事業者等の負担額を減ずるなどして適正な効果促進事業費を算定すると1,120,715,000円となることから、上記の効果促進事業費1,150,066,000円はこれに比べて29,351,000円過大となっており、これに係る交付額23,480,000円が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、復興庁が通知した交付可能額において民間事業者等の負担額が含まれていたことにもよるが、同市において交付可能額の範囲内で効果促進事業費を適切に算定することについての理解が十分でなかったこと、宮城県において交付申請書の審査が十分でなかったことによると認められる。