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  • 平成26年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • (3)補助金の交付額の算定が適切でなかったもの

建物の移転に係る補償費の算定が適切でなかったもの[沖縄県](376)


(1件 不当と認める国庫補助金 12,216,000円)

  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度 事業費
(国庫補助対象事業費)
左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(376) 沖縄県 沖縄県 島尻郡南風原町 沖縄振興公共投資交付金 24、25 73,697
(73,697)
58,957 15,270
(15,270)
12,216

この交付金事業は、南風原町が、都市計画道路宮平学校線街路事業の一環として、道路を拡幅する上で支障となる車検修理工場(鉄筋コンクリート、軽量鉄骨及び鉄骨造り平屋建て)等の所有者に対し、その移転に要する建物移転料、工作物移転料等の費用(以下「移転補償費」という。)として、73,697,000円を補償したものである。

同町は、公共事業の施行に伴う損失補償を、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」(昭和37年閣議決定)等に準じて制定された「公共用地の取得に伴う損失補償基準」(昭和37年用地対策連絡会決定。以下「補償基準」という。)等に基づき行うこととしており、補償基準等によれば、建物等の移転料の対象となるのは、原則として、取得し、又は使用する土地にある建物等とされている。

同町は、本件移転補償の実施に当たり、本件道路の拡幅に支障となる車検修理工場とともに営業活動を行っているとして、道路を挟んで反対側に立地する板金工場等についても移転料の対象として移転補償費を算定し、補償していた。

しかし、道路を挟んで反対側に立地する板金工場等は、取得する土地にある建物等ではないことから、本件道路の拡幅の支障とはならず移転料の対象とはならないと認められた。そして、板金工場等が車検修理工場と近接しなくなることに伴い増加する車両運搬作業等に要する費用は、その他の通常生ずる損失として補償すべきであった。

したがって、板金工場等を移転料の対象としないこととし、上記の費用をその他の通常生ずる損失として補償するなどして適正な補償費を算定すると58,427,000円となり、本件移転補償費73,697,000円はこれに比べて15,270,000円過大となっており、これに係る交付金相当額12,216,000円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同町において、移転補償費の算定に当たり、補償基準等における建物等の移転料等の対象についての理解が十分でなかったことなどによると認められる。